SR400/500のノーマル点火コイル

 ことの発端は、トライアンフT-140Vに搭載しているダイナコイルに 関して、トラビスサイクルズへ電話した時からでした。
 リトモセレーノのコンプリートBMWではよくダイナコイルの搭載が出てきます。私のT-140Vもブリティッシュビートさんからのお勧めで、このコイル の3Ωツインを搭載しています。別段いい悪いの判断ができない状態で今日まで来ているのですが、昨年(2008年)の英車を愛でる会で、ドンダン大阪の小 川さんからボイヤーの点火時期は、実際もっと低い回転域ではないか、との指摘を受け、この件にわかに色めき立ったところです。
 ダイナコイルの調子がいいのか悪いのかの判断は難しいのですが、カンタイプの6Vコイルと12Vコイルではどう違うのか?という質問を主にトラビスさん へ投 げかけてみたのです。
 そういったことから、SR500に取り付けているスーパーサンダーの調子がいいのか悪いのか、を考えてみたところです。

 もちろん、その前に宇和のT君へ、「コイルの巻き線のターン数などは同一で、中心の鉄芯(コア)の周りにコの字でコアを増設するとどうなるのか?」と問 うて みました。
 答は、コアが磁化する恐れがある。火花が強くなる、とのことでした。ノーマルに戻した方がいいか?に対しては、最近のモデルは、その車種のエ ンジン特性に対応しての物を装着しているので、吸排気を触ってみても、点火の行程は同一。となると、点火コイルはノーマルの方が好ましいのではないか、と い うものでした。

 私の持っているスーパーサンダーは、オレブルが最初にリリースしたものとは少々異なっていて、ノーマルコイルにコの字のコア(鉄芯)を増設しただけでは ないのか、と考えが及んだのです。
 が、しばらくはノーマルのプラグ キャップとハイテンション(プラグ)コードを使用するよう、注意書きがありましたが、あえて、当初はテイラー、後半はツインコアで 使ってました。
 テイラーの時でも、ツインコアの時でもそんなに変化はなかった。強いて言えばテイラーの時の方が、エンジンの回り方などから力強さなどがダイレクトに感 じたところです。
 ことに、長期にわたって使用したツインコアに対しての世間一般の評価は、あまり良いものがありません。
 今になって思うこととして、このことは、おそらくパワーはある程度上がっているのですが、その感覚がつかみづらい=性能アップしていな い、と認識されるのではないか、ということです。

 このことが顕著に表れたのは、BORE-ACEのSSTを使用し始めたころからです。どこかしらエンジン自体がパサついて回っているような気分から抜け 出られないことに気付いたので す。
 改造スーパートラップでもあまり感じられなかったことですし、ノーマルマフラーではもっと感じられない微妙なところです。加えて、エンジンが温もってか らの再始動が難しいときがでる。これなど、早期点火から遅延した状況のようなものが感じ取られるのでした。



 で、冒頭のことになるのですが、今の私のSR500なら、コイル交換による乗り比べができる、として、早速実施をしたのです。

 取り付けは安直に、コイルを取り付けベースからはずして、入れ替えするだけの作業のため、実に簡単に行えました。写真を見ていただければお分かりのとお り、わずか1cm程度下側に曲げられていたコードがストレートになるのは小気味のいいものです。フェライトのコアなどもそのままで装着しました。



 エンジンを始動します。驚くべきことは、キックアームを下ろす時、ゆっくりと踏み下ろしてもキックバックのような気配が一切ないことです。以後、キック バック気味なところは一切なくなりました。
 走行時はこれまでのダッダッダッダからタッタッタッタに変わっています。もちろん、SSTの音のため、感覚的なものですが、確実に適度な火が比較 的長く点いているように感じました。

 その火の出方ですが、スー パーサンダーでは「バッー」という感じに対してノーマルコイルでは 「パッー」という感じで流れているという具合でしょうか。このところも、ツインコアの良さがでているように感じるのですが... 。
 我ながら、ヤマハの言い分を十分加味してデンソー(日本電装)に製作させた点火コイルです。SRにしては、かなりコンパクトでありながら、十分な性能を 持ったコイルである、と以前 自分で記載しているし、この10年のワクでも2回ほど記載しているのですから、読み直してみると赤面の至りです。
 もっとも、当時は排気系を主にして触ると、何がどう変化するのかが暗中模索の時代であったし、その中で何とか性能差を見つけ出そうとしていたのは、今と なっては、よくも まぁ、バカなことをやっていたものだ、と感じます(爆)。
 このようなことをやっていたからこそ、アマちゃんなりのまとめ方を見つけ出すことができるようになったのですから、自画自賛とは思いつつも、その点では 良い投資であったのかもし れません。

 そういえば、SR500のスープアップで、ウオタニのパーツとして点火コイルの交換はありますが、以前に一部のツインプラグ化の改造で、XJ400の点 火コイルを使用することはあるものの、最近はノーマルコイルを交換する記事など、あまり見たことがないのが実際です。
 そういった意味からすると、純正の点火コイル、こと、3GWのコンパクトなコイルはなかなかの性能を持っている、と結論付けて、当面はノーマルコイルと ツインコアのプラグコードを使用してみることとします。


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