い たずら心を(その5)
??? 所詮あそびか ???

若 干の経緯を
 スーパートラップという排気システムは素晴らしいものがあります。当然、その製品群も素晴らしいものがありました。ただし、1980年代の中ごろまでの 話。
 現在では何かと不都合極まりない条件が支配していて、なかなか満足できるものではない状態になっています。
 すでにスタンダードディスクは過去のもの。アキシャルフローはインナーコアのエンドが変更などなど、インナーコアも分解できない専用モデルも大っぴらに 存在します。
 愛用しているヤマハSR500も2000年モデルを最後に、2003年からは400ccのみの発売。しかもAISという二次空気を導入して完全燃焼を目 指したモデルとなって2008年を最後にラインナップから消えてしまいました。
 私のSR500は1996年モデルで、バックステップ付きの最終モデルです。最初にホワイトブロスのスーパートラップマフラーを装着したのが“運のツ キ”。大変な苦労をしました。これはSick'n SRを何とかする以降、馬鹿らしい実験を報告していますので一読を。
 2007年頃から再び3GWの純正マフラーに戻して好結果を得ました。が、あえて良好であることは申し上げませんでした。こと、純正エキパイとマフラー との接合部分は労力を惜しまず500用のエキパイがきっちりとマフラーに入るようにマフラーにリアステップ部分を加工しました。(やりすぎはサブチャン バー部にある溶接ナットへブラケットを通したフレームマウントのボルトが固定できなくなりますが…。)

 2008年の一時期、SR400用(RH01Jの3HTマフラー用)のエキパイを使用して花園での英車を愛でる会へ参加をし、何となく割り切れない気分 で帰宅しました。500用と400用とでは、シリンダーヘッドとエキパイの内部構造が若干異なることを体感しました。
 そのときより前、500用のエキパイと3GWのマフラーとの接合部の取り付け改善をした後、私のエキパイの長さ決定に確信のようなものを得ました。
 折しも、シムズクラフトのMタイプエキパイを購入し、3GWのマフラーを通常の位置で固定したときに素晴らしいパフォーマンスを示しました。このことか ら、排気のみに限って「あそび心」と題して拙文を綴ってきたところです。
 いかにもアマチャンの堂々巡り、しかも巷に少ないSR500でのことなのでSR400では考えられない出来事が多いのも事実ですが、言葉では多くは伝わ らないでしょう。
 それでも何かあるはずですからやっているだけ、という自己浮上の問題点に対処する満足感。結果の如何に関わらず、費用も結構あるのですが、再び スーパートラップを実験してみたいと考えて、これまで4回にわたって稚拙な実験を行ってきました。
 もし、2008年の秋口から実験を開始していれば、結果がもっと早く出たであろうと思いますが、こればかりは出費の額と日々の生活費を逸脱しない中での 楽しみだから、決定することができません。

 4回目の報告で一応の結果が出てきました。その翌日、私の体を異変が襲いました。最初は何がどうなったのか不明だったのですが、何とフライングジャケッ トの重さが肩にグッときた上に、クラウチング姿勢に対してシープスキンの硬さが腹にささり、変なポジションになっていたため、胃の調子がおかしい。
 まったくの不覚でした。これが回復するまでには少々時間が必要です。結局2日間ほどかかってしまいました。
 第一に飛行機はクラウチング姿勢で乗りませんもの…。

 さて素晴らしいとは言えませんが、吸気面はメインジェットを#2.5上げた#165にしただけで、排気面をシムズクラフトのMタイプエキパイと改修スパ トラ。その上にスーパーサウンドのディスク構成でのマフラーを装着しただけで上手くいくようになったのはエポックメーキングだけではないような気がしない でもない、という何だか肯定でも否定でもない状態でここまでに至りました。

確認での変更
 今回のテストに入る前に、ライディングスポット製のクワイエットコアはスパトラのディスク流用のため、どうしてもスーパーサウンドのディスクとのマッチ ングが悪いのです。
 ならば、エッジ部分を平らにしてスペーサーなりを導入すれば上手く装着できると考え加工をしました。同時に取付ボルト穴に5.5mmのタップを立てて、 少しだけ余裕を持たせるようにしました。



 加工済みのクワイエットコアにトライアングルディスクと円形ディスクの組み合わせの実験です。トライアングルディスクの組み合わせを指定の△▽を守るこ ととして、フルエ キタイプの5枚にしたらどうなるか?。
これをやってみることとしました。

 日没までの時間は長くなりましたが、四国自動二輪交友会までの期間が無い上に別業務が入るし、14日の土曜日は天候が悪い予報ときていますので、3月 10日の火曜日、ウィークデーでしたが、ディスクを変更して走ってみることとしました。
 午前6時30分、トライアングルディスク1枚を追加します。
 その後、朝食を摂り職場へ。大半の業務は大丈夫であろう、と判断して、午後4時半から1時間の時間休暇を取得し、走行テストを行うこととしました。

 午後5時過ぎ、SR500は2日間の放置でしたがエンジンはキック1発で始動。2段チョークも通常通り。気温は15℃を下回っています。オイルが回るま でには若干の時間が必要です。
 いつもながら、水滴がディスクを包みます。スパトラのディスクほどではないですが、これが出なくなる頃が発進時かと思います。
 音質はトライアングルディスク4枚のときよりわずかに大きいですが、そう変わっているとは思いません。
 発進して、最初の信号。アイドリングもOK。6枚のときは急激にアイドリングが下がっていたことをふと思い出しました。
 信号が青になって、国道を走るのですが、職場帰りの自動車が多くて、交差点信号4か所、距離500mですが信号待ちが長くなります。ここで2回の信号待 ちですから絶対速度と交通量が…。
 以前、一般国道56号線で松山までの100km程度の道を下手をすると3時間かかる、と秋田の友人に話したところ、「サイクリングロードだ」と笑われた ことがありますが、この状態から見てもこの辺の道の様子は私の弁が事実であることがわかります。
 余談が過ぎましたが、三間街道へ向けての国道56号線は、電線の地中化もあって、市街走行に対しての結果が出しやすいところです。早くも4枚との差が出 てきました。どちらかというと、6枚での走行に近いような、少し嫌な気分が出てきたわけです。
 申生田の陸橋の登り下りでは別段異常が感じられない。若干ですが、登りでは力感が伴います。下りでは4枚のときよりエンブレが効くように感じました。サ ウンドは後回しですが、6枚の時のようにパパッという音が混じらないため、PLOTの設定のSR400/500用のトライアングルディスク4枚、5枚とい うのは正しいかな、と思われたのですが…。

 ところが、光満街道の上りでは何か割り切れないものが出てくるのです。これが何かは依然として不明。鳥越の信号で軽四の前に出て加速などを試みます。良 好ですが…。
少しのワインディングで、馬脚が出ました。そうなんです。減速してコーナーに入るのはいいのですが、立ち上がり前にギアを落とさないとならない。4枚の時 には感じられなかったゴツゴツ感が少し出てきています。
 務田の坂を下って、4枚のときのように左折して三間の旧道を走ろうかと思いましたが、定速度走行を確認するため、いつもの三間街道を走ることとします。
 と、そのときです。わずかですが「バスッ」と嫌な音が出ました。引き返すべきかな〜?。この気分が出た最初です。
 定速度走行は50km/hから70km/hの間です。その引き返そうか?という気分が再び出るまでに、この走り方は何かに似ているように感じ、頭の中を プレイバックし始めました。
 引き返すには遅いとなる東仲付近で

「そう、XT500の走り方では…」

と思いつつ、しばしの確認。何度もいいますが、決して気を抜いたライディングをしているのではないんですよ。
 そのXT500気分が少しずつ崩れてきたのは、鬼北の永野市の信号を過ぎて、右折し、交番前を過ぎた辺りです。速度の上がりと振動とが大きくなってき始 めたのです。
 成川までの緩い登りでは、少しばかり走らないSRになったようで、やりきれない気分になってきました。水分の坂まではどうするか?。
 帰還のパトカー、教習中のクラウン。少し間をおくため路肩で待機。
 それらが、水分の坂の下りにかかる頃、再出発。加速すると、もはやXT500の感覚ではない。ハタと気づいたのはそのときです。

 「これは2J2のSR500だ!

とね。

 私とSRの関係の全ては、こういったところから始まったんだ。にわかに1978・9年当時へ引き戻されました。
 水分の下りで教習車へ追いつきます。10m程度の間隔をとって下り。仮免許とはいえ、へたくそな若い女性でした。直走路でも次のコーナーのことが気にな るのかしら、突如フラリっとどちらかへ寄ってくるなど、私がラジコンカーを最初に操縦したときを思い出しました。
 50〜60km/hでの走行。4枚のときとは違い、エンブレも効きますから楽チン。その代わり不思議な振動が加わるため、気分は良くない。
 こういった状態で帰宅しました。
 丸穂温泉へ行った後、夜の帳が下りる頃、元の4枚に戻しました。職場へ出向く中国人ホステスの奇異な視線を浴びつつの作業。いいものではありませんネ。
 こんなときですが、私の理論の多くが覆されました。が、少し前、この項の(その4)で、SR用のスリップオンタイプの円形ディスク枚数7枚では、エンド がスパトラのステンドームになっている関係からかサウンドがポンポン言うため、1枚少なく6枚にしたことを記しています。
 このことは、以前に私の稚拙な理論でしたが、トライアングルディスクからの排気と、その後にある遮蔽板で戻され、再び放出された排気は、脈圧・干渉に よって円形ディスクに戻されて、ステンドームで穏やかに反射されて、再び脈圧・干渉によって円形ディスクから再び外へ放出される。
 この考え方は、ほぼ間違いないのではないか、と考えました。
 そして確認ついで、改修クワイエットコアの後にアルミスペーサーを移動してみました。

4枚がベストなのだが
 3月12日(木)、仕事が終わった後、再びトライアングルディスク4枚仕様で確認のランをします。「これで終わりにしたい」という気分はサラサラ無くっ て、「4枚の確認=大成功を確認」というばかげた確認の二乗をやっているような気分になっていました。
 午後5時50分、用意をして、エンジン始動。当然1発で目覚めます。ディスクからの水滴は以前より少ない。晴天が続くと全体が乾燥している様子がわかり ます。
 出発。直ぐ近くの信号も運良くクリアー。クラッチを引くと、スッとアイドリングが800回転ほどに下がります。6枚や5枚のときは、この時点で900近 くを示していましたから給排気のバランスが狂っていたのかもしれません。1枚のトライアングルディスクの効力に若干の驚きを感じたところです。
 その後は以前の4枚と同じ。休日の車が居ないときと、今日のような仕事帰りの車の多いとき、その上に今日は光満での家屋火災での片側通行が重なったた め、道路事情が大きく異なるものの、加速のスムースさなど、給排気系はもとより、クランクケース内の発生ガス(ブローバイガス)もバランスが取れているの ではないか、と感じるところです。
 申生田の坂、光満街道も周りの状況も以前のとおり、走行速度は遅いものの気分がいいのです。
 今回は三間街道を再び定速度走行を行ってみることから、通常のルートを走ることとしました。間もなく日暮れが来ます。急ぎはしないものの、再び I’ll Folow The Sunを口ずさみ…ですが、今日はどうも違います。

 口ずさむ以前に走りの確認の方が先立ってしまい、右手の捻り、左手のクラッチなど、五体をフル稼働している。しかし、どことなく違和感が漂っている。そ んな不思議な感覚で三間街道を走ってしまいました。
 永野市の信号から成川までもスムースです。少し遅い高知ナンバーのアテンザ・ステーションワゴンが少々おかしい運転をするので追い越すこととしました。
 4速でパスして5速で3000回転ほど上げて80〜90km/hで前へ出ます。何か違う。もっとも燃料も少なくなってますので車体のバランスも異なりま すが、「ホンのチョットの違い」が支配するのです。
これまでの4枚の時と全く同じの感覚に対して一種の不思議ささえ感じるところです。
 水分の下りは少々気を引き締めます。エンブレが効きづらいことから、ブレーキを何処で効かせるか、今回唯一の実験場所になるはずだったのですが…。

 坂を下りると降りながらの最初の右カーブ。続いて直ぐに左カーブですから、その前の段階でのブレーキングを重視するのか、ギアを落とすのかが問題になり ます。今回は前に自動車が居ないものですから、ギアを1段落として4速。ブレーキをキツメに…、しなくてもいい?。
 次の左は喫茶店の石垣がある完全ブラインドコーナーで下りですから、もう1段落として3速で通過しました。そこを過ぎると、右の大きいRでのカーブです ので、このコーナーを回りつつ4速で頂点、5速で通過、となるのですが、やはり、5枚のときとは違いブレーキの効きが問題になって…、とはならない。どう して?!。
 最終、丸山の上り下りをこなして、少しだけやりきれない気分で帰宅。丸穂温泉で汗を流し…。

たったこれだけで?
 なぜ、この喉に引っかかった魚の骨のような違和感が残るのだろうか。湯船にお湯を注ぎながら、薬湯へ浸っていたときでした。湯船(水湯)が満タンになり そうなとき…、

 アッ!、アルミのスペーサーをクワイエットコアの後ろへ持ってきてディスクを装着していたんだ。前回はスペーサーはクワイエットコアの前だったではない か。

たったこれだけで〜?。

たったこれだけで気になることが増えるんだろうか。何だか不思議なことです。このスペーサーの位置だけでこんなに違うのだろうか。
 前と同じ仕様なのに違いはこれだけですから、今度はほんとの確認の意味でテストすることとして、風呂上りでしたが、このスペーサーを本当に元通りクワイ エットコアの前へ移動してディスクを装着しました。



いよいよ最終段 階?
 3月14日(土)、午後から雨も上がったのでテストをすることとしました。夕刻までには帰って来たい。となると、2回も確認することは無いはずだから大 丈夫、と踏んで、午後4時頃から走行開始します。
 キック一発で始動。2段チョークもいつもどおり。嫌な気分が少しだけ支配します。それを抑えるかのように最初の信号で止まります。
 スタート。いつもより郵便局前の路肩駐車も少ないため、楽チンです。最終の吉田病院の直角右カーブをパスする頃まではいつもどおりなので、どういった変 化があるのか不明です。
 が、私の性格からか、良からぬ事は一層良からぬこととしてしまうので、ついつい、この間の嫌な気分が支配を始めるのです。
 申生田の坂を下りて、光満街道へ。鳥越の信号を過ぎた辺りから12日のテストと違うことが起こり始めました。
 務田の坂までは、まさしく「来た〜!」という気分です。小さいコーナーが軽いです。4速の守備範囲がすばらしく多くなります。逆に、それまではすぐさま 5速へシフトしてしまい、いつものギクシャクをやらかしていたのですが、こつを覚えると、4速である程度回転を上げておけば、結構いい気分になってきま す。

 いよいよ三間街道へ。三間と鬼北への分岐信号を右に加速。若干の登りですが、ツーっと行きます。大木木材横を過ぎ、左右の大きいコーナーを通過して直走 路に入るとスムースさが光ります。これです。確かに一週間前の3月7日と同じです。
 永野市の交差点を右に成川まで。この間は向かい風でした。その中でもスムースに走りました。
5枚のときはゴツゴツ感が多く、少しパワーダウンの感じ。そしてスペーサーの位置が逆になっていたときは何処となく嫌な気分。
これらが姿を消し、私が先に表現したヒューっという音も加味されて来はじめる。そういった素晴らしいものが帰ってきました。ほんのわずかな違いですが、効 果はまるで違う世界です。
過去、私が「バスッ」と音がするとか、割り切れないものがあるとか、何とか押さえ込もうなどとしたこととかの表現が、実際はどういったものであったのか は、ある程度理解されたのではないかな、とも感じるところです。

 水分のタイトなブラインドコーナーもブレーキングこそ注意を払いますが、各ギア間のつながりが良いため、立ち上がりのことを思うと、2段も落とす必要は ありません。ブレーキシューを変更してみなければならないかな、とも感じるところです。

 当然のように、「エンブレが強力に効かない=フライホイール効果も少ない」という好ましい結果でダムサイドを一気に下り、最終の丸山の登りもスムースに こなし、意気揚々帰って来ました。

おそらく、この仕様で一段落。丸穂温泉で汗を流し、今回の確認テストのすべてを終了 しました。

 となるはずだったのですが、これが思わぬことから再び迷路に入り込もうとは…。
 実は2009年3月20日(金)BORE-ACEのシリンダーヘッドクーリングフィンを装着して走行テストを行ったところ、再びエンジンにただならぬも のを 感じたのです。
 その結果は別項で記載していますが、その夜の青空工房はてんてこ舞いになったのです... 。

 以降は、又の機会に。 

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