SST ディスク10枚

 2009年の夏はまったくもって不思議な状態でした。そのひとつ、梅雨 明けが全く不明なのです。この頃、と高松の四国管区気象台は出しましたが、その後の雨は何だったのか。高校野球で高知高校がノーゲームの試合を2回もやっ たことでもお解りのことと思います。同様、当地宇和島も盆地とも何ともつかない四方を1000m級の山、一方を海、という地形のためか、天気予報が当たら ない羽目に陥ったのが多かったのも事実です。おまけにムシムシした暑い日々に閉口してしまっていたのも事実です。
 加えて、衆議院選挙と市長・市義会選挙が重なったことも、私の心を大いに乱し、仕事にも趣味にも気が入らない2か月ぐらいが過ぎてしまったところです。
 そのため、数日間継続してオートバイを触るなど一切できなかった。触る以上に走らせるのも嫌というところになっていました。8月の初めに数十キロ SR500を走らせたのですが、カバーをかける前に雨が降る、といった状態。乾くのならいいのですが、夜まで降り続くとなると、降り始めに車体を拭きつつ カバーをかける。何とも気をもむ休日になってしまうわけです。
 公示前の選挙関係業務もようやく一段落し、久しぶりにSSTのことを考えるに及んだのです。

 その前段は、8月1日のクリーン宇和島(公共清掃)で高光まで早朝にSR500を走らせました。このときはディスクが8枚のままでした。午前7時という 時間帯でしたが、雀や白黒の野良猫もエンジン始動しても驚く様子もなく、比較的丸い音質であることが確認でしました。
 走らせても快調です。帰りはおー暑の1日が始まるのが分かるような、そんな中帰ってきました。フィーリングとしてはもう少し、というところであろうか、 でした。
 この日以後、土日の大半は通勤使用的に選挙関係の事務に使ったところです。8月の20日、ボアエースのマスターへチェーンテンショナーの件で電話。マス ター少し構えていらっしゃるようで「ヤバイ客からの電話」の気分が。ローラーの入荷が遅れてリリースが遅れているとのこと。一応ブラック仕様を発注してお きました。
 で、その時にSSTのことを少し出したのですが、明確な回答は得られませんでした。しかし、8枚という線はスパトラの基本ディスク枚数に合致しているこ とには違いない。当初「4枚以下では使用しないように」から4枚がSSTのディスクの最低枚数であることは明白です。
 選挙事務が一段落しようとした8月21日の午後、吉田・三間の支所へ配布情報を持っていくために午後から休暇を取ってSR500を走らせました。
 とにかく情報は今日のうちに配布する必要がありますから大慌てです。その上、久しぶりに翌日の土曜日と次の日曜日は休みになるため、世界陸上を見ること と併せて夜更かしついでをやる計画があったので、ともかく午後5時30分までに届けなければなりません。

 SR500はいつもどおり快調です。これぐらいという気分で、その時はノーマルマフラーへ戻すかな、と考えていました。三間へ出て仏木寺からの道で、も う少しぎくしゃくしたものがなくなるといいのだけど...。そのためのテンショナーか、などと考えての走行でした。
 もう一点、アイドリングが500回転程度に下がりずぎるのです。待つなのにどうしてだろうか?オイルはBPの鉱物油です。粘度は10W40ですので、ヤ マハ純正のエフェロと同じですが、SRのエンジンそのものが古い形式のため、鉱物油の方が好ましいのかもしれません。
 アイドリングが低いため、アクセルオンのとき、一段落ある傾向が強かったので、再び調整をして800回転ほどにリセットしておきました。
 用務が終わり時間があるので、テストコースを走らせます。いつもながらですが、あと一歩、という、その一歩が分からない何とも言えない気分になってくる のです。SR400では起こらないことだものね〜、と自問自答などをしていました。
 いつもどおりに帰ってきたあと、まずは家の風呂で洗いだせない深層の垢を丸穂温泉で落とします。その時でした。誰もいない湯船につかりながら、おかしい 発想が浮かんだのです。
 それはスパトラのディスクのことです。4枚単位と3枚単位での共通は12枚かな〜、ということでした。別段最大公約数と最小公倍数とかの話ではなくです ね、何かが落ち着いたとき、そこから派生する考えが浮かんだ時の枚数が12枚ではなかったか。それならSSTのディスクは何枚単位で増やせばいいのか?と いう単純なことが浮かんだんです。
 当初6枚からスタートさせました。比較的効率の悪いマフラーになってしまいます。それでは最小の4枚ではどうか?。ますます悪くなる。おそらく明確には 気付かないでしょうけど、高周波の音が混ざるようになって、音量が低いはずなのにウルサイという不思議な現象を経験されるはずです。
 この時点で、8枚でやってみては...、と以前考えて今に至っているわけです。おかしなことですが、この4枚・6枚・8枚というディスクの枚数の関係 に、この時まで私も気付かなかったのです。
 もうお分かりでしょう。ディスクの増設は私の改造スパトラでは2枚単位ということなんです。
 のぼせる手前で、小椅子に座って流れる汗が収まるまでじっとしている中、じゃ、最大公約数・最小公倍数の関係から12枚か?。いやいや、6枚から8枚に 変更してあれだけ変化したのだから、12枚では走らなくなる可能性の方が大きいことが予想される。それほどSSTのディスクは高効率だ。
 となると、8枚からの上は約束通り2枚増設して10枚でやってみるのがいいのではないか。
 このことが浮かんだのです。
 この日は「眠ってはいけない」から、お酒を少し控えます。が、結局、世界陸上も期待する種目はいつ始まるのやら。いつもながら「間もなくスタートです」 のマモナクは一体どのぐらいの時間か?「間もなく」の幅が大きすぎるのは民放としても、少しばかり視聴者への配慮が足らないな、とも感じたところです。
 その中、男子のやり投げでわが愛媛出身の村上選手が2発目で最初の予選通過したシーンを見ましたので、このことがラッキーでした。また、女子の走り高跳 びでも競技者の心の中まで想像できたシーンを見たこともよかったように思います。しかし男子の400mリレーは一向にはじまらず、2時過ぎの今日になって お休みしました。

 8月22日(朝からいい天気です。夜更かししたにもかかわらず、 えらく興奮しています。が、歳とともに動作が緩慢なため、通常より2時 間遅れの朝飯となり、ディスク交換作業も開始が9時半ごろからになってしまいました。しかし、ただちに発進できるよう長袖の上着を手元に準備を整えます。
 ディスクの変更はさすがになれたもの。歯型ワッシャーの食い込み位置も確定しているため、取り付けも当初より楽です。



 取り外した8枚装着時の写真です。若干、濃い状況のようですが、状況はカーボンコレク トが優れているためだろうと思います。今になって気付くのですが、おむすび形になったディスク取付ボルトのフランジ部分と最初のディスク部分から、奥へ行 くにしたがって薄くなっています。エンドキャップも放射状にカーボンが付着していますから、ディスクの効率もナカナカのものがあることが確認できます。
 このことを考えると、スーパートラップの基本は3インチディスクではないのか、と考えるのですが... 。

 10時半ごろから出発します。成川でグリーンマーケットらしいのですが、帰りの水分までの道であっても渋滞はないだろうと思うのですが、いつもの三間街 道を離れ、三間の町中を通ることとして、発進。
 アイドリングは、少し高めの800回転付近にしておきました。
 このアイドリング回転域は、先日のスタートしてすぐにストップしかけになったときのことが思い出されたからです。アイドル調整スクリューの誤差が大きい ので、きつくなるところで止めるか、回転が 落ちる(上がる)寸前で止めるか、少しばかりコツが必要です。
 光満の道で思いもよらぬ結果を確認しました。それは1500回転付近の音が丸みを帯びていることでした。8枚ですとパチャパチャパチャという音が混ざっ ていたのですが、これが姿を消していました。
 そのためでしょうか、60km/hぐらいでの走行が楽チンになっています。こいつを5速1500回転で出すのですから。少しばかりビックリしますよね。
 が、いいことばかりではありません。一般路で少しアクセルを捻った時とか、水分への上りで一定速度へ達するまでがカッタルイのです。若干平たん路でス ピードが乗るまでの間のところ、バックプレッシャーが乏しいのでアクセル開度に応じてのスピードが乗らないのです。もちろん、ほんの少しのことですけど、 私には気になる。
 帰宅して、昼飯。少しばかり乗る気になりません。諦めではないのですが、本日の走行は10枚のテストで終えることとしました。
 もうひとつ、世界陸上での男子マラソン、これまた宣伝文句どおり午後5時半ですが、画面上では選手のセの字もありません。あ、やられたな、と思いつつ、 丸穂温泉へ行く時間としては中途半端ですので、酒道場へ。
 帰るとこれまでの疲れがドドーっと出てくる始末。NHKの昭和の歌の途中で眠ってしまい、マラソンの途中で目が覚めました。
 明日は少しばかり用務があるため、午前と午後1回ずつコースを走れます。8枚と10枚の結果を洗い出していると、SSTのディスクの効率からすると、中 庸をいくのであれば9枚というのも在りだな、と思いついたのです。
 すでに8枚には戻らないところですので、9枚でやってダメなら10枚にすることとして、本当にオヤスミにしました。

 8月23日(朝の用務は10時前で終わり。その足で再確認のため アイドリングを高めにした10枚でのテストをやります。
 三間の土居仲でモミ擦り機を乗せた軽トラの後ろになるまでは快調に走りましたから、ほぼ昨日と同条件下での10枚のテストは完了、ということで水分から 帰宅しました。午後は1時半から30分程度の用務があります。1時間程度冷ませばディスクを交換できますので、まずは腹ごしらえの準備をします。妻にして は比較的硬めの肉じゃがの残りを昼食へ。
 午後0時半から9枚へ変更しました。なぜ、マフラーエンド(ディスク取付フランジ部分)を正円にしなかったのだろうか。このことは疑問ですし、ボアエー スのマスターのウンチクから割り出された ものと割り切ります。
 手を洗って、用務の集合場所へ出発。ヤバいのとイイのとが混ざったような、そんなフィーリングが早くも支配します。用務を終えて、松山からの客を黒田旗 店へ案内。その後、この9枚でテストコースを走りました。
 過不足はないのですが、どちらかというと8枚に限りなく近い10枚の味 といった感じです。強烈なインパクトは一切ありません。強いて言うと高周波の音が再び混ざっているものの、抜けがある程度抑えられて乗りやすい。
 が、再び土居仲で朝前を塞いだ軽トラに再び前を塞がれました。ま、鬼北平野は稲刈りの真っ最中ですから、たまたま同じ車両が前を走っていた、ということ だ けのことですが、こんなことってあるんですね。
 水分の下りから欠点めいたものが出始めました。燃料が少なくなっているのですが、ボボッという音が頻繁に出始めました。10枚のときはほとんど出なかっ たのですが...。
 それに伴って振動が多くなり、左手がシビレてき始めました。以前のスパトラのディスクを使用していた時からを含め、これまで多く経験してきたことが9枚 でも出るということです。
 ウーム、やはり10枚がフィットかな、と思いつつ帰宅しました。再び眠くなって、30分程度の午睡の後、ディスクを再び10枚に戻しました。
 時間が時間だけに、夕食前に走ることもないだろう、として、本日はこれまでとしました。

 8月24日(月)、別の意味で身体は全く不調です。加えてずいぶん と秋めいてきた天候に少々ビックリしているところです。
 仕事も一昨日の野暮用ついでで終わらせていたので順調でした。予定がスムースに運ぶといいものです。特に今の公金徴収に含まれる対人関係への気配りは相 当なものがあります。早いとこ、今の職場から移動したいものです。
 ともかく、定時で帰れることはいいこと。職場の裏は麻生総理が来るってんで相当な人出のようですが、私の感覚からすれば少ない。保守王国の地ですから、 本来なら凄まじい人出になるのですが、現在の政治情勢でしょうか。
 日暮れが少し早まったような気もしましたが、昨日の今日、テスト走行をやってみることとしました。
 気温を除いてほぼ同じ条件とするため、(出発後にコスモで)燃料を3リッターほど給油します。燃料タンクの上下半分の位置にありますから、ほぼ7リッ ター程度ということになります。余談ですが、リザーブへ移動する少し手前の残量になると、下りなどでバスバスと言う音が出始めます。それを防ぐためにも燃 料はテストごとに同量としておく必要があります。

 エンジンを始動しますと、ウォーミングアップ後のアイドリングは500〜600になります。セットは9枚のときと同じですから、SSTのディスク1枚の 効率は高いものがある確認ができたように感じます。
 走行後、どうなるかは不明ですが、アイドリングはこのままとしました。

 出発、右にカーブして最初の信号でストップ。反響音が低いことにびっくりします。どうしてだろう?。後述しますが、どうやらディスクの順番を変えてス リットを一致させたことと、取り付けの締め付けトルクを少しキツメにしたことが響いているようです。
 青信号でスタート、何だ?スムースに上がるじゃないか。これには少しばかりびっくりしました。
 燃料を3リッター補給します。再始動...。エンジンがかかりません。待てよ、始動時の吸入と排気のタイミングが悪いのか。数回クランクして始動するの ですが、何ともスパッと来ません。
 どうも点火プラグとプラグコード、そしてイグニッションコイルの連携が取れていないようにも感じます。エンジンがかかってしまうと何事もないものですか ら、後日テストです。
 パトカーに道をふさがれます。いくら複数乗務といっても警らをドライバーがやってはダメですよね。私のSRがえらく静かなうえにキュルキュルカチャカ チャとうるさいので不思議がっている様子。
 和霊様に至る間に、中央車線から、一気に左車線へ車の隙間を狙って入り込むことはマナー違反じゃないか、とも感じたところです。
 日曜日は申生田までに大阪ナンバーのトヨタ車に割り込みされたし、金曜日は、これまたトヨタ車に幅寄せされたり、トヨタの車は乗りやすいのでしょうね。 そこを追求するあまり、自動車という機械の本質を見失っているのではないか、というのが私の考えですが、いかがでしょうか。
 余談が過ぎましたが、申生田の上り下りもスムースきわまりありません。下りでボッという音も出ません。
 務田の坂までは、家畜運搬トラックにさえぎられて、全く走れない状態でした。しかし、カンリンの小ぶりちゃんのイナーシャ効果が感じられるように変化し ています。何しろ4速で一定回転を保つようにすると、緩い登りなら加速していくのです。
 三間街道は、最初コンバイン運搬トラックに道をふさがれましたが、大木坑木横で前へ行かせてくれて以降、ほぼ60km/hで走り切りました。
 いつもは近永への道を通るのですが、今日は永野市へ出ます。そこから水分までのダラダラの登りですが、何とも言いようのないブォーバラバラというくぐ もった音が包みます。5速でのこの速度域は1500回転付近になるのですが、気になっていた高周波音は出ていません。一瞬、このSR500で清里へ行くこ とも...、と考えてしまいました。
 水分のタイトなカーブも何時になくギアを落とさずに通過しようと試みましたが、ブレーキが若干カックン気味になってきています。ライニングを交換すべき でしょう。インジケーターは規定値内ですが、食い付きが大きくなり。ロックの瞬間が早めに来ると要交換です。
 ダムサイドは逆イナーシャ効果も感じずにドンドンと降りてきます。うれしいほどです。SR500でありながら、心臓部には手を入れていないのに全く違う SR500。いいです。もちろん、私だけがそう思っているのでしょうけど。

 最終、丸山の登りから下りにかけて、バスッバスッときました。ほぼ2リッター近く消費したことになります。そろそろリザーブではないものの、スパトラな ど効率のいいマフラー装備のSR(500だけかも)に出ることです。
 ともかく、意気揚揚帰ってきました。あっ、忘れていましたが左手の振動によるしびれがありません。アイドリングは700〜800回転で安定しています。 SSTのディスクは10枚として、決定づけていいのではないか、そう感じつつ、スイッチを切りました。


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