BST34の難しさ
BST34というキャブレターは、SR400/500専用かと思いまし
たが、どうもそうではないようで、セローにも使用されているようです。やまはとしては、古くからソレックス・ミクニとしてのSUキャブをXS-1をはじめ
として多くの重量車に使用していました。今でこそCV(コンスタント・ヴェロティシー)キャブと簡単に呼ばれてますが、仕組みは同じでも実際はSUキャブ
です。
はっきり申し上げまして、このキャブレターでSRの安定性は相当に増したように思います。私もこのキャブはいいな、と感じていましたが、最近になって、
ちょいと難しい面ももっているぞ、と感じたところです。
原因はキャブレター自体が持つもので、ピストンがフラットタイプであることです。したがって、形状そのものもTMRのようなスタイルを持っています。私
も過去にSick'n SRを何とかするで、ニードルを削ったり、スプリングを弱めたり、負圧の取り出し穴を開けたり...
、と色んなことをホワイトブロスのスパトラ排気システムに合わせて行っていましたが、いずれも結果が良好で終わったことはありませんでした。
2008年の夏、燃料タンクの経年に対して少しフィルターをと感じて、トライアンフに使用していた3HTのフィルターを装着しました。少し前の号に
フィット
すると記載しています。が、実はそうではなかったのです。もし、私の記事どおりを実行された方には申し訳ないのですが、お許しを。
たしかに、装着直後はなかなか好結果を出していました。が、当初から気になっていた、タンク内の燃料が少なくなると、どうも燃料供給がおぼつかなくなる
ように感じ始めました。
一番の問題であろうと思われる落差の件はあまり問題がないように感じます。しかし、想像以上にBST34は燃料を必要とするようです。3HTのフィル
ターは磁石ですから、余計にそのことが感じられるのでしょうか、燃料が乏しくなると調子が出ないということから、フィルター自体が思わしくない、とも感じ
られます。
というところで、再び元に戻すことにしました。
手元に届いたホース、何と2台分以上の長さがあるんです。よろしいですね。ヤマハとしては久々の良心的。今回は、当初の長さより少し長くして装着しま
した。
結果は良好です。エンジンに対してキャブレター自体が持つ必要燃料量というものも結構重要になるものだ、と考えた次第です。大半のオートバイが持つ自然
落下式の燃料供給の宿命かもしれません。