単純なる疑問なのに...
どうにもSR500の調子が悪いのです。もちろん普通に走ります。
しかし、調子がイマイのです。2014年3月、このことがあって、急遽、四国自動二輪交友会を欠席せざるを得ませんでした。養命酒の宣伝と同じ「未病」の
状態になっていたわけです。
以来、長雨を始めとしたおかしな天気のため青空工房を開催することなく、5月を迎えるに至りました。ふと、おかしなことに気付きました。
昨年末にステップをリジットに変更、この好結果からタイヤ交換に至り、こんなものかになっていたのですけど、3月にBORE-ACEのスパークアシスト
を装着しました。驚きの結果を得ました。これは別項で記載しています。最初に気付くのは常時点灯式のヘッドランプがフラつかないのです。かといってアクセ
ルをあおってもそのまま平気で点灯しています。このことがイチバン解りよいと思います。
「ナーンダ、当たり前じゃないか」とツウは単純にヘッドランプへ行くラインが単独になる、色んなところへ供給している大きな容量(アンペア)の電源が楽
になるからだろうと思いま
す。もちろん、1本のポジ電源を取っ払って、別回路にしたのですから、回路図が読めれば簡単に製品化出来るのは間違いがありませんが、同一性能の製品には
なりませんし、それだけのことです。
エンジン自体は、キャブレターから始まってストックのままなので変化がありません。しかし、未病の状態のままなのです。
現在の点火系はノーマルコイルに10cm(指定)のカーボンラインにジョイントと長目のツインコアにしております。
さんざんやった、これまでの結果からツインコアの抵抗が0Ωとして、この長さなら大丈夫であると判断した結果です。火花も力強いのですが、点火プラグは
燻り続けています。おそらくですが、ツインコアのプラグキャップは10Ω程度の抵抗が挿入されていると思います。点火プラグも抵抗無しのBP6ESにして
わずかに良く鳴ってきました。
スパークアシストを装着した際に点火コイルを新品に交換しました。この時、フェライトコアを装着しましたが、ま、気休め程度のものです。この時はコイル
のみの交換でした。
2015年5月、ここ最近になって仕事も一段落してきたのでしょうか、次々に疑問が生じてきます。もちろん、SRに限らず、レコード音楽からギターか
ら、食餌生活までマジに疑問の渦の中に居るようなものです。そのためかしら、信じるものこそ救われる(爆)が全くなくなるほど、疑問に押しまくられてし
まっていたようでした。自転車のサドルから始まって、カメラのレンズなどなど随分とやりましたよ。疑問を少しずつ解決してきたのです。
しかし、SR500に乗る気にはならなかったのです。ホント、おかしいほど乗りたくないのです、というか乗る気にならなかったのです。
5月も終わりに近づいた頃、BORE-ACEへ電話をします。「マスター、ウオタニってどうですか?、説明書にはノーマルコイルを使え!!、とありまし
たぜ」と。
この辺のところは解るヤツにしかとおらないこと、無視します。話の中で「ガツガツしたところがなくなった」とありました。ウオタニのセッティングでは
(多分)点火時期を遅らせることにあります。そのためのガツガツ感でしょう。2500回転程からいけるようになるはずです。400だともう少し上でしょう
か。クランクウェブの関係から何とも言えませんが。500の方がクリティカルに出てくることは容易にわかります。
ということは、手持ちのオレブルがリリースしていたスーパーサンダーでも同じことがいえるのではないか!?、と気付いたわけです。
続いては、点火プラグコードの長さです。これは初期型のものなら、わずかに余裕を持ってエンジンの後ろからプラグヘッドへ来るようになっています。が、
現在のコイルのセンターにコアがあるものは、かなり直線的に変更されています。
その長さは37cmです。純正プラグキャップを通しても40cmていどではないでしょうか。私のツインコアよりかなり短めです。
プラグコードのメーカーはフジクラ電線です。私はしなやかさからヤザキ電線が好きですけど、ヤマハは何らかの意図があってヤマハはフジクラを使
い続けて
います。
これらのことから、プラグコードの長さも関係があるのではないか?、とふんだわけです。ロットで変わるのなら、他メーカーの電線を使用する場合もあり、
になります。その中でフジクラですから、何か理由があるはずです。それに長さもシンプルコイルになってから同じですからね。
残念なことに、プラグコード自体の純正別売はありません。そのため、この点火コイルとケーブルは一体として考えた方がいいのかもしれません。
5月23日、この日は天候不順で手が出せませんでした。明けて24日、朝は曇天でしたが、昼前から好天に恵まれ、一気にやることとします。
まずは、スーパーサンダーに交換します。以前も出しましたが、オレブルでは「コイルの制作時期が好天が続く期間でなければ良い製品にならない」と説明を
受け、結構な時間待たされました。しかし、どうもこれは眉唾物で、実のところは純正コイルに「コの字コア」を背負わせて、容量をアップした物でしかない、
と私は結論づけております。
その他、ラバーブーツ・フェライトコアは最初からついておりました。しかし、ラバーブーツはプラグコードを装着して見られるとお解りになると思います
が、キッチリ装着すると、解くときに結構力が必要になりますから、水の入る余地はありません。フェライトコアは、周りに有害波を出さないためのおまじない
のようなものです。
プラグコードは37cm、装着してプラグのトップまでは40cmとなるようにしてあります。タンク下には入り込む部分だけスレ防止のためスパイラルを巻
き付けておきます。
キック一発で始動を始めます。ここ最近この調子です。スパークアシストの効果と思っております。ウォーミングアップの後走ってみますが、どうも少しばか
り濃いめになっているようです。カーボンがすごい。できれば、次回エンジン内部のクリーニングを試みることとします。
相対的に爆発が大きくなってきました。ここで考えるのは、やはり点火コイルはコアボリウムに影響するのではないかな、と考えました。これ以上のことは、
この時点では考えられませんでした。
が、この感覚は好みが分かれるな〜、と思ってしまいます。これが力強いと表現する
には語弊があります。一般の人は、これを言うのでしょう。「力強い」と
ね。
しかし、速度はそう出ていないのです。妙ながさつきがあるのみですから。内部が燻っているのは何とかしなければなりません。
帰宅して1時間程度エンジンを冷まします。おもむろに手に取ったのはキースターの空燃費キットです。SR400と500の微妙な違いがあるため、私の場
合はSR500で発注したものを持ってます。
フロート室を外して、ドレンボルトのネジ山がトンでいます。バイスプライヤー?!、いえいえ、マイナスドライバーで十分でした。ここからだな。この部分
をキースターに交換しました。キースターは最初からマイナスドライバー仕様です。妙にこの製品の優秀さを感じ始めました。
燻りの要因はパイロットジェットが大きすぎる、とはいえ、純正セッティングの#45を使用しています。これで濃いのですから、おかしいのです。キース
ターには#42.5(SR500の指定サイズの一つ小さいもの)が附属しています。これらを総合して、しばし純正と較べていました。
(以下の写真は純正のものです。)
微妙な違いが出ました。キースターの方がよりキャブ本体ヘ直感的に燃料が行くように作ってあります。しかも、スクリュー部分は取り付けに確実性を増すた
め山と谷を
多めに切ってあります。微妙な点ですけど、#45がどちらかというと#42.5に近い気がします。ま、低速部分でモタツキがあるので、この際は#42.5
を用いることとしました。
パイロットスクリューも新しいものに交換します。これも若干作りが違います。ホントに微妙なところですけどね。⒉回と1/2回転戻しにセットしておきま
す。ついでに、仕上げの良さからメインジェットも#162.5と同じものを交換しました。
アイドリングを指定の1350回転ほどにして再びテストコースへ。オー、いいじゃん。わずかなことですけど、かなり良くなります。力強いエンジンフィー
リングと回転です。が、結構キツメの振動が発生します。この振動も最初はいいのですが、乗っていると少しずつ嫌気がさしてきます。XS-1と同様にビリビ
リ感が強く、トライアンフT-140Vのような揺するような振動ではないですからね。
オレブルがディスコンにした理由がわかったような気がします。私のイチバンで、これは純正コイルとツインコアの組み合わせが一番いいように感じます。
この結果から、次回は、点火コイルを元に戻すのと、ノズルとニードルジェットを交換してみたいと思います。
5月も終わりになってしまいました。30日の土曜日、早朝より取りかかります。明日は雨模様になるからです。ここ最近この辺の予報は良く当たりますから
ね。
ドレンからあらかじめ、フロート室のガソリンを抜いておきます。キースターのパーツは最初からマイナスドライバーを使用するように設定されていますの
で、この点は楽チンです。
シートを取って、燃料タンクを外します。シートの材質はいいのですが、やはり、水の浸入を防ぐことはできません。やはり張り替えが必要に思うのですが、
今一度ポジションの確認をしておく必要があります。
スロットルワイヤーを外し、ますはキャブレターのキャップを外します。Oリングは大丈夫のようです。キャップを外してもペッタンコではなく盛り上がって
断面がOの字になっ
てますから大丈夫です。キャブ横のコースティングエンリッチャーのOリングは以前交換しましたから大丈夫のようです。総体として5万キロ走ってますが綺麗
だと思います。
いつも思うのですが、このキャブレターのモロモロは結構イイものをもってると思うのですが、どうしてもマフラーと同様にキャブ自体を交換してしまうので
すよね。
もう一つは、ニードルジェットです。純正のミクニはアルミです。何故アルミかは、ミリグラム単位ですが、アルミの方が軽い、ということにあります。そ
れに較べてキースターはシンチュウです。この微妙な点ですけど、形状は純正のセロー用に較べると、SR用はスマートです。セローのものを入れるとエンジン
が回らなくなります。したがって、先端の形状とストレート・テーパー部分の形状がSR用に加工してあるのですから、キースターのマイナス寄りにニードル
を装着したいと思います。
当然ですが、私の持論ですけど、パイロットスクリューを交換したのと同様に、このメインノズルも交換すべきだろうと考えます。ここでの発見ですけど、
SR500とSR400とでは、メインノズルが違います。キースターも同様の手はずを取っているはずです。ニードルスプレバーは一緒ですから、わずかな違
いです。しかし、実際には仕事量が異なるわけです。EFIになって長くなりますが、キャブ時代のよき時代のものとして受け止めたいと思います。
こういった状態ですから、あとはメインジェットで何とか出来ますので、ニードルジェットは空燃費の落ちる方向にしました。
余談になりますが、エアクリーナーエレメントをK&Nのリプレース品にしております。そのため、空気の流入が大きく速くなります。その前にはブ
ローバイ還元のガスが入っています。そのため、ブローバイガスが普段より多めに燃焼室へ入り込むのではないか、と考えるのです。
おそらく大半の方はそれは違う、と仰るはずです。私のモデルはエアキャッチも装備されていますから、そう気にする部分ではありませんが、エンジン内部の
状況は変わらないのに、キャブレターへ空気が多く送られるとキャブレターは混合気を多めに送り込むのではないか、と考えるのです。これは、トライアンフと
SUDCO
MIKUNIのキャブでも散々やりましたので、間違いはないだろうと思います。これがブローバイガス還元が性能低下になる要因ではないかな、とも考えるの
です。
というところから、ニードルもシンチュウ製になりました。段付の摩耗が見受けられれば、これは間違いがないところだろうと思います。この時点では、この
辺でお終いにしたかったのですけど、そうはいかないのがこの手の調整です。
2015年も6月を迎えるまでになりました。不調ではないものの調子がイマイチのSR500ですが、再び迷宮の奥に沈みそうです。先月までにキャブレ
ター内部の主
要なパーツはキースターの燃調キットを組み込みました。キャブ本体の摩耗から敢えて効率の悪い方向へ持っていきました。
かなり調子は良くなりました。信じられないほどイケマス。まるで、本体が摩耗しているキャブレターのカンフル剤のように良好に働きます。何というか、摩
耗し
てはいるのですがエンジンに対してのキカイというものではなく、このエンジンにこのキャブという一体の考え方としてのキャブレター燃調キット、と考える方
向性が正しいのではないでしょうか。キャブの新品時に組み込んでもダメと思います。もしやるとするのならスプレバーぐらいではないか、と思います。
もう一言言わせてもらえるなら、キースターの社員はキャブレターのツボがよく解っている方々がいらっしゃって、結構試作をやっているのではないか、と思
います。シンチュウの純度も高いように思いますから。
このように大きく変わりましたが、まだ何かおかしいように思います。私の持論を
覆すために今さらエアクリーナーエレメントを戻すことはない、と考えます。となると、やはり点火コイルかもしれません。
6月7日、夕方からは雨かもしれません。午前中に新しいノーマルコイルへ戻します。以前やったろう?、そうなんです、が、この時はキャブレターの内部
パーツが少々ガタがあったようで結果がどうも...
、の状態でした。大意はないのですが、コイル取付のボルトはかなり摩耗してましたのでダイスでモンデおきました。これで、アースは完全です。
BORE-ACEのマスターがウオタニの点火コイルに、このアシストシステムを使うと調子がよくなる、とのレポートがありました。それじゃ、オレブルの
スーパーサンダーでも行けるのじゃないか、とテストをしましたが、結果は前述のとおりダメでした。
しかし、ここでプラグコードを今のままのツインコアを使用するか、オレブルの指示どおりノーマルのケーブルを使用するか、にかかっています。今回は満を
持してノーマルを使用することとしました。ファライトコアも装着しております。(これはスーパーサンダーの標準)
が、どうしても力強さ≠速さにならないのです。FCR等では結果が変わるでしょう。そのため今でも要望が多いように思います。
しかし、私の場合イヤラシイほどの振動、これだけでもイヤなんです。もちろん、コイルのコアボリウムを増した結果ですけど、これはうまく行かなかったよ
うです。そのためディスコンになったのだろうと思います。
そのため、これまでやっていなかったこととして、ノーマルコイルにスパークアシスト、それにツインコアのテストをやってみたのです。
エンジンを始動すると、ボボボボボッと回り始めます。妙に背圧が後ろまで飛んで来ます。何だか、これまでで一番いい回りかたをしています。おかしいので
すが本当です。
発進しても立ち上がりが悪く、ツマラナイ車だな、と思われることになるはずです。ここがSR500とSR400の違いだろうと思います。メーカーはでき
るだけSR400に合わせてリリースしていたように思います。ところがSR500が基本である、という言い方を多く出したものですから、今につながるので
すね。
今回のテストで、様々な事を学びました。しかし、当初から私のSR500は人様のと違ってましたし、独自の使われ方をしていると思います。それでも、や
はりSR500でSR400とはまるで違う別物です。そこをわきまえないと、大きな失敗をしそうに感じました。