い たずら心で(その8)
これからは熟 成かと思ったが...

2009 年4月11日のまとめ
 これまで、さんざんテスト走行をやってきました。多くのことを得ました。こと、SR500に関してのリプレースマフラーはエキパイを含めて非常に難し く、SR400のようには行かない、というのを改めて知った次第です。
 Sick’n SRを何とかするから10数年の歳月が経過しています。今回、シムズクラフトのMタイプエキパイを装着した結果、スーパートラップも何とかなるのではない か、と考え、再びシムズクラフトで改修をしていただき、改造ライディングスポット製のクワイエットコアにスーパーサウンドのトライアングルディスク7枚+ 遮蔽板+円形ディスク9枚の組合せでここまでになりました。
 決して完成ではありません。現状ではなかなかいい状態になったというわけです。それが2009年4月11日のことでした。

 翌12日、昨日の疲れがジワリ〜っとやってきます。少々気温が高く、オートバイを走らせる気にもならない、というのが本音でした。
 テレビもつまらないし、DVDでも見るか、としたときでした。世界最速のインディアンの映画、あのエンジンであそこまでになるんだものね〜。映画での演 技とはいえ、エンジン回すときなど、いいですね。ピストンを作る時など最高です。もう一つ好感が持てたのは、歴代のピストンなどが展示してある点でした。
 現在の私のSR500ではどうなのか?。ディスク枚数などは存分にテストしました。結果も一応出ました。そこそこのところで思ったとおりの結果になりま した。
 本当にSR500、しかもエンジン内部には手を入れていないものの結果としては十分に満足いくところまでになりました、と私は思っています。

やはりキャブへ手を入れるか
 もう少し追い込むところがあるにはある。その一つがスタート時の吹け上がりの件です。もう少しツーッと上がってくれればいいのですが、ほんの少し途切れ るような感覚があって上がっていくのです。
 その改善策はダイノジェットモドキです。負圧キャブレターのピストンを押し下げているためのスプリングが強いために、アクセル開度よりピストンの作動が 小さいのではないだろうか、と考えたのです。

 このスタート時の遅れる現象回避にアイドリングを上げているのかもしれませんが、1000回転以上に上げられない私の500では、この部分だけを何とか したいわけです。
 で、先ほどの世界最速のインディアンでもあったように、古い改造パーツを保管していたのですね。その冴えたるものは...。
 そう、そのスプリングです。ずっと昔、このことからやったことは4点です。
1.まずはスプリングをカットする。
2.ニードルジェットの針(ニードル)を削る。ピストンの負圧穴を一つ開ける。
3.メインジェットの吸入前のマイナスドライバーが当たる部分を少しえぐる。




 たしかにホワイトブロスのスパトラを使用していたときは何にもなりませんでした。かえって悪いぐらい。唯一良かったのはメインジェットの加工です。これ は少しばかり変わりました。
 が、今回はスプリングをまず試してみようと思ったのです。理由は簡単。ダイアフラムの押さえつけはもう少し弱いスプリングで、ピストンが取り付けてある 部分の広い樹脂部分を押すべきではないか、と思うのですが、BST34ではピストンをピッチが細かい長めのスプリングで押しているわけです。

 ダイアフラムはエッジが山形になって、キャブの縁の溝に入り込むようになっています。したがって、補強はないものの、ディスクブレーキのマスターシリン ダーのダイアフラムの状況に似ているんですね。
 そのためにピストンの上下のある程度の制御は下から上までは必要ない。上の部分はスプリングが圧縮されるだけでいいわけだから、下を弱くするにはスプリ ングをカットすれば良い、と判断したのです。
 が、負圧の穴を増やしてまで燃料供給を多くする必要は無い、として、ピストン部分はそのままとしました。メインジェット、ニードルジェットは、スプリン グのカットだけで変わらなければやってみることとしました。

 実は、これを思いついたのが、4月12日の午後2時過ぎです。次回に回そうか、とも思いましたが、乗りかかった船。燃料タンクを外して、キャブのスプリ ングを取り替えて終了。まだ日差しは強く、初夏の状況に近いものがあります。
 作業はジャージーでやりましたが、靴下なんぞはかなくてもスニーカーにして、テストすることとしました。時計は午後4時に近づいています。このまま行け ば、帰りは午後5時ぐらいですから十分です。
 タンクを持ったとき軽かったので、途中リザーブになるだろうと踏んで出発することとします。

スプリング変更後のテスト
 エンジン始動。いつもどおりです。スプリングをカットしたなど感じられません。若干オイルがダメになりつつある状況ですが、もう少し走ってオイル交換と 行きましょう。
 シフトをローに踏み込んで出発。レレッ、何かが違うぞ。いや、そんなことあるものか。
 何自問自答しているんだ?。確かに何かがおかしい。それも悪い方ではなく良い方へのおかしいです。最初の信号が青になって出るのですが、郵便局前に駐車 する四輪が多く、ツーっと前へ出られません。ロータリー前の信号まで引っ張ってしまいました。
 そこから少しずつ変化が感じられはじめます。微妙にキャブのピストンが動いているような感じになってきました。BST34のキャブはフラットのピストン 形状を有しています。TMRのCV版のような感じです。これはヤバイかな〜。スプリングを短くし過ぎたのだろうか。
 でも、大きな変化ではないので、そのまま発進するとしました。
 少しことですが、相変わらずクラッチがググッと音を立てます。この音を消そうと思いつつ、これまでどうにもなりませんでした。
 申生田の上り下りもいつもどおりで通過。鳥越の交差点でのことです。止まる手前、クラッチをほんの少し引いたときに変化が起こりました。ヒュンとエンジ ンの回転が上がったのです。こんな小さいストロークで切れるの?。
 微妙なタッチですが、確実に切れていることが確認できます。乾式クラッチだから余計に感じるのかもしれませんが、間違いなくスッと切れるのです。
 光満街道は自動車が多くダメ。しかしながら、別の面で巧くいっています。それは5速1200回転ぐらいでもしゃくるところが少なくなっているのです。少 々驚きでした。
 務田の坂を下りて、一気に開放された気分になりますが、アクセルが軽いのです。いや、軽いフィーリングに変化している、とすべきでしょうか。夕暮れ前の 三間街道を快調に走ります。いつでもアクセルを捻ると回転が着いてくるのです。
 永野市の信号はそのまま通ることとしました。信号待ちから1速へ入れて半クラッチ。ググッという音がしません。何処と無く不思議なことが連続します。
 成川の上りは前にW650とワトソニアンのサイドカーを見つつ走ります。何かしらバランスが悪いように思われましてね、船と本体とのスタイルの点からす るとサイドカー本体の構成=スタイルですからトータルとしてのサイドカーはドライビング以上に難しいものがあるようです。
 そのカーが右折して姿を消しました。残りの距離で確認を取ります。クラッチの切れが抜群になってきました。どうして?。この理由は今のところ明確ではあ りません。
 変化がおきたのは水分からの下りです。最初のコーナーから大きいRの右コーナーまで1回のみ4速にしましたが、不都合なくクリアできました。
 大変化が現れたのはそこからの下りです。アクセル操作しなくても下っていくのです。これまではカンリンの重量フライホイールの関係から、自然に速度が増 して降りていくことは無い、と思っていたのですが、それを消すかのように下っていくではありませんか。
 この状況で柿原の信号まで本当に不都合なく降りてきました。ところが信号待ちの際、ドブ板走行をやってきたハーレーのFLHが抜いていったのです。ダッ クテールのヘルメットなど、ハーレー自体が可愛そうになってきたのです。FL系のハーレーはもっと堂々と乗ってやるべきではないのか、と感じました。
 丸山の上り下りの後、イキヨウヨウ引き上げてきました。

 カットしたスプリングに変更しただけでこれほど変わるとは思いませんでした。あと少しのところまでになったようです。
次にやるのは、エアクリーナーの清掃です。これをしばらくやっていなかったので、これをやってみたいと思います。そんなに汚れていないんですよ、いつも。
 実際は、交換したほうがいいのですが、高価なんですよね。一度スポンジで自作しようか、と考えていましたが、それもねー。こういうのに3英世出すこと自 体 割高感が付きまとうのです。幸い、今回は汚れが少なかったので助かりましたが、実際にはオイル漬けになるのですから、添加剤の入ったエンジンオイルでウレ タンが劣化しないかどうか不安です。大きさの点でフィットするようなら、K&Nで加工しようかな、と考えているところ、少々高価ですが、 BST34のキャブ以降のモデル用もリリースされていることを確認したので、夏前に導入をしようかな、と考えています。

再びディスクに戻って
 続いては、エアの関係がクリーンになりましたから、この状態でツメをやる前に再びディスクの枚 数に戻ることが必要かと思います。
 スーパーサウンドのディスクのうち、これまでのテストからトライアングルディスクは7枚に固定しています。遮蔽板後の円形ディスクは9枚でやっていま す。これを何枚にするか?。
 現在の9枚から2枚減して7枚にする。これは以前やった。可もなく不可もなくであったが9枚の方が調子がいい。
 一方では、ディスクの枚数とともに発生するマフラーエンドの振動にも対処せねばなりません。そのため、円形ディスク7枚として、グラファイトのスペー サーを敷いた上で、スパトラのディスク1枚を追加。そしてステンドームエンドとオープンエンドとするのも手ではないか、と考えました。
 これなら、円形ディスクを減じていく方法も採れるのですが、3枚ではダメでした。やはり7枚という数は一つの規定に近い枚数のように感じます。
 もう一つ、改造ディスクを用いる方法も考えています。考え方は、アバルト方式のマフラーでは、排気はストレートだから、インナー関係は円形のパイプ状の 通 路を通ります。クワイエットコアの直ぐ後ろはいきなりトライアングルではなく、小さい円形のディスクを1枚持ってきてはいかが?、という私の稚拙な考えの 実行です。
 トライアングルディスクの後ろ側も必要ではないか?との声もありますが、トライアングルディスクの後ろは遮蔽板が待ってますし、それまでには△と▽の組 み 合わせの六角形の穴を通るし、他は三角形部分で整流されて放出されていると判断するからです。
 本当に、いよいよ佳境に入ってきました。

 2009年4月18日は新規採用職員へのオリエンテーションの日です。とはいえ、懇親会があるのですが、ホドホドにして帰宅しました。当然テスト前日で す から自重です。
 考えとしては、現行のスーパートラップのディスクを5枚のセットでやってみること。その結果から、次は8枚でやる。次をどうするか?。
 ここから6枚にするか、再びスーパーサウンドのディスクにするかを決定したい、と考えました。

 明けて19日の土曜日、山小うどんの後、ディスク選定をやります。後ほど述べますが、ディスクの取り付けボルトの締め付けトルクがいい加減にならざるを 得ない状態のために起きることです。結構変形しているものが多く、選定には腐心します。

もう一度5枚で
 まず、5枚で行います。結果から先に申しましょう。4枚のときはノーマルと同じような走り方でしたが、それに少しばかりパンチが加わったような感じで す。過不足ない変化ですので、これはシムズクラフトさんのマフラー容量アップの勝利でしょう。ノーマルのスリップオンなら、もう少し大きい変化をしている はずです。
 したがって、旧タイプのディスクと現行のディスクでの作用の違いは無い、と言い切れることを確認しました。
もっとも、ライディングスポット製のクワイエットコアを単一動作品に改造しているので、その辺の影響も存在しているのではないか、と考えますが...。
 もう一つ、この走りはスーパーサウンドのトライアングルディスク7枚+遮蔽板+円形ディスク9枚の時と非常によく似ているのです。
 違う部分はこの組み合わせとスパトラのステンドームエンドで得られる丸みを帯びたサウンドです。排圧も適当ですし、結構いい結果を得ているところです。

ディスクを8枚に
 この結果から8枚に増やしてみました。何というか、昔のセンターキャップのスリップオンスパトラに非常に近いものを感じました。SR450という機種が あれば、これはこれで成功しているのじゃないか、と考えましたね。ストロークをそのままに、ピストン径を少し大きくするのですが、圧縮比は10以下に収め る...。
 余談が過ぎました。

 ただし、ダメな点が露呈されます。燃料が残り少なくなると、ボボッという音が頻繁に出るようになります。
 予想ですが、スパトラのディスク1枚の変化の大きさは想像以上のものが存在する、ということのようです。
 合せて一定の調子を求めるとなると、マフラー容量から何から500専用のもので対応しなければ、オーディオ用語でのドンシャリどちらかの傾向を生かす方 向づけを行うことにすればいい、明らかにスパトラ自体はレーシングパーツでしょうかね。
 逆にいうと汎用のスーパートラップを特定車種にフィットさせるのは、なかなか大変であることと、特にSR500はSR400とはまるで別物ということを 物語っているのでしょうか。

 このようなところから、8枚はアキラメました。じゃ7枚から暫時少なくする...、という方法もありますが、5枚のときに、ある程度のパフォーマンスを 発揮しています。
 逆に考えると、スーパーサウンドのトライアングルディスク7枚+遮蔽板+円形ディスク9枚でのパフォーマンスを、わずかスパトラのディスク5枚でOKと なると痛快でもあるのですが、先ほど申しました排気系全体のマイルドさなどが、どうも得られない。ここをクリアするには、再びスーパーサウンドの組み合わ せに戻した方が好ましいのではないか、20°後方排気で車検対応もOKですしね。

再びスーパーサウンドのディスクへ
 ということから、再びスーパーサウンドのディスクに変更することとしました。ディスク間のフィット性がことのほかバラバラで、ディスクの選定はスパトラ のディスクより厳しいものになります。
 スパトラの取り付けボルトは4.8mm径程度のボルトが使用されています。おそらくユニファイでしょう。それに対して、スーパーサウンドは5mm径の メートルネジです。わずか0.2mm程度のギャップですが、ディスクの裏側にある凸部分がどちらかへ妙に曲がっているんです。
 したがって、ディスクのエッジが均等になるディスクを選んで、トライアングルディスクと遮蔽板を重ねて、5.5mmのタップを立てました。同様、円形 ディスクも同じようにタップを立てて、前処理をしておきました。
 結果は良好。ディスクエッジがほぼ均一に収まりますし、締め付けのトルクがカンでもほぼ同じようにわかります。

 いよいよ、本当に現時点での一番いい組み合わせ、という気分でお城山一周を走りました。良好です。
 どうやら、堂々巡りの一因が解消されたように思いました。
 残念ながら、19日は松山での用務があり、連続して走ることが出来ません。近日中に2時間程度の空きを見つけて、試走を行うこととして、ひとまず、これ で一段落として、頭を冷やすこととしました。


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