BST34のキャブをバカにしてはいけない
私は基本的にXS-1からミクニ・ソレックスの負圧キャブが好きです。
XS650系統に乗ったことのある方なら、あえてこのキャブを交換することは考えないと思われるほどです。逆に言うと、あのときミクニのVMキャブを装着
していたらどうなっていたか、と思ったしまいます。
現在はEFIになっていますが、最近までインライン4気筒が負圧キャブを装着しているのを見れば解るように、エンジン側がオーバーパフォーマンス、そ
う、敢えてオーバーパフォーマンスとしたエンジンにVMキャブを装着していたら... 。
もしもですよ、もしもSR400/500が当初からミクニソレックスのSUキャブを装着していれば、今以上に... 。
BMWもR75/5にビングの負圧キャブを装着しているのを見ると、私の考えが合致しているのかもしれません。
現在はSR400がEFIになっており、当初のVMタイプのキャブレターからBST34に変更されたあと、最近までSR400はBSR33の負圧キャブ
が使用されていました。この負圧キャブBST34が私は好きなのです。
つい最近までのSR400に装着されていたBSR33は排ガス対策と、キャブの口径を小さくして混合気を早く送り込むために取られた措置だろうと思って
いますが、通常のキャブレター仕様としては34mmというのは気筒数は関係なくヤマハが得ている黄金律かもしれません。
この一件は、GX750のU型でSU34から32に上げエアクリーナーボックスのチャンバー化をはかり、その上に燃焼室の変更を行った結果、6馬力の向
上を見ました。が、大きな振動と高出力化による駆動系のラフ化で、結局は短命に終わりました。私もT型を買い戻したほどですから、状況は確認済みです。
こういったことから、SR角型が各部を大変革することなくBSR34に変更されたのは安定化を求めたヤマハの集大成であろうか、と考えます。
とはいえ、どなたも異句同音にケーヒンのFCRに換装するとパフォーマンスがぐっと上がる、と申されます。しかし、いつも悩むのは34mmというサイズ
がないのですね。私ならエンジンを触っていないのなら35mmということになるのでしょうか。CRなら33mmかもしれません。
が、キャブレターというものは経験から言うとセッティングがかなり難しく、私のように「年間を通じて一定のパフォーマンスを出すもの」という考え方から
すると季節ごとにどうのこうのでキャブレターをいじる気にはならないのです。したがって、排気系のパーツがある程度ストック状態のSRなら、キャブレター
はそのままで使用すべきではないかな、と考えるところです。
というところで、BST34にしても、ある程度期待を持つところですが、これがなかなか厳しい。特にマフラーなどを変更して排気効率の高いものにする。
キャブレター側もそれに対応して、パイロット、メインのジェットの番手を上げる。パイロットスクリューの戻し回転を増やすなどするとOKのはずなんです
が、プラグはくすぶる。じゃ、濃いのか、というと、マフラーからパンパン音が出る。特にアクセルオフにするとパパッパンという音が出る、という不思議な現
象になってきます。
この大部分の現象の多くはSR400ではあまり起きません。SR500は頻繁に出てきます。で、諦めてマフラーをノーマルに戻すとアーラ不思議。信じら
れないほどよく走る、という結果になるのです。
しかし、高回転域などのフィーリングから、ノーマルマフラーは... 、となってしまうのですね。
まぁ、なんだかんだ言ったところで、BST34のキャブはなかなか優れものなんですよ。特に500ccにおいてはですね。
とくとこのキャブをご覧ください。いかがですか?同じミクニのTMRの形式によく似てませんか?。そうなんです。いわゆるミクニ・ソレックスの円柱形の
ピストンと違いフラットタイプのピストンになっているのです。この形状からしても私は、負圧キャブでありながら、結構高速タイプにモディファイドしてある
のではないかな、と感じています。
そんなことあるものか?、確かにね。でも、同様のキャブのインライン4用のキャブはどうなるのでしょうか。あながち「走らない」とはいえないと思うので
す。
関連付けて、シリンダーヘッドの形状とインマニの角度からすると、SR400/500のシリンダーヘッドはインレット側を少し高い位置にして、アウト
レットを下側へ持ってきています。したがって、以前デイトナがリリースしていたBSA
SRのエンジンを直立化したモデルはキャブレターがぶら下がっているように感じられるはずです。
確かにあまり関係ないことかもしれませんが、油面については若干変化があるはずです。その影響を出さないようにして、なおかつどのような走りにもフィッ
トさせるのが、このキャブレターの形状であろうと思います。
私、これまでこのBST34はノズルなどの違いがSR400用、500用の違いであろうと思っていました。したがってSR400から取り外した物であっ
ても、ノズルなどを変更すればOKであろうと思った居たのです。ま、これは間違いの無いところでしょう。
しかし、思わぬところに気づきました。パーツリストを
見ると部品点数が一つだけ多いのです。私も気づきませんでしたが、このスクリ...
がどういった影響を及ぼしているのか、あるいはボディーそのものが400と500では違うのではないか、などと最近になって考えているところです。