BORE-ACE ヘッドレスポンス(その1)
長
めのプロローグ
気になるBORE-ACEのパーツが二つばかりあります。いつもながら、この手のパーツはどうしても私の思いとの一致点を見つけないとゼニを捨てること
になりかねないのです。
実はここんとこ数点の商品については購入を見送っています。BORE-ACEユーザーには叱られそうですが、以下をどうぞ。
まずは、本来のエアクリーナーへ導かれるクランクケースのブリーザー、ブローバイガスの取りだし口に装着する「特殊バルブ」で、商品名をレスポンスとい
う製品です。
確かに他メーカーの内圧コントロールバルブとは全く違うものですが、ストックの内燃機に対して、純正のオイルキャッチ部分を持ったブリーザー部分はペコ
ペコと良く作動しています。K&Nのリプレイスメントエアフィルターに交換以後、一層動きが活発になっていますし、逆に動きがスムースなのです。
それゆえ、装着しなくてもイイと考えて装着を見送っています。
次はフロントフォークのアシストですが、私のSR500は前後ショックのスプリングをハイパープロ製に早い時期に交換しております。現在の体重からすれ
ば、ダンピングに関してはオイルのチョイスをどうするか、にかかっているように感じたため装着をしておりません。
その逆に、これこれこうだからこうなるはず、ということで装着しているパーツはBORE-ACE製品が一番多い、ということになります。
唯一装着を止めたのはSST-1です。これは、本体のスーパートラップに関係するところが大きいので、今のところお休みいただいている、といった次第で
す。
さて、今回の「ヘッドレスポンス」GO!が出るまでに随分と時間がかかりました。6月中旬の同社のこの製品へのコメントでした。それは「前へ引っ張られ
るような... 」でした。
私のSR500には早い時期よりカンリンの重量フライホイール(半分の重さの小ぶりちゃん)が装着されています。したがって、アイドリングから何から
GT感覚の乗り味になっています。この変化は相当なものですが、イカンセン、下り坂ではアクセルワークが難しくなります。通常のSRのように下り坂で
スーッと走らないのです。したがって、アクセルを少し開けなくては、他の車両について行けない。かといって、エンブレはそう効いていない、という寸法で
す。
とすれば、このまか不思議な下りの一件が緩和できるのではないか、と考えたのです。
こればかりは乗ってみなければ解らないことですからね。この程度にしておきます。
もう一つの疑問はシリンダーヘッドの容積増量パーツとの併用です。これがどういった結果になるのか、請うご期待、というところで2011年6月27日に
発注しました。
到着するまで
このパーツが到着するまでの間、テストランをどうするか。このことのま
とめを相当に考えていました。
コースはいつもどおりの光満・三間街道から須賀川ダムを降りるコースとします。
問題は気温です。ことSR500は気温の上昇がことのほか影響します。そのため、同一日に行うこととすると、なるべく気温差が少ない状況で行いたい、と
考えるところです。しかもフィーリングの違いが分かるように...。
とすると、ヘッドレスポンス装着後のテストランの終了を午前11時までに終わらせることとして、作業を...。
いや、待てよ。現状のことなら状況は十分わかっているのだから、まずは休日前の夕刻に走る。翌朝ヘッドレスポンスを装着し、午前11時までにテストラン
を終了することとするのはどうか。
フムフム。これはいいかもしれない。
が、実際はそうとはいえないのが常。発注後1日目の6月28日に到着したのです。少なくとも29日と踏んでいたのですが...。
そのため、急遽予定を変更。30日は少しばかり忙しいため29日の午後から、先の計画に沿ってテストを開始することとしました。
となると、現状でのテストは午後4時半前後から。テストコース走行時間が30分程度。休憩とヘッドレスポンス装着に1時間程度を見て午後6時前後から再
テストを行う、としました。
しかし、この予定でやるのは簡単でしたが、気温がどの程度まで上昇するか予想を超えてしまうと私の体力が...。
現状での走行
最初はヘッドレスポンスを装着する前の状態で走行です。この時間帯でも気温は30℃を超えています。先の大雨に対しては乾式クラッチのカバーをかけてい
たため、初期のくっつきもなく、最初
から快調に走行できます。
ところが、光満街道で道路工事による前方不注意でオカマを掘った軽四輪が道をふさぎ、この街道の途中でのカーブのシフト確認ができず、これは記憶に頼る
こととしました。
光満・三間の街道とも陽光はわずかに背中から来ますので、前方の風景は十分開放感を与えます。5速で60〜70km/hの速度をキープ。理由は回転数が
メーター読みで1300〜1500rpm付近となり、この速度域が上手くクリアできれば、平たん路は上々。ヘッドレスポンスを装着した時の変化がすぐに出
るからです。1500rpmを超えると味もそっけもない世界になってしまうので、この辺のバランスが比較の重要ポイントになります。
が、結構のろいジムニーの改造車が居て、これをパスするのに、難儀をします。車体を震わせて5速のままで70km/h。嫌になるほど重い速度上がりに閉
口したところです。
鬼北町近永手前で鬼北町奈良へ抜けるトンネルを通ります。最近は近永を通らずにこのルートとしています。
水分へのスパンの長い登り下りもいつもどおりでいよいよ七曲がりの下りへ入ります。これはシリンダーヘッド容量拡大のシステムを装着して以降、シフトダ
ウンのタイミングがずいぶん遅くなっています。また、装着する前は時として2速へ落していたのですが、これが3速までで事足りつようになっています。
つまり、最初のカーブで4速、喫茶店横のカーブで3速、これをホールドして最終カーブで4速、出口で5速というのが今のところのセオリーです。
そこからダムサイドの長い下り。ここからが、アクセルワークの難しさにつながるのです。つまり、エンブレもきつくない。が、重量フライホイールの関係で
低い回転数でトルク重視の走りになるので、下りでのスピードが出ない。アクセルを開けると速すぎる。というジレンマに陥るのです。
この点もヘッドレスポンス装着後の走行と比較できるのではないか、と思いつつ平たん路と同様に60〜70km/hでじっくりと走行します。
少しだけ調子のよいのはK&Nのリプレースメントエアフィルターの影響と思われます。申し遅れましたが、BST34キャブのパイロットスクリウ
の戻し回転数を標準の2回と1/2から2回と5/8にわずかに広げております。
このことがある程度よい結果につながっているのではないでしょうか。
以上のような、いつもどおりの走行結果で帰ってきました。エキゾーストのロッカー周りからの異音は発生しておりません。
装着時のミステイク
しばし水分補給の後、汗を流しながら燃料タンクを外しヘッドレスポンスの装着にかかります。私の好みで、下から見上げた時にBORE-ACEのマトリ
クスが見える位置にして装着することとして作業にかかったのですが、ホース(90445-11289)が短すぎる。以前にホースをカットしてFH-46の
パーツを装着した位置では、ホースの自由度を確保する長さが取れません。
しばし考えを巡らせた後、写真のように装着。少しばかりホースが硬化していますので少々苦労をしました。
次はホースを交換することとして、ひとまずヘッドレスポンスの装着を完了したところです。おかげで、この作業時間に1時間も費やしました。
不思議なレスポンス
時刻は午後6時を過ぎています。顔を洗い身支度を整えてエンジンを始動します。気温差は若干低いですが、それでも30°ぐらい。風の強さと向きも先ほど
とほぼ同じ、陽光はすでにありませんが、青空は依然として続いている、という好条件でのテストができます。
しばしのアイドリングですが、何か違います。音でもない、何かつかみようのないものが支配します。ほんのわずかな違いなのですが、どこがどう変わったの
か判りません。
唯一の違いは100回転ほど低い位置をタコメーターの針が指しています。これでは低すぎるようなのでアイドリングを私のSR500での通常の800回転
程度に上げておきます。
1速にしてスタート。最初の信号まではそう変化がありません。青信号で国道へ出ます。いつもどおりに回転数を各段のギアに合わせてシフトアップするので
すが...。
何ですかこれは!?。少しばかり速さが違うのです。ホントのところ信じられない。が、それは体感上でのこととしていました。マジ、エンジンの回転数など
変わらないのですから。しかし、何かが違う。
旧ロータリーの信号は青で通過。吉田医院前の右カーブで来ましたよ〜。4速ホールドのまま曲がることができました。前にウインカーを出さないレガシーが
居て難儀します。
和霊様前で信号が変わります。その時でした。とと、止まらな〜い。シフトダウンとともに思わずブレーキを早めにかける始末。
和霊大橋の左カーブにかかる頃から本領を発揮し始めました。が、どこがどう違うのかは全く判らず。しかし、本当に速く感じるのです。
申生田の登り下りで、BORE-ACEのマスターの言ったことがもろ現れたような感じなのですが、それでもあまり変化が感じられない。が、何かが違うの
です。
そこから光満街道へ。務田の坂まではダラダラの登りです。帰宅を急ぐ車も少なく、先ほどの事故処理も終わっていて、いつになく若干の余裕を持ってライ
ディングしていることにようやく気付きました。
そう、ギクシャクした感じが無いのです。通常、5速で50km/hをホールドするのはXT500、SR500では難しい。カンリンの重量フライホイール
のせいかしら私のSR500は一層の苦痛を強いられていました。その影が薄くなっている、と感じたのです。
務田の坂を下りて三間街道へ入ります。最初の加速で思いもよらぬことが起こりました。これまで以上に各ギアでの伸びが良いのです。状況は非常に快調で
す。速いと感じるのですが、そう速く走っているものでもありません。
先ほどはこの位置でジムニーが、と思いつつ走って大本神社からの平たん路でとんでもない変化に気付きました。
左のカーブで家の前に出るため若干の注意を払っているところで、その注意を怠るでもなくインに切れ込むでもなく路肩から1mの位置をホールドしたまま曲
がっているのです。ギアは5速。操作は右手のみ。
これまでですと躊躇して、4速で走っていた時もあったのですから、この変化は凄まじいものです。
以後、ずーっと若干の下りでの平たん路。私のSR500はカンリンの重量ホイール装備のため、BORE-ACEのマスターが言うような変化はまだ感じら
れません。
奈良へ抜けるトンネルの登りも何時になく快調です。トンネルを抜け下り。ここもさほどの変化がありません。
一時停止して、右にルートを取ります。いよいよ水分への上りが始まるのですが、いきなり来ましたね。右に寝かせてアクセルを開けると、わずかにリアタイ
ヤが滑って立ち上がるのです。
その後、2〜3か所道路のくぼみがあるのですが、これもジワリ〜っと過ぎていきます。以前ですとポンと跳ねてスッと収まっていたのですが、今回は窪みを
なめないまでも、トレースして走るように変化しています。
まさに、ここまではSRX6ではないSR600の走りです。
驚きは水分の下りのカーブでした。これまでは最初の右カーブで4速、喫茶店横で3速にしなければ、次の立ち上がりがうまく運ばなかったのですが...
。
何と、意識していないのに5速のまま入ってしまって、前に軽四が居たため喫茶店横で4速に... 。
まったく不安など無いのですよ。マジ、軽四が居なければ右手の操作だけで5速ホールドのまま下っていたのではないか、と感じました。
ダムサイドの下りは快適そのものです。わずかにアクセルをひねるとスーッと前に追いつく。以前ですと、シフトとアクセルをどうするかで、ずいぶんと苦労
したのですが、これが一切ありません。イキヨウヨウ柿原のトンネル手前で信号待ち。オーット、ブレーキングのタイミングをスッカリ忘れていましたぜ。
最後の最後、丸山の下りから中央町への道は、結構速度を上げていました。大人げないのですが、以前のアクセルワークをやると速すぎるのです。
どうやら、ようやく内容が一定したように感じた一瞬でした。凄まじい変化なのですが、ナント乗り良いSR500になったものだ、と思いつつ帰着しまし
た。
あとがき
とはいえ、これほど変化すると、これ以上に... 、と望んでしまいますが、少し元に戻して考えてみました。
まずは、純製のホースですが、これはスムースな曲がりと同時に燃料タンクのサイドダンパーの下側を通るように取り付け変更をする予定です。
続いて、アイドリングの低かった点からパイロットスクリューの戻し回転を少し開けての結果ですから、実際はキャブレターのピストンを少し押し上げて回転
数を増すわけですので、この部分はニードルジェットに関わることと考えました。
Sick'n
SRを何とかする時代にニードルジェットを削りました。結果はストレートに上がるものの、山が無くなるため結果の良し悪しは不明でありました。お勧めまで
は行きません。
ここ最近、M.W.Iさんの記事からキースターのキャブレターリペアキットの中にニードルジェットが入っているのに気付きましたので、後日発注をかける
こととしました。
おそらく、先端の細いものが好適ではないか、と思います。