nrfのクワイエットコア
マジにね、ずっと以前からこのメーカーの製品は知ってたのですけど、一
つのことが解決してなかったので2016年の春まで導入をためらっていました。真面目に、たった3つのことだったんですけどね。その3つのものとは、本来
のクワイエットコア、その形状、そしてディスク取り付けねじ部分との関係でした。
まず、本来のクワイエットコアは、ドーム型のエンドにテーパー上のパイプを溶接したもので、アクティブがリリースしているようなものではないのです。形
状はライディングスポット製のものがサードパーティーとしては一番ではなかったか、そして取り付けボルトとの関連です。
こういったところから、クワイエットコア自体は何かおかしい気分でならなかったのです。これまでアクティブ、ライディングスポット、純正スーパークワイ
エットコアでの実験したことを紹介してきました。しかしながら、消音という観点からは何か違う、と思ってきました。これまでの記事が本当かどうか、やって
みられた方の中で、数人の方から連絡をいただきましたが、これがSR400でなら、もっとオモシロイ結果になっていたのではないか、と感じるところです。
そういったところから、私はスーパートラップのボルトについて、純正ボルトは「No.10-24UNC」か、ウィットネジの「3/16-24W」なので
すから、このタップでマフラーエンドの取り付け部分にタップを通すか5mm径のタップで切り替えするようにやってました。
その時必ず、ディスクの穴をリーマーで1枚ずつ広げていました。要はある程度余裕をつくったのです。かなりの期間、これをやり続けていました。その間、
ディスクが結構変わりました。そのため、当初の切り欠きのあるディスクは別にして、今のディスクは、穴がキレイに開いているものを選別するのがかなり大変
でした。マトリクスをフィットさせてもダメでしたからね。
BORE-ACEのスーパーパワー仕様のディスクを入手して考えを変えました。後から開けられたボルトが通るギリギリの穴にスムースにボルトが入るので
す。エッ、と思いましたね。つまりこうなんです。入りづらいものはディスクの出っぱり側にリーマを軽く当てるだけでOKなんだよ、というわけです。余裕が
ありすぎると、ディスクを取り付けるにはダメなんです。私の経験上、ディスクが必ず変形します。
もう一つは、ディスクの締め付けトルクです。スーパートラップは7kg/cmです。これはどうも強すぎるように感じるのです。仮にディスクを8〜12枚
装着しても消音材の中にボルトが入り込む量が多いのでダメになる(抜け落ちる)ことはまずありません。そのため、ハイパワー仕様のディスクですけど、取付
はかなり緩いです。トルクはどれほどか解りませんが、新たに穴を開けたディスクが変形しない程度で止めております。それでも抜けません。
おそらく、多くのスパトラ愛用者はこの面で苦労されているのではないでしょうか。私は以上のように考えます。
で、ディスクをどうするかになりますが、これは少し難しいのですけど、今のディスクには横に1本ラインが薄く入っているはずです。そして、そのサイドを
見るとガタがあるはずです。ここを基準にして、ケガキをつくっておくことだと思います。これで、OKだろうと思います。
調整等でディスクを外す場合は、必ずこれが必要になります。それがない場合には、ボルトを抜かないようにするのも一興か、と思います。
のように、かなりのところで、クワイエットコアの解説をしてしまいましたが、このボルト取り付け穴ともう一つは、クワイエットコアに使ってあるスーパー
トラップのディスクを1枚目のディスクとして考えるのかどうか、というところにあります。
これまで長々と記載しましたが、先ほどBORE-ACEのマスターから送られてきたスーパークワイエットコア改造のインナーコア(もはやクワイエットで
はないので)を見ていたとき、nrfのクワイエットコアが目にとまったのです。その上に、何をどうすればいいか、がメーカーサイドのものとして、その成果
はどうなのか、がこれまでのことで少し解ったような気がして、購入を決意したわけです。
残念ながら、これ以上のことはメーカーを裏切ることになるので、記載することは控えさせていただきます。
私のスーパートラップの改造は以前から申し上げております。そのことを含めて現在がハイパワー仕様のディスクが4枚装着されています。残念ながら、クワ
イエットコアは、取り付けボルトが装着されます。ここは少し考慮することになりますけど、今回のクワイエットコアをテストするために、通常のディスク6枚
でやってみます。
もう一つ、排気そのものが以前おかしかったことがあって、キースターのキットで下の方に修正しております。
そういったところから、今回はネジ山を保護する関係から、スレッドコンパウンドを使用してみることにしました。
もう一つ、残念なことに、スパトラの新しいインナーコアは、ギリギリエンドプレートにパンチングメタルがわずかに出ていることがあります。これが問題点
で、通常の
ディスクを装着する場合はOKですけど、今回のクワイエットコアを装着する場合は、亀石屋さんのホームページに紹介されているスペーサーが必要になる場合
があるようです。
で、スレッドコンパウンドを塗布してディスクを装着。エンジンを回します。あれっ?、スーパートラップって、こんなに静かだったかな?まさに私の望みど
おりの音になっていました。しかし、何か違うのです。
まずはBST-34の2段チョークが完全に効きます。アイドリングがすぐに安定。今までにない経験です。つまり、今までがおかしかったのではないか?、
様々なことが頭
を巡ります。たかがクワイエットコアだけなのにね。これまでが、バカやってるみたいでどうしようもありません。
が、いいことばかりではないのです。アクセルのツキもいいのに、グリップを上げていくとボコボコ。回転が着いてこないのです。懐かしい3インチ時代に
2000回転ぐらいで止まっていたことがありました。本当にジワリと上げていってもいいところで止まりそうになるのです。
これがなんの原因か?要因は2つほどでしょうか。基本の要因は、@始動性は良好・・考えようでパイロットジェットは帰る必要がない。Aアイドリングから
2500回転辺りはややもたつく・・パイロットジェットを#0.5ほど上げる、ニードルを尖ったものに変える。Bその上の回転域がマズイ・・メインジェッ
トを上げる。とこういったところでしょうか。
なぜ、こんなことを今頃経験しなければならないのか。それはノーマルのマフラーが
いかに優れているか、にあります。そして、エンジンの吸排気が少々狂っていてもエ
ンジンを回してしまう、という欠点でもあるのです。これがよくわかりました。
一応の結果がわかりました。が、パーツリストでメインジェット、パイロットジェットを検索しても社外品だけしか存在しません。私の1996年モデルは
ベースが1994年で最後のバックステップモデルです。これらキャブレターのパーツとしてメインジェット#162.5、パイロットジェット#45しかあり
ません。そのため、当時はマフラーを換えたりしての調整はパイロットスクリューの戻し回転程度でやっていたのだろうと思います。
ここへ、キースターの燃調キットがリリースされて以来、私はうれしくなってきましたね。早速、やったのが音年の12月でした。キットを見た瞬間驚きまし
たね。ジェットニードルまで入ってるのですから。その時、NモータースのKメカニックより、下が濃いと言われていたので、パイロットジェットを#42.5
に落として、ジェットニードルを太いものに交換していたのです。
その他、ノズル類は全て交換しておきました。材質はキースターの方がいいように感じます。特にニードルジェットはアルミ合金の純正に加え、キースターは
シンチュウ製です。その時、(キャブ仕様の)セローのニードルを入れて今回のようになったのをすっかり忘れていましたが、これは後ほど。
で、今回の件を考えてみると、久々にキャブレターだけの問題で、完全に下側はOK。BST-34のキャブはニードルが上下するタイプですから、メイン
ジェットはそのまま、パイロットジェットを落とす、ニードルを太いものに交換した、というスンポウです。
2月21日、イイ天気ですが風が強く閉口しますが、気分良く作業開始です。ネット上で簡単にいい供養に記載してありますが、配管が人様の倍ほどあるの
で、タンクを外しての作業になります。
キャブのダイヤフラムなど異常がありません。よく持ってます。私の長期間は2週間程度ですので、人様の「放置」はどれぐらいになるのでしょうか。この2
週間ほどでも、乗ってやってくれ、といわれる始末ですからね。
そのため、内部はキレイなままです。まずはフロートのガソリンを抜きます。ドレンも交換しましたからネジもスムースです。アクセルワイヤーを外して、
トップキャップの捻子が見えるようキャブを傾けます。
ニードルを変更します。クリップはセンターで変更ありません。較べると取り付いているのは結構細いでしょ、後はテーパーが問題ですが、測定装置はありま
せんから、これまでですね。
元通りに組み込んで終了です。あっという間のようですけど、私のSR500はBORE-ACEのオイル関係のパイプが多いため、なかなか大変なんです。
タップをプライマリーにしてガソリンをフロートチャンバーに満たして、やおらキック、驚きましたね。以前と全く変わりません。何これ?、ということもあ
りません。5000rpmぐらいまでスーっと上がります。オー、何か変わっている
手をキレイにして、用意します。風が強いので気が引けるのですけど、とにかく走ってみたかったのです。ほんのテストのため、ショートコースです。
恐ろしいことが起きたのは、ほぼ満足のいく結果だったのです。音もうるさくありません。重いはずのSR500が小気味よく走ります。忘れてましたが、こ
の時のディスクは5枚でした。
一応の完成ですけど、何かありそうで再びハイパワー仕様を試みます。スペシャルディスクとスタンダードディスクを交互に入れ込みます。少しきつくなるの
で、スレッドコンパウンドを使用して組み付けます。
エンジン始動、音が少し大きくなりますが、この時の問題は起きません。思い切ってテストコースを走ります。恐ろしいことが起きたのは高光街道を務田の坂
まで5速ホールドのままで走ってしまったことでした。が、三間街道へ入って少しだけ走らなくなった気分になります。おかしいことですが、振動が増えてくる
のです。不正な爆発も起きないのでこの辺がハイパワー仕様の難しいところですかね。
帰宅して、やはりスタンダードディスクだけの方がいいのじゃないか、と考えました。じゃどうするのか、今の走り方で私には十分です。速さも
120km/h程度まではOKですから。何かおかしいかもしれません。これまでやったのですからね。ハイパワー仕様の間隔をそのままスタンダードのディス
クでやるとなるとnrfの指定枚数7枚が全てですから、一応7枚でやってみることとします。
で、エンジンを回すのですが、何か妙な気分がするのです。そう、これまでのスパトラで調子が悪いでもないのに調子の悪い気分ですね。おかしな表現かもし
れませんが、大雑把に言うと「調子が出ない」気分なのです。これまでキャブレターを含めて随分と悩まされてきました。
とりあえずは、点火プラグを外して見ます。「ギョギョギョ」真にさかなクンのあの驚きようです。現在は抵抗無しのBP6ESです。キースターのキット組
込前からプラグ交換した状態そのままですが、あれだけ煤けていた電橋部分が、今流の白っぽいものに大変身しています。ホント驚きだったのです。
前述のように、7枚で少し荒々しいものになってきました。nrfでは6〜7枚で調整願いたいと言っています。今の状態ですと、やはり6枚にした方がいい
ののかな、と3日後の2月23日にディスクを減してみました。
余談ですけど、これまでモリブデングリスを使用していましたが、今回はアルミベースのスレッドコンパウンド(アンチシーズグリス)を使用しています。非
常に好ましいのですが、持ちは1回だけを基本とします。30kmも走ると余分なグリスは浮き飛びますので、その都度塗布してやります。ディスクの締め付け
はカンでうまく行きます。
私の使用したのはMILスペックのパーマテックスですけど、ワコーズのカッパー(銅)の方が好ましいかもしれません。
加えて、締めつけトルクを指定の0.7kg/cmでやるのは締めつけすぎではないか、と思います。スタンダードのボルトですと、まず緩んでも抜けること
はありません。従って、カンであってもそれだけしまっているわけですから、わざわざトルクレンチは必要ないと思うわけです。対角線三角×2回の方式でもか
まわないと思います。最終段で7か所目に最初の位置で確認をお願いします。
最初の5枚での結果と同枚数のハイパワー仕様の違いからすると、ノーマル仕様なら5枚に数枚加えるだけ、と考えられます。
1枚加えて6枚にするのか、2枚加えて7枚にするのか、これに随分と悩むのですが、わずかな差ですけど、ディスク1枚の差はかなりのモノです。ようやく
この方式が解るようになりました。
私の場合はいつも500ccのこととして記載しています。おそらく、SR400なら、私のような問題は起きないと思いますし、ワイセコ辺りのトップが少
し盛り上がったピストンで組んだエンジンなら、私が悩み続けている問題は起きないのではないか、と思います。
余談が過ぎましたが、これまで、こういった問題つぶしが一つづつできなかったのです。性能がこれぐらいになる、はまだしも、性能アップする、ったってど
れだけアップするのやら解らなかったのです。
今回nrfのクワイエットコアを装着して、私が悩みながらやった多くのことが非常に好結果を一気に得た次第です。おそらく...
、と考えられるは、いずれ詳しく報告しましょう
このように、私が記載するとある程度デフォルメしているように思われるかもしれませんが、事実をわかりやすく申したまでのこと、今回ほど好結果が一気に
来たと言うことはありません。
この項のまとめとして、まずはスタンダードなキャブならキースターのキットで調子を見てください。どことなく調子が悪い、というのなら必ず普段は交換し
ないようなものをキースターのセットから選んでいただければいいんではないか、と思います。
その上で、スーパートラップを装着されているのなら。nrfのクワイエットコアは確実に消音が進みます。その際の注意点としては、スパトラのインナーコ
アが必ずストレート(旧型)になっているもので、クワイエットコアが装着出来るものとしていただきますよう、お願いします。
あくまで、改造です。責任はご自身でお取りください。