SRエキパイの謎2
少
し長いプロローグ
2008年12月上旬、ようやくにして純正8mmボルトでフレームへMタイプのエキパイを取り付けることができました。その後、フランジ取り付けなどを
確認しましたが、別段問題など無く現在に至っています。
私の性でしょうか、クランクケースの下へドライバーを入れ、エキパイを下げた状態で取り付けたため、若干無理をしているのではないか、とも考えたところ
です。永井モータースのK君が(ステンレス)溶接ができるため、これまでの経緯を言って相談をしたのですが、その程度なら、修正をしないほうがいい、との
返答でしたので、この時点で、シムズクラフトのMタイプエキパイは取り付け完了、としたところです。
SR500と400の純正エキパイでのこと
当初、フラン時部分の短い旧タイプのMタイプエキパイが送られて北あとで、当方のエキパイを送送ったのですが、すぐさまメールが入りました。「フランジ
部分の確認はOKですが、送られてきたSR500のクランプ部分は如何ように考えても、取り付け方ははおかしい」という内容で、数種のSR400/500
のエキパイの写真が添付されたメールでした。
私はおかしくない、と考えていますので、シムズさんも少々納得がいかないことに、私自身が納得いかない状況だったのです。(笑)
少々解説しますと、SR500そのものの純正エキパイは、その大半がSR400と異なり、マフラーとの接合部分が浅いことと、そのためでしょうか、エキ
パイエンドのくびれた部分とマフラークランプ部分に大きく隙間ができる、ということにあります。
この状態は大半のSR500に起こることで、その対策をするには、私が先に小誌で報告したとおり、SR400ではほとんど起こらない現象だったわけで
す。
この点、シムズさんは数種のエキパイを示されて、クランプ部分の位置がおかしい、とされたわけです。
何か参考になるものはないか、と積もり積もった雑誌群の中からヘインズのマニュアルを引っ張り出して確認したところ、当方の2J2のときよりもっと広い
隙間がそこにありました。
このことを写真(洋紙のため内部の写真掲載もいいか、と思い...
)を添えて報告し、フランジ部分からクランプまでの長さが同じであれば、よほどのことがない限り、大丈夫であること。
それ以上に、クランプから後ろの長さを現行の400と同じにしていただきたい。できれば、お手持ちのSR400(500)に送ったエキパイを装着してみ
ていただきたい。おそらく無事にフィットするであろう、と返答しました。
早速シムズさんから返信メールが届きました。チャットではありませんが、こういうのは対面しているようで、何とも嬉しいものです。
手持ちの車両には無事に装着できることを確認した、とのこと。物づくりを生業としている者には、とかくこのような場面には疑いを持ってしまう、とのこと
でした。
ざんねんながら、フレーム取り付けクランプ部分の上下長1〜2mmの誤差はご容赦願いたいとのことでしたので、この点は了解しました。
以降は小誌で報告しているとおりです。
クランプ部分について考えられることとして、次のようにまとめてみました。多くのことを調査せず、私の直感だけのことですが、この点はお許しください。
その1 メーカーでは...
一体メーカーでは、エキパイに取り付け
てあるクランプ部分はどういった手順で溶接されているのだろうか?。
この疑問に答えられる方は少ないのじゃないか、と思いますね。当然、メーカーは教えてくれないでしょうし...。
古いSR関係のムック本の中に各パーツの製作部門工場の紹介が出ていました。エキパイ部門は例によって氷結化して云々という紹介でした。その中の写真で
完成されたエキパイにはクランプが溶接されていないのです。
そこで私が考えたの次のとおりです。
◆エキパイをSRの生産ラインへ送る前のプロローグとして、エキパイ製作のメーカーにダミーエンジンが載せられたフレームが数機送り込まれる。これが治具
代わりになる。当然、細部の変更が出ると、その都度ダミーが送られてくる。
また、クランプはエキパイに(溶接で)取り付けるプレートとは一体化されているものがメーカーから送られてくる。(このことは、あくまで想像です。)
- エキパイをダミーエンジンに仮組み
- 治具を使用し、クランプをフレームに装着
- エキパイに2.のクランプが接する位置でスポット溶接
- エキパイをダミーエンジンから外してクランプ部分を溶接
- 冷えた後、耐熱ブラックで塗装
- ダンパーブッシュを入れて完了
という行程を踏んで、メーカーの製造ラインへ送られていたのではないか、と考えたのです。
その2 クランプ部分の高さが違う点
一番の原因はSR500ではXT500から脈々と続く1E6のシリンダーが生きていることと、SR400の2H6のシリンダーとは別物であること。そこ
がベースになっているため、SR500のシリンダーヘッドが変更になっても、多くの面ではXT500のままであったこと。
それに対して、SR400は2H6のシリンダーに合わせてSR400として、こと細かくシリンダーヘッドが変更されてきた、ということでしょう。
最終のSR400がAIS化されたため、おそらくシリンダーヘッドが変更になったわけですが、それは2H6のシリンダーにフィットさせた変更であったか
ら、3HTのエキパイも楽々フレームクランプができたのではないか、と考えます。
したがって、3HTのエキゾースト関係ではその前のSR400(1JR)に装着すると、エキパイのクランプ部分は少し下側へ来るのではないか。シリン
ダーに1E6のレリーフのあるSR500とSR400のエキパイとではこの傾向が一層強く出るのではないか、と考えました。
結び
全く素人の考え方での報告ですが、アフターマーケットのエキパイで、フレーム取り付けクランプのオーダーとなるとSR500ではなかなか大変であること
が容易に解りました。
以前ですと、ステンレス棒にダンパーラバーという組合せの製品も存在しました。
それならフ
レームクランプは無ければいいではないか。
確かに、この考えは有効でありますが、重い純正マフラーを軽いエキパイに装着して使用するには、エ
ンジンの振動でエキパイにかかるストレスが大きくなるのではないか、と考えるのです。ことに500ccではその傾向が顕著になるようです。
したがって、今回のシムズクラフトさんへ私の考えを申し上げて製作にこぎつけました。大変感謝申し上げるとともに、たかがSR400/500という車種
ではありますが、目まぐるしく変遷があったという事実もある程度理解できた次第です。