何か割り切れないもの

 10月31日、メインジェットを#170に、パイロットジェットを #47.5にアップして意気揚々、前回のテスト報告を記載しました。
 月が変わって11月になりました。この季節にしては相変わらずの高温が続いています。3日の祝日、7日の土曜日は所用があって、SR500にかかること が出来なかったところです。もう、エクステンションパイプの効果は前号で終わっていたはずなのになぜ?、と思われる方も居るでしょうが、思わぬことが発覚 したのです。
 それは、11月8日にテストコースを走った後、点火プラグの発火部分全てがタヌキ色なのです。そのためでしょうか、少しばかり改造の行き方が違ってきて いるのではないか、と感じるようになったのです。それからしばらくの間、何がどうなっているのか、を少し検討することとしました。

まずは、メインジェットを#170にした件。
これは、#165では少しばかりつながりが良くないし、加速が緩慢だから、ということからでした。
次はパイロットジェットを#47.5にしたこと。
これは、アクセル全閉時のボボッを消すことに主眼を置いての行為です。

確かに、エクステンションパイプが短いときはこれで良かったのです。
が、エクステンションパイプを延長すると... 。走るとリッチになりすぎている。

ここまでになると、迷路へ陥ってきているようで、私の考え方と実際が少しばかりずれてきているようにも感じ初めてきました。

 リッチという点だけで、方向性は間違っていない、と考えます。
 いずれも、間違った行為はしていない、と自己判断しています。日記には記していますが、VMタイプとSU(CV)タイプのキャブとではシリンダーヘッド の形状が少し違うのではないか、とまで考えるようになってきました。
 わずか、エクステンションパイプを4cmばかり伸ばして、マフラー内へ3.5cm程度入り込ませるだけで、これだけ変化するものなのか?。この疑問がな かなか取れなかったのです。その上に、前号で結果が良いからこの辺でオシマイなんて記載しているものですから、自己判断そのものがダメの烙印を押されてし まうことになってしまう。
 あらためて改造の難しさ、それに対応する処置の難しさを一層感じるところでもあります。

 その対処方法として、11月8日の走行結果から、やるとすると... 。
 まずは、キャブレターを元通りにすることからだ。そうすれば、エクステンションパイプを伸ばした結果の何かが再び出てくる、と思いました。

 11、12日と今治へ出張していました。12日は日中に帰宇できたので、キャブレターを全て元通りのジェットに戻す前に一度走って感触をつかんでおくこ ととしました。

 午後4時頃からテスト走行。テストコースはいつものところ。始動から帰宅までこれまでと何ら変化がないのです。プラグを見ても煤け状態はこれまでと変わ りません。3.5cm改造スパトラのマフラー内部に入り込むだけでこれだけ違うのか?
 上記の疑問は疑問として、次の二つの対処案が出ました。

1.SST-1のディスクを12枚に増やす。
2.スーパーサウンドを再び装着する。

 14日の土曜日。雨は午前中で上がりましたので、作業開始します。SST-1のディスクを12枚にして取付ようとしたとき、スパトラの純正ディスクの頭 の部分のねじ山がいくつかのボルトでダメになってしまいました。何度となくやるのですが、二本分パーにしてSST-1の取付... 。



 その時でした、現在の改造スパトラはスーパーサウンドのスリップオンと同様に、マフラー本体にエクステンションパイプが入り込んでいるのだから、スー パーサウンドのディスクを装着してテストしてみたらどうだろうか?。

 この稚拙な考えが上手く行くとは、この時には気付いていませんでした。

 早速、無作為でトライアングルディスク5枚と円形ディスク6枚の組合せで装着して走行します。これまでと違う点は、もしかして、ということもあってエン ドキャップをスーパーサウンドのものにしました。その上に、スパトラのオープンエンドにしております。



 始動性も十分。若干押さえつけられたような排気音。スタートします。最初の信号からスムースです。あやまって5速まで上げてもギクシャクしない。 オー?、スーパーサウンドのディスクってこんなに良かったのか?。少しばかり驚いています。
 申生田の登り下りも過不足ありません。下りでは5速に入れて下りましたが、加速してしまう。これには少し参りました。
 光満街道も務田の坂まではスムースですし、三間街道に入っても同様です。ふと、これってノーマルの走りだよな、と感じた所です。実は、これではダメなの です。SR400ならいろいろとイジリようがあるのに、500では各パーツのバランスの一致が難しい。したがって、キャブレターを換えると性能アップする のは解るのですが、季節によってセットを変更するのもイマイチ。
 こういったところから、何とか私流の行き方に即した変更=改造、それをより良いものにしたい、という一念からやっていること... 、などと考えて、水分の下りへ。
 ウ〜ン、なかなか良いのですが、エンブレの効果が少しばかり... 。
 メリハリのない走りに少し不満で帰宅しました。若干アイドリングが高めに出ます。しかし、この日はこのままにしておきました。

 この組合せはなかなかのパフォーマンスを示します。参考書があればいいのですが、リバースタイプのメインジェット、アバルトタイプのサイレンサーなど、 '80当時では専門用語のようなものを出されていた小関さんの本にも出ていませんが、一つの足がかりが掴めたように感じました。
 またしても検証ですが、次のように感じました。

 スーパーサウンドのディスク効率からすると、アイドリングがおかしくなるのは、排気効率が良くない、というか、ノーマルに近いものになっているのではな いか、と考えます。
 そこからくると、容量アップした改造スパトラはノーマルのマフラーよりは容量が少ないにもかかわらず、スーパーサウンドのディスクとマッチしているので はないか。
 しかし、少しリッチだ。ならば、ジェット類を元に戻してやると... 。そして、あれだ!。
 が、夜も更けたところで全ては明日としました。

 11月15日の日曜日。まるで1週間全てに休めるときが一切ない。何かしらイライラがつのってばかりです。昨日からの件からすれば久しぶりのことです。
 思いはつのって、9時から作業開始します。
 すでに、フロートチャンバーは取付がキャップスクリューに交換してあるので、先にスプリングを交換します。
 次は、パイロットジェットを#45に交換します。最後にメインジェットを#162.5としました。
 もう一点、マフラー容量から考えて、ディスクを1枚づつ増やして、トライアングルディスク6枚、円形ディスク7枚でやってみることとしました。
 午前中に済ませておきたいので、早速テスト走行を開始します。
 エンジン始動。オー、再び2段チョーク出来るようになってきました。アイドリングは特筆ものです。これはなかなかよろしいです。何というか、カンリンの 重量ホイールのマスも加わったような... 。期待が持てます。気がかりは「あれ」ですが、まずはストックのキャブレターセッティングとして、アイドリングを800回転程度でセットしておきます。

 発進しますと、カッタルイ面がすぐに出てきますが、糞詰まりよりはいい。ということはバックプレッシャーが若干減っている?。いや、ガスがこれまでの セットの時より若干薄い。これらの考察が頭を巡ります。
 最初の信号から2500回転程度でつないでいきます。これって、ノーマルより良いぞ。不思議なことです。お茶撰橋付近は5速が使用できます。今回は旧 ロータリーの交差点まで一気に来ました。もしや?、とは思いましたが、このまま進むこととします。
 和霊大橋の手前で、信号が青になって左カーブのところでは若干直進性が増したような気分になります。19インチホイールの時のようにエイッ、ヤッと気合 いを入れるような必要はありませんが、ついこの間ノーマルマフラーに戻したときのような走行感覚になっています。一概には言えませんが、スーパーサウンド のディスクの組合せは重量バランスも考えられているのでしょうか?。
 申生田の登り下りもスムースでした。信じられないのですが、下りも早い。若干ですが水分からの下りも期待できます。

 成川に近いところで、最初に感じた「ガスが薄いのかも?」の感じに対処する方法を試してみます。道路傍らに止めて、車載工具からドライバーの先を取り出 して、パイロットスクリューの戻し回転を2回と1/2の指定から少し戻して2回と3/4としました。おそらくは... 。

 オー、いいぞ。アクセルに対する反応は同じですが、低速域でのスムースさが増しました。ということは、水分からの下りがギクシャクしなくなるはずです。 逆にブレーキへの負担が大きくなるか、という点もなきにしもあらずです。

 いよいよ下り、ボボッって出るなよ、と思いつつ、ガーッと加速したまま下りへ。最初のコーナー群もエイッヤッとやる必要は無くなっています。タイヤのエ ア圧が低いかな、ということもありますが、それでも、これまでとは違い、下りでもカンリンの重量フライホイール効果が出てきます。これはなかなかいい。

 意気揚々帰宅しました。アイドリングは安定しています。
 しかし、アクセルを少しひねると... 。ゲッ、黒い排気が出るではありませんか。エ〜ッ、元の木阿弥ではないか... 。
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