ひょんなことから...(その1)
ス パトラへの応用再び

 ひょんなことから入手したSR400/500用スーパーサウンドのス リップオンモデルを触りながら、結構いい結果を残しましたが、ホンの少し割り切れないところがあって3GWのノーマルマフラーへ戻したところです。
 でも、何かやっていないことがあるのではないか?、と思いついたのは2007年のゴールデンウィーク後半でした。ことに5月5日は午後から雨になったた め、www/Gridのアップロードの纏めを終えて、階下の部屋へ入ったときでした。入り口に工具を散らかしています。闇雲に散らかしているのではないん です。使いやすいように纏めて無造作に置いている、といったところです。何しろKTCのスパナ・メガネ・ボックスがインチとメートル2組ずつですから結構 な量になってしまうんですよね。いずれも母に援助してもらって購入したもので、たとえ減っても捨てることが出来ないものなんです。
 そこに、古いセンターボルト方式のスパトラ(以下センタースパトラ)に使用した際のスーパーサウンドの遮蔽板に穴を開けたものが目に入りました。

そこで今回は...
 センタースパトラにスーパーサウンドのディスクを装備した時はなかなか良かったことを思い出しました。が、やはり少し難があって、これまた元に戻したわ けです。
 その時のディスク構成はフルエキタイプのスーパーサウンドのディスク構成でした。それでもあれだけの好ましい結果を残したんです。今のスパトラよりは遙 かに好ましい結果でした。もちろんヌケの良さなどは古い切欠のある一回り大きい旧タイプのディスク4枚での方がいいのですが、サウンドとかバランスはスー パーサウンドのディスクの方が良かったんです。
 4月、PLOTへ電話をしてスリップオンタイプのディスク構成を聞きました。また、カタログの中にクワイエットコアに似たものも発見しました。スーパー サウンドのシステムもユーザーから結構レポートがあるんだな、と感じました。
 国内でのスーパートラップが市販車両各モデル用のディスクがアキシャルフロータイプになり、ユーザーがディスク構成を触れないようになってしまっていま すから、車検 対応のディスク排気システムとしてはスーパーサウンドの方が応用範囲が広いという結果から、メーカーとしても、スーパーサウンドを構成しているリペアパー ツの種類を増やさなければならなかったので しょう。
 幸いにして、この前ゲッとしたスリップオンのスーパーサウンドは規定のディスクが装着してあります。そのため、こちらで実験用として、先に購入していた スーパーサウンドのディスクがそっくり残っているんです。
 センタースパトラでも今のスパトラでもやらなかったことは何か。それは、スリップオンタイプのスーパーサウンドのディスク構成を、スパトラのスリップオ ンに組み込んでの実験です。
 前回では「やった」、と報告しているではないか!、と仰るでしょう。確かにやりました。が、それはあくまでスーパートラップとして、スーパーサウンドの ディスクが使えるかどうか?の実験結果でしたし、ディスク構成と遮蔽板とエンドキャップをスパトラ用として行った結果、少し割り切れないところがあって ノーマルマフラーへ戻したところです。
 そこで、こういった点を踏まえ、「もしかして?!」という思いから、今回は次のような実験をやったわけです。

私的考えを入れる
(1)これまで一番結果が出たホワイトブロスのスパトラをしげしげ眺 めてみますと、メガホン部分が完全なショートタイプ。その上にスパトラ本来のメガホン全般 にセラミックウールが入っているものでした。
 この考え方を今流にフィットさせているのはAAAのステンレスフルエキのスパトラのシステムです。
 が、スリップオンとなると、トルク特性、サウンドなどから、ロングタイプと称するものでなければならないのは、これまでの私の実験からでも確認が出来ま す。
 そうすると、ダイレクトにノーマルエキパイにフィットさせる ロングタイプスリップオンよりは短いものになるのですが、メガホンタイプのスーパートラップからすると、このサイズがノーマルサイズのスリップオンタイプ ではないか、と考えます。
 過去、スパトラのメガホンマフラーではノーマルエキパイの長さでは性能が絶対に落ちることは確認しています。おかしいようですが3インチ時代からスパト ラを使っている私の経験から言えることで、「SRではエキパイの長さはリアブレーキのピ ボット部分より後ろでマフラーに接続され、なおかつ、数センチはマフ ラー内へ入り込まなければならない」という、この持論は今でも生きています。
 加えて、前回の実験ではインナーコアの状況も、もう少し奥へ入り込むものでなければならない、ということが解りました。

(2)スーパーサウンドのインナーコアは、そのセンターが異径 のパンチングメタルになっていることから、かなり流速が弱められ、同時に音も押さえられることが想像できます。そこを通った排気は、最初にトライアングル ディスクでほぼ放射状に排出さ れているようです。
 が、スパトラではインナーコアが円形でストレートですから、そうならない。今回も2本のUSフルパワーと言われるユーズドのスパトラをゲッとしたのです が、これらのインナーコアをはずしてみますと、セラミックウールの損傷は特にマフラー下部に集中しているのが判りました。不思議なことですが、長いイン ナーコアでなければこの現象は続くのではないでしょうか。
 一つだけ言えるのはオレブルがリリースしているスパトラ用のエンドです。マフラー内に入る消音器部分がマフラーの下側へ向くようになっています。この点 からしても、私の仮説は間違いがない、と考えるところです。

(3)これらの点を考慮して、今回の実験はスーパーサウンドの遮蔽板 にセンタースパトラで使用した8mm径の穴をステンレスの六角ボルトで埋め、排ガスの均等放出を 考えて袋ナットで覆いつつ、ディスク取り付けボルトの穴が六角の角が向くように取り付けることを思いつきました。
 ボルトのナット側はマフラーの排気口へ向くようにします。
 ディスク構成は、SR400/500用のスーパーサウンドの基本構成としました。そして、ライディングスポット製のクワイエットコアを装着しました。
 ただし、エンドキャップをバランス上スパトラのものを使用する関係から、その前のエンドプ レートのみスパトラのステンドームにしています。



 

 組み上げた姿からは想像以上にディスク枚数が多い上に、表面が平らになるのは排気角度 が違うため、スーパーサウンドの特徴として諦めることにします。

 この時点で、妙なことですが、私の心の中に上手く行くという考えが支配し始めました。この手の行為をやると、今まではアクセルオフにするとパパンという 音がするのが常でした。今回はこれが解消されるのではないか?。即座に頭に浮かんだのですから... 。
 けれども、今回はこれまでとはドコかしら違う。本当ですよ。クラッチが滑らなければ... 。今回の改造スパトラを装着しての走行テストに期待が膨らんできたところです。


イ ンプレッション
 さ、エンジンを回すこととします。蛇足ですが、テールランプ球をLED化して相当の効果を感じます。ヘッドランプは一つのダンパー的役割をしているのは ご存知だと思いますが、そのヘッドランプの明るさの変動が少なくなったのは特筆ものです。テールランプ、ことにストップランプの消費電力の多さは想像以上 だと思いました。
 いつもどおりの始動です。チョークを引きますが、残念なるかな、この手の改造を施すと二段チョークが使えなくなるようです。チョークはONかOFFのみ になります。

 エンジンを回して、若干高めのアイドリングでの排気音は気抜けしてしまいますが、音質自体は好ましいものだと感じました。
 すでに、点火プラグコードはツインコアに変更しています。点火コイルもノーマルに戻していますから、点火自体はノーマルと大きく異なるものではない、と 感じるところです。

 ウォーミングアップの後、国道56号線を下ります。家の近くの信号待ちからスタートして、次の信号に至るまでに4速までアップします。5速に入れると、 SR500では多少しゃくる性格になりますから、4速のまま次の信号を向かえ、シフトダウン。
 そのときに、バスッと音が出ません。その前段でボボッという音も出ないので、非常に気分がいい感じになります。

 光満街道へ入る頃になると油温も上がって、通常ですとマフラー部分が熱を持つようになるのですが、これまでのスパトラやスーパーサウンドとも違って、熱 を持つ=換装=パサパサというものでもなく、破綻がない音のままで終始します。
 もちろん、これが良いとは断定できませんし、私自身の感じるままの表現ですけれど、ま、そこそこの音と性能は兼ね備えているのではないか、と感じまし た。
 また、マフラー自体が軽いものになっていますので、、ヒラリヒラリという軽快感はないものの、SR500のバランス全体が好ましいものに変わるっている ように感じるところでもあります。

 三間街道へ入ると、若干のスラッチの滑りが生じてき始めます。この件はいずれ報告しますが、平坦路での一定速度域での排気音もなかなかいいものに感じま す。
 もちろん、古いシングルエンジンのようにタッタッタッタッと走るものではない、いつものショートストロークのSRのエンジンですので、激変するサウンド ではありません。
 スパトラでもスーパーサウンドとも違う落ち着いた音質といえるものだろうと思います。周囲に対しても好ましい排気音ではないか、と思います。
 意外に気付かないライダーが多いと思いますが、ケタタマシイなどの排気音はライダー自身にとっても、知らない間に疲れを伴わせるものなのです。

 だらだらした登りを過ぎると、多少タイトなコーナーを含めて須賀川ダムへ向けて一気に下ります。エンジンブレーキがかかったときの、この排気システムの 良否が問われるところでもあります。カンリンの重量フライホイールを装着していますが、バックプレッシャーの減少にもかかわらず、この走りよさはなかなか のものがあります。
 須賀川ダムサイドの下りでそれが発揮されます。「小ぶりちゃん」でもカンリンの重量フライホイールですから、アクセルを開けていないと速度低下を招くこ とになっていたのですが、適度な排圧のため、これが押さえられているように感じます。
 同時に、これまではバスッバス、あるいはボボッと不整脈のような音を発していたのですが、この音がほとんど出なくなっています。これにはびっくりしま す。
 柿原の交差点で止まったときも、アイドリングは900回転付近を刻んでいます。

 帰宅して、マフラー全体を見回すと黄変の範囲が大きくなったように感じましたが、スーパーサウンドとテイラーの組み合わせによる点火の最終段のように、 太い・大きい、火の出る時間が短いとは違って、適正な火が長い間出ているようなエンジンの回り方も理解できるようになりました。
 幸いにも今回の組み合わせでは、スーパーサウンドのようにマフら-エンドにフードのようなカットが施されていません。そのため、スーパーサウンドと違っ て、黄変から黒ずんでくる可能性も考えられますし、ステンレスの材質が違うので、現状のままで推移するのかもしれません。

 ひとまず、最初のテストを終わります。次回は点火プラグを交換したりしてテストを行いますが、その前に、どうしてもダイシンの乾式クラッチの修整が必要 のように感じたところです。








  
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