晩夏の確認

 本日は2010年8月21日(土)。SR500を出して松野町まで出か けます。このプロローグの前に少し。
 前日の20日は、午後6時半からささやかな集会があるため、その参加準備のため1時間の時間休をとりました。21日の件があるので、先にテストをしてお きたかったことも事実です。
 走らせますと快調なこと極まりありません。早いとこMAGURAの油圧クラッチをワイヤー操作に戻しておくべきであった、と悔やまれます。外気温は 33℃ぐらいです。夕刻がそろそろ、という時間帯でした。
 このことに、気をよくして21日を迎えたのです。出発は10時前としました。テストコースの逆回りですから、どうも感覚が狂います。おまけに、途中リ ザーブになり、近永のモービルのスタンドまで走った後、松野まで走ります。
 松野到着が10時半ぐらいでした。日陰で休んで、目的の場所へ。連絡手違いから保管場所が判らず、再び近永まで引き返します。近永から脇道の農道へ入っ たとき、カラカラといういつもの音が出始めました。わずか数キロでしたが、外気温はかなりの高温に達しています。風は微風でした。この日の最高気温は 35℃程度で、11時近くですからまだまだ上昇することは容易に感じられました。
 再び松野へ戻るところでもカラカラ音が出ました。ブツをトラックに積み込んで宇和島へ帰ります。エンジンを再始動しても、やはり音は出ます。
 ところが、速度域が上がって60km/h程度での巡行をしますと、アーラ不思議。音が消えているんですね。この時はすでに12時を超えてました。
 宇和島で荷物を下ろして、帰宅したのですが、この時も音は出ませんでした。到着は午後1時前でしたので、その足でシャワーを浴びて一息ついたところで す。

考えられること
 まず最初に感じたのは、オイルクーラーでした。オイルクーラー関係はあまり詳しいことは記載がないのが事実です。特にオーバークールについては記載があ まりありません。
 私の知る範囲ではロックハートのオイルクーラーを装備したワイセコピストンの入ったSR500の方のレポートでは65℃であることが言われています。こ のことはずいぶんと参考になりました。これまでのロックハートのオイルクーラーを装着しての私の実験では、冬期には外気温が5℃より上であれば大丈夫、と いうところまでは確認しています。
 が、今年の夏場は本当にライダーの体力を消耗させてしまうほどの酷暑の日が続くものですから、真に実験をすることができなかった次第です。
 したがって、8月21日の走行時にカラカラ音が出た時のこと、そしてしばらくすると消えたことは何を意味するのか。
 オイルクーラーを装着するのは簡単ですが、SR、特に500ではどうもそれを拒んでいるように思えるのです。
 それは戻りのオイルラインをわざわざ上へ上げていますよね。しかも一度オイル溜まりを設けるようにしてる。おまけに、その場所は走行風がダムのように吸 い込まれるようになっている、というわけです。
 もう一つは、オイルクーラーのコアをそこへ持ってくると、シリンダーヘッドへの風の流通を妨げるのではないか、と私には感じられたのです。もちろん、コ アがベアならいいのですけどね。
 銅パイプへフィンをロー付けした簡単なものでも高価があるのではないかな、と考えています。

 次は原稿のままだとどうか、夏場にカラカラ音が出る件としては、外気温が35℃前後が境になると感じました。
 が、ある程度の走行風があれば、かなりの確率でエンジンブロックは冷却される、と判断しました。

小手先だけの対応
 翌22日(日)。ま、あるものは積極敵に使用することとして、とりあえずは、放熱を確実にすることから、シリンダーヘッド冷却フィンの取付にシリコング リスを塗布しました。



 次に、取付ボルトの位置を、センターの2本に変更して、他のボルト穴へ送風できるようにしたわけです。(笑)



 続いて、インレットのロッカースピンドルへ行くオイルラインの取り出しバンジョーを10°曲がりに変更しました。これで、シリンダーブロックからオイル ラインを離すことが出来ました。
 キャブレター周りへの取り回しも若干ですが空間を確保できたように思います。





 確認のため、エンジンを始動して、フィラーキャップを開けたときに驚きました。これって、初めての発見です。
 クシュックシュッという音がして、オイルってあまり戻ってきていないのです。ところが、これを1200回転程度に上げるとシュッシュッシュッと戻りが確 認できるのですね。
 もちろん、SRのオイルポンプは五つ星型のトロコイドポンプですから、一定回転をしないと動きがスムースではないわけです。トライアンフなどのプラン ジャーポンプでは、タッタッタッタとオイルが拍出されてくるのがわかりますが、トロコイドポンプでは、ある回転数以上でないとスムースなオイル循環は望め ないようにも感じます。

 何というか、SR500に関しては、どうもサブタンクを設けた方がいいのではないか、ということを少しばかり考えたところです。つまり、オイル量を増や してオイルによる冷却を増やすという考えですね。
 SRではダウンチューブがオイルタンクになっています。わずか2リッターのオイルで潤滑をやっています。いくらドライサンプといえども、タンク=パイプ では冷却関係では不利ではないか、と考えるところです。

 ま、2010年の夏は酷暑の日続きでした。そのため、SR500を日中に走らせることが出来なかった、というのが本当のところです。小手先だけの作業で したが、何となくSRのエンジンのことが少しわかったような気がしました。



inserted by FC2 system