逆転の構図2(その4)【改造スパトラとの関係】

6 枚では
 2011年11月29日、午後から休暇を取ります。どうしてもこの日で しかできなかったものですから、申し訳ありませんね。



 枚数変更は簡単ですが、一応、セオリー通りとして(使用頻度により少し変形する)ディスクの配列を考慮して、ディスクの清掃を行い装着します。
 きっちり、装着していざ走行です。今回ばかりは最初からのクランキングですので、状況が明確に解ります。点火プラグはそのまま、バッテリーは弱り気味で すが大丈夫でしょう。





 始動はOKです。心なしかいつもと違う感覚です。なかなか素晴らしい気分が誘います。
 排気音が若干高く感じるのですが、通常の枚数8枚よりは少ないため、クワイエットバッフルを挿入したのと同じような効果となるのだろうと想像しました。 とはいえ、キンキンした音が入っているわけではないので、うるさいものではないのですけどね。
 アイドリングは700〜800回転で安定しています。これまでのように押さえつけられた安定感ではなく、エンジンが活発に回っている状況でのアイドリン グ回転数です。

 発進しますが、何とも勝手が悪いのですよね。中途半端というかね。アクセルへのツキはいいのですが、何かおかしいのですよ。これが第一印象。すぐに最初 の信号待ち。これが辛いところだったのですが、先ほど申しましたアイドリングが活発で、多少高めにアクセルをひねっておく必要がない。
 で発進します。3GWのマフラーの時と同じ感覚でやったのですが、ホントかったるいのです。いやはや6枚は失敗だったかな〜、と思いつつ、旧ロータリー の交差点で赤信号。待てよ、もう少しアクセルを開けてツーッカチャ、とシフトした方がいいのじゃないだろうか、と比較的長い信号待ちをやり過ごします。
 青になって、発進します。3000回転ほどでシフト。吉田病院前の右カーブまでに5速になってますので、ここで4速へ。これまでのようにじっとりとした コーナリングではなく、どちらかというと倒れ込むような恰好で曲がります。私の改造スパトラは通常のスパトラより若干重いためでしょうか。フロント18イ ンチの特性がよく出る感じになります。
 次は和霊神社の鳥居の前で赤信号。今日は赤信号によくかかります。次の和霊大橋前の左コーナーを抜けるときに、最初の異変が来ました。前に軽四がいたの で、今回は3速で走ります。4速から落とした時でした。バッババッという音が出ないのです。もちろんエンブレはかかってますよ。

 夕暮れ時の渋滞少し前のため、ショートコースにしようかな、とも思ってましたが、心なしか降りたくない症候群が出始めました。
 気温は20℃を超えて気持ちの悪い程なんです。おまけに着替えもしてませんからネクタイ締めたまま。グローブも無のため不安ではありましたが、そのまま 申生田の登りにかかります。トルク変動とスピード感とギアポジションがどうもうまくありません。
 下りはそのまま行けます。初めて青信号で通過できるのですが、心ないドライバーが居るもので速度を落とさざるを得ません。が、再びバッババッが出ないこ とに気付きました。もしかして、水分の下りでもこれがあるのではないか。とすると、6枚は正解であるはずだ、と先を読んでいる自分が少しおかしくなりまし た。

 光満街道は心なしか気分よく走れました。連続のS字カーブでも4速のまま行けます。これまでですと、4速と5速の中間あたりが欲しかったのですけど、そ れも必要ありません。
 務田の坂も4速のままで行けます。5速にしてガサゴソ言わせることはないわけです。もう、焼き玉エンジンライクではありません。

 三間街道は快調です。60km/hをキープしつつパッパッパッパッという排気音が支配します。そういえば、オレブルのメガトラップがオールスチールだっ たので、パンパンパンパンという音になっていたのを思い出しました。
 鬼北町奈良へのトンネルを抜けて... 、通行止めです。右折して細い道を走ります。子供たちが眉をひそめることもありませんし、犬が吠えることもありませんので、ライダーの私がヘルメットを通 して聴く排気音よりはまろやかなのかもしれません。
 そういえば、この逆として、ホワイトブロスのスパトラ8枚ディスクはライダーに聞こえる排気音より想像以上にうるさかったのを思い出しました。もっとも ホワイトブロスのはスチールでしたから一層甲高い音となったのかもしれませんけれど。

 水分までの道はダラダラの登りにもかかわらず、かなり排気音がまろやかになっていることに気付きました。心なしかペチャペチャ音が消え始めているのに気 付いたところです。
 いよいよ下りです。喫茶店までは5速から4速へ。そこを過ぎてタイトな左。ここで3速に... 。
 レレッ、その必要がないのです。むしろ、大きな右カーブの前に四輪が走ってましたから、止む無く3速へ。
 ところが、カーブを曲がりきる前までに、よいしょ、っという気分で4速。そして5速と上げていきました。何というおおらかさでしょうか。全く不思議で す。
 ダムサイドの下りも、いつもより右手が楽です。最後の丸山の上り下りも普通に走り切り、帰着しました。

 ディスクを見てみますと、すすけた様子がありません。これは成功ではないか、と感じたところです。

計算上でのこと
 一応、6枚でかなりうまく行くことが解りました。簡易計算として再びジムニー(JA22W)さんのページにあるスーパートラップのディスク枚数の計算を SST-1のディスクに合わせてみたのです。

 まずは、SR500のエキパイ径ですが、ほぼ42φであろうと思います。この面積は1384.74平方ミリメートル(以下省略)となります。
 次にディスクですが、外径が65mm、中心穴の外径が37mm程度となります。
 ディスクとディスクの間が純正のスーパートラップのディスクと同じようですから1.5mmぐらいであろうと思います。
 続いてディスク取り付けビス径が3mmで、これが3本となります。

 それでは、ディスクの外周を求めると、65×3.14=204.1となりディスク間1.5を乗じると306.15となります。
 次にセンターホールが37×3.14=116.18となり、ディスク間1.5を乗じると174.27となります。
 取り付けビスの穴が1.5×1.5×3.14×3=21.20となり、306.15−174.27−21.20=110.68となり、ディスク間の排気 ガスの流れはこの空間を通って排出されることになります。
 で、エキパイの面積1384.74÷110.68=12.51となりディスクは13枚が必要となるわけです。
 ン?、これ間違ってますよ。実はそうなんです。わかりますか?。解らない?。ヒントを差し上げましょう。

 私も当初は少しばかり疑問を感じていたのです。それは、「スーパートラップは3枚がエキパイ径に匹敵する」ということから、ジムニーさんの計算ではこれ を生かしていますので、ディスクの大きさは無視しての計算です。

 という観点からすると、エキパイ径が42φ(スパトラのマフラーへの内径が44oぐらい)ですので、ディスク間を1.5mmとして2枚のディスクの有効 空間は42×3.14×1.5=197.82となります。
 ディスク取り付けビス径が3mmで3本ですから、1.5×1.5×3.14×3=21.195となり、有効面積から差し引くと176.625です。
 エキパイの断面積をディスク間の有効面積で割ると、1384.74÷176.625=7.84おなり、スーパートラップのディスクでは8枚が SR400/500にフィットする、ということになります。

 ここが数学の一つのヒントでしてね、排出される隙間はディスク2枚の間ですから、最初のディスクはメガホン部分のエンドコアに密着し最終のディスクはエ ンドキャップが密着するため、7.84が8枚とはならず、排気の有効面積を主としたこの計算式ではディスクは9枚となるわけです。

 いく分コジつけもありますが、簡易な理論値からですとSR500/400でのスーパートラップは8枚というのは一つの定数であることは確かのようです。

 こういった計算式からすると、少し違ったスーパートラップの考え方が見えてきます。おそらくこれはシムズクラフトのマスターがよく知っていらっしゃると 思うのです。
 これは、吸入排気関係に長けたマフラーのスペシャリストへお任せする以外にありません。

 が、好き嫌いはあるにせよ、スーパートラップの排気システムが優れているのは「ディスク3枚がエキパイ径に匹敵する」という部分で、ディスクの大きさと 形状は二の次であることに感じます。

 それでは、SST-1はどうなのか?、ということにぶつかります。





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