消えゆくものを止める(その1)
2013年も終わりに近づいた11月の中旬、BORE-ACE(スパトラ部分リンク)さんのホームページに意外なものが出ていました。あー、これだ
な。これがフルパワーってー
やつか、私が感心したのは末尾の一言です。そこにあったのは「治具」です。おそらく、かなり薄い材質でディフューザーディスクの取付穴を上からカバーし
て、各ディスク間の隙間を開けるのだろうし、そこに入り込むワッシャー上のスペーサー及び、ボルト穴の拡大?、それらの治具と作業ですから結構大変なんだ
と思います。
いえ、これをアマチュアの私が真似ることではないのです。これと同じような方法と、もう一つは全く逆のことが頭に浮かんだのです。
その一つは、古いディスクの間に新しいディスクを挟んで8枚でやってみる、という考えです。はなはだ残念ですが、これは私のスーパートラップ
(改)には装着不能でした。もちろん、通常のスーパートラップにはOKですけど。が、古いディスクなど入手できないだろうと思います。実は以前に計画寸前
まで行ってましたよね。
もう一つの方法、この逆の方法は例のスーパーサウンドのディスクを装着することです。なるほどね、これだと上手く行く、と考えたのですね。
ここで話を戻します。私のスパトラはスリップオンタイプの一般的な仕様です。シムズクラフトさんに加工をお願いして、エクステンションパイプを
2.5cmほど、本体のメガホンを15cm程度延長しております。
これで、インナーコア(これも改造済)のディスク取付穴を5mm(φ)にタップで切り替えしています。これは少々行き過ぎですが、後ほどとして、5×
0.8ピッチの40mmのボルトが精一杯なのです。そのため12枚のディスクがこの長さのボルトの最大枚数になります。
で、スーパーサウンドのトライアングルディスクの枚数を増やしてやる方がいいのではないか。同時に、マフラーエンドから出てくる最初のディスクを遮蔽板
改良の○穴ディスクを装着するのがいいのではないか、と浮かんだのです。
過去2〜3回ほどプロトへ電話で問い合わせをして、ストック状態のスーパーサウンドのディスク尾組み合わせを確認しました。私のホームページに
も出していますし、今回の実験(オーバーか)から、このストックの枚数は、どうやらSR400に適合した枚数であるように思ったのです。
考えが入り乱れますが、過去、スーパートラップとスーパーサウンドで経験したように、スーパーサウンド(本体と)のディスクではマフラーメガホン部に如
何に関わらず、徐々に走らなくなる。一方スーパートラップのボディーではアフターバーンが頻繁に起きる。で、いいとこまるで無しでありました。
昨年(2012年)辺りから、SR500のエンジンは焼き玉エンジンではないか、とフト考えたのです。国内仕様のSR500にかぎってのことですが、ど
うしてもサン
パー的なフィーリングを目指した結果からでしょう。そのため、低い圧縮比で若干のぎくしゃく感からるフィーリングをトルクフルに感じさせるようなエンジン
フィーリングを与えたのだろうと
思います。
まぁ、その辺を勘案してさんざんやった結果、ノーマルマフラーへ戻して走らせ方が悪いのでしょうか、この仕様で数か月が経過したところでした。車体全体
が微妙に重いのです。これを軽く走らせるには現在では非常
な努力を要するようです。それほどSRの純正マフラーは重いように感じられるのです。私のSR500で車体全体のバランスが取れているとは思えません。お
まけに反応が鈍いBST-34キャブレターとき
ていますから、車体後部だけでも異常に重いのです。で、走行は何かしら転がり抵抗の少ないリヤカーを引いているようにも感じます。
が、感覚とは逆になりますが、少し乗るにはバランスはかなりよく、吸排気系をパイロットジェットの戻し回転数のみでイケル、非凡なものを持っているのも
事実です。残念ながら、書籍でもウェブ上でも、このことに振れて
いるレポートはかなり少ない。MWIさんのページにおいても、ストックのマフラーを突っ込んで説明している項も少ないのではないか、と思います。純正マフ
ラーはそれほどのものであろうと思います。
決して悪いものではないのですが...
2013年10月、近年にない暑い日々があり、夏はずっと続いているような時でした。SRのアクセレーションが息づくのです。1速に入れてスタートする
ときウッと止まりそうになる。永井モータースのK君に問うと「濃いからだ」といいます。調整はプリセットの2回と1/2回転戻しだが...
。それはあくまで標準。すでにキャブも古いし、エンジンも馴染みが出ているので、そのとおりにはならない、といいます。ナールホド。で、1回と5/8から
3/4戻しへ変更します。
あー随分とよくなりました。なるほど、薄いから濃くしていたわけで、実際は濃すぎるのか。エンジンの要求は混合気自体の濃度を薄くしてほしいのだな、と
感じたのです。吸入効率はK&Nのリプレースフィルターですが、これは空気の入りがよくなっているだけのこと。が、SRの吸入ダクトはエアクリー
ナーボックスの上からだけですから、そんなに変わるわけではありません。
が、インマニへの空気導入は純正の湿式モルトプレーンよりは到達時間が速いはずですから、キャブレターへの空気の充填は速くなるはず。が、ダクトの位置
から流入量は若干増えるに止められるので、エンジンの吸気側は燃料を多くするよりも少なくする方向を採るのが得策でしょう。
浅学な私は、ここに気付かなかったですね。そういえばSUDCO MIKUNIでも同様のことが起こっていたのを想い出します。
それなら、
効率のあまりよくないスパトラ改に
これまた効率の悪いスーパーサウンドのディスクを装着したら
どうなるか?
おそらく、上手く行くのではないか。かすかな期待を込めて実験を開始することにしたわけです。
おー、磨きこそやってませんが、改造スパトラはディスク無しで鎮座していました。ま、改造ったってシムズクラフトさんでやっていただいただけで、結構モ
ノホンらしくやっていただきました。円筒部はメガホンの最終部分とほぼ同一で延長していただいています。ハーレー用と違って溶接部がほとんど見えない、と
いう精度の工作ですから、私自身大切に扱わざるを得ません。エクステンションパイプも同様です。
リアステップ部分は古いものを使用しています。そのままにしております。
ディスク取り付けはナット部分を5mmのメートルネジに切り替えています。どうやら、今回はこの部分がネックになりました。後ほど。
これまで、PLOTへ問い合わせをし、スーパーサウンドの取説と合わせて、遮蔽板前はトライアングルディスク5枚であることが判ります。私、これがネッ
クであって100ccの
排気量違いは、確固たる枚数決定はPLOTでもあまりやっていないのではないか。特にスリップオンは。エキパイ径が違うし、ピストン形状も違います。圧縮
比を始め、性能曲線などから、枚数決定をやったとしても、それが全てではない、と私は理解します。
もう一つ、スーパーサウンドの遮蔽板以後の円形ディスクの必要性ですが、これが曲者です。これを外すと、排気ガス放出角度が小さいスーパーサウンドで
は、一部を円形ディスクへ導く必要性があるのではないか、と考えるのです。BORE-ACE、モーターステージのSSTも同様の方策が採られています。
もう一つは、スーパーサウンドのエンドキャップに付着するカーボンは何でしょうね。おそらく、私の考えが的中するのではないか、と考えるのです。もちろ
ん、「おそらく」、と私が考えるだけですけどね。
というところで、2013年11月16日、遮蔽板改造の○穴ディスク+トライアングルディスク6枚+遮蔽板+円形ディスク5枚で、やってみます。
スタート時、恐ろしいことになります。アクセルのツキが並大抵ではありません。恐れていたアクセルオフのババッという音も出ません。前を走る四輪車が
かったるく感じます。申生田の坂の下りもババッがでません。これは...
もう務田の坂を過ぎると有頂天です。ホントにこんなに走っていたのだろうか、と思ってしまいます。嫌な気分は一切無し。これは凄い。
水分の下りも全てOK。が、何か違っているのかもしれません。これほど調子がいいと、もう少し上を目指す=ディスクを増やす。常人の考えでしょう。
その日のうちに、変形していないディスクで組み合わせをやって、チョットしたとき、インナーコアのナット部分を1か所ダメにしてしまいました。
残念ながらメトリックネジのピッチ数とナット部分改造はやはりダメです。どうしたものか、再びインナーコアを先にゲットすることとして、明日ディスクを
1枚増やしてやってみることとして、祝杯を挙げて本日はお終い、としました。