SR の性能はエキパイが決定するのかもしれない
シムズクラフ トのMタイプ エキパイ(その1)
プ ロローグ
花園から帰って、SRのエキパイのことで少々気になりはじめ、ウナビリーさんにT-140のバランスパイプの製作をお願いしたので、もしかして?!、と 感じて本当に何気なくシムズクラフトへ電話をしたのです。ネライはSRの純正エキパイにあるフレームクランプ部分をリリースされているMタイプのエキパイ に溶接できないか、ということだったわけです。
15分程度の電話でしたが、話の途中で私のことを知ってらっして、非常に嬉しい限りでした。
どうしてMタイプのエキパイにしたのか、といいますと、SRの欠点めいたことを前項で1〜6にわたって記載しております。その6において、マフラー取り 付けのリア ステップのブラケットの穴を拡大しておきました。そうしてSR500のエキパイに装着した結果が素晴らしく良かったことと、シムズクラフトさんのエキパイ が私の唱えるマフラーのエキパイ部分を含めたエキパイの必要長さを十分に満たしていることからチョイスしたわけです。
ロングタイプではフロントフェンダーとの間などから、寸詰まりのような感覚になって、前傾エンジンでこういった長さとスタイルを考えるとMタイプが一番 適して いるように感じるために選んだところです。
一つ残念なのは、フレームへの固定ブラケットが省略されていることが気がかりでした。後で気が付く何とやらで、そのために随分と発注が遅れてしまった次 第でした。
ワンオフでこのフレームへのブラケットが取り付けられないものか、を電話で確認するのが第一の目的での問い合わせ電話ですが、エキパイの長さはもちろ ん、排 圧の件とか、アフターマーケットの排気システムでは、データを出して検討しているようなメーカーは少ないなどの話で少し長い電話になったわけです。
Mタイプエキパイには非常に安い金額でブラケットを取り付けることができるとの快諾をいただき、何とまぁ、その日のメールで発注してしまったところで す。
SRに関してはBORE-ACEさんのときと同様に、チョイと心に訴えるものがシムズクラフトさんの製品に感じられた、ということでしょうか。
以降はメールのやり取りでしたが、非常に早く対応していただき、送付までは、ほぼ2週間待ちとのことでした。
SR関係は大部分の面で企画した予定をこなしていましたし、エキパイとノーマルマフラー関係で一定の成果を得ていたので慌てる必要もないとして、ゆっく りとやってください、と告げておいたところです。
11月に入ってしばらくして、クムズクラフトさんのブログにM型エキパイの件が出ていたので、間もなく完成ということで、取付け等の段取りの予定を立て ておきました。
すんなりとはいかない
というところで、11月14日の10時過ぎに現品が届きました。ていねいな梱包ですし、返送することはないだろうとして、箱は当分の間ノーマルエキパイ の保管用にします。(としてましたが...)
その日の午後3時半から休暇を取ります。私欲のための休暇です。とはいえ、明日の天候が怪しいために今日のうちにテスト走行までこぎつけたかったわけで す。もっとも、インプレッションも新鮮な方がいい、というわけですし...。
が、このようにトントン拍子で上手くいくことにはならなかったのです。
早速3GWのマフラーを外した後、G刻印の純正エキパイを外して、逆の順でM型エキパイを取り付け...。
あれれ〜、エキパイ取り付けのヘキサゴンナットがどんどん入っていって、取り付きすぎる。(爆)
「内部 スポーク部分が風車形の自動車のホイルは、右と左では風車の回転方向が逆になる。これは真か?」。
もちろん答えは「真」。このことが解りきってはいるものの、もしかして本当に左右が同じ回転をするのではないか?、と考えるようなもので、ガスケットの 2段重ねなど、数点仮想取り付けを考えましたが、やはり無理と判断しました。
取り外したエキパイを眺めつつ、純正と比べてフランジ部分が短いことにようやく気付く始末。単純な寸法違いですが、その数ミリの違いが判断できないのは 経験が足りませんね。
直ちに電話連絡の後、アクティブとホワイトブロスのクランプ部分の厚みが前者が20mm、後者が22mm程度ということ。そして、フレーム取り付けブラ ケットが少し下側に来ることが確認されたので、これらのことを文章化しておきました。
エキパイを外したままでのSRの野外保管は心もとないし、Gの刻印のあるSR500のエキパイは参考として送るため、改めてHの刻印のあるSR400用 のエキパイを取り付け、マフラー取り付けリアステップのブラケットはセンターカラーの厚い3HTの物を用い、いつものように一体のエキゾーストシステムと しての考えで装着しました。
残念ながら、
フレームブラケットへエキパイの固定は出来ませんでした。
この点は後ほど。
その日のメールで、私のSR500はタンクバッジをXJR400のYAMAHAに変更し、タックロールシートのためでしょうか、旧タイプ(2J2、 3X4)の車両ものと勘違 いされていたようで、シリンダーヘッド側のフランジ部分が18mm長としたとのこと。
もう一点、フレーム取り付けブラケットが少し下側に来ることについては、フレーム取り付けブラケット部分の1〜2mmの誤差は許容範囲とのことである。
これらのことが記載されたメールを受取りました。
いずれにしても返送が必要です。先に書面にしたものと、私のSR500のエキパイとともに、11月15日の午前中にフクツウで返送させていただきまし た。
拙宅からフクツウまではおよそ2kmの距離があります。クロネコにしても1.5km。ま、日曜日のポタリングです。帰りにDIYショップのダイキへ寄 り、銅版と6mm径の胴パイプを購入して帰宅しました。
その銅版と銅パイプでクーリングパイプの試作を行い、土曜日の1日を終了しました。このレポートは結果を得て出しますね。
想定M型エキパイ装着結果(?
T刻印のSR400用エキ パイにて
翌16日の日曜日、午後からテスト走行を行うことを計画。天気予報が当たらない、この地方の冬独特の天候不順の日々が始まります。特にこのような不順な 天候の当地ではどうしても継続してテストを行うことが出来なくなるため、ことさら1回ごとのテストでの感じたことをメモっておくことが肝要になってきま す。
今回の走行テストは、昨日自作したオイルクーリングパイプの効果の実験を合わせて行うことも含まれます。
ともかく
シムズクラフトのM型エ キパイを装着すると、おそらくそうなるであろう結果を先取りするため
に、先日装着したSR400の排気システムでテスト コースを走ってみました。
若干の冬空めいていますが、晴れ間もあるという天候の下、午後3時過ぎから走行開始です。気温は20℃ぐらいで、感触からすると晩秋とも初冬とも言える 状態です。
キック始動もいつもどおり。走り出して2kmぐらいを過ぎると、右の膝元から暖かいものが感じられるようになります。この辺から調子が出るのですが、今 回はM型エキパイを装着したときに得られるであろう想定走行ですから50〜60km/hの定速走行を行うこととしました。
膝元からの熱気、すなわちBORE-ACE製のシリンダーフィンからの熱気を感じることは、いかにSR500のエンジン(シリンダー)の発熱がすごいも のかをあらためて感じるところです。
三間街道へ入ると若干ですが、花園村へ出かけた前後の走行フィーリングと異なることに気付きます。オイル交換後だから、という理由ばかりではないと思い ます。その証拠に、エンジンはロッカー部分はカツカツカツカツ、カムチェーン部分もシャラシャラシャラシャラで良好。
まさかとは思われるでしょうが、バルブクリアランスなど20000km程調整していません。以前調整した折は、アバウトながらインレット側が0.07〜 0.12mm、エキゾースト側が0.12〜0.17mmですので、いずれもインレット0.12mmとエキゾースト0.17mmの広 い方に合わせています。
当初は
狭い方が入って広い方が入らなければいい
という調整でした が、何度調整しても調子がイマイチ状態でした。
このクリアランス調整は、ベロの長いシックネスゲージを使って、一度調整して走行テストをやって、次の調整まではエンジンが冷めるまで待って行う。しか も燃料タンクも外しての作業ですから、休日でもこのクリアランス調整は2度ほどしか作業できないのです。
そういったとき、バイカーズステーション誌のSRエンジンの組み立て方法に「広い方でセットすること」、と記載がありました。
そういえば、シリンダーヘッドを外して整備したトライアンフT-140Vのバルブクリアランスも、冷間時に規定値にセットしても、しばらく走ると各部が 膨張するため、音は静かになりますが調子は出ない状態となります。
ある程度エンジンがなじんだ時点で再び調整すべきで、それまでは多少打たせておくこと、とトリニティースクールの富成校長が別冊MC誌でおっしゃってま した。
これらの経験で、バルブクリアランスは詰めるよりは開けた方でセットした方が発熱量の大きいSR500のエンジンには好ましいと感じたからの処置でもあ ります。
この前の走行と違う原因は何か?
恐ろしいこと(?!)かもしれませんが、花園村へ行く前は少々無理をしてT刻印のSR400用のエキパイをフレーム固定させました。しかし、マフラーブ ラケットはセンターカラーの肉厚の厚いものでは取り付かず、旧タイプのセンターカラーの肉厚の薄いものにしてどうにか治まりました。
エキパイとマフラーの取り付けをトータルで行う私流の考えでの作業では、エキパイ、マフラーがスムースに一体化してある程度節度を持って装着できること が前提です。
花園村から帰って、G刻印のあるSR500用のエキパイに、ブラケット取り付け穴を後ろへ拡大した3GWのマフラーをセンターカラーの厚いリアステップ のマフラー取り付けブラケットを使用して取り付けようとしたところ、エキパイとマフラーの隙間は広がったままだったので、センターカラーの薄い元のマフ ラーブラケットに変更して、エキパイとマフラーの隙間が小さくなり、同時に走行フィーリングもアップしたのを確認しました。
今回はT刻印の400用のエキパイですが、リアステップのマフラー取り付けブラケットを肉厚のあるセンターカラーのものを使用したためでしょうか、3〜 5mmフレームブラケットから下側に来るため、エキパイをフレームへ固定出来なかったのです。
そのため、3GWの純正マフラーをリアステップの取り付けブラケットとサブチャンバーの固定部分とだけで位置決めし、エキパイをシリンダーヘッドに固定 した後で、マフラーとエキパイをクランプしました。
花園村へ行く前に(フレーム固定を見送った)この処置をして出かけていれば、もう少し結果が変わっていたかもしれません。
この時点で、マフラー容量は3HTと異なりますが、T刻印の400用エキパイと3GWのマフラー、それに肉厚のあるセンターカラーのマフラーブラケット を使用した今回のエキゾーストシステムは、RH01のSR400のエキゾーストユニットが装着されたものに近いのではないか、と思います。
しかも、走行フィーリングは、私がリアステップの取り付けブラケット穴を後ろへ拡大した改良型SR500のエキゾーストユニットに近い状態になっている とも感じたところです。
また、重いエキパイをフレームに固定しない状態でしたが、私流のトータルでのエキゾーストシステムとしての装着方法を採ると、ほとんど問題なく走行でき ることが確認できました。
おそらくM型エキパイを装着すると、今以上にトルクの谷が無くなるのではないか。そして、トルクアップと同時にパワーの出方にも変化があるような気がし て、大いに期待が持てるのでは...、と思いつつ帰宅しました。
もう一つのヒートシンクパイプも好結果を得ました。帰宅当初、熱いのを覚悟で素手で触ったところ冷たいのです。オイルタンクのダウンチューブはお茶の 入った湯のみに近い暖かさ。失敗かな?。
ものの数分経過してシンクに触ると、ダウンチューブと同じように暖かいではないですか。
ということは、オイルタンクのダウンチューブに面接触している銅版を介してパイプから熱が逃げる仕組みのため、車両が止まった時は初冬の風を受けている ために冷たいのだ。止まるとオイルの温度が高いために、熱伝導からヒートシンクパイプが熱を持ってくる。という結論を導き出しましたが、これはもう少し長 い距離を走ったときに確認をしてみたいと思います。
おかしいがおかしくない ?!
通常なら、これでM型エキパイについてはOKのはずだったのですが、2日後の17日の月曜日、返送したものがシムズさんへ到着したその夜、シムズさんの 手持ちの各種エキパイと比べると、同封して送った私のG刻印エキパイはブラケット部分が異常な状態であるとの判断を下されたようで、治具との兼ね合いから どうするか?、という比較写真が入ったメールが届きました。
実は、このSR500のエキパイは最初の2J2の時から悩まされ続けています。どうしてブラケット部分から後ろが短いのだろう。どうして、マフラーとエ キパイの接合部の隙間が広いのだろうか、と。
結局、1996年6月生産である私の1JNのSR500でも同じ結果になったところです。
このように、いつになってもエキパイの状態は相変わらずでしたので、私は不思議でもなんでもなかったのですが、シムズさんは物づくりを生業としているの で、大いに気になったところだったようです。
一応の説明をタイプして、最近引っ張り出したヘインズのマニュアルに、1978年当時のイギリス向けSR500での取り付け部分の写真があったので、こ れを複写したものを添付ファイルとして、このフレームブラケットの位置で間違いがないこととし、それよりもマフラーのリアステップ取り付け部分の穴加工を しなくても、エキパイとマフラーの取り付け部分に隙間が出来ないようにして欲しい旨のメールを送信しました。
即座に返答が来て了解された由、ヤフオクでも数回経験していますが、チャットではないものの、メールのやり取りが早いのは気分のいいものです。
M型エキパイの確認、そして
2日間の修正期間の後、11月19日(水)この地方独特のミゾレ交じりの雨が天気予報とは無関係に降る寒い1日、フクツウの確認サイトで前回より1時間 も早い配送で届きました。こういった日は休暇を取って装着作業をやるとしても、今夏の一件と同様に私自身が風邪引き状態になることが多いため、送られてき たエキパイを眺めるだけとしました。
再びM型エキパイを手にして確認をいたしました。
まず、フランジ部分はわずか2mmの幅が増えたのですが、以前のものに比べてエキパイ本体の拡張部分のなだらかなRが消えてしまっています。18mmタ イプではこのR部分が・・より前に来るため見栄えが良かったのですが、ま、フランジの後側になるため良しとしましょう。
排気は直ちに漏斗状に絞られた細いインナーパイプに入ります。インナーパイプは先に送られてきたものより若干長いように感じましたが、500cc用とし て変更されたのかもしれません。
フレーム取り付けブラケット部分は純正G刻印のエキパイと並べて確認すると、角度はほぼ良好ですす、長さはマフラーが根元まで入ることになるようです。 M型エキパイは膨れて、純正エキパイは絞ってある部分ですので錯覚のようにも感じますが、並べてみるとよく判ると思いますし、シムズさんのおっしゃる「異 常」というのも納得できるところです。
そして、写真にあるこの長さの違いです。Mタイプエキパイが持つこの長さ。これが私の気に入ったところでもあります。
かねてより、私は多くのSR500としてのエキパイの長さに注目してきました。このことは以前に別項で記していますが、いずれにしても、SRの場合エキ パイ部 分はクランクケースの後端までの長さが最低限必要、と決めています。特にSR500では非常に重要な要素と考えています。
では、ノーマルは短いではないか?、といわれますが、純正マフラーのエキパイ取り付け部分を見ていただいたらお分かりのとおり、エキパイのインナーパイ プと同じ径のパイプがサブチャンバーのところまで設置してあるのがお判りと思います。私はこの部分を含めてエキパイの長さとしているところです。
したがって、この少しばかり増えたパイプ長を巧に組み込んでいるMタイプエキパイの長さが走行にどう影響するかも興味をそそるところです。
まずは、この時点で確実に私のSR500に装着できることを確信したのですが、実際はそんなに甘いものではなかったのでした。
上手く取り付くはずだったが
11月21日(金)本当は休んではならなかったのですが、翌日からの写真協会の会場係と天候の関係から、午後から休暇を取ります。
昼食の後、はやる気持ちを抑えて装着を開始します。雨は落ちてきません。若干の薄日が差してきました。いい具合に、少しモア〜っとしていますが暖かさが 増します。非常に助かるところです。
予定通り、エキパイとマフラーを一体のエキゾーストシステムとして考えての取付けを行います。この方法はマニュアルどおりではないかもしれませんが、微 小なガタなどの影響を極力防ぐためにも良い方法だ、と確信しています。
が、またしてもフレームへエキパイが取り付きません。角度を曲げるとか、そういった芸当では治まりません。エキパイ側のステーを数ミリ伸ばす必要があり ます。
フレーム固定位置には確実に収まりますから、取り付けの前後位置は完璧だと思われますので、この場はフレーム固定を断念しました。
最初のことでもあり、マフラーのリアステップ固定は従来のセンターカラーの薄いものとしました。
取り付け完了後、エキパイを強く動かすと、若干ですがグラつきますが、影響のない範囲として、取り付け終了です。
仕上げも取け付け状況も申し分の無いものです。走行することによって、エキパイの変色を心配してしまうのですが、こればかりは止めようがありませんから 致し方ないことです。手垢などを付けないことと、ラッカーシンナーなどで脱脂すること。そして、ある程度エキパイの慣らしが必要という程度のことしか知り ません。
ヤフオクでゲットしたステンレスのスパトラ、スーパーサウンド、それにエキパイを手にしてみると、私が使用したとき以降の状態からすると、先に申しまし たこと以外には対処のしようが無い、ということでしょうか。したがってワックス処理も控えました。
最悪の場合はステンマジックのようなもので磨かなくてはならないかもしれません。
キックする前、どうしてもエキパイの焼けが気がかりで...。スチールにメッキなら黄変から青色になるのに、ステンレスは汚い赤銅色から...、などと 考えが回ってしまいます。こんな考えを持つオーナーも少ないでしょうに。
何とも言えないフィーリング
キックを3発。エンジンかかりました。普通の状態です。
排気の漏れなどを即座に確認しますが、異常はありません。気温が低いときは流石にエンジン各部の音がうるさい。30秒ごとの2段チョークを戻し、ノーマ ルなら即座に発進可能ですが、カンリンの小ぶりちゃんを装着している私のSR500では、アイドリングが950回転と低いセットのため、チョークを戻した 通常の吸気で2000回転を数分キープします。数回のプレップを行ってウォーミングアップ完了。まだ、エキパイの変色は見られません。
マフラーエンドに手をやりますと、純正の400用のエキパイと500用のエキパイとの中間の排圧を感じました。ウ〜ム、期待がますます広がります。アイ ドリングは若干低いものの、今の時期はこの程度でも回っていますからOKとします。
ヤマハ・ゼニスのヘルメットを被り、少し穴の開いたAXSOのモトクロスグローブ、コミネのウインドブレーカーという、いつものスタイルでまたがりま す。
ギアを1速に入れ、ギュギュッといういつもの乾式クラッチのつながり音とともに発進しました。
最初の信号からMのメッセージが来ましたね。
純正500のエキパ イ、400のエキパイとも違うMのメッセージが...。
エキパイの焼けを最小限に抑えるため、ごく一般の走行を行います...、と思っては見たものの、普段どおりに走っているつもりが、5速に入ってしまって いる。ギクシャクというか、いつものシャクリが少ないのには少々ビックリです。
40km/hの制限速度ですので、メーター読みでは50km/h前後の速度域を保つため4速を多用します。市内を通過するだけでも2回は信号待ちになっ てしまいますが、いつも以上に排気の状態がいいのです。
この表現は文章で出すことは困難です。シフトアップも以前より良好ですが、こればかりは長距離を走らなければ不明なことです。
和霊大橋からはわずかに5速へ入れることが出来るものの、ま、四輪も多く少しばかりイライラも募りますが、どうもいつもとは違うフィーリングを感じるの です。
申生田(さろうだ)の登りで不思議なことが起こりました。ギアは4速。5速へ入れたがるのですが、4速をキープします。上った後は直ちに下りですから、 この時点で水 分(みずわかれ)以後の下りでの扱いがどうなるのか、少し判断が出来ます。
下りにかかったときです。減速がブレーキに頼るようになります。しかし、エンジンブレーキが効いていないわけではありません。下りが純正エキパイのもの よりスムースなんです。これは面白いことになりそうです。
テストコースで一番冷たい場所を通過し、いよいよ務田(むでん)までダラダラの登り道を走ります。排気音は500のエキパイの時より少しパルスの効いた もので、 400のエキパイの時と大差ありません。何だかMのメッセージが消えたようにも感じるところです。(この時はそう感じたのですが...)
マフラー交換のときのような激変はないものの、普段からノーマル仕様の排気システムに慣れていると、少しの変化でも敏感に感じるものではないでしょう か。
自動車の数も少なく、登りはごく普通に走らせることができました。エッ!?、いつ5速にアップしたんだろう?。再びやってきましたね。
チェーンは428のままだし、燃料の給油もしていない、前回のT刻印の400用エキパイの時と同じ状態で、何だ何だ、このスムースさは。
そのときです、右の膝元から熱気が...。ゲッ、これからが本番かよ。しかし、ここまでの中で、どことなく走行状態がグレードアップしたように感じるの は間違いではないのか。おかしな自問自答を繰り返します。
三間街道へ入ります。変形三叉路の信号から通常の定速走行へ入ります。ツーッ・カチ、ツーッ・カチ、ツーッ・カチ、ツーッ・カチ、ツー...、SRは5 速だ。久しぶりに6速マシンの感覚でライディングしているじゃないですか。そんなバカな。思わずスピードメーターを見ると60〜70km/hぐらいで走っ ているではないですか。ヤバ〜、心の制動をかけなければ...。
東仲の直送路が終わる地点で止まります。アイドリングは950回転をキープしてます。何ら変わったことはありません。ヒートパイプも冷えたまま。しばら くしてヒートパイプを触るとダウンチューブのオイルタンクと同じ温度になる。前回のテストと同じです。どうして、こういった変化をするのだろう。
気を取り直して、再びライディング。心を落着かせて...、といっても5速へ入ってしまうのです。もうどうしようもないまま、近永(ちかなが)の交差点 を通過、ここ から水分までの登り、そして長い須賀川ダムの下りが待ってます。凄まじいことが起きることはまだ解っていませんでした。
信号を左折、鬼北(きほく)交番の前を通り、見通しの良い直送路を走ります。何だかいつもと違うのです。のんびりした三間街道と違って、初冬の風が少し ばかり冷たく 感じます。山の中へ入っていく道ですからこうなるのでしょうね。
気候(気温)の変化とは別に、違いというのは次のようなことです。軽いエキパイと、重いマフラーという組合せも関係のあることとは思いますが、それはど うも違うようです。
速度域は若干上がって70km/hまでの定速走行になっています。この速度自体がノーマルエキパイと違うところです。通常、この速度域ですと5速で 2000回転程度なのですが、回転がスムースに感じます。
成川の手前、少し下りになります。ここから水分の登りまでの間で少し開けてみます。今までですと1速落として加速するところなんですが、どうもその必要 が無い。当然BSTのSUキャブですから急激なアクセルワークに対するレスポンスは悪いのですが、それでもグワァーっというものではなく、むしろツーっと 上がっていくのです。
そして、エンジンの爆発と排気のパルスがシンクロしているのに気付きます。乗車して聞こえるエキゾーストノートも今までより大きいものを感じるところで す。
さて、気分よく下りへ入ります。いきなりヘアピン的な下りへ入ったときに、申生田の坂のことが思い出されました。以前ですと、その中間点に喫茶店があっ て、どうしても車を意識して2速落とすのですが、それもなく、自然に入り込んでいくのはカンリンのホイールのせいでしょうが、以前のような急激なエンブレ がかかるわけではないため、思わずブレーキをかけることになります。
その後、大きな右Rを経て長い下りが続きます。いつもだと、ここからカンリンの小ぶりちゃんの欠点のようなものが出てくるのですが、5速に入れたまま、 いつもよりはエンブレがかかっていないような感じになります。
速度は登りと同じ程度ですから、今までどおりと考えてもいいのですが、どこかが違うという不思議な現象を感じました。
同時に、フロントブレーキをディスクにしなければいけないかな〜、とも考えるところです。
そうするうちに柿原(かきわら)の交差点。信号待ちの後、トンネルを通って帰ってきたところです。
帰宅して、何かおかしい。やはり、エキパイが揺れている。どうしてもフレームクランプが必要だな、と感じました。
すこし後ろへ回って、先ほどのシンクロの原因を考えてみることとしてマフラーエンドへ手をかざして驚きましたね。1m程度後ろまで排圧を感じるのです。 ノーマルマフラーでは経験したことのないことでした。
ここで、エンジンを切って、エキパイのフレーム取り付けボルトの件を確認するため、エンジンを冷まします。
気持ちは随分と高まっており、変化に対して自問自答を繰り返してしまいますが一層気持ちの高ぶりを感じる始末。
このエキパイで花園へ出かけていたらすごいことになっていたかもしれない、と思い始めたとき、雨がザ〜っと降って、高ぶりを少しばかり押さえ込まれた感 じになりました。
一段落して、フレームクランプへ入りうるボルトの径を確認すると、4mm程度しかありません。幅の広いワッシャーを用いて止めれば、ある程度変わるので はないか、として、写真展の準備に出かけました。
少し遅くなった夕食の後、今日のインプレとフレームへ取り付けが出来なかった件をシムズさんへメールして、本日のテストを終えました。
何とかフレームクランプを
ともかく、マフラー固定のリアステップブラケットのガタはそのままエキパイが軽くなった上に、フレームへ取り付けが出来ないため、ピストンの動きに従っ て前後を主として動くことになるのではないか、という結論めいたものを導き出したものの、それ以上の興奮で寝つきが悪いとはいえ、知らぬ間に眠りについて いました。
明けて22日土曜日。朝のうちに、シムズさんから来たメールを一読。そこに、ガスケットの状態如何によっては、フレーム取り付けが出来るかもしれない、 とあっ たので、一応、オートショップワタナベへガスケットを発注しました。
帰りに、DIYショップのダイキで5×50mm、4×50mmのボルト・ナット、それに双方の幅広ワッシャーを買ってお昼ごはんとしました。
早速、マフラー取り付けブラケットをセンターカラーの厚いものへ交換。総合判断で再びエキパイのフランジ部分も緩めて、総合取り付けとしてエキパイとマ フラーを固定しました。
で、4mmと5mmのボルトを通してみると、5mmが入りましたので、これを幅広ワッシャーとともに取付けをしてOKとしました。
エキパイを攫んで動かして...、動きません。フレーム取り付け部分の前後長は完全です。上下長3mmの誤差になります。
一度写真展へ戻って、少し遅れた午後3時より走行開始。走らせてしばらくの後、大きな変化が来ました。全てがリジットになり、ハンドルバーへの振動が少 しばかり増えたようにも感じました。
ガスケットが来て、正常に取り付くならば、変更をしてみたいと考えるところです。
5mmボルトクランプでのテスト
昨日より、もっと完璧に思えるようになって来ました。少々自動車が多いので、務田の坂を下りた後、旧来の三間街道へ入ります。
対向車もなく、スムースな走りが出来るため、なかなか気分よく走らせることができます。二名(ふたな)の小学校から国道へ出て永野市(ながのいち)の信 号でストップ。そこから水 分へ走らせるのですが、遅い車が居て団子状態になりそう。そういったのを少々先へ行かせるため、途中でストップさせて、それらをやり過ごします。
いよいよ各ギアでのテスト。今までですと、1速はそんなに回せなかったのですが、1速で3000ぐらい。で、ツー・カチ、をやると、2速で3500、以 後3速からはこの調子で行くと、5速では90km/hを楽に越えてしまうではないですか。思わず心のブレーキを。そういえば、昨日はスピードの取締りを やってましたから、チョイト気になるのです。
しかし、伸びも十分感じられました。まったくすごいエキパイです。ところが、左手の指先が若干振動でしびれてきました。どうやら鉄のハンドルバーに交 換、あるいは少し高いものにすべきかもしれません。
水分の下りは昨日より一層素晴らしいものになりました。ことに最初の喫茶店横のカーブでは、5速に入れたまま、ブレーキングしても立ち上がる気配を見せ ました。
ま、4速へ落としましたが、通常、ここは3速へ入れなければギクシャクが伴うため、走りづらいのです。もっとも、最後の右カーブが緩やかなため、4速で 通過ってことはありませんが。
悠々の帰還。いいですね。
本日の写真展終了まで1時間。考察は後にして、会場へ出かけました。一層の興奮を伴ってます。これが治まったのは、丸穂温泉へ入った後の一杯でした。
久しぶりの拙宅での1杯はいいものです。この程度で納めるのが今はいいようですね、と酒の話になってしまいます。
以上でテストランを終了しました。凄まじい変化とともに、私の持論が一面裏付けられたようにも感じました。
変化は総じて、マフラーを交換する方々が多い中、実際にパフォーマンスを上げることが実際は出来ないこと、だろうと思います。ただ、若干高価ではありま すが、フルエキタイプのマフラーはそれなりに考えられていることではないか、と考えるところです。
私の持論は、SR、ことに500に関してはエキパイの長さは、通常のレイアウトであれば、少なくともクランクケースの後ろ側まで必要である、ということ が確認できました。
総じて、パフォーマンスの向上を目指すのなら、エキパイを考えてみるのは重要なことではないのか。ことにSR500は相当に重要である、ということでは ないか、と感じました。
しかし、惜しいです。エキパイのフレームクランプ部分の一致しないギャップ3mm程度が何とかならないものか。一応のパフォーマンス向上の結果を得られ たので、一段落とします。