SR500 の隠れた欠点(その1)
… スーパーサウンドSplから …

 何かの兆しが訪れたのは2008年の9月末であった。たまたまヤフオク でピックアップしたエキパイとスーパーサウンドのMタイプが組み合わさったものを発見。異例に安い。最近はスリップオンでも万単位の金額だからそこまで行 くと新品購入の方が望ましい気がしていたのも事実だ。
 スーパーサウンドで、こういったタイプのエキパイは存在しない。スパトラ用かな?とも思えたが、実際手にしてみるとエキパイとマフラーの接合部分が浅 く、マフラー部分が汎用 のスパトラ、スーパーサウンドの長さとほぼ同一なところからしてもエキパイがどういったものかは明確ではない。
 この時点で、トルクバルブは装着できる。スパトラ(改)の性能も確認できる、と考えた。

 僕の気持ちは何かしら複雑なものが支配していた。要因の一つはBORE - ACEのオイルライン他2点のパーツから得られた結果が、ロックハートのオイル クーラーを取り外すに至った、という不思議なことを経験したから、通常では音が大きいだけで性能は落ちるものが大半で、調子の出ないこれらのマフラーを装 着 すべきかどうか。いや、その逆に、これなら行けるか もしれない、もしかしたら... ということも含めて、答えはやってみてからだ。嫌なら元に戻せばいい、と決めて取り掛かることとした。

 10月3日(金)咳が止まらない。調子は悪くはないのだが10月1日以来急変した職場環境などのモロモロから開放されたかったし、最近は常に休日が雨。 今回もそうな りそうなため、前日の土曜日に全てをやることはエンジンを冷ますことからしても無理、と判断して2時間の時間休を取った。次々にパーツをはずしてスーパー サウンドSplを取り付ける。円形ディスクの枚数が1枚多いスリップオンタイプだが、エキパイ径が太いから、関係ないだろうと判断して、元のスリップオン からのものをそのまま移植することとした。
 エキパイは何処の物かその時は判断できなかったが、トルクバルブが装着できるからスーパートラップのものかもしれない。




 アッと驚いたのはインナーコアのエンドを見たときだ。もしかしたら、今まで使っていたスリップオンが初期タイプのもので、今回のが現行のスーパーサウン ドではないだろうか。写真左が前の製品で、右が今の製品だ。見づらいが、以前の製品はインナーコアと取付プレートとが一体になっていない。
 想像だが、これまでの下り坂での「バスッ、バスッ」という音が今回は出ないかもしれない、と感じられた。何もかもが上手くイケルかもしれない、という不 思議 な感覚が支配し始めた。わずか30分で取付終了。



 エンジンを回すと、二段チョークが純正システムと同じく作動する。これは一体何だ?。すると、スーパーサウンドのエキパイだけでも購入できるのではない だろうか?。後で早速PLOTへメールを出すこととした。
 さて、やおら走り出す。出だしの交差点で「バスッ」を覚悟に3000回転ぐらいでシフトするがその音はそれ以後「出ない」。何だこれは?。
 時間が時間だ。今回はショートコースにする。烏越の峠を下るときも「バスッ」は出なかった。まさしく不思議な状況。
 が、予想はある程度できる状況になったのは家藤から伊吹町までの道でであった。排気音から、排気系統のしっとり感が消える。特に純正マフラーに慣れた僕 としては、これらリプレースマフラーにおいては、マフラー自体が 乾いた状況のままで走行を続けると全体が焼け気味のままで終わるという、そういった感じになってしまう。これが今回も起きたのである。それ以外は文句のつ けようがない。狐につままれた気分で 帰ってきた。



 その日の丸穂温泉。今日の結果は何だったんだ?。スリップオンタイプではSR500ではいい結果が得られたためしがない。2J2のSR500にブルック ラ ンズから取り寄せた3インチのスパトラもそうであった。これまでの4インチスパトラ、スーパーサウンドも同様であった。
 では、ホワイトブロスのスパトラのときはどうであったのか?。これは聞くも涙の物語(爆)で、キャブのニードルまで削ったし、負圧の取り出し穴を開けた し、スプリングを弱くしたりもしたが、排気効率に吸気が追いつくことはなかった。
 今回は見事にそういったものが覆された。何が原因か?。湯船の中で考えたが結果は出なかった。

 SR400の398cc。SR500の499ccのわずか100cc違いだが、シリンダーヘッドの変遷からはじまって、何から何まで全く別物としての車 となってしまってい る。が、エンジン自体を取り巻くものの根本の違いは何だろう。
 吸気の大半は同じに対して、出口は...、そう、エキパイが違うんだ。エキパイが違って、マフラーは同じ。これだ。仮にSR400のエキパイを我が SR500に装着したらどうなるのだろうか。
 大半のアフターマーケットのマフラーを取り付けてもSR400では見事に受け入れるが、SR500ではそう はならない。キャブレターを交換すれば変わるかもしれないが、ストックのキャブでは難しいだろうと思う。多くの場合は濃い薄いではなく、どんなにあがいて も 整備上の点火プラグの焼け具合など全く関係ない。バランスが完全に狂う。が、エンジンはそれなりに回る。最終はマフラーが焼け気味になり、エンジン自体の しっとり感が無くなる。
 これが、これまで僕がやった結果だ。もし、SR400と肩を並べるほどSR500が売れていたら... 。
 これは後ほどとして、それほどストック(ノーマ ル)のSR500にアフターマーケットのマフラーを取り付けて好結果が出ることはマレである。

 したがって、これまでSR400と500ではエキパイが異なると言われているし、極論すると400メインだからSR500に400のエキパイを着けるな どのレポートは少ない。
 しかし、今回の結果と過去の状況からすると、意外にもSR500にSR400のエキパイを装着すると面白い結果が出るのではないか。これはやってみる価 値が十分にある、と気付いたのである。

 「ダメだろうな」どおりの失敗はしないまでも、「もしかして」の期待の方が大きく膨らんでいたのである。SRをいじくって何年目に感じる気分だろうか。
 PLOTへメールを入れて、この日はお休みとした。






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