SR500 ステアリングのグリスアップ

 ひょんなことシリーズが一定成果を収めた2007年10月中旬、フロン ト周りが不思議な動きを示しだしました。コーナーを曲がって起こそうとする手前で勝手にSR500の方が立ち上がるんです。
 最初はフロントタイヤのTT-900GPの編摩耗かと思いましたが、センター部分も十分に溝が残ってますから、どうも違う。では一体どこだろう?。疑問 がふくらみます。
 として、どうもポジションとして疲れが多く感じるようになったため、コージーシートからノーマルシートへ変更しました。同時に重心位置が少し高くなりま すから、オ〜ットットとなる始末。たまたま、ミラーの写りを確認しようとまたがってリア部分が下がった瞬間、「フロントが真っ直ぐ前を向いたまま」になっ てしまったんです。
 何らかの理由でこうなる可能性は、現行SR400と違って単玉のベアリング使用のため、トップのフックナットは1個で、トップブリッジをフランジナット の締め付けトルクで共締めになって居るシステムですから、コクンとなるということは、トップブリッジの取り付けをそのままの状態にして、フックナットを少 し戻せばOKになるはずです。
 で、それをやるとOKになりました。しかし、再びカクンとなる部分が発生。ことに前回同様真っ直ぐになって止まるのですから、ボール配列上からのギャッ プからすると、どうもベアリングが1〜2個動いていない、という結論に達しました。
 この部分は購入して2年目ぐらいに土佐市でトラックに追突された時に開けただけで、その時も大丈夫でしたから、ヤマハのグリースBを少し足しただけで、 今まで25000kmぐらい過不足無く作動していたことになります。正に驚くべきことです。
 しかし、万一の時は現行SR400のアンギュラーベアリングに交換する必要があります。私が思うのにはテーパーローラーなら支持状況からアウター部分が (ステアリング)ヘッドチューブ(パイプ)にもう少し深く入り込まなくてはならない、と考えていますので、アンギュラー型ベアリングの方が好ましいと考え ています。



 もう一点の問題はここへ注油するグリスの種類です。トライアンフT-140Vのように上側にダストシールを兼ねたオイルシールが入っているので、テー パーローラーながらモリブデングリスを注油しましたが、フックナット1個仕様のSRの場合はダストキャップはホントに金属のキャップだけというものですの で、グリスも単に熱に強いだけのものでは... 。
 WAKOの赤いグリスが好適かもしれませんが、こちらでは入手できないため、ベージュのウレアグリスを使用することとしました。

 同時に行ったフロントフォークオイルの交換は別項で記すとして、おまけにギターの改修もあったため、1日の作業としては大変でした。

 13日の午後2時過ぎから作業を開始しました。フロントフォークのオイルを抜いた後、ヘッドランプ、メーター類を装備したままで作業する簡易方法で分解 します。
 実は後で気がつく何とやらで、アンギュラー型ベアリングならこの方法は最適なんですが、フックナット1つのモデルでは、燃料タンクを外し、アクセルワイ ヤーはキャブ側を外し、各メーターケーブルはメーター側で外しておくべきではないか、と感じました。

 残念ながら、写真を撮るのを忘れてしまいましたが、上下のボールは確実にレースへヘバリ付いていました。不思議ですが本当です。グリスは少なくなってい るものの、粘度もあり目的は達せられている様子でした。
 ボールとカス状になってはみ出したグリスを取り除きボールはクリーニング。レースの確認をすると、光こそあるものの、段付き摩耗などもなくこのまま使用 できること を確認。グリスをたっぷり塗って一気に組み付け。
 2人いると楽ですが、一人でやる場合は段取りと工具をチョイスして片手で探せる場所へ置いておくことが大切 です。私もフックナットが完全にセンターシャフトにかかっていなく、燃料タンクとフレームの隙間から落ちて、タンクの内側サイドを通っているオイルクー ラーのオイルホースの間に落ち、 燃料タンクを一度外した始末ですから。

 ボールベアリングを落とさないようにする上に、メインハーネスと各ワイヤー類を上手く通すことを考えつつ、きっちりフロント周りを組み付けるのですから 結構苦労しました。
 フロントフォークを取り付けた後、ハンドルバーを左右に振ってみると若干の粘りがあるもののなめらかに動きます。これでOKです。
 後で気づいたんですが、センタースタンドを支点に前後ほぼ50%の重量配分ですから、SRには絶対にセンタースタンドが必要であることが解ります。
 格好だけでサイドスタンドにしている人がメンテナンスするとあわてますよね。レーシングスタンドなんて持っていないだろうから... 。
 おまけに、私のSR500はオイルタンクのゲージのツマミがご覧のような位置で止まるんです。



 M.W.Iさんの調査ではXT500と初期(2J2)の SR500は横向きらしい。が、今のSR400はどうでもいい位置で止まるらしい。横向きが縦向きに変わったとはいえ、SR500には職人技が発揮されて いた、ということかもしれませんけど。(爆)
 ま、そんなことでグリスアップはOKとなったのですが、一難去ってまた一難。今後はフロント周りがフニャフニャするんです。ヘッ!、もう判ってら〜、と 感じられる方もいらっしゃるでしょうけど、これがですね、意外や意外、簡単な数式がドンピシャリという、またまたエポックメーキングでした。
 これは、別項で。


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