謎のパーツ(TC33-S)のその後(その2)
ノー マルマフ ラーにて

こ れまでのこと
 話を少しばかり戻しまして、2010年4月4日(日)ノーマルマフラーでテストコースを走ったときボルトの緩みを発見しました。振動で緩んだようだ、と していました。そのまま増し締めなどはせず、4月18日に再びスパトラとSST-1へ戻したので、ノーマルマフラーに対しては「まぁまぁかな?」というこ とだろうか、と自分自身で思っていたのでしょう。

 ところが、4月18日(日)スパトラ改+SST-1のディスク8枚にして装着。この結果が良かったので、このままイケル、と考えていたところです。その とき、再びボルト類の緩みを発見しました。
 それ以降SR500のタコメーターの修理などが入り、この「振動」の確認ができなかったのですが、5月2日(日)に9枚と7枚で確認。やはり8枚が良い のかも、と思いました。
 翌3日、この時、チェーンプーラーのアジャストボルトが吹っ飛んでいるのを確認。やはりノーマルマフラーの時の異常な振動が出ているのは確実だ、という ことを確認できました。
 5月4日、6枚のテスト。ノーマル然としています。9枚、8枚、7枚そして6枚。これらの結果から、やはり8枚か、と感じて8枚に戻し、冒頭申しました ように、SST-1は8枚で行こう、と... 。このままズッと行けるはずだ、と思ったのでした。

 では、どうしてノーマルマフラーを再びテストすることになったのか、と いいますと、本当に堂々巡りなのですが、TC33-Sという謎のパーツは再びノー マルマフラーを要求するように思えるのです。
 その上、5月16日にSST-1のディスク6枚+クワイエットコアを入れたとき、ぺちゃぺちゃ音はいただけなかったものの、ギアの入りが良くなったのを 体感したことも加わります。
 この状況から、排気側をある程度 押さえると結果が良いのではないか?。しかし、ノーマルマフラーでの振動対処はどうすればい い?。この関係に対しての明 解な答が出せないままでいました。

 振動に対しては、マフラー重量と振動の出方から、3HTのSR400で取付ボルトが変更になったから、サポーターとボルトを変更してやればOKだろう。 残るは、その振動がどうかだ。
 とにかく、このTC33-Sとノーマルマフラーの完全な組合せでのテストをやってみる必要があることを強く感じました。

 5月21日(金)明日の予定と天候から時間給を取って、ノーマルマフラーへ変更。本来ならエキパイをノーマルのSR500のものに交換すべきでしょうけ ど、これまでの結果から、シムズクラフトのM型エキパイの性能は捨てがたいものが在るので、エキパイはそのまま使用することとしました。
 わざと、マフラーとエキパイの取付クランプは緩くしておきました。
 エンジンを回します。アーッ、センタースタンドを立てた車体が上下と前後に振動しています。M型エキパイはクランプが溶接してあるスペシャルメイドだか ら、エキパイの振動は大丈夫。それなら... 。
 午後5時前から走行開始。排気音がシュシュッシュシュという高音域の音が加わります。排気が漏れてはいませんが、クランプ部分から二次空気を取り入れて いるような感じがします。シフトも若干しづらくなりました。
 すでに、マフラーは取付ブラケットの取付はフランジボルトに変更しています。M型エキパイの後部が若干長いので、ノーマルエキパイだと隙間の空く SR500のマフラーですが、若干前側へボルトを取り付けて装着しているので、マフラー取付クランプだけが締まっていないことになります。
 三間のバイクファームさんでクランプを完全装着。途端に振動が収まります。シフトがし易くなる。加えて、伸びがグッと良くなります。もちろん、 SR500特有の頭打ち現象というか、1〜2速での3000回転近くに到達する時間が短くなってきます。これがSR500というオートバイが持つ当然のも のですけどね。
 こと、クランプを確実にした以後の変化については、内心「思った通りだ」と感じたところです。何というか、このTC33-Sを装着すると、排気の接合部 分は結構シビアになる、というわけでしょうか。
 この状況を口で表現するのは難しいものがあります。同時に数値で証明できる程、私の頭は明晰ではありません。で、こういった調子、ということだけに止め ての考えは次のとおりです。

 まず、 パワーが上がるような現象は、排気行程でノーマルのタペットキャップのみの場合はロッカーアームがバルブを押さえて戻るその一瞬間のみ、キャップ 内にオイル混じりの強い内圧のガスが入り込みます。
 ところが、TC33-Sを装着するとオイル混じりの強い内圧ガスが入り込む... 、と、ここまでは同じですが、その後にTC33-S内部に充満するのです。
 エンジンの3行程後、次の排気行程に再び同じことが起きたとき、TC33-Sに溜まったガスは再び入り込んだガスによって、一部が追い出されれるのでは ないか... 。
 おそらく、1000回転付近では、この行程が少しばかり一定しないのでは... 。若干スピードが上がる1500回転以上になると、この排気ガスの流れが一定してくるので、エンジンユニットの内圧が一定化するのではないだろうか、と考 えたわけです。

 このことが朧気ながら理解できたのは、以前、クラフトマンの透明タペットカバーを装着したときのことを想い出したからです。
 このパーツを装着してしばらくすると、アクリル板のシール部分からオイルが漏れてくるのです。改良品なのに不思議でした。スナップリングを外して... 、ができないほどシールは完全にフィットしてるのにどうしてか?。
 もう一つ、なぜ、純正のタペットカバーの内側は半球形になっているのでしょう?。これはガスの一部をスムースに流れるようににしてあるのだろうと、考え ています。
 クラフトマンのそれは、浅い西洋皿ぐらいにしかないのです。インテーク側に装着するにはXV750用のアジャストボルトに変更が求められますから、状況 はお解りになると思います。

 いかがでしょうか。一度XS (TX) 650のシリンダーヘッドカバーを見ていただきたいものです。SRとの違いはどこか?。BORE-ACEのマスターのおっしゃる通り、XSの方が、このカ バーが大きいのです。近くではホンダのApeのエンジンがそうですね。カワサキのW650も同様です。
 余談ですが、XS650のエンジンに不調の最大の欠点は、この部分にコンタクトポイントがあったからだ、と今でも思ってます。最終のTX-650でも CDIのピックアップがここにありました。ホンダのCB-72も同様でした。
 つまり、OHCエンジンの頭デッカチの上に振動が多く熱も上がるシリンダーヘッドに点火装置があるわけです。おまけにチェーン駆動のカム軸に直結してい るので すから... 。
 不思議なことに、XS用のこの部分の放熱対策パーツは出なかったですね。 

 そう、これが正しければ、ヤマハ流ではY.P.V.S(ヤマハ、パワー、ヴァリアブル。システム)とY.I.C.S(ヤマハ、インジェクション、コント ロール。システム)を想い出してしまいます。4サイクルエンジンにもEXUPがありましたが... 。
 しかし、これらは機械仕掛けで自然流ではありません。

 何ともハガユイですね。私自身が割り切れない気分のままです。ともかく、この時点では、エンジン内の内圧が減る、というのは本当のようにも感じます。


inserted by FC2 system