逆転の構図2(その3)【SST-1のディスク枚数】

 しかしながら、現在はもうBORE-ACEのSST-1を装着していま す。スーパートラップもスリップオンの改造品です。エクステンションは3.5cm マフラー内に入っています。
 このような状態で、10枚では調子が良かったのです。では、9枚ではどうか。10月28日の夕方からテストします。
 期待は高まるのですが、先に結果から申しますとダメでした。再びバスッという音が出ます。加えて振動が強くなって、10枚の時より悪い結果になってしま うのです。一応ショートコースだけにしました。

 再び疑問が生じるのですが、ディスク1枚の差は結構ある、という確認は取れたので11枚ではどうか、と翌29日の朝から取り掛かりました。



 音も静かですし、何とも頼りないというかそんな感じでエンジンは周り続けています。
 走ってみますと、いいのはいいのですが、どうもおかしい。グーッと引っ張ってスッとアクセル戻すとボボッとくるのですね。バックプレッシャーもなく調子 がいいのですが、何かおかしい。
 これまたショートコースで止めにしました。

ドンドン悪くなる
 1時間程度おいて10枚に戻します。ついでに点火プラグを見てみますと真っ黒にすすけています。こういった変化は未だかつて味わっていません。おそらく はK&Nのフィルターに変更して空気の流量が増えたことから、混合気のシリンダーへの流入速度が増したこと、加えてブローバイガスの流入も増える ことからプラグが煤けるのではないか、と思ったのです。

 とはいえ10枚に戻しましたから、再びテスト。アレレ〜、全く調子が出ません。枚数増減テスト前よりはるかに悪い。
 やはり、ショートコースで終了しました。

 私も何が何だか分からなかったのですが、十数キロ走って結果がコロコロ変わるということは、一つにはディスク枚数に応じた目に見えないエンジンの馴染み などが出るまでに、結構な時間がかかるのではないか、とも感じたところです。

推論だらけ
 ふと、ホワイトブロスのスーパートラップの時を思い出していました。WBのスパトラはエキパイ内径が大きく、排気は効率よく流れます。ある程度抑え込み を図ることとしてトルクバルブを装着すると、若干良くなります。
 もう一つ、SST-1のディスク効率は今回の実験でも良好さが裏付けられました。
 とすると、インナーコア(のエンド部分)の外形とSST-1のディスク径はほぼ同一です。スパトラのディスク4枚がエキパイ径に匹敵するのであれば、経 験からするとSST-1のディスクは5枚程度ではないか、と思います。で、排気量と圧縮比からすると8〜10枚となる。
 古い話、3インチのロング管でディスクは8枚固定ですから、私の持論はスーパートラップの考えと同一であろうと思います。





 そこで、全く忘れていた事実を思い出しました。当初のSR500に3インチのロング管を指定どおり装着し、加速ポンプ付きのキャブにして走行した場合、 ボボッもバスバスッも起こらなかったのですし、旧国道を高松まで走ったこともあります。このとき27km/Lを記録したのです。

 私も思いつかなかったのですが、今回の実験で点火プラグが燻ぶるのは、スパトラのせいではなく、BST-34のキャブレターが排気効率云々に対応させよ うとしているのではないか、と思いついたのです。
 それだけBST-34のキャブが並々ならぬ性能を持っているのではないだろうか、と思いついたのです。

 それでは、今回の実験の締めくくりとしてキャブレターを変えるか?となりそうですが、これは止めることとして、再び3GWのマフラーへ戻しました。

 今回の実験で、スーパートラップのタイプのエキゾーストは、効率云々ではなく、キャブレターの特性に依存しているところがあるのではないか、と感じまし た。
 ご存知のように、私のSR500はBST34の負圧キャブを採用しています。ノーマルの吸排気では、点火プラグは白っぽく焼け気味の現在の車両のエンジ ン特性に近い結果になります。
 が、WBのスパトラのとき以来、点火プラグが燻ぶる。下りなどでエンブレがかかるとババッという音が出る。アクセル開いて戻したときなどアフターバーン が起きるなどの状況が出、その都度点火プラグの一部が燻っている、という状況でした。

3GWのマフラー
 3GWのマフラーへ変更し、数十キロ走るとこれはいつもどおりの性能を発揮します。点火プラグもすすけることはなく、黒くなった部分が若干薄くなりいつ もどおりのパフォーマンスを出します。
 ここで、パイロットスクリューをSR500の2回と1/2に戻します。先に記していますが、おそらく、キャブの頭部が大きくなく、本体のスタイルがフ ラットバルブ形式のBST-34の負圧キャブではパイロットジェットの番手を換えても、戻し回転数は変更しなくていいようにも思います。もちろん、これは 私の経験からであり、ラウンドピストンの負圧キャブには当てはまらないかもしれませんけれど。

 以上のようなことから、これまでは、先ほども出したように、ガスが薄い、として片付けられていますが、実は負圧キャブでは、排気に対してある程度対応す るような特性があるのではないだろうか、というまとめに達しました。
 今後、しばらくは3GWのマフラーで通すこととなりますが、負圧キャブに対して性能が悪いなどの表現はよろしくない判断であろうし、純製マフラーがダ メ、ということも当たらない決定のように思います。
 ただし、FCRなどの高性能VMキャブに交換した場合にスーパートラップを装着すると、これまた先に申しました2J3のSR500に3インチロング管を 装着して結果が良かったことなどから、おそらく私が実験した結果とは違うものになることは確実であろう、と思うのです。

 さて、以上から、この際ですので、もうスパトラから足を洗う。ただしBST34のキャブの下では... 。
 再び2009年の実験の一文を読みますと6枚がかなりのパフォーマンスを示すと記載しています。あの時はメガホンへのエクステンションを延長していませ んでしたし、ヘッドレスポンスも装着していなかった状況です。
 5枚はストックとほぼ同じ性能に感じたわけですから、6枚を再びやってみるのも一興ではないか、と思いついたのです。



 

 


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