い たずら心で(その12)
/// ようやくここまで来たか... ///

最 終章へのプロローグ
 前回は改造ライディングスポット製のコア+ディスク6枚で、ようやく走れる仕様になって、意気揚々その結果に満足していました。
 このこと自体、これまでのセオリーを全く無視したものです。私の古い記憶ですと次のようになります。
  1. ディスクは4枚以上で使用すること。
  2. クワイエットコアを使用するときは4枚以下にすること。
 「スポーツスター馬鹿一代記」さんのブログに、これまでの通説と違う「6枚」という枚数が出てきました。その基本は“3枚”となります。
 この“3枚”のことはあまり記載していないのですが、現実には「ディスク 3枚がエキパイ径に匹敵する」ことになるのかもしれません。

 このようなことを考えつつの日々でありました。5月の連休中は相当やったため、後追いで疲れがやってくる。おまけに職場環境がウマクナイ。これらのイラ イラがつきまといました。
 うまい具合に6枚での良好な結果が出せていたので、イライラはあったものの、その間はSRに触れなかった。逆に考えると、これが良かったのではないか、 と思うところで す。

 6枚での走行状況で気になったのは、「もう少しのヌケの良さと静かさの増加」でした。
 無理なことを言うな!、と思われると思いますが、実は3イ ンチのスリップオンのとき、これが可能ということをある程度理解できていたため、おそらく出来 るはず、と踏んでいました。
 しかしながら、スーパークワイエットコアを使用したときはマフラーメガホン内部での排気のオカシイ動きなどがある程度確認できていたため、ライディング スポット 製の改造クワイエットコアが同様の作用を及ぼすのではないか、と考えられ、このことが払拭できるかどうかの確認も必要かと考えました。

 実は、事の起こりは、シムズクラフトのMタイプエキパイを装備して 3GWのノーマルマフラー性能がアップ(=本来の調子)したことから、スーパートラップを再び使用してみることとし、スポーツス ター馬鹿一代記さんの一文からディスクは6枚単位で... 、という内容を鵜呑みにしてディスク12枚とライディングスポット製のクワイエットコアを装着したのが最初で、結果としては「なかなかのものがあった」か ら始まったのが「いたずら心で」でした。

 6枚での走行時、クワイエットコアを入れると、排気音が甲高いものになること。これが確認できました。このことは、若干違う面も含まれますが、3イ ンチのスーパートラップではクワイエットコアを使用するにはリゾネーターを用いるのが必須でしたし、センターキャップのディスク側を穴のを広いものに変更 する必要があったわけです。
 その時の音質はパンパンという音に対してキンキン、ピチャピチャという音が加わるのです。したがって、逆に“ウルサイ”と警察官より指摘を受けたことも あったところです。
 今回の6枚での時はこのことが少しばかり表面化したものだろう、と考えます。
 そして、相反することとしての静かさは、背圧の関係からライディングスポット製のクワイエットコアのパイプ径からしても、消音システムであっても排気効 率は高いのではないか。したがって、ディスク枚数を増やしても、ある程度の枚数なら静かさが増す、という結果を得ています。
 話を元に戻しますが、最初の12枚でのテストと変わったのは、スパトラのメガホンマフラー部分が15cm長くなっていることです。同じディスク枚数でも 変化の確認は成されてなかったのです。そのため、クワイエットコアを装備しての12枚のディスクから実験してみようと、考えたところです。

再びのディスク12枚
 現在装着しているディスク6枚を含めて、良好なディスクを6枚追加します。「お前、中古ディスクを何枚持っているのだ?」とおっしゃるところでしょう が、実は36枚程度在るのです。
 そのディスクから何とか使えるものを選び出す。1枚1枚のスリットをあわして選ぶとなると作業は時間が必要です。
 なぜ、変形をしたのか?。それはアクティブの指定では、取付ボルトを0.75kgで締めつけよ、となってます。これが曲者で、スパトラのディスク自体の 仕上げ、ディスクの穴とギザギザの凸部分の仕上げ、取付ボルトの受け側となるインナーコアのナット部分、これらの精度がラフなんですね。そのラフな仕上げ のディスクが6枚〜8枚ぐらいの少ない枚数 を装着する場合、0.75kgのトルクで締めつけることは、はなはだディスクを歪ませる結果になる、と感じております。
 これらのことから、最近ではスーパーサウンドの指定トルク0.45kg程度でやっているところです。コツは締めつけて硬くなったところから、少し力を入 れる程度≒0.45〜0.65kgとなります。

 

 2009年5月16日(土)午後からは雨模様の予報でしたので、8時過ぎからディスクの交換を行います。
 拙宅の隣のパーマ屋さんのお孫さんが到着する時間である9時頃、エンジン始動します。鳩が居ますが逃げることもありません。お孫さんも嫌な顔をしませ ん。つまり、6枚の時より静かなんです。本当です。
 出発します。最初の信号へいくまでに... 、「は、は、走らない」。クラッチつないでスルスルと行かないのです。いやはや参りました。オットットット、となったのです。実は、マフラー改造前の 12枚ではこういったことが無かったのです。
 マフラー容量がアップして通常メガホンタイプの常であるバックプレッシャー。それが無くなると、少しばかり乗りづらいな、と感じたところです。

 最初の信号待ちからスタートして、国道の直送路では吉田医院前の最初の右カーブの信号まで一気に進めました。過不足在りません。そこから申生田の上り下 りもいつもどおりです。
 務田の坂までの光満街道も過不足なくパス。三間街道へ入って、走り方を見ていると、ふわふわのサスペンション以上に、ダンパーヌケのような状況のMK- IIを80km/h程度で抜いた後、アクセルを戻しても速度がダイレクトに落ちない。これは水分からの下りが楽しみです。
 永野市を通らず近永の交差点から成川・水分へ出ます。
 若干の上り下りがあるこの道路では少しばかり乗りづらさを感じます。つまり、1500回転以上でなければパワーダウンの気分になってくるのです。おかし いことですが事実です。
 例のコーナーへ入ると、これはブレーキが着いてこられません。ディスクブレーキの必要性をモロに感じたところです。喫茶店のところで4速へ落とし、左 コーナーの頂点で3速。曲がりきって4速へアップし、最終の右コーナーで5速へ入れる。
 後は下りばかりです。良い気分です。しかし、柿原の信号以降、トンネルに入りますが、スピードが上がりません。出発時の状況になってしまいます。
 丸山の上り下りの後、拙宅までは再び走らなくなる状態になってしまいます。ある程度の気分良さで帰ってきたのですが、この乗り味は捨てがたいものがある ものの、街中の一般路では少しばかり使いづらさが現れます。これをクリアするにはどうすればいいのか?。ピ〜ンときたのは3枚減して「9枚でやるのはどう か?」ということでした。

 この考えは、スポーツスター馬鹿一代記さんにあった、18枚、15枚、12枚に起因します。つまり、3枚の倍数でですから12枚の下は9枚、というわけ です。
 とすると、SRに対しては一般的な枚数である4枚単位での8枚というのがありますが、どうでしょうか。12枚でのフィーリングも捨てがたいものがあるの ですが、低速域はあまりに使いづらいものがあったので、今回は3枚単位での9枚でやってみることとしました。

9枚で
 早速ディスクを外します。熱膨張しているのですが、ボルトを先に少しだけ緩めます。ディスク間に風を入れるためにも... 、というコジツケ(笑)。
 冷める間、ディスクの検討をします。9枚となるとストックがありません。8枚単位でセットとしているものはあるのですが... 。9枚目が微妙なんです。こと、歪みの多いディスクはエッジの修正だけでは終わらないからです。
 私としては8枚に1枚を... 。これが難しいのです。結局、今装着している12枚と纏めていた8枚とで、スリット間が均一になるようにチョイスしました。この間40分。

 ほぼ均一になると、ディスクのセットもスムースに運びます。やはり、ディスク取付のトルクはスパトラの場合0.4kg程度で十分のように感じます。余談 ですが、旧タイプのディスクでも、あまりに強いトルクをかけると、▼の切り込み部分から形が狂うことを確認していますから、やはり0.75kgのトルクは 20枚ぐらい と、ハーレーのように大きく揺するような振動に対して必要なトルクではないか、と考えるところです。
 その上に、指定の耐熱グリスではゆるみ止めも兼ねているようにも感じるため、大きいトルクは無意味に感じるところです。SRだけですが、私もディスク取 付ボルトを増し締めしたことはありません。

 
 
 さて、空模様との闘いもあまり気にすることでは無いように感じるのですが、ともかく走行テストをやることにします。
 期待と不安でエンジンを回します。ン、なかなかいいです。12枚の時よりアイドリング音は静かです。ディスクが熱を帯びていませんから、どうなるかは判 りませんが、まずは良好です。
 スタートします。断然乗りやすい。12枚の時のオットットは一切ありません。若干ですが抜けが6枚の時より良いようです。12枚の時は2000回転付近 からグーっときていたのですが、9枚の今は1500回転も回っていれば大丈夫。が、それ以下は6枚の時には及びません。したがって市街走行では1段低いギ アでの使用を強いられるのですが、大渋滞にはならないため、これは良しとしましょう。
 一般国道も、申生田の登り下りも十分です。下りは若干ながらブレーキ性能に見合うようになりました。何というか、純正マフラー(エキパイとも)に対して 重量も軽い分だけは、制動能力がフィットしているだけに留まります。水分からの下りで判るだろうと思います。

 光満街道は少し回せるのですが、どうもスムースすぎて怖いぐらいなんです。本当に。ガガガッということもないというか、ギクシャク感があまりないので、 ついつい高いギアになってしまいます。
 後になって気付くのですが、ようやくカンリンの重量フライホイールの登りでの効果が現れたようです。これまでは気にもとめなかったのですが... 。テスターとしては失格ですね(汗)。
 務田の坂まではいつもどおりの5速から途中のS字で4速。そのまま最終の右コーナーまで。そこから5速にして登り切るのですが、前に自動車が居ると再び 4速へ落として、となります。

 務田の坂を下りて信号を過ぎると三間街道へ。ぐーんと加速します。12枚の時と6枚の時と合わせての真ん中編の感じです。高速域は今回出来なかったので すが、永野市ではなく、近永を通って成川から水別への登りにかかります。
 向かい風が若干あるのですが、スムースに昇りました。スピードメーター上は60km/h〜70km/h程度ですが、18インチホイールで扁平タイヤです からある程度スピードは誤差があるかもしれません。

 問題の下りへかかります。これが上手く行くかどうかで... 、とあの辺はどうだろうか、という予想を立てます。
 が、ババッときましたよ。リザーブではないのですが、やはり燃料が乏しくなると通常のポジションではこの音が出るようです。一応、リザーブの位置へ変更 して下りへ。
 げ、12枚の時と同じく下っていきます。エンブレが効かないのではなく、重量フライホイールが下りでもイナーシャ効果を発揮し始めています。車重だけで 下っていくような... 。
 やはりセオリーどおり最初の右で4速にして、喫茶店の石垣の左で3速。そこを過ぎると4速にして、最終の右Rで5速。以下は車重に任せるようにドンドン 下ります。
 須賀川ダムの折付橋までは、アクセルをちょっとだけひねると加速するという状態を保ちつつ、車重に任せて下ってきました。そこからは、若干スピードを落 として、コーナーを抜けて柿原の信号でストップ。
 信号からスタートして、トンネル内へ入るのですが、12枚の時よりは遙かに走りやすいことに気付きます。丸山の登りは4速で上がって、5速で下りてきま したが、スムースです。
 最後の丸穂から裡町への道もスムース、しかも静かに帰ってきました。

感激で はないのですが、ようやくここまで追い込みました。

 何度も申しますが、SR400では、こんな苦労はしなくてもそこそこイケます。「そんなことはない!」といわれる方がいらっしゃれば、一度ノーマルの SR500に乗られるとイイ。おそらく走らないSR500にイライラ感を持つことでしょうし、雑誌などで「免許制度とかで売れないSR500」などと言わ れていたことがウソであることがすぐに理解できることと、「SRというオートバイは400がメイン」なんですよ、ということがお解りになるのではないか、 と思われることに至るはずです。

それ じゃ、どうしてSR500に乗っているのだ?

 この答はなかなかイイものが見つかりません。こことこことがイイから、ということではありません。強いて言うと「こことここがダメだから」ということに なるのですが、それらを総合しての結果は、

SR500がおもしろいから

ということでしょうか。

 で、これでお終いにはならないのです。これがいつものパターン。で も光は見えてきました。

 
 
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