ヘッドレスポンス(その3)

こ の項のはじめ
 あの走行から早くも5日が経過しました。ようやく凄まじい変化をもたら すことがわかったヘッドレスポンスですが、ホースの間にレスポンスを装着するだけ... 、これだけなら、簡単に行くのですけど、あの走行フィーリングから少しばかり本体の取り付け位置で変化があるのではないか、と考えました。
 というところで、BORE-ACEのマスターへ電話。色々やったがホースの長さなど関係ない、とのことでした。合わせて開発に1年以上費やしたとのこ と。
 しかし、燃料タンクのサイドダンパーの上側にホースを通らせることはヘッドレスポンスを出たガス(ブローバイ)の流れが少し悪くなる、と考え、私の判断 ですが、ホースの長さは長さとして、燃料タンクのサイドダンパーステーの下側にホースを這わせるのが妥当とのこと。早速やってみることとしました。

 で、ホースを取り換えて装着したのが写真のとおりです。



 従来のホースはまだまだ使える状態であり、非常に丈夫で劣化しない耐熱・対油ホースです。わずか500円までの金額のパーツですが、メーカーの良心を考 えるところです。



 が、やはり落とし穴が... 。そうなんです。シリンダーヘッドのブリーザー側へのホースに対する曲がり具合でどうしても無理がかかっているようでなりません。智恵の輪をやっているわ けではないのですが、短くするとホースが折れ曲がる。それにホースの性格上、補強のような表面のリブがホース外周の強度を一定化していないようにも感じら れて、それ以上に短くすると写真のようになって、少し無理がかかるようなのです。
 というところで、逆にホースを長く取ってやることとして、再び注文をしました。
 そうして、取り付け変更をしたのが次の写真です。



 これで、ホースの取り付けはまず完全ということになります。

これまでとは違う
 というところで、テスト走行です。
 今回はエンジンは初めての始動です。前回の7月5日夕方の走行でも一発でしたので、今回も差はない、というところでチョークを引いてキック。ン、2回で うまく 行きました。というより、ヘッドレスポンス装着前と比較して、デコンプを引いてのピストンの位置が足にかかる感覚がクリアになってきました。まさか、エキ ゾーストバルブと作動させるロッカーアームとスピンドルのフリクションが軽くなったのかしら?、と思われるのです。加えてBORE-ACEのオイルライン に変更してますから一層... 。
 あくまで想像ですが、そのうち検討しましょう。

 ところが、アイドリングが少々力強く安定してきました、となるところのハズなんですが、最短で結んだ最初の取付よりもスムースに回っているんです。経験 者は少ないでしょうが、当初の2J3のSR500の時のようなエンジンの回り方なんです。
 何かヤバーツという気分になってしまったのですが、最初期のSR500に乗っている者からすると、押さえつけられたような気分の、あのイヤ〜なものが思 い起こされるのです。

 他の方のレポートにもあるようにそんなに変化は無いのですけど、心なしか変わるのは前回の走行で解っているのですよ。したがって、これは圧縮比の小さい ストックの SR500のほうが分かりやすいかもしれません。これらの変化を感じ取るには期間を開けずに、ほぼ同様の条件でテストすることが肝心とは思いますが、1週 間ほど開けてもキック1〜2発で始動するようになりましたから、かなりの変化をしているのは確かです。
 このこともあって、アイドリング時の変化が気になったのです。もう一点は排圧が少しばかり変わっています。以前です とボボボボボッと2m程度後へ感じたのですが、ヘッドレスポンス装着後は後ろの距離は変わらないまでも、ボッボッボッボッと少しパルスの効いたものに変化 しているようなのです。もちろん、ノーマルのマフラーでですけどね。このことから、アイドリングのスムースさは押さえ込まれたものではない、と確信しまし た。
 出発前、前回の反省から、気温は30℃を超えているものの、暖気運転を2分ほど行いました。

 それでは出発です。最初の信号まではゆっくりと。国道へ出ますと、いつものとおり。短い加速段はどうしてもシフトアップを先にやらかしてしまいます。 3000もは回しずぎ。そこへ行くまでにシフトアップしてしまいますから、これはカンリンの重量フライホイールの影響でしょう。重量フライホイールを装着 して数万キロ乗ってますがシール類からのオイル漏れはないところを見ると、バランスは高次元で取ってあるのであろうと思います。
 市街地は通常の走行ですが、当初とはかなり違う快調さなのは理解できますが、この前までとも少しばかり違うのです。これが理解できるにはもう少し乗る必 要がありますので、気にせずに和霊大橋から申生田へ向けて国道を走らせます。
 そうか、ホースを長くして取り回しを変更した結果、停止するまでがツーっと滑るように進むのが際立っているのです。ツーっと4速で進んでギリギリのとこ ろでクラッチレバーを握り、スッとギアが抜けてブレーキング、という一連の動作が一層自然に行えるようになっているのです。したがって、発進も以前のよう に構えてアクセルひねる必要もなくなっている。それほどスムースになっている、という具合です。

 その後の申生田の交差点から上り下りにかかります。心なしかエンジンのガサゴソが少なくなっているような気が... 。
 SOLATOの横を走って光満街道へ入るのですが、何と言うか、GSの人に「いいだろう」と見せつけているようにも思える不思議な世界が支配します。 が、走行時、前の四輪が多く、美味く走らせません。
 務田の坂への上りが始まる前のタイトコーナーも前回の走行よりもハイギアードで抜けそうになります。馬根から務田の坂まではホント、空中に上がったグラ イダーがウインチで引かれる感じです。
 が、初回のような引っ張られる感じが遠のいているような... 。この辺のところが解りません。

 坂を下りて、次の信号もパス。いよいよ三間街道へ鼻先を。気温は30℃を超えていますがいつになく気分よく走らせています。
 リアタイヤはK70ですが、長年染みついている2.1kの空気圧ですけど、トラクションも十分です。ヘッドレスポンス付ける前はキックバックのようなも のを感じていたのですが、全く消えています。
 したがって、カンリンの重量フライホイールのせいか、S字コーナーではヨーイングのようなものも感じるところです。ま、少しですけどね。決してXS-1 のようなものではありません。
 左手には少しだけトトロに出てくる風景のようなものを感じ、稲がすくすく伸びている田んぼを見つつ、本当に快調です。
 奈良へのトンネルを抜け、成川からいよいよ水分のタイトコーナーへのダラダラの上りを走ります。グルーブの切ってある道路も難なくこなしいよいよタイト コーナーの下りへかかります。
 決して集中を切らせているわけではないのですが、ヘッドレスポンスに対しての考え事をしていると、つい右手を緩めてしまいます。したがって、前を走る四 輪が感覚の鈍い足でアクセルペダルを踏んでいるのでぐんぐん進んでいくため、間が開くのですよ。
 蛇足ですが、四輪車の試験はやはりオートマを廃止すべきではないか、と私には感じます。

 いよいよ、水分のタイトコーナーへ。
 実は、道路工事中でして、コーナーへ入る前が絞ってあるので、思い切って入り込めません。したがって、速度を出さずに4速で最後までイケルかどうかをテ ストすることとしました。
 うまい具合に前にレクサスが居ます。かなりスムースにコーナーを抜けていますので、喫茶店横のブラインドではこの車との間隔を開かないようにすれば良 い、と考えつつの走行を行います。
 ウーン、上手く行きます。ところが、最終の大きい右コーナーの途中で5速にするのですが、その必要がありません。急なエンブレがかかるわけではありませ んから、4速のままで下ってしまうのです。
 としばらくダムサイドを降りつつ、ボボッという音が。あー、ガスが少ない。燃料コックをリザーブポジションへ。



 というところで、帰ってきました。当初の取付位置より長めになりましたが、スムースさと力強さが一緒になったもので、なかなか素晴らしいものになった、 というところを一応の結びとします。


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