い たずら心で(その10)
/// 終焉は簡単ではない ///

 確かにこれで終焉のハズだったんです。本人、結構マジです。マジに成ら ざるを得ません。あれだけやってイイ線出てたのに不思議なことですが、どうも納得がいかなにのです。
 何か違う。その「違い」が何であるか。あるいは違いの原因が何処にあるか?。そういったところが、この段になって全く不透明になってきたのです。

信 じられない
 ディスク4枚での結果はよろこばしいものでした。これはこれで否定はしません。
 そういったとき、ライディングポジションに少しだけ気が向いたのです。今のシートは48Uのヨーロッパ向けのシートを使用しています。私の身長 (174cm)では、ハーディーのハンドルバーを若干押さえる格好で乗っています。それをぶら下がる感じで、ステップもかかとと足の裏の分かれ目、という ことは革靴のかかと部分がステップにヒッカカル(解りますね!)ようになる。そのためには、シートを薄いものに替える。これです。
 手元にあるのはコージーシートとオレブルの古い奴。もしも、このときオレブルをやってたら、このことを記載せずに、いきなりシートとライポジがなかなか いいな、で終わっていたことではなかった、と感じたのです。
 そして、もう一点は例のBORE-ACEのシリンダーヘッドフィンの若干の加工をやってみました。これは例のお湯の沸騰からの思いつきです。



シート交換から思わぬことが
 5月4日、午前中にコージーシートへ交換します。いつもながらシートジョイとのコラボですからなかなかいい仕上げですが、残念なるかな、ガタを消すと取 付が不調になる、という性 格を持ったシートです。こと燃料タンク取付ボルトとシートベースが干渉します。
 リアをアップすると治るのですが、今度はバランスが悪くなる。こと、初期の製品は問題が多くウレタンの質の割には人気がなかったように感じているのです が... 。
 今回引っ張り 出してきたものの、相変わらず装着性の悪さなど、初期製品にあった諸々が再び表面化したように思います。何しろ、装着すると右に傾くのです。不思議です ね。フレームがオカシイとは考えられません。ベースのFRPの製作過程で発生することではあろうと思いますが、 全ては裏側になる部分で外見から判断する余地がありません。
 対して、この辺のところはMOTOCOのシートには素晴らしいものがあります。こと材質の強度、ウレタンの劣化など状況などは、特筆もの です。あえて雨の日は水を吸う状態にしているというのは言い過ぎでしょうか。オレブルの製品も同様ですし、指向は若干異なりますがペイトンのシートも同じ で す。

 というところで、コージーシートを装着していつものテストコースを走ったのです。マジ、異変に気付きました。異変というと異変なのですが、これまでのス パトラのディスク4枚とどこか違うのです。何かこう上手く走らない... 。

憤懣やるかたなき結果に、これまでのことが何だったのか、ということが浮 かんできました。

 走るには走る。クワイエットコアは抜いている。ディスクは若干なりとも厳選している。何か排気自体が後ろへ流れない。それがどういった理由か解らないの です。
 前の四輪などチョロイものですが、あえて先へ行こうとはとても感じない。「コイツ遅いぜ」とも感じいない。その上に開けるとグワ〜っと来ない。速いのに 憤懣 やるかたない、というのが正直なところです。
 帰りにオートショップワタナベへ寄って新しいスパトラのディスクを注文しようか、と考えましたが止めました。立ち寄ったのは立ち寄ったのですが、 PLOTのからログ見ていると、スーパーサウンドのラインナップもずいぶん縮小されているのを確認しましたし、アクティブのカタログもアキシャルフローが 大半を占めていますので、これこそスパトラは無くなってしまったな、と感じました。

そこから帰ってきたのですが、妙にやりきれません。わかりますか?。調子 が良いのにオカシイということが。

久しぶりに純正シートへ
 帰宅してシートの表面を見ますと「右へ傾いている」ことに気付きました。これを防ぐために相当苦労したのですが、やはり、ベースの製作過程での誤差の許 容範囲がデイトナは緩い、と思わざるを得ません。クレームではないクレーム。大きいパーツメーカーでも、この辺の保障は微々たるものです。
 これから夏を迎えます。48Uのタックロールシートでは尻が蒸れます。ファブリック調の純正シートを装着することとします。若干ベースにサビは出ていま すが、まだ大丈夫です。
 取付ボルトなど「パツイチ」でフィット。全く不思議な世界です。三重管のマフラーなど、とやかく言われますが、真にどの車種でも過不足なく装着できるも のというと「シート」ではないか、と考えました。シート自体の仕上げは良かっても、機能などは二の次なんでしょうか。

 昼食は3日目のハヤシライス。まろやかさが出過ぎて、既にライス用ではなくなっています。次はスパゲッティーと合わせることとします。余談が過ぎました が、結構スッキリでドミグラスソース前のトマトベースのルーってところが良いのかもしれませんな。
 その後、新しいBELLヘルメットのためにグラサンを購入しました。ダイソーの百均で105円。不思議な感覚になってしまいます。

 さて、仕様はそのまま、シートのみ交換。エンジン始動もいつもどおり。心なしか、例のお湯の沸騰の時と同じような天候になったから、南へ走ることとしま した。
 スタートして驚きましたね。若干ですがアクセルレスポンスが戻ってきたように感じました。残念ながら、いつものテストコースのようには行かず、前を走る 軽四トラックに尻貝(しりがい)まで引っ張られました。
 ここからが凄まじかったのです。山道にもかかわらずググ〜っと加速していくのです。下波(したば)へ向かうまでの道は凄まじいものでした。

 「まさか!?」 さー、それが何であるか?。もうお解りかもしれませんね... 、と言いつつ、その実は難しいでしょう。私の加古の実験が、こんなところで引き合いに出されるなんて思っても見ないことでした。
 全体がOKになりつつあっても調子が出ない。この関係が何であるか、以 前の私の実験で、ある程度の結果を出していたのですが、再び同じ事を繰り返そうとは... 。

 つまり、純正のエアクリーナーボックスを持つSRの空気取り入れ口 (ダクト)のラバーは後ろを向いています。このシート下に位置するダクト部分と、シー トベースとの間に15mm〜25mm程度の間があり、なおかつシートの後部は一種の空気の溜まり、エアダムが必要ではないか、と感じたのです。加古の実験 からも、これは私の持論である以上に必要不可欠なものであろうと思いました。

 ところが、下波(したば)に入ってからは、硬質の振動が包み込みます。若干走らなくなってくる。
 つまり、このような状態のまま帰ったのが前回で、お湯の沸騰が... 、となったのです。が、今回は風もありお湯の沸騰は無いものと判断し、帰宅しました。
 「何かオカシイ」のある程度の原因は分かったようにも思いますが、何かヤリキレナイのです。ほんの少しのことだろうと思うのですが... 。

 天気予報はおかしな天気を予想していましたが、夜遅くだろうと思って、丸穂温泉で「菖蒲湯」をごちそうになりました。今日1日は端午の節句。私自身子ど ものようにオートバイに接していたことになります。
 あと少しなんですが... 。午後8時前、突如の大雨。車体カバーをしていなかったSR500は濡れ放題。幸い小降りになりましたが、明日はOKだろう事を願ってオヤスミとしまし た。

5月6日全てが解決
 おかしな夢で早起きしたのですが、再びバタンキュー。7時前に起きました。うまい具合に雨が上がりました。天気予報とは逆に青空まで見えて来始めまし た。
 ステファニーの調理パンでの朝食。その後、SRのクラッチハウジングの雨水を散らすためにデコンプ引いてキックを数回。どうやら水は入っていません。好 都合です。
 クワイエットコアを外しているのですが、何かおかしい。じゃ、スーパークワイエットコア入れてやれ。
 ディスクを外してびっくり。やはり現行ディスクでも、最初の処理は適切でないと変形は免れない。したがって、再使用をするしないにしろ、前処理は必要の ようです。この件は後ほど。
 それなら旧タイプのディスクを使用することとしました。不調の大きい要因はシートであろうことは明白になりましたから、現行ディスクの新品は持っていま せん。そういったことから旧タイプのディスクを使用することとしました。

 いつものコースを走ろうとしたのですが、本当に走らない。急遽引き返して、スーパークワイエットコアを外して走らせます。現行の使い回したディスクの時 より、バックプレッシャーが少ない。現行の1枚当たりの効率を確保するには、ディスクの前処理として、ボルト穴を若干大きくしておいてやる必要がありま す。同様に締めつけトルクも0.75ではなく、0.45kg程度で十分です。

 エンジンスタート。いつもの道、いつもの場所。唯一違うのは速度です。常に60km/hで走っています。それ以上でも、それ以下でも走らない。というよ りは、その辺のところが素晴らしく良いんです。
 が、見方を変えると、それではフレキシブルさが欠けるのです。ここんとこ何とかするためにはどうすればいいか?。少し背圧をかけてやればいい。そのため にはライディングスポット製のクワイエットコアを... 。

堂々巡りをしている?。いや、そんなことはない=元には戻らないだけだ。

 ライディングスポット製のクワイエットコアは改造をして、クワイエットコアのみの作用にしてあります。これに旧タイプのディスクをダイレクトで装着する とガタが出ます。不思議ですが本当です。どうやら、ホールの搾りの深さが若干違うようです。ではどうするか?。現行ディスクを1枚入れてやればいいわけで すね。
 構成は次のようになります。クワイエットコア+現行ディスク1枚+旧タイプディスク4枚+グラファイトスペーサー+ステンドーム+オープンエンドという 構成になります。いつもの4枚より2枚分後ろへ出るフォルムになります。



 再びエンジンスタート。いいです。今までのようなパンパンという音が消えてスパンスパンという音に変わっています。スタートしても絞り出すようにアクセ ル操作も必要ありません。
 和霊神社前で隣の車線にヤマハのYZF-R1が。そりゃ速いですよ。でも、ドバーっと来る奴と違って、こっちはレシプロ味全面に出して来るのです。ス ピードの体感が... 、といったところで、奴の1/2しかないのです。それでもYZF-R1は凄まじいオートバイですワ。
 奴とは和霊町の交差点でお別れして、申生田の上り下りも難なくこなして、光満街道。前にムーブとワゴンRの5台軍団。結構速い。それに離されることなく 着けることが出来ます。何かが違っています。不思議な感覚ですが紛れもなく先ほどとは違います。とうとう務田の坂を5速のままで登ってしまいました。
 軽四軍団は左折して三間へ入りましたから、私は次の軽四(スバル)の後ろへ。これが死ぬほど遅い。が、当方のイライラが... 、にはならないのです。次の直線で抜けばいい、とノンビリしたものです。
 で、舟の川付近でパス。シフトを... 、と思って蹴り上げようとしたら5速のままでやってしまいました。80〜90km/h出てましたから、今度はこっちが大変。スピードが落とせないのです。 気分が良いのでツイツイ。
 クラッチ握って若干回転数落としてミートせざるを得ません。先ほどの走行では60km/h連続だったのが、このフレキシビリティー。全く不思議です。
 サウンドは、これまで12.7mm機銃と言ってましたが、7.7mm銃のような感じです。タカタカタカタカという感じでしょうか。2000〜3000回 転になりますとブロロロロロ〜といった感じです。
 としたとき、右の膝と足首の間にジワリ〜っと熱いものを感じ取りました。オー、私の追加物が効果を発揮し始めてBORE-ACEのシリンダーヘッドフィ ンの効果を助長してきだしたようです。

 近永から水分の道を走ります。結構速いペースですが、風が出てきましたし、雲行きがアヤシイ昼になってきました。
 いつもの私の気分なら、これまでナニをやっていたのだろうか?、とか、ようやくここまでになった... 、などと記載していたハズなんですが、今回はそういった感じのものが浮かんでこないのです。
 どうしてだろうか?。それが浮かばないのはオカシイのじゃないか?。疑問符のオンパレード。

 水分のコーナーでは4速にのみ落としました。右の大きなRを回って以降、柿原の交差点までは5速をホールドしたまま。信号が黄色に変わると同時に交差点 へ入りました。そのためそこで4速へ落として、トンネル前で5速へ。そのままで丸山への前の坂へかかるまで、トンネル内は70km/h程度で流しているん です。そう、そういった感じのままなんです。
 丸穂の街中も低回転でこなすのですが、クワイエットコアなしの時にはなかったスムースさも加わりました。

 本当に意気揚々帰ってきました。もはや言うことはありません。ようやくここまで来ました。



 これまで10回にわたって連載してきたこの項ですが、これまで何をやっていたのだろうか。間違いはやっていないし、それなりの結果が出せたのは事実で す。

 これ以降、ナニをどうするかがなかなか出てきません。すでに時は2009年の5月に入っています。当初から、これほど長い連載になろうとは予測していま せんでしたが、ま、成り行きですのでお許しください。

 ある程度の資本力があって、仕事と楽しみが同時進行して居居るような「オートバイ屋」というのはなかなか存在しないわけです。それゆえ、雑誌などで、い とも簡単に「こことここをどうこうすれば性能が上がる」は、今の時代では考えられません。同様、任意に車種をあてがって、その状況を編集後記のようなとこ ろで出す。
 これはこれでいいのですが、そのレポートがいつか消えてしまう。これが、私にとっては辛い。コンピューターの世界も同様で、冴えたるもの、記事に従って 読むウチに我が機種でも同じことをやってみよう、と思いつく方々は今では希有な存在であろう、と感じたところです。

 というところで、再び不調のハズのスーパーサウンドのディスクに戻るのですが、続きは次号から。


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