スパトラ改とSST-1

は じめに
 2010年3月20・21日の両日、スパトラ改とスーパーサウンドディスクの組合せで四国自動二輪交友会へ さぬき市 へ出かけました。快調ではありましたが、強風注意報が出ていたため、風の影響は凄まじくてまともに走れる状態ではなかったのですが、感じたことは、どこか ヌケが悪いことに気付いていました。
 同時に、マフラーの重量も風の影響に関係しているのではないか、とも考えられました。これらのことから、4月に入ってスーパーサウンドを諦め、SST- 1を装着していました。
 もう一つはマフラーの重量配分でしたが、これは、ノーマルマフラーでテストしてみて、左右のバランスは影響があるが、前後のバランスには影響がない、と いうことが分かりました。マフラーの重量配分は、SRのノーマル仕様で右へ回り込むことがよく知られています。この点、スパートラ改とスーパーサウンドの ディスクは、ノーマルマフラーと同様の動きをするように感じます。
 ノーマルマフラーは、やはり素晴らしいものを持っていることはこの確認作業で十分に感じたところです。

これまでやったこと
 最初にSST-1をスパトラに装着したときは、パフォーマンスはあるものの、どことなく馴染めないものが残ってしまい、「BORE-ACEの製品群の中 で唯一の難物」と思っていたところです。
 しかし、それは良い意味での回り道の始まりであったわけです。順に挙げると、

  1. SST-1を外して、スーパーサウンドのディスクでテストをした。
  2. その結果から、エクステンションパイプを延長した。その結果から走らなくなった。
  3. ディスクを増やした。良くはなったが、どこかつながりが悪い。
  4. キャブレターのジェットを点検面取り修正。
  5. パイロットスクリューの戻し回転を2回と3/4に決定
  6. 再びスーパーサウンドのディスクに変更。枚数決定。
  7. 3/16-24Nのディスク取り付けネジを5mm×0.8に切り替え。

となります。
 忘れていることは一切ありません。が、何かがあるハズなんですが... 。

やってなかったこと
 ディスク枚数変更のためSST-1を着けたり外したりしていると、スパトラのボルトでは、ネジが空回りするときが多々あります。そのため、5mm× 0.8の40mmのボルト変更して、ネジを切りかえしました。
 スーパーサウンドの取付ネジがこのタイプですので市販のものはもう少し長いかもしれませんが、概ね40mmあればOKではないかな、と思います。しか し、スパトラのディスクを取り付ける際は、ディスクの穴を5.2mm程度のドリルで拡大する必要があります。それ以上の拡大は穴のエッジがなくなって、 ディス ク間のスリットが保たれません。
 話がそれましたが、5mmボルト仕様にしてやっていなかったのはSST-1の取付でした。これをやってみてから、SST-1とは?の結果を出しても良い のではないか、と考えたところです。
 4月11日にSST-1を装着してみました。案の定上手く行きました。が、仕事と天候不順はテストをさせてくれません。仕方なく、ノーマルマフラーで本 格的に走ったのは2回のみ。
 1回目はリアステップ側のマフラーのフランジのボルトが2本とも緩んでしまって、この対策に少しばかり腐心。なぜ緩んだのか?。アッ、まさか。

すっかり抜け落ちていたTC-33S
 これは!?、ということから購入し、好結果を得ていたタペットカバー用クーリングフィンTC-33Sのことを忘れていました。つまり、忘れる程好結果を もたらせていた、ということになるのです。それほどのパーツです。いつもながら、SR500ではなかなか表だった効果は出ないのです。
 さて、四国自動二輪交友会へはスパトラ改にスーパーサウンドのディスクでしたが、先に申しましたように風の影響をまともに受けたため、少し気が向かな かったのが真実です。おまけに、3月末とはいえ、風が冷たい2日間でしたので、効果どころではなかった、という事実もあります。
 そういえば、装着してテストしたときの方が暖かかったのでしたから、その効果が十分期待できるつもりだったのですよね。

ノーマルマフラーでのまとめ
 話が前後しますが、ノーマルマフラーでの凄まじい変化が起こった時はどうだったのかを再検討してみました。
 確かに締めつけておいたはずの、マフラーをリアステップへの取り付けるためのサポート板のボルトが緩んでしまったのです。ボルトはスプリングワッシャー を介してフランジナットで締め付ける古いタイプだったため、その締め付けが少し弱かったのか、とも思われるのですが、どうも、振動の出方が今までとは異 なっているようなのです。
 一度外して、相当強力なトルクで締め付けました。リアステップも同様です。これで、再びテストコースを走ったのですが、ノーマルマフラーにしては排気の パルスが若干図太いものに感じられました。
 私の取り付けミスかな、とも感じていたのですが、このトルク管理も一理あるでしょうけど、ステップ共締めボルトが少しばかり緩んでいるのですから、やは り、振動の出方が異なっているようにも感じます。
 じゃ、スパトラ改とスーパーサウンドのディスクの時はどうだったのか?。実は、スパトラ改にはこのマフラー取付ボルトが3HT用のパーツに変更してあっ たわけです。
 つまり、サポート板はフランジボルトとフランジナットで、ブラケットはボルト穴がきっちりのタイプにしています。なぜ、メーカーはそうしたのか?。
 考えられるのは、キャブレター仕様の最終型である3HTのSR400は、マフラーが3GWのマフラーより長く、重くなっています。そのため、出てくる振 動係数が 異なってきたためではないか。対策としては取付ブラケットのリアステップ取付ボルトのガタをなくし、ブラケット自体もマフラーと一体化させて強固な一体化 をする、という逆対策が効果があったから、と私には感じられました。
 ナナ、ナンダッテ〜。まさか、AIS装着すると振動が増えるのか?。これってTC-33Sを装着すると同じようなことになり、3GWのマフラー取付が甘 くなったのか?。
 もちろん、浅学な私の推測ですが... 。
 いずれにしても、この部分は3HTのフランジボルトとマフラー取付ブラケットに変更するのが肝要か、と思いました。

再びSST-1を装着する
 再び堂々巡りをしてしまいそうですが、今まで感じられなかった調子の良さがTC-33Sを装着しての結果であった。同時に信じられないような振動が発生 する、というのが結果であった、と思います。
 余談が過ぎましたが、次のテストが待っているので、この時点でまだ手つかずのSST-1を装着することにしました。
 ディスクは7枚で以前装着していた時と変わりありません。違うのは、エクステンションパイプがマフラー内部へ3.5cm入り込んでいることです。この改 造がSST-1を装着したときに、どういった結果をもたらすか。興味がわきます(爆)

 SST-1のスパトラ改への取り付けは、5mm×0.8のボルトのためか、非常に楽に装着できました。できれば、キャップボルトの頭と同じ大きさで厚み があるワッシャーを使用できればネジの頭ぎりぎりまでネジ山を使用しなくてもよくなるので好ましいかな、と感じたところです。
 取り付けが終わると、パイロットスクリューの戻し回転を2回と3/4にプリセットします。すべてはスパトラ改とスーパーサウンドのディスクと組み合わせ の時と同様です。

 2010年4月17日(日)午前10時半、テスト走行を開始します。まずはエンジン始動。キックは3発。気温はわずかに低いため、チョークを2段引きま す。始動後、1段戻したその瞬間です。ノーマルマフラーと同じじゃないか。これは良いかもしれない。
 チョークを戻して700〜800回転程でアイドリングを続けています。軽くプレップしてもOKです。スパトラなど装着してこう行ったことが出来た試しは これまでありません。どちらかというと、アイドリングを若干挙げて1000回転ほどにしておかなければ... 、というのが常ではないかな、と思われるところです。
 発進してすぐに実力が感じられました。音が静かなんです。本の瞬間です。信号待ちから56号線を下るのですが、音質が丸いのです。
 途中、行き付けのコスモで燃料を補給します。再出発。和霊神社の前から、最初のカーブ。ババッと来るぞ、と予測したのですが、これが全く来ない。押しボ タンの信号待ちの時に、背圧の少なさを若干感じて、少々たじろぎます。ブレーキングのポイントがいつもと違うのです。
 私は直ぐに効くブレーキは嫌で、比較的レバーを握った位置でグッと効く陽に調整しています。大半の人はアブナイ、と言いますが、ブレーキだけに頼る乗り 方はしたくないものです。この調整は間違いでしょうかね。
 これは少し手前から握らないとダメかな、と頭に入れて、申生田の登り下りもこれまでのどのマフラーよりも快調に軽くこなしてしまいました。
 光満街道では、多少ギクシャクするものの、いつも3速へ落とすところでも、4速で十分。しかも、その次のコーナーまでも4速ホールドですが、5速へ入れ てもスムースで行くのですから、これはスゴイ、と感じたところです。
 そのことを頭に入れて、務田の坂は5速のままで登ってしまいました。もちろん、前に自動車が居なかったためで、通常は、いつもどおりだろうと思います。
 三間街道へ入ると、ことの変化が実際に感じられ始めました。排気音がブロロロロ〜という音で聞こえるのです。エンジンのメカノイズも若干ですが小さいも のになって、特に乾式クラッチのカチャカチャ音とスパーギアのバックラッシュの音が小さくなっているのです。
 もしかしたら... 。(これが発生するから)TC-33Sを装着すると... 。こんな考えを思い浮かべていました。このことはいずれ... 。

 三間街道では違反ですが、高速テストをやってしまいました。90km/hでトラックを抜きます。左へ入ってもいつもだと、カンリンの重量フライホイール を装備している関係から、早めにギアをフリーにしてブレーキングしつつ回転数を合わすのですが、その必要を感じません。そのまま、アクセルを戻しつつ緩く ブレーキングしてやると、上手くスピードが落ちるのです。
 近永を抜けて、水分へ向かいます。レイングルーブはK-70を若干スライドさせますが、ま、上手く切り抜けます。登りが長くなると、流石に排気音は大き くなりますが、大丈夫。音質は丸味があります。ブロロロロ〜という音がバーチカルツインのエンジンに近いようなので、登りにかかるとシングルらしい音か な、と感じたりもします。
 いよいよ例の下りにかかります。これまでと違い、先に4速に落として入ります。でないと、5速ではスピードが落ちないので怖いのです。それほど、自動車 のように車重で下っていくという感覚が大きいのです。
 喫茶店横では一瞬3速にするかどうかで悩みますが、やはり3速へ。最後の右カーブを3速で入るのですがエンブレが強力に来ませんので、とうとうカーブの 終わり辺りで5速にする始末です。
 以下、最終の柿原の信号まで5速のまま。減速時でもバスッという音は出ませんでした。
 最終、丸山の登り下りも大丈夫で帰ってきました。全てがOKです。が、アイドリングが1000近くになっています。いつもなら、こんなに上がったりしな いのですが... 。
 ま、外気温、TC-33Sの装着の件もあるし... 。というところで、SST-1のことについては、一応、この状態で様子を... 、とはならないのがいつものこと。

ディスク枚数決定前
 2010年の春は天候不順に悩まされました。集中して走らせることが出来なかったのです。
 振動で外れたタコメーターの修理は4月29日の祝日に行いました。TC-33Sを装着して以来、信じられない振動が支配してきたようです。ついには、 チェーン引きのアジャストボルトまで抜け落ちてしまったのです。しかもマフラー取付の右側ばかりに異変が起きます。
 まさかと思って、バックプレッシャーを少なくする方法を講じました。SST-1のディスクを9枚にしてみたのです。
 5月2日、9枚で走行しました。案の定、振動は少なくなっていました。しかし、気温は20℃を確実に超えています。(この時は、まだ気付いていませんで したが)9枚でOKを出せな胃結果でした。

 この計算式をSST-1のディスクに合わせてやってみる。あらかじめ決定していることは次のとおりです。
  1. ディスクの直径は65mm、解放部45°は無視
  2. 取付ボルト径は4mm
  3. ディスク間は1.5mm
  4. エキパイ(内)径は純エキパイとエクステンションパイプ総合して42mm
 これで行う計算式は、まずディスク間の面積は?というと...
○ 65mm × π(3.14)× 1.5mm = 306.15 mu
 ここから取付ボルト部分3か所(4mm × 3.14 × 1.5mm × 3 = 56.52 mu)を引くと...
1枚当たりのディスク間面積は、306.15 - 56.52 = 246.63 mu となります。

 内径42mmのエキパイの断面積は、21mm × 21mm × 3.14 = 1384.74 mu となります。

 この面積をディスク間面積で割ると、1384.74 ÷ 246.63 ≒ 5.61 となり、小数点以下を切り上げして「6」とすると、ディスクの枚数は「7枚」で、ディスク間は6という結果になります。

 このことから、これまで7枚でいい結果を出していました。

 しかしながら、効率とサウンド、それにTC33-Sを装着してから変化した振動などの関係から、9枚でやってみました。
 一瞬、速くなった気分になりましたが、それは、マフラーのヌケが良くなってバックプレッシャーが無くなり、2000回転ぐらいでスムースになるため、 1500回転付近が何ともあやふやな感覚になって、これは失敗の枚数組合せと判断し、元の7枚へ戻そうと考えたのですが、乗りやすさからすると計算式から 出した「5.61」の小数点以下を省いては如何?
 とすると、6枚(ディスク間)は「5」でイケルのではないか、と考えたのですね。

6枚での結果と新たな問題
 2010年5月3日。午後5時前から走行します。ミスると始動が少し難しくなっていたのですが、これが無くなっています。1発ごとの排気がスムースで す。
 最初の信号待ちからの加速もつながりが良くって、なおかつスムースです。以後、右手の動きがノーマル然としてきます。久しぶりのことです。
 申生田の下りは渋滞気味でテストできませんでした。光満街道も同様です。三間へ帰宅する車が大半ですから。
 三間街道へ入ると何ともいえないものが感じ取られました。ブロロロロロー、という排気音が続きます。これに伴い体感上の速度はかなりのものが期待できる のですが、同じようなサウンドで速度が9枚では回転数イコールになっていました。7枚もそのキライがありました。が、6枚では少しリッチ気味になって走っ ているのですが、ノーマルマフラーとほぼ同様の気分になって、回転数イコール速度域になるのですね。が、体感上はもっと出ている気分なんです。
 水分かれまでの登りは不思議なことに、トルクのかかった大きめの音がしないのです。しかも5速で... 。何だこれは。急にチェーンを520にコンバートすることが必要ではないか、と感じ始めました。

 この段で、TC-33Sのことを忘れてしまっていました。この日の気温は25℃を超えています。なるほど、TC-33Sの効果はこれも含まれているの か、と感じ取ったのです。
 前回、別項で申し上げたTC-33Sの別枠でのことが、ここから生まれてくるのですが、これはBORE-ACEさんのOKが必要ですから難しい点も在り ますけど。

 というところで、SST-1の件は、この6枚でしばらく様子をみることとしたのですが... 。
 
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