BORE-
ACEの防振リジットステップ
同社が出しているバックステップ、これに防振ダイレクトキットが追加さ
れたのを知ったのが2014年の夏のことでした。ケーッ、同社のバックステップと合わせるとかなりのお値段になる、何とかノーマルのステップに装着できる
防振キットがほしいな〜、としばらくしてマスターへ電話しました。
「およそ出来てはいるので、現在テスト中です」、との返答。間もなくはかなり後かな〜、と思いつつ2週間ほどして「出来ました」、がホームページに出ま
した。まん
ま、同社のバックステップ用と同じじゃん、わずかに違うのはノーマルステップのスチールプレート部分は入り込むスペーサーが違うだけか、説明書が出来るま
で待つとしよう、としたわけです。
考えられること
SR500の初期段階、いわゆる2J2時代、このラバーマウントのステップには相当嫌な思いをしています。今でももってますが、1〜2年しても、パーツ
の変更がなかった。結局バックステップになるまでは、取付のラバーブッシュの変更がない上に、外側のワッシャーを大きくしてほとんどリジットにしてしまっ
ている。時としてグニャっという気分があったのですが、それもなくなってました。
ところが、年とともにこの部分が今度は硬くなるのですね。いわゆるリアハブのダンパーラバーのようにね。全く影響はないのですが、それなら、最初からリ
ジットにすればいい、と思うのが人の常だろうと思うのです。バカげていますけどね。
2J2時代は、この部分をそのまま利用して、私はバンゼン製の鉄の
バックステップを装着していました。かなりの安物でしたが、丈夫でなかなか良いもので
した。豪華さからすると、別のメーカーのバックステップ仕様の方が好ましいし、ポジションのことを考えなければ、純正で揃えた方が良いように感じました
ね。古い
SR関係のムック本など見てますと、結構なパーツメーカーが消えてしまいました。今頃、バンゼンのステップなど、かなりのレアものですよね。おかしいよう
ですけど、そういえば、もらい物のブルックランズ製のハイバックステップもありますよ。グラスのAJSガソリンタンクもありますけど、表のゲルコートにヒ
ビが入っていて不安なんで使ってはいませんが。
そういったことを想い出しながら、こういった調子でBORE-ACEのキットをササッと取り付けたかったのです。
ものを手にして
一度電話でも、と思ってかけると、出来てますよ、との返事。早速ブラックを発注しました。発注して2日後、届きましたよ。
すぐさまブログへ。装着に少しばかりコツが要りそう。パーツ自体はいつもながらの精度ですけど、組み付け方にコツが要りそう。ま、説明書どおりに組めば
大丈夫でしょう。製品のカラーを見ていますと、この部分はもの凄い穴の大きさだな、と感じます。そこへラバーブッシュを入れていたのですから、かなり難し
いものはあったようですね。当初はラバー製のステップ(フートレストっていってた)が、ごついラバーだったので、グニャグニャの二乗だったわけです。大半
の人はバッ
クステップ化してたものな〜。
BORE-ACEの今度の製品は、ジュラルミンの材質からはじまって、かなりの物に感じるのです。いつもとは違うステンレスのメインボルトにしても、
ホー
ムセンターの物とは微妙に違うように感じます。リジットで振動を防ぐわけですから、これは楽しいですぜ。
実際は結構なコツが要る?! (右側からね)
ナーニ、プレート付のボルトを外から押し込んで抜き取り、ラバーブッシュを引っ張り出す...
、と説明書には記載がありますが、そうは問屋が卸しません。おまけに私の1JNはバックステップ付の最終モデル。少々手こずります。
まずは、いずれにしてもチェーンを最大たるませます。ここで最初のミス。私のはバックステップの上にチェーンテンショナーが装着してあったのですよね。
後で気がつく何とやら、これを先に外しておくべきでした。後で気がつく何とやらです。
ついでに、ノーマルマフラーなら、マフラーも外しておきますね。
で、簡単であろう右側から... 。ゲー、何度やっても、ボルトのプレートがブレーキペダルのリターンスプリングに当たってしまう。しばし考える。
次の作業をやってみます。
- まずは、ブレーキペダルをはずして、ストッパーが落ちない位置までシャフトをコンコンと叩いて、引っ込めておく。
- 先にどちら側かのボルトを抜ける直前まで押す。すかさずラバーブッシュを抜き取る。ガタが出来るので、もう片方が比較的楽に抜けるわけです。
- これで、ボルトが抜けます。
それでは組付けです。作業人は私一人ですから、その前に下処理をやっておくこととします。まずは、押し込んでいるブレーキシャフトの周りにオイルをくれ
てやっておきます。私の場合は、先にグリスたっぷりをやってますから、オイルだけに留めますが、IMWさんの仰るとおり、グリスを入れてない方はグリスを
入れられておくことを奨めます。センタースタンドピボットも同様です。キュイ〜っという音が混じると、まずグリス切れです。
右側の取付は比較的簡単ですが、ステップを清掃しておきます。できれば、フレームのブッシュが入っている部分も綺麗にして、ウレアグリスを薄く塗布して
起きます。
次は知恵の輪的な作業ですが、ピタリっとフィットしますので、合う合わないは気にしなくて大丈夫。これでスッタモンダあると大事です。ここで、この製品
が高価な意味が少し判ると思います。
- プレートに薄くウレアグリスを塗って糊代わりにします。
- 外側のカラーを写真のようにウレアグリスで貼りつけておきます。
- ボルトと外のカラーをこのようにセットしておきます。
- 片方の手でプレートを押さえて、ボルトを通し⒉つ山ほどかかるぐらいでねじ込みます。
- 片方も同じようにして、ほぼ同じ力で締めつけて取り付け完了です。
不思議なことに、ボルトの締め付けはほぼ均等にトルクが決まります。マジ、恐ろしいほどの精度です。私がBORE-ACEの製品に惚れて言っているのでは
なく、それほどの感覚で作業出来るのです。ここでも、この程度のパーツにしては高価な意味がお解りになるはずです。
左側は...
さて、問題の左側ですが、しばし座って考えます。チェーンに当たるのはボルトの下側、上はガイドローラーに当たりそう。どうすればいいか?
チェーンテンショナーを外します。チェーンが一層ダラリ、となって、オー、簡単にボルトが抜けます。ということは、ラバーブッシュ自体はスペーサーの役
目だけなのか?(この疑問は後ほど)
ボルトは抜けましたが、右よりこちら側のブッシュの痛みが激しい。しからば、引いてもダメなら押してみな!!、とマイナスドライバーをフレームとの間に
入れて押し出すことに成功。ナルホドね。
私はWD-40を使用しましたが、CRCは止めた方がいい。後になって逆にくっつくことがありますから、これは説明書どおりオイルの方が良いのかもしれ
ません。
とりつけは、右側と同じです。少し申し上げておきますと、グリスを塗布した分、ボルトの締めつけにグニャリとすると思いますが、以後はホントに、この
辺、という部分で「締めた!」という感覚が味わえますので、そこでストップすると大丈夫。ダメなら、一度少し緩めて、再び締めつけると、最初に締めつけた
感覚になるのでやってみられるといい、と思います。それだけの精度があるのです。
これで、1時間半ほどかかりましたが、考えつつでしたので、かなり楽しい取付でした。
昼前に気温が高くなりました。走行は午後からにします。この日(9月23日)を逃すと、来週末まで走れなくなるからです。それ故のこと。
いよいよ走行テスト
涼しいけど、やはり暑い。でも身体上のことがあるので長袖を着ます。ジャージーですけど。おまけに秋の交通安全期間、官憲にも注意を要します。私には何
時おどおりですけど。
何がどう変わっているか、本当に楽しみです。アッと驚く為五郎、じゃありませんが、微妙に大きく変わりそうな気がしてなりません。全くノーマル然として
いるのですからね。
その気分と、大変わりだろうとの気分が混在してのエンジンスタート。カラカラ音がかなり強烈です。エキゾースト側のバルブクリアランスを詰める必要があ
りますが、これは、アジャストボルトが少々虫食い状態にありますから、これを交換する必要があります。それを除いては非常に快調。インレットのバルブクリ
アランスはOKの様子です。念のため申しておきますが、3000rpmを超えると音はしなくなるのですよ。どういったことか判ります?
このことを別にして、どこがどうといった変化はありません。ナ〜ンダ、こんなものか。おそらくだれもが感じるところでしょう。マジに先ほどまでパーツの
精度がどうのこうの、といってた手前、反省です...
、とはいえ、鳥越の峠でブレーキ踏んだときでした。ギョギョギョ〜、フロントフォークが暴れない。ググッと沈み込んでギュギュっといって減速。何これ?、
まさかステップ変更の結果?、何かおかしい。ほかは全くいじってないのにおかしい。それから光満街道をサーッと務田の坂まで...
、と今何速?、そうね大体ね〜、今はサザンの時じゃない(爆)、5速で登ってる。オーイ、おかしいぞ。
そう、おかしくない!?、バルブ調整が間違ってたんだ。気を取り直して、三間街道。行け行けドンドン、でも55km/hだ。何で?、バルブ調整だけじゃ
ない。シフトアップ・ダウンのときにエンジンとアクセルワーク、シフトペダルに足がかかるタイミングのようなものがいつもと違うのです。決してエンジンだ
けじゃない。
どこかで感じたフィーリング、確かに私がどこかで感じたことがある...
、そう、トライアンフだ。T-140Vに乗るとこのフィーリングが味わえる。無骨なステップのくせに、何もかもがスムース、純正大アップハンドルでも、ブ
リティッシュスタイルのハンドルでも同じ感覚なんだよね。これに非常によく似てる。今までは、何か後ろへ惹かれるような気分でシフトアップしていたような
感じで、重量フライホイールの関係もあって、シフトダウンもカチカチッとやることが出来なかったのに、これがいとも簡単に普通にやってるんだよね。
本当にこの気分が来たのはショートカットの奈良へいく隧道からです。ここもいつもは3〜4速なのですが、4速〜5速で登ってる。私何かしましたか?完全
に判ったの
は水分からの下りです。意外なところに結果が現れるのは本当だろうか?。これまでが、エンジンの回転を詰まらせて居たためだろうか。いや、そんなバカなこ
とはない。いわゆるタペット音が出るほどラフにしてるの(アジャストボルト交換前)だから、エンジンから来る走行がおかしいのなら話はわかるのですけど、
全く違うでしょ、何かあるの
です、それがワカラナイのです。
ま、ものは試し、下りで60km/hほどなのです。左へ曲がる、コーナリングは今までどおり。股は開いていません。右には大きく重い純正マフラーが引き
起こ
そうと...
。コーナーの抜けどころ、ゲー、アクセルホールドしてるぞ。おかしいな、少し戻して、次へ構えるのがいつも。ところが、そのまま、なんです。状態をわずか
に起こすとスーッと車体が起きてきます。次は右コーナー、左よりも圧巻ですよ。狙ってスーっと行くのはこれまでと同じ、少し両足のバランスを崩して自転車
のコーナリングのような格好をイメージします。右コーナーですから左ペダルが下ですので右クランクが上、それで、ツーっと、ヤバイ、何処までも沈み込んで
右のステップが、になってしまいそうになる。
やはり、そうか、このステップ周りに替えたので、今までのライディングみたいなことをしなくてもイケルんだ。少し恐ろしくなってきました。マジに、(バ
トラックスのような)おむ
すび断面に近いタイヤだったら、寝かせすぎになりそう。
折付橋を渡って、アクセルオフで各ブラインドコーナーを回るとよく解ります。最終は丸山の登りです。ここを3速から5速までで登り切りました。いつもは
3速なんですけど。ここまでになると、エンジンのバルブ調整だけではないのは事実です。真面目に、交換したのはステップの取り付けだけなんですが、私のこ
れまで
のライディングフォームは間違ってないことが証明されました。そのフォームがいかにも力入れてない格好をしよう、と無理な力入れてたのがそんなことをしな
くてもいい、といった調子になってきたわけです。
これって...
、丸山から下りて、普通の交差点を曲がるとき、「あツ、これSR350じゃないかな?!」と気付いたのです。そうだ、そうそう、もっといえば、スキーの回
転をやってるようなものだ。それがそうとは気付かせず、しかも、SRの素直な特性を一層際立たせる感じなんだな、ということなんだ。
たった、これだけのパーツなのに、ここまでになるのか...
。今のところ、素直なポジションですので、同社のバックステップには替えませんけど、マサにBORE-ACEのマスターは奇才です。