い たずら心で(その6)
??? 新たな疑問 ???

 あの忌々しい(失礼)一件から、どういったことが導き出されたか、とい うと、SR500本来のパフォーマンスが得られた、ということだったようです。少なくともその時点では。
 確かに、シリンダーヘッドクーリングフィンを装着してのテストでは、期待とは裏腹な結果になり、翌日は第34回四国自動二輪交友会へ出向くことになって いたため、あわてて何とかしようと必死になって考えたわけです。
 とりあえずの結果として、一番安定していたが出力的には何の魅力も無いというスーパークワイエットコアに変更しました。詳しいことは、BORE-ACE のシリンダーヘッドクーリングフィンの項に記しました。これで、ひとまず安心して四自交へ出かけることが出来ました。

 が、帰路は思わぬ欠点が露呈し、再び改修を試みることとなりました。
 思わぬことは改修ライディングスポット製のクワイエットコアの中心部分の外側に、次のトライアングルディスクの後が排気の流れどおりに影になっていたの です。
 とすると、この部分はグラファイトのスペーサーを入れるか、取り付け穴を拡大して取り付けるか?の二つの方法があります。グラファイトでパッキングする のは簡単ですが、ディスク改造のクワイエットコアでは、どうしても、ディスクが一体になりません。
 そのため、24日に作業をやってのですが、取り付けボルトの穴を拡大し、エッジをニッパーで切り取り、整形しようとしたものの、薬指の第二関節の内側に マメが出来ただけ。
25日に永井モータースのメカニックK君にサンダ―で削り取った後、10mmドリルで面取りをしてもらって修正を終えました。



 改修クワイエットコアのエッジを少したたいて平らにした後、ディスクを装着することとしました。
 ライディングスポット製のこのパーツはエンド側の排気口が28mm程度です。この口径はトライアングルディスクで形作られる六角形が内接する円の面積に 近づきます。



 また、最初のトライアングルディスクの三角形の頂点が来る部分にフローマークがかすかに残っていることから、このディスク改造のクワイエットコアは1枚 のトライアングルディスクとすべきだったのではないか、というのが、私の推測です。
 したがって、調子のいいときは、トライアングルディスク5枚としてセッティングしていたことになっていたのではないか?、と考えたのです。となると、少 々待ってくださいよ。
 BORE-ACEのシリンダーヘッドクーリングフィンを装着するまでの一番調子の良かったディスクの組み合わせは、実のところフルエキタイプに合致して いたのではないか、と気づいたのです。
 しかし、BORE-ACEのシリンダーヘッドクーリングフィンを装着してからは、この組み合わせもダメとして、トライアングルディスクの前はスーパーク ワイエットコアの小さい排気口として、まぁ走ることが出来た、と確認しました。
 今回の改修で、ディスク間の間隙はなくなりましたので、口径28mmに抑えられた排気口を通過した排気ガスはそのままトライアングルディスクに導かれる こととなります。
 このことから、当初の組み合わせでやってみることとしました。

 まずはアルミのスペーサー、改修ライディングスポット製クワイエットコア、それにトライアングルディスク4枚+遮蔽板+円形ディスク7枚のスリップオン の組み合わせディスク、スパトラのステンドーム、オープンエンドです。
 外見は、これまでと何ら変わりがありませんが、私の考えが再びBORE-ACEのシリンダーヘッドクーリングフィンを装着したSR500のエンジンに フィットするかどうか。ある種、科学者の理論と結果を待つ気分です(爆)。

 仕事から帰って、早速取り付け。
 ディスクをはずしてびっくり。シムズさんで追加されたグラスウールがスーパークワイエットコアのエンドへ引っかかっていました。良質のウールで、手に刺 さるようなことは無いものですが、状況からすると排圧の大きさより、パイプの前にパンチングプレートの最前面に穴が開いていないものは、どうも排気の流れ が二転、三転できない。そのために、メガホン(マフラー)内部に滞留してしまうのではないか、と考えました。
 かといって、私も中澤商会さんのクワイエットコアを真似てアクティブのクワイエットコアのサイドに穴を開けましたが、私も中澤製作所さんの製品のように パイプの先端を塞ぐことから出てくる効果には及びませんでした。
 このことによって、ある程度の排気放出は必要ではないか、と思われました。

 取り付けは非常に楽になりました。このまま、スーパーサウンドのディスクを装着するのであれば、取り付けを5mmのメートルネジに切り替えるのも手か な、と思いましたが、オリジナルのままで、上記スーパーサウンドのスリップオンの組み合わせディスクを組み付けました。この間、わずか20分。作業性も良 くなりました。

 はやる気持ちを抑え、エンジン始動。力強い排気と少し大きくなった排気音。が、耳障りなものはありません。
しかし、2段チョークがよくありません。改めてスーパークワイエットコアでは排気の抜けが悪すぎたのではないか、と感じました。
アイドリングは3GWの純正マフラーより少しばかり効率のいい状態になっているようです。ひとまずはお城山一周を、と考えてスタート。
 最初の信号待ちから再スタートして、気分が一気に変わりました。すでに午後6時を回っています。止めておこうかと思いつつですが、否応なしに私の気持ち がテストコースへ行こう、と導きます。それほど軽いのです。アクセルレスポンスもあまり変わらないのに、この軽さは何だろう?。わずか1kmも走らないの に、こういった動きの変化を感じ取ることができるのは異例のことです。
 夕暮れの市街地、自動車が多いのですが、これまで以上にストレスを感じません。振動はBORE-ACEのシリンダーヘッドクーリングフィンを装着して変 化したままの硬質でパルスの効いたものに変化しています。
 申生田の坂も気分よく加速して登り、そして若干のブレーキングをして下ります。異常ありません。光満街道、桜木団地の桜を右手に、前のトヨタのミニバン がスッ飛ばして行きますが、70km/hでコーナーを抜けつつ、リアタイヤの現状からすると追いつくのは無理と判断しました。務田の坂までは非常に快調で した。
 三間街道、自然にペースが上がります。夜の帳が広がりつつ、春寒の空気が包みます。ところが、後ろからとんでもない軽四のトラックが追いついてきます。 もう少し車間距離を開けてくれればいいものを、90km/h(違反です)ほどでも6m程度しか開けずに追尾状態が続くので、先に行かせて、いつもの走行へ 戻しました。
 先に申しますが、永野市の信号で追いつくのですから、10km程度の距離、慌てなくてもいいように感じますけどね。

 大本神社からの直送路でフト感じました。フロントフォークも全く暴れません。硬質の振動もそのまま、そして、メーター関係も静粛性を保っています。で も、何か変?。
 よくよく感じ取ってみると、バックラッシュ音がわずかに聞こえる以外、乾式クラッチが静かになっているではないですか。非常に不思議な世界です。
 アクセル開度に応じる反応も力強さはないものの、回転の上がりはピックアップも良く加速も非常にスムースです。乾式クラッチと硬質の振動を除けば、少し だけ抜けの良いマフラーを装備したRH01Jの一つ前までのSR400によく似ているように思います。
 永野市の交差点から成川まで、夜気と向かい風が若干強くなりますが、順調です。飛行機に例えると何だろうか?。映像と音だけの世界ですが、P& Fのエンジンを搭載した零戦22型によく似ているように感じました。栄21型エンジンの零戦52型より、わずかに大きく図太いエンジンになっているよう に、などと考えていました。
 もし、圧縮比のみ上げたヨーロッパ向けの48Uのエンジンなら、もう少しピーキーになるし、上が良く回るのであろうことが予測されます。
 が、現状の1E6のエンジンとして、これだけ変化するのだったら…、と考えましたが、今乗っている私のSR500にするためには、べらぼうなデータと費 用がかさみますから、メーカーとしても消え行くマシンには手を出さなかったのであろう、と解ったところです。

 さて、成川の上りでも軽四のオネーチャンに先へ行かせました。このタイヤでは無理です。どうすることも出来ません。定速走行に徹します。
 いよいよ、最後の水分のコーナー。何か上手くありません。最初の下りから左コーナーで1速落とすかどうか、考えがつきかねます。それほどスムースなので す。上体の体重異動もしなければ回らない状態ですので、タイヤが…。
 マージンとって、とにかく4速へ。この間左右2つのコーナーを回って最終コーナーで3速へ。
 そこから4速へ上げて、最終右Rで5速。いいです。ダムサイドの下りでも破綻がありません。加速するでもなし、カンリンのフライホイールの逆イナーシャ 効果も出ずに本当にこれがあのSR500か、と思われる走りをして、柿原のトンネルへ。
 ゲーッ、真っ直ぐ走らねー。振られもしないのに。もはや、このリアタイヤでは限界です。トンネルを抜けて丸山の坂から丸穂を通って帰ってきました。
 若干高めのアイドリングを900回転ぐらいに落としてテストを終了しました。

 フーっと息を吐いてはみたものの、身体と精神から緊張が解けません。妙な喜びが包んでいるようです。
 最終段でアイドリングを下げたことは、始動時のアイドリングを少し高く保って、ウォーミングアップの時間を若干長く取らなければならないのではないか、 と感じました。これはBORE-ACEさんのシリンダーヘッドクーリングフィンの効果ではないか、と感じるところです。

 その後、丸穂温泉へ出かけたのですが、春寒の身体の冷えは消えませんでした。帰って、酒道場でお調子を2本開けて、ようやく正常。全てを終了しました。

 それから数日、春寒の日が続きました。27日にはリアタイヤをK70に交換しました。そのテストを兼ねて29日(日)に三間のオリエンテーリングパーマ ネ ントコースへ出かけたのですが、往復の道中とコース内の2〜3kmの移動使用で、少しばかりおかしい、と気づいたのです。
もちろん、燃料が少なくなったことも影響しているとは思いますが、何かスカッ!と来るものがなくなったような感じになったんです。そこで、再び、現在の ディスクの組み合わせを考えました。
 少しばかり解ったのは、スーパークワイエットコアの取り付けた後に赤錆が多く見受けられることを発見しました。こと、四国自動二輪交友会で雨中走行を やっ たことも影響しておりますが、下部に多く見受けられることは、アルミの自作スペーサーが影響しているのではないか、と思ったのです。
 そこから話を元に戻して、ライディングスポット製のクワイエットコアを改造する前の状況からすると、確かにスペーサーは威力を発揮しました。当然、 28mm径の排気口を持った1枚のディスクとして考えた方が好ましい、と思いました。
スーパークワイエットコアの使用から判断し、ディスク化を無くするために、改造したのですが、スペーサーはそのままを踏襲した。これが間違いではないか、 と考えたのです。
 それで、改造クワイエットコアをダイレクトで取り付け、トライアングルディスクを重ねてみると、スーパークワイエットコアの時よりも間隙が少ない。とい う ことは、あのインナーコアの段差はそのまま用いるべきではないのか、つまり、クワイエットコアを装着するにしても、エンドと1枚目のディスクはエンドの段 差部分だけ、ディスクの中に入り込む。したがって、ライディングスポット製のディスク利用クワイエットコアは取り付け部分もスーパークワイエットコアとは 違い、エンドの中心部がある程度入り込むため、スペーサーなど無くしてダイレクトで装着。その後ろにトライアングルディスクとしたほうが好ましいのではな いか。
 また、本来はスーパートラップのドームエンドを使用すべきでしょうが、ポンポン音が強くなる傾向にあるため、今回はスーパーサウンドのステンエンドにグ ラ ファイトのスペーサーを入れて、スパトラのオープンエンドを装着することとしました。
午後5時を過ぎていましたが、作業開始。オープンエンドは少し変形しますが、まよろしいでしょう。ワッシャーを1枚入れるべきかもしれません。
 エンジンをその場で回して見ますと、1段だけチョークを引いてしばらくすると、スッと回転が落ちます。
 おかしさの原因である、アイドリングの不安定さは、これに原因があったのか?、と考えたのがまず1点。
 とすると、少し濃かったかもしれない?、と点火プラグを外して確認すると、そうでもない。その代わり、中心電極が減ってしまっているので、BPR6ES に 交換しました。
 始動性などは変わりませんが、アイドリングなど安定します。やはり点火プラグは消耗品でしょうかね。掃除すべきではなく、3000kmごとに交換して やっ た方が好ましいのかもしれません。
 その結果からか、あるいはエンドを交換したからかの定かたるものは不明ですが、排気が力強くなりました。この状態で、月末にでも乗ることとして、(おそ ら く最終か…、とこの時は思った)の変更作業を終えました。

 年度末でしたが、4月1日のことを考えると走って確認をしておく方が良いと考え、仕事が引けた後で走りました。スタート時、別段変化がありません。が、 ものの500mも走ると、少し違和感を感じました。
 妙に振動が多くなり、上下の振動というより、大半がリジットのはずなのに、その部分は排気関係だけ。残りは振動している、といった類です。おまけに、想 像以上の音で「アンタ何してるの?」と下になったオネーさんが言っている状況でした(H爆)。
 年上の私が小バカにされているようで、何が不思議でしたね。例えもおかしいです が、トライアンフなら、小粋なネーさんと…の感じになるのですが、そんなもの全く感じません。
 最終仕様かと考えていたのに、何たること。全くもって憤慨やるかたない気分になり、ショートコースでテストを終えました。

 何だか気分が悪かったのですが、先立つものが無いため丸穂温泉へ出かけ、春寒の冷えた身体を湯船にゆだねていたときに、キラリと光るものが見えました。
 というのは、スパトラのステンドームエンドがスーパーサウンドのディスクより、若干フランジが広いんです。そのためにグラファイトのスペーサーを敷いて いたのですが、それでも均一ではありません。残念ながら、自作のアルミスペーサーも幅広のため、丸型ディスクのフランジ部分に収まらない。この中途半端な ところをどうすべきか?。
 再びスーパーサウンドのディスク構成について考えてみました。最終の円形ディスクとはどこまで行ってもステンドームが装着できないのは確実です。しから ばどうすべきか。
見方ですが、スーパーサウンドの円形ディスクのエッジの角度と、スーパートラップのエッジの角度が違うのみで、大半の寸法はメートルサイズとインチサイズ の違い程度のように思います。
 ということは、最終の円形ディスクにグラファイトのスペーサーを加え、歪の少ないスーパートラップのディスク。その後ろにステンドームディスクとオープ ンエンドを持ってくれば完全になるではないか。微妙に違う取り付け穴は、経験から5.5mmのタップで軽くさらってやればいい。
 風呂上り、例の第3のビールでやった後、軽く夕食を摂り落ち着いたところでやることとします。
 比較的良好なスーパートラップのディスクの穴に5.5mmのタップを立てておきます。仮組みとしてステンドームをかぶせますと見事にフィット。期待が持 てます。
 取り付けボルトをはずし、最終の円形ディスクにグラファイトのスペーサーを入れて、スパトラのディスクを重ねたガタを確認しましたが大丈夫でした。
 湯船で考えたディスク構成で装着。見事です。ディスクの歪みも最小限に抑えられています。違和感がありません。やはりいいですね。

 はやる心を抑えてエンジンを始動します。オー、すばらしい。サウンドは「ン」の入らないスパッスパッスパッという音に変わっています。これですこれで す。しばらくするとドゥバドゥバドゥバという音に変わり、素晴らしい状況です。パンパンパンは一切出ません。
 走りたかったのですが、アルコールが一杯入っているため、これはこれで、間違いが無いであろうと判断し、作業を終えました。



 4月2日、職場のヘッドが交代してつまらなくなった今は定時で引き上げます。毎日こういった調子なら、次の四半期(7月)で異動を申し入れたいと思いま す。(気持ちをブツケルつもりではなく)嫌な気分を払拭するためにも、帰宅してすぐさまSR500を引き出すこととしました。
 路肩に止めてエンジン始動をすると、いつもよりまろやか。2段チョークを戻しつつ、まさしく改造スパトラのサウンドであり、おそらく走行性能はこういっ た調子だ、と想像をめぐらします。
 最初の信号を出た瞬間、「オーッ」という感覚がヘルメットの中を包みます。凄まじいことです。残念ながら、時間が時間だけに、フルコース走るかどうか思 案しましたが、とりあえずは、ショートコースとさせていただき、申生田の上り下りの坂を快調に光満街道を鳥越の坂の信号まで快調に走ります。テストコース への誘惑があるにはあるのですが、ひとまずここまでで高光農協から引き返すこととしました。
 エンジンの回転もおかしくなりません。下げすぎかもしれませんが、以前よりも安定しているアイドリング。
 が、少しだけ違和感が残ります。振動とか全体の問題ではないのです。何というか、前回のテストのときと同様に少しだけの違和感が残るのです。
 フト、「いたずら心で」の記述をしようとしたスパトラのディスク15枚の状況を思い出しました。そう、あのときの感覚です。3速までは1500回転ぐら いか らスーッと上がる回転。若干のエンジンブレーキ、燃料不足からくる減速時のポポッという音。どれも満足できるのですが、全体に違和感が漂うのです。
 そのまま帰宅して、労金の会議へ出向きます。その会の後、懇親会の席上で、労金の行員の方々にも随分とオートバイ愛用者がいらっしゃるのを知ると、少し ば かり和みます。宣伝ではありませんが、労金のマイカーローンはいいですよ。
 帰宅は自転車を押して帰るのですが、足元もふらつかないので、まずはサドルのみをホールドして押していますと、若いカップルから「器用やね〜」と声がか か ります。この方法で自転車を押してこのように言われたのは2回目です。多分今回の方もその難しさがわかっていらっしゃるのでしょう。
 そのときです。まじめな意味、一番のベストセットのときと何が違うのか?を考えていると、ライディングスポット製のクワイエットコアの改造で、ディスク 化 が無くなりました。ディスク構成は円形ディスク7枚です。その後ろにグラファイトのスペーサー。そうか、これなら1枚円形ディスクを外して6枚構成の最初 のセットにして走って見るべきだ、と早速1枚外しました。
 ともかく、明日少しだけですが走ってみることとします。

 結局、ライディングスポット製のクワイエットコアをそのまま使用ていると、内径28mmのディスクがトライアングルディスクの前に存在していたわけで す。それが無くなってしまったわけですから1枚増して、円形ディスクを1枚減らす。このことはフルエキのスーパーサウンドの組み合わせではないですか?。
 ともかく、あまり変化は無いだろうことを祈って、4月2日の夕刻に走って確認をしました。
 天候は悪くなる予報ですが、全編のテストは、4月4・5日の観音寺への春のBritish Runで行うこととしました。
 この時点では良かったことも、次の瞬間は奈落の底。4月4・5日は憤懣やるかたないことで終わるのですが、結果はこの次に。



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