いたずら心を(その1)
/// フトしたきっかけ ///
シムズクラフトのMタイプエキパイを装着して以来、SR500は相当安
定してきはじめました。もちろん、ボアエースのオイルラインでの効率化も加味されてはいますが、吸排気系でのMタイプエキパイがエンジン能力を支配してい
る力は大きいものがあると思われます。
このことに気をよくして、以前に「いたずら心が起こる」、と記載しました。何をどうするか、一番わかりよいのはスリップオンのスパトラではないか、と思
います。しかし、ひょんなことで手に入れた不思議なスーパーサウンドのフルエキタイプ。これはディスクの枚数に対しての検証などが出来ていません。これが
ことのほか調子が良かったのですが、今回は見送ることとします。
まずは、シムズクラフトのエキパイにスパトラのスリップオンを本当に装着したらどうなるか...、と考えたところです。
スリップオンのスパトラを純正エキパイでやったではないか、とおっしゃられること、そして私の持論のエキパイの長さに関してに対しても重々承知していま
す。それなのにどうして?、となりますが、実は、Mタイプエキパイの長さがどう影響するのか?、の確認をしたかったのです。
言い回しが妙ですが、わずか20cm程度エキパイが長くなっただけで、変化が大きいかどうか。いたずら心とはいえ、SR500でのリプレースマフラーに
付け替えすることから得られる結果が、シムズのMタイプエキパイのコンセプトが本物なのかどうかの確認を第一に考えたのです。
それでは、これまでのスリップオンスパトラのことをまとめてみますと、次のようになります。
- 純正ディスクでもスーパーサウンドのディスクでもスリップオンのままなら大きく変化しない。
- いかようにしても、下りで、エンブレを伴う場合はバスバスと音が出る。
これらの解消が可能かどうか。この確認にはディスクが共通のスリップオンのスパトラの装着が一番早い確認ではないか、と考えた次第です。
これまで、ホワイトブロスのスーパートラップから始まって、アクセルオフ、あるいは下り坂でのエンブレを効かせた時などに出るバスバス音には泣かされ続
けてきました。ことに調子のいいときの5000回転後のアクセルオフで、一瞬の静寂の後に出る「パーン」には頭にくるところでした。
どうして400では出ないのか、500でもノーマルマフラーに替えると出ないのか、摩訶不思議なことでした。
その多くが、この間のおかしなスーパーサウンドのフルエキで解消されたところです。といったところから、スーパートラップが悪いとは考えづらいのです。
全くばかげた話ですが事実なんです。
ブイーンと回転が上がって、アクセルを戻したらグ〜、ボボボボボとエンブレが効いて、クラッチ握ってブレーキングってことになるわけです。が、ボボボボ
ボ、パーン。あるいは、ボボッ、ボボッ、バッバッバッ、とくるのですから思い切ってアクセルひねることもできないし、低い回転数のまま、ということにもな
らない状態に少々頭にきていました。
シムズクラフトのエキパイはこの点を少し緩和してくれるのではないか?。今さらディスクの枚数を変更し、その都度メモって…。こんなのやっても時間の無
駄ではないか?。ノーマルマフラーで本当に過不足ない、むしろ、シムズクラフトのMタイプエキパイに交換した後の方が一層調子が良くなったのですから、内
心はやはり同じだろう、という気分は消えないのも事実でした。
そういったとき、ネット上で面白いサイトを発見したのです。「スポー
ツスター馬鹿一代」という、4速のハーレー・スポーツスターさんのブログなんですけどね。2009年の1月で500回を記録されて
います。
そこの2005年5月5日記載のスーパートラップの記事でした。要約しますと、ディフューザーディスクが18枚、エンドはドームエンド(クローズド)っ
ていう組合せがいい、とのことでした。
で、2009年1月17日の土曜日、久しぶりの晴天の下、それをやってみたのですよ。当然ですが、オープンエンドの中はアメリカ森林警備隊推薦(スパー
クアレスター)のドームエンドを用いてます。少し違うのはライディングスポット製のクワイエットコアを装着していることでしょうか。
いつもながら、お皿の状況がよろしくありません。スパトラの一つの欠点でもあります。今のディスクになって、強度上はボディーの材質と同様に柔らかく
なっているように感じます。
手持ちのディスクの中で状態のいいものを使用することとしました。
レーサーではないのですが、姿は結構迫力のあるものになっています。ま、これで、エンジンを回して走ってみることとします。
キックするも5回ほどでエンジンが回り始めます。チョークを引いてますから、回転は高いのは当たり前。ところが、30秒後に1段チョークを戻したとき、
回転が下がるのです。通常と全く同じになります。まさか、とは思いましたが、これはなかなかいいものが待っているような気がしました。
サウンドは、少々気が引ける程度で、日中なら気にはなりません。私としては、ま、この辺であろうというところで、実際は抜けの良くなった点は評価できる
のですが、今度は、ブローバイガスもそのまま燃やしているような臭いがしてきました。
ま、ともかく発進です。いきなりですが、ごく普通に出ます。これは驚きです。最初の信号で少し回転を上げて見るものの、アクセルオフにしたときに、バ
スッという音がしないのです。これはいけるかもしれない。
国道から三間街道へ行く手前で、少しばかり野暮ったい気分になってきました。どちらかというと、サウンドとかが妙に好ましいとは感じない。しかし、どち
らかというと、パフォーマンスは上がっているんです。これはフワ〜っと車体が持ち上がるような感じですよね。アクセルオフでもガクンとノーズダイブのよう
なものも出ないので、これはこれで、なかなかいい調子、と感じました。
途中、止まりそうになったときが3度ほどありましたが、燃料の残が少ないことと、アイドリングが低いこと。これだけを修正すれば、なかなかいい状態にな
るのではないか、と思いつつ、鳥越から国道56号線へ出るショートコースとしました。
もう一つの案、ディスクを15枚にして、クワイエットコアをはずしてやってみようと思ったからです。
午後3時半、素手でマフラーが触れるほどの温度に下がってますから、マフラーを取り付けたままで、ディスクをはずします。
あれあれ、真っ黒いディスクのカーボンが少しばかり飛んでいるではありませんか。スポーツスター馬鹿一代さんのおっしゃるとおりのことが起きようとして
います。
15枚に変更して、エンジン始動。2段チョークはすぐさまストップ。理由はお分かりでしょ、音がうるさいのです。迫力のある音ではないし、比較的丸い音
なんですが、うるささは変わりません。
発進します。なかなかいいです。連続音になると音が静かになります。不思議な現象ですが、やはり、ブログに記載のあるとおりの変化です。スパトラ本来の
ものではないでしょうか。
ショートコースで通します。和霊神社の前で、原付スクーターに並ばれますが、加速はこちらのほうが速いという、全く不思議なことが起きます。
申生田の上り下りも異常ありません。高光の信号で止まったときはその音に少々…。ま、いたしかたないでしょう。ここで、信号待ちなど、アイドリングを若
干高く保つようにアクセルをすこし引いた状態にします。思ったとおり、この効果はなかなかいい結果をえました。しかし、シフトアップする場合は、どうして
も回転を下げなければ、つながりにショックなどが出てきます。クラッチの調整不足ではないんですよ。
カンリンの小ぶりちゃんを装着していますし、回転のイナーシャからすると、アイドリングを低くすることが大切です。スパトラは回転を上げておいて…。こ
の辺のところが難しいですね。
先の18枚と同じような感覚で帰ってきました。部屋へ入って少し考えました。何がどうなってるのか、という気分は全く出ません。スポーツスター...
のブログでのスポーツスター883の1/2ということで割り切って、ディスク枚数を鵜呑みにしてやったお遊びにもかかわらず、「いい気分」と「やはりね
〜」、が交錯するのです。
で、ふたたびハーレーに対してSRは何がどう違うのか?。ハタと気づきましたね。お分かりですか?。
そうなんです。それはマフラー容量です。SR500に対して、一般にリリースされているメガホンのスリップオンでは明らかに容量不足ではないか、と思っ
たのです。
確かにエキパイの長さは、クランクケース後端まで必要で、その位置以降でマフラーへ導かれるべきであること。今回シムズクラフトのMタイプエキパイでの
実験ですが、これは、ほぼ私の考えどおりでした。あくまでSR500でのことです。
ディスクの容量は、SR500でも400でも、これまでは8枚という定番枚数がいわれていましたが、どうも違うようです。少なくとも12枚以上が必要の
ように思います。20枚になると、これはバックプレッシャーが小さくなって、トルク不足のように感じ始めると思います。
15枚から20枚までは、微妙な数字での実験ですので、12枚でテストして15枚、18枚、20枚と増やして、その都度感覚をメモっておけば、自ずとど
の程度か、ということがお解りになるだろうし、一般のメガホンタイプに付いている(推奨の)8枚ではダメだな、と感じられるはずです。
同時に、その音がどこまで耐えられるか、があります。もちろん、(スパトラの)インナーコアの重要性は感じますが、隔壁を含んだ各層に分けた消音室は持
ち合わせていません。
とすると、径の比較的細い長いエキパイは必要ということですので、排気ガスがマフラーへ入る流速とメガホン内の消音、そしてディスク間から流れる排気ガ
スのトータルで考えると、ことSR500ではマフラー容量が重要になってくるわけではないだろうか。
再びハーレーのレーサーの写真を見ると、やはりマフラーも長いし、容量も大きい。それゆえ、スーパートラップも良いほうで受け入れられるのではないか、
と感じたところです。
それでは、スパトラの汎用はどうなのか?。アクティブのカタログなど見ると、やはり、通常の汎用スパトラのボディーのバリエーションが多いことに気づき
ます。
それらを総合して、SR用にスパトラをリリースしているとなると、中澤製作所製のフルエキタイプではないか、と思ったのです。そういえば、クワイエット
コアも独自の考えでリリースされていますしね。
ま、今回はお遊びです。再びノーマルの3GWのマフラーに戻しました。やはり、いいですね。今はエキパイにマフラーがきっちりと収まりますし、言うこと
はありません。
ワンオフでマフラーを作っていただけるところがあれば、緩やかなメガホンタイプで、エンド部分を比較的長く取っていただけるようなものを使用されるとい
いものができるのではないかな、と感じるところです。もちろん、性能などを保障するものではありません。
もう一つ、やっていないことと、何か間違っていることがあるのではないか。それをもう少し掘り下げないと...
。いや、「いたずら心」というのが基本ですよ。
スパトラって、今は生産されていないSR400にスパトラっていうオーナーも少なくなってきましたものね。ましてや、私のはSR500ですから、500
そのものがボロですし... 。そこに愛着もある1?、とか何とかコジツケも加わって... 。
しかし、今回やった実験から、これまでの定説は間違いじゃないか、というものが見えるようになってきたのです。
続きは次回に