BORE-ACEチェーンテンショナー

 BORE-ACEのホームページにこの製品が出たのは7月頃ではなかっ たか、と思います。実は、MUNROさんのサイトで、この製品のことは知っていましたが、BORE-ACEのトップページに出るまでは問い合わせなどを控 えていました。
 実のところ、オフロード車を含めて、チェーンテンショナーの効用など今まで感じたことはなかったのですが、今回のパーツの写真を見て少しばかり心が動き ました。
 しかしながら、左のタンデムステップステーがそのままでは装着できないこと。これが最大の理由で、二の足を踏んでいたことにあります。
 が、再びMUNROさんのサイトで、ヤマハの純正ブレーキキャリパー取り付けボルトがフィットすることを発見。ただちにBORE-ACEへ問い合わせの 電話をしたのが最初でした。その時、本体はできているのにローラーの入荷が遅れて、8月20日頃になるとの返事をいただいたのですが...。

 なぜ、私の頭に引っかかったのか、それは次のように考えられたからです。
 SR400/500を問わず、ベースはXT500であることは明白です。が、実際、XT500のレーシングバージョンのTT500がファクトリーマシン として走ったのを私は知りません。どちらかというと、XT500をオフロードモデルに改造してパリダカで走らせて好成績を残したのが、このマシンの存在を 大きくしたわけです。
 が、一方ではこのマシンのロードモデルのリリースが熱を帯びてきて、その実際がSR400/500となったわけですから。
 ご存じではないでしょうが、XT500で路面の段差を通過するときはフロントがわずかに沈み、その反動が来る前に、リアホイールは事もなげに段差を通過 するといった走り方をしていました。比較的ストロークの長い、ガス封入されたリアショックが装着されていたことと、チェーンサイズが大きいためにリア部分 が暴れるといったことは皆無でした。
 が、SR400/500は通常では相当強いスプリングを装着したリアショックを装備しています。リアがポンポン跳ねないのはおかしいぐらいです。そのか わり、バネがきついので乗り味が悪いことが指摘されるところです。
 そこで、作動のいい追従性のあるリアショックに換装されると、クッション性能は上がり、ストロークも長くなって減衰関係の微調整に追われるところです。 おまけに、当初530のチェーンは428がスタンダードで、できれば520がベストの状況ですので、現在のSRはチェーンの張りを少し緩めにしなければな らないのではないか、と思います。
 そうすると、428のチェーンではわずかですが、チェーンがばたつく場合も出るのではない、と思われるのです。
 その上に体重のあるライダーが乗ると、何とかチェーンの張りにマージンを持たせて...、といったことが考えられるのです。これらの作動特性に抑えを 持ってくるとなると、チェーンの張り調整代を少し多く取った後、この一定量を保持できるようにすればいい、という考え方が浮かぶのです。
 したがって、今回のBORE-ACEのチェーンテンショナーはドライブスプロケット近くにあって、ドライブスプロケットを通るチェーンの上と下とがほぼ 同じに保つこと、つまり、ドライブスプロケットもう1枚後ろの位置ぐらいで、チェーンの作動中の張りが上下平行線を描くようになっているはずです。
 これをドリブンスプロケット側へ絞るような恰好にすると、おそらくはチェーンの唸りが出るし、このテンショナーの目的を大きく逸脱する結果になるのでは ないか、と推察しました。
 ということは、オフロードモデルのようにドリブンスプロケットが大きく、クッションストロークの大きいリアホイールでのチェーンテンショナーの目的とは 少しばかり異なるものであることは明白です。

 8月20日に再び電話をしますと、マスターの坂本さんがいつも良からぬユーザーからの電話が「来 た〜」的な応答で、私自身が赤面するところです(爆)。
 イエイエ、そんなことはありませんよ。ただ、その変化に対して私なりの言い回しで言っているだけです。年齢のみ私の方が上ですので、気になさらないよ う。

 で、やはり、ローラーの入荷待ちで月末になるとのこと。とりあえず、ブラックを1機発注し、料金を振り込んで到着を待ちました。
 もう一つは、フレーム取り付け用の純正ボルトの発注です。これは2本をオートショップ・ワタナベへ発注しておきました。

 BORE-ACEから、31日に送ったとのメールがありました。9月1日に到着。いつもながら、中身に対して箱が大 きすぎるほどの荷物です。マスターがおっしゃるとおり、中身の保険のことがあるので致し方ありません。
 開封して、コンプリートの写真はブログにも出していますが、次の通りです。



 ここで言い訳めいた48Uのリアステップサポートプレートについて。
 私のSR500を購入するとき、少し前ではありますが、かなりのヨー ロッパ仕様の写真を多く見る機会がありました。購入してすぐさま、これらのパーツの 大半が48Uであることを知ったため、ペーパーベースの分厚いパーツリストからフォーワードステップ、リアステップ、同取り付けプレート、ピストンなどを 入手できました。
 残念ながら、リアウインカーのテールランプベースへの取り付けはこちらで加工。ピストンは保存用。ステーは取り付けできない構造のため、保管用、とバカ げたことになってしまいました。
 そのとき、京都のオフィシャルが左のリアステップステーをオリジナルとしてリリースしていたので、これを購入して、48Uモドキを作っていたわけです。
 その中でも、やはりアルミのリアステップサポートは素晴らしく、何とかならないものかな、と今でも持っている次第です。

 そのイメージがあるので、今回のテンショナーはブラックにした次第です。

 9月3日(木)出勤前の午前5時から取付です。取り付けには私流のやり方でやりました。
 まずは、仮組です。リアステップのステーは取り付けず、テンショナーだけを取り付けます。ボルトは元の六角ボルトでOKです。おそらく、カッチリと取り 付くはずですから、この時点でローラーの位置確認をします。私の場合は付属の平ワッシャー5枚を追加してOKとなりました。
 再びはずして、まずは本体へのローラーの取り付けです。
 一応、シャフトにはモリブデングリスを塗布しておきます。スペーサーの後へ、調整用のワッシャーを入れて、ローラー。その後に平ワッシャーとスプリング ワッシャーを入れて、13mmナットで固定すればOK。
 このナットを締めつけるとき、スプリングワッシャーの段が無くなる時点で止めておきます。
 説明書では、ねじロックを使用するようになっていましたが、せっかくのマシンですから、私は13mmの袋ナットを使用してダブルナットとしてロックしま した。



 仕事が退けてから、チェーン調整を行います。
 まずは、ライダーの体重を考えて、皆さん方が通常やっておられる、ドライバーのシャフトをドリブンスプロケットの歯の谷部分に挟み込んで行うチェーン張 りの調整ですが、ドライバーのシャフトがリアホイール取り付けアクスルと垂線で結ばれる位置にします。
 そこで、ドライバーのシャフトが全く動かない状態から、やや緩くなるところで左右のチェーンの張りを調整して、チェーンテンショナーのローラーに緩やか に乗っている状態となるようリアホイールの取り付けをロックします。
 私の推論ですが、このチェーンテンショナーはこの位置で作動させることにより、ドライブスプロケットの歯にチェーンを掛けておく時間を長くする、すなわ ちエンジンの回転を無駄なくチェーンに伝えることが目的のパーツと判断します。
 
 はやる心は押さえたいのですが、我慢するのがつらいので、一気に走ります。汗だくのTシャツを脱ぎ棄てランニングシャツと半袖のシャツにジャージーの上 を着て準備をします。
 点火コイルはすでに交換して、安定感の方が勝っている状況ですので、不思議なことではありますが、始動は3発も踏めばOK。若干アイドリングが低いので すが、燃料の残量が乏しいのと、始動直後ですから、600回転ぐらいになってますが、この状態をキープします。

 スタートして一瞬のことでした。アクセルのオン・オフが鋭くなっているのです。ひとつには右手の操作が難しい面もあるのですが、慣れるとこの面が、ずい ぶんと効いてきます。
 和霊神社の前、申生田の上り下り、光満街道から務田の坂までいつもどおりです。あれだけ、発進時に変化したのに「いつも通りとはこれ如何に」ですが、事実です。三間街道へ入って答えは一瞬に して出ました。
 あらゆる速度域でも、何かが一定なんです。ほんの少しのギクシャク感、シフトのタイミングなどでの振動など、ことの如く消え去っているのです。
 ついに水分の道になったとき、バックプレッシャーが減って、走りづらくなっていると感じました。ということは、平たん路ではそれが出ないから、スムース に走りすぎているのではないか、と感じるのです。
 もしかして、ノーマルマフラーでテストすると、シムズクラフトのM型エキパイが効くので、素晴らしいものになるのではないか、とも感じたところです。
 悪いことに、この何ともないような変化が、一瞬にしてライダーの身についてしまうため、これが当然となってしまう危険性もはらんでいます。(冷)
 まったくバカげているように感じるのですが、私にとっては事実なのであります。

 9月5日(土)。チェーンテンショナーの確認を再び行いました。9月の2週目は天候はいいのですが、夜の会議が連続で入っていますから、どうすることも できません。もう 少し涼しい天候の下で走りたいのですが、確認のためなら、はやる気持ちを抑えられなかった前回との対比とするなら、この日に走らせた方がいい。

 前回同様に、少しばかり暑い中、エンジンを始動します。1発でかかります。軽率な判断はいけませんが、ノーマルコイルとツインコアの組み合わせはなかな かのものがあるようです。その逆に、点火プラグには優しい...、とBORE-ACEさんは言ってますが、素晴らしい表現です。
 スーパーサンダーの項でも申していますが、点火パルサーとユニット、それに点火コイルの相性など、目に見えないものがあるのではないでしょうか。

 出発して、旧ロータリーの信号からフルスロットル気味にアクセルを開けると、(ギア比の関係で)頭打ちだな、と思うところからもう少し先でアクセルを戻 せるようになります。2速へのシフトアップはニュートラルで回転数を合わせないとガツンとくるので要注意ですが、もう少しギア比を上げてやるといい気分で 1速が使えるのではないでしょうか。
 いずれにしても、次回にチェーンとスプロケットを交換する際は520チェーンへのコンバートが必要のようです。
 残念ながら、これ以降は、この間の走りと同じでしたが、永野市手前でリザーブになったため、久々にモービルを給油しました。以後、少しばかり変化してき ました。
 これまでですと、オクタン価が高くなったような感じでエンジンが落ち着いていたのですが、チェーンテンショナーが加わると、スムースさが促進されてくる 気分になってくるのです。これには少しばかり驚きました。
 この製品は、「テンショナーとい う張りの強制を求めている のではない」ことを理解する必要があります。



 帰って、ミクニが採用している丸型のメインジェットの欠点のようなものが浮上してきたのです。
 この件は「Sick'n SRを何とかする」で報告していますが、「液体の中で筒を通しての吸い上げが一定なら、液体の入り口は広い方がいい」と私は確信しています。
 となると、燃料の吸い上げはダイアフラム抑えのスプリングを弱くしていることから、おそらく...、と思ってしまいました。

 この件は別にやってみることとして、チェーンの張りを一定にする、というチェーン テンショナーではないチェーンテンショナーとして、私個人としてはお勧め、と感じます。




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