その後のダイシン乾式クラッチ

思 い出1
 記憶が相当におぼろげになってしまいました。このキットを購入したのが2000年の4月でした。あの頃はSRの人気が高ぶっていましてね、その中で 500は何か別なものになってしまっていました。多くの人はSR400でしたから、私はずっとSR400にしなさい、と言ってました。
 私の1996年製のSR500は45歳の誕生日にもう買わないかもしれない、と導入したものです。まさか、2015年の今まで乗り続けるとは思わなかっ たところです。それほど、出回っているわけでもない500ccは今でも異端の代名詞でしょうね。
 そのために、随分と人柱になってきました。しかし、誰も何も言いませんし、今頃になってこれら値の張るアフターマーケットのパーツ類をよしとするSR ユーザーは居ないでしょうから、私の記事も「あ、ソー」で済まされる のでしょう。一読なさって実際にやる方は微々たるものです。マジ、失敗する方が多いだ ろうし、400とは全く似て非なるのがSR500であろうと思います。

思い出2
 最初にこの手のパーツを装着したのはカンリンの重量フライホイールでした。これには、旧ペンタグラムの実験結果から500ccのままなら軽い重量ホイー ル(?)がフィットするだろう、と思ってやりました。不思議なことですけど、マジにイケルのです。挙動が少なくなりましたね。
 ブログにも記載していますが、このフライホイールからしばらくしてこの乾式クラッチを装備したのです。いやはや、驚きました。SR500がSR400に なったのではないか、いや、500のままだ、相変わらずおかしなところは変わっていないから。
 で、2007年5月にクラッチが滑り始めて、ダイシンへ送りました。費用は24,000円でした。プレッシャープレート付でしたから、クラッチディスク 1枚4,000円とのことですがフリクションプレート、プレッシャープレートの加工ともに一括新品としての価格であったようです。
 以来、50,000km以上走行していますが、この⒉つについてはほとんど手つかずで今に至っています。
それに較べて、スーパートラップなど嫌ほど触ってるもの、おかしいですね。

ダイシンの消滅
 最初のクラッチ滑りから、次回の60000km前後に同じ現象になればダイシン(松原市)へ出せばいいのだな、と思い、安心をしていたのですが、 2012年頃から徐々にダイシンのホームページが消え始めて来だしました。何かあるのでは... 、と電話をしても梨の礫。
 英車の集いなどで、ダイシンのことを聞くのですけど、昔あったな〜、が関の山。どうしても聞くことが出来なかったのです。そして伝言板への書き込み。こ れに対しては、自信があったわけではないのですが、張り替えという手もあったので、ブレーキライニング同様に気軽に考えていたのです。
 今度は張り替えが出来るショップを盛んに探すのですが、帯に短し襷に長し、でココ!!というところが全く探せなかったのです。私としては本当に寂しい限 り、いくら色んなサイトでも私の望むような気分のサイトは、ないものです。

Sプラウド
 ところが、恐ろしいショップが日本にはあるものだ、と感心したのが奈良のココでした。早速電話を入れました。ていねいな答えが返ってきたのですが、「1 枚減らさないとダメかもしれません」というのが気になっていました。
 事実、真面目に考えても、フリクション面をどうするかは耐久性の問題から難しいものがあります。同社のブログにW1Sの乾式クラッチ化の写真があったの で、この1枚減は致し方ないかな、とも感じました。
 私のみの考えで申し訳ないのですが、ハーレーのデュオグライドなどのブレーキの仕上げ、CB750のディスクブレーキパッドの張り替えなど、スゴイ、と 感じるのです。技術は、折り紙付きですから、万一の場合はここへ出そう、と考えたわけです。

問題の距離数が迫ってきた
 2014年の秋から冬はホントに走れなかった。初冬にかかる前の運動会シーズンの天候不順は、日曜日の予定が集毎に遅れてくる始末、多くのミーティング をスポイルしてしまいました。本当に申し訳ないような気分です。特に徳島道は川之江〜阿波池田間はスゴイ積雪になったこともありましたからネ。
 おまけに、話は違いますが、T-140Vの燃料タンクのサビ取りが遅れに遅れてしまって、満タン(ケミカルの)にしたままになってしまいました。全く不 順な天 候のために予定が立たなくなってしまったのです。
 SR500は50000kmを超えてしまいました。間もなく、ヤバイ期間に入ってしまいます。何とかしなくてはいけません。
 唯一のモロモロは「383」のナンバーが全てのクラッチフリクショ ンプレートに入っていたことです。もしかしたら、古い車体呼称リストの中身を探しま す。ありましたね。383はTZ350に該当します。ところが、相手はレーサーです。いつものことながら、若干市販車とは違います。モトクロッサーのパー ツリストを見られればお解りになると思います。

もしかしたらTZ250
 話を戻して、TZ350って、今時あるの?、がこれでした。350ccというと、400に近いか250に近いか、どちらでしょうか。強いていうと、今は ないクラスで、日本、否国際的に見てもロードレーサーは4サイクル化してるし、混合油で走らせる車両なんて無い世の中ですから。
 けれども、250となると、これは排気量からして少々異なります。もっと近いのはヤマハの場合ですと、TZR250、ヨーロッパでよく売れた RD250、RZ250など2サイクルですから、パーツは結構あるのです。当然のように相手はTZ250というレーサーですから、パーツ供給はかなりある のではないか、と感じるのですね。
 ようやく見つ けたサイトから引っ張り出して、今回はフリクションプレートのみ発注しゲットしました。383が3YLに変わってますが、紛れもなくそのものでし た。装着はまず間違いがないはずです。 クラッチプレートはまだ持つようでしたので、これはそのまま清掃して使うこととします。次回は、クラッチプレートを購入しなければなりません。


 が、これが一つだけ問題があります。つまり、TZ250のクラッチディスクはSRのボスにすっぽり入ります。そして、プレッシャープレートはSRの改造 品を使用します。ここまで記載すると、Sプラウドさんの言い分も判ります。ま、未確認ですがフリクションプレートはまずケリが付きました。

乾式クラッチのチョットしたところ
 当初は、本当にTZ250のクラッチディスク、フリクションディスクがそのまま用いられていました。ところが、しばらく使用するとプレッシャープレート が銀色に輝くのです。つまり、ケブラー(と思う)のフリクションディスクがSRの改造プレッシャープレートを削るのです。何度となく剥がそうとしました が、ケブラーの一部が剥がれるだけでした。以後、熱でプレッシャープレートが少しずつ削れて段付摩耗していく。これは脅威です。
 さて、この関係もあったやもしれませんが、4万キロを前に、クラッチが滑り始めましたので、ダイシンへ送ったのです。帰ってきたものを見ると、少しアゼ ンとしました。クラッチプレートも必要なのじゃないか、と。
 それで、ダイシンから戻ってきたモノのウチ、最終段(外側)のクラッチプレートは元のものが送られてきました。シャクですよね、1枚だけ入手出来なかっ たのかもしれませんが、これも何かの湿式のクラッチプレートの流用だろうと思います。しかし、少々イビツなものなのです。考えようによっては、クラッチ全 体の厚さ調整のためにはいっているように感 じます。
 ネットの製作記事はボスがTZ250のものですから、クラッチの板両方の枚数がTZ250として、ダイシンのSRのものと異なります。したがって、でき るだけダイシンの意向に沿う形で無改造で装着するためには、新しくダイシンより送られてきたタイプに準じるようにしたい、と考えました。
 そのため、最終の薄いクラッチ板はそのまま使用する、としました。おそらくですけど、RD250〜350、あるいは400のものではないか、と思ってい るのですが...
 というところから、後日、クラッチ板も発注しました。価格はフリクションプレートの1/2程度というものでした。



 最後の難関は一番外側のクラッチ板です。これがイビツなんですね。フリクション版の大きさから当初RD250かな、と思っていました。しかし、何か私の 記憶のなかに、あの形状のディスクを見た覚えがあるのです。かなり昔ですけどね。
 もしかして、RD250と同じく、クラッチの組付けで6分割してクラッチ、フリクションを組み付けるタイプです。クラッチ板の凸凹の歯数は27です。大 半のサービスマニュアルの中にありました。GX750のクラッチ板がそうでした。当然と思いますが、私の持っているこの機種は1回目の分解の時、特殊なク ラッチ板の1枚を交換後、ハ イボチェーンを3回も交換しましたから良く覚えているのです。歯数も27で間違いありません。GX750のクラッチ部分がクランクケースからするとかなり 小さいのです。間違いないと踏んで2枚発注しました。厚さは乾式クラッチのものと較べて1/2程度ですから、大きさえせ合えばどれでもOKなんですけど ね。それでも元と同じものがいいでしょ、ここまでやったのだから。
 ついでに古い話ですが、旧モトコさんが輸入されていたGX500用のロナールのホイルから、この車種も6分割方式のものではないか、と思って確認すると 見事にヒットしました。パーツナンバーから間違いないと思います。早速発注しました。元のTX-500は180度クランクのDOHCエンジンを搭載してい ましたからね。



 が、少しばかり間違い。厚さが厚いのです。元着いていたのは、どうもRD250〜初期のRZ350までのクラッチプレートのように思います。ま、0.数 ミリの違いですけどね。



今回は最終のプレートだけ交換
 それじゃ、というところでテストしました。2月28日の土曜日。明日は雨ですから今日しかないのです。最終のクラッチ板を今回のGX750のものに交換 します。で、組付けをしてエンジンを回します。
 何もしなくてOKって判ってるだろう、とおっしゃると思いますが、さにあらず。クラッチが切れづらいのです。微妙ですけどね。微妙に当初のSR500の よ うな切れ方をするのです。こりゃレバー基部だけではないぞ、と即座に気付きました。
 案の定、クランクケースの調整ボッチに合わせるのに余裕がありすぎます。こんなに変わるのか、と思うほどになってます。早速、バラして修正を加えます。 で、レバー部分で微調整してOKになりました。



 乗ってビックリ、つながりの遊びが全くなくなり、回転数さえ合えばポン、とフロント上げて走りそうになります。通常のダラリ〜としたつながりがないた め、半クラッチが使いづらい気もしますが、私には好ましい感じがします。気分良く走らせることができました。
 ここでの疑問は、このディスクのままでいいのだろうか、ということにあります。この結果はこう少し乗ってみての感じになります。
 何しろ、前のクラッチプレートはかなり減ってます。何しろ7万キロほど走っていますからね。そのプレートと新しいのを比較もできません。ともかく、これ でしばらく乗ってみてOKなら、このまま、次のクラッチ交換に合わせたいと思います。
 







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