SR400/500 への重要な改善対策
・・・ ハブクラッチにOリングを装着する ・・・

 私は、オートバイで通常仕事をしてくれている部分に関しては、初期整備 の時に手を入れることを別にして非常に無頓着です。特に外部に直接触れない部分はなおさらです。オートバイの整備についていろいろ記載している者が何たる ことか!、とお叱りを受けるところですが、元 来そういったところは手を入れなくてもいいようになっている、と思っています。
  39000km程度走る私の'96年型SR500は汚いままで仕事をさせている部分も結構あります。ステアリングヘッドは'98年に高知で追突された ときに分解がてらグリスを入れてます。スイングアームピボット部分も同様に10000kmに一度程度でグリスアップ。タイや交換時に、フロントブレーキは 一般の点検整備、リアブレーキは、作動アームの位置関係からインジケーターを少しばかり無視し て取り付けていますが、それなりに整備しています。
 そういったところで、今回はホントに何気なくM.W.Iさんのページを見つつ、気になっていたリアホイール部分のハブクラッチにXT500用のOリング を追加しようと考えました。
 実のところ、この部分も10000km走行時にグリスアップをしているのでした。XT500の時も'78 SR500の時も最初の500km走行時にグリスアップしましたし(10000km走行へ至るまでに売却)以来、放ったままにしておったところです。
 フロントフォークオイルなども動きが若干おかしいかな、と感じるまでは、頻繁にオイルを交換したことがないんです。
 「ダンナ、それではアキマヘンデ」という声は聞こえてくるところですが、別段調子がおかしいとは感じられないのが事実ですし、今のSR500のハブク ラッチ部分にグリスアップしたとき、確かにM.W.Iさんのおっしゃるとおり、ストッパーの貫通穴部分からグリスが出てきたのを見て、スイングアームのグ リスアップと同 じものと感じていました。で、別にガタも出ていないし... 、といった状態だったのです。不思議ですが本当です。
 ま、リアブレーキの点検も兼ねて、今後のこともあって、この部分にXT500に装着してあるOリングを装着することとしました。

 まずはリアホイール側の取り外し、ハブクラッチを分解するのですが、先にリアブレーキのドラム清掃と確認。レバーへのグリスアップをして、ライニングを 取り付けておきます。ドラムは若干減りは見られるものの、まだ使用できますし、斜めに2本切れ目を入れているブレーキライニングもOKでした。
 さて、ハブクラッチを分解します。セオリー通りサークリップを外します。これは簡単。次はダストシールですが、これは少々知恵の輪的な考えで、小さいマ イナスドライバー2本で外せば簡単です。そしてストッパーを片方ずつ外し... 、ホイールにまたがりドリブンスプロケットを持ち上げたところ、ハブクラッチはわずか5mm程度しか上がらないのです。「サビ付きだろう か?」。いや、そんなことはない。固くはなっているが、グリス分は健在だ。
 5mmぐらい上がっているので、WD-40をベアリングとの間に吹き付けてしばらく置きます。隙間にWD-40が入り込むようになったとき持ち上げます と、グリス溜まりで一段止まった後、スッとハブセンターから離れました。

 

 いかがですか、この写真を見て?。おそらく信じられない。と思われるでしょう。一回だけグリスアップをしただけの車両なんですから。
 ダンパーラバーも痩せてもおらず、乾燥してカサついてもいません。ストッパーには若干キズはあったものの、ダストシールもクリーニングをして良好と判断 しました。
 ハブのセンター部分をクリーニングし、グリスを塗布し、一番奥へOリングを入れておきます。
 ハブクラッチもクリーニングをして、ダンパーラバーの当たるセパレーターへはモリブデングリスを薄く塗布しておきました。

 組み込みはM.W.Iさんのページ通りに行いました。ストッパー取り付けに若干苦労して装着完了。ダストシールもきれいに清掃し、グリスを溝に塗布して Oリングを装着。貫通している2個の凹みをグリスニップルと反対側に来るようにして取り付け。すべてを完了しました。
 すでに、プライマリーとしてグリスを十分塗布いたのですが、再度グリスアップしてニップルと反対側のスペーサーの貫通穴から余分のグリスが出たのを確認 して、すべての作業を終えました。(リアホイール取り付け後、50km程度走行するとグリスが外へ出てくるので、拭き取ること。)

 

 私のSR500はラインオフして一月ぐらいで納車されたものです。こういったことから、私のSR(しかも500cc)だけかもしれませんが、組み付け時 は結構気をつけて組み 込みされているのではないか、と感じたのです。
 そして重要なのは、やはり初期整備(今は1000km走行時又は1か月)の時点と10000km走行時の点検整備ではないか、と感じたところです。

 でも、待ってくださいよ。何でこの作業をやるのでしょうか?。この理由は「リアホイールをスムースに動かすため」という、わかりきったことです。が、 XTからSRになったときOリング(と樹脂製のアウターカバー)が撤廃されて、グリスアップは出来るものの十分に入れると、ダンパーラバー部分までに進入 するからかえってダメになる場合が生じる、ってことらしいのです。それゆえ、Oリングを装着して、ハブのセンター部分に均一にグリスを給油することにし た、ということです。
 理由はわかりましたが、SR初心者は「グリスが入っている」のと「入っていない」のとでの違いが判るかどうかです。えらく遠回しですが、この違いが大半 の書籍には記載されていないのです。

 結果は、「各ギアでのノンスナッチ速度部分でギクシャクすることが少なくなる」ということになります。SR400では少し良くなったかな、というぐらい でしょうが、SR500では、ことに5速・2000回転・50km/hという、通常ならギクシャクした走りしか出来ないのですが、この走りが改善されてい る変化が感じられるはずです。
 ということは、この部分の潤滑は非常に重要なんだ、ということがおわかりになると思います。と、いうところで、このXT500のOリングを装着されるこ とをお勧めして、この項を終えます。



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