その後のSR500

日 を追って
 2005年の8月は大変な月になって、僕自身もオートバイというものが意識の外に行ってしまったような日々でもあった。最大の要因は自治体の合併に伴う 僕自身のポジションが公私ともにわたって僕の身体に悪い影響を与えた。言いようのない下腿部の痛み、握り拳が作れない左手の指関節、異常に膨らむお腹など など... 。
 おまけに、市議会選挙戦への協力体制が全く取れないことなど、時の流れに流されるままであって、自らの判断で処理できないものが僕を取り囲んでしまった 状況に陥ってしまった。ピークは8月27日に突然やってきた。前日の飲酒にもよるが、とうとう27日は朝、目は醒めるが起きあがることができない。二日酔 いの気分でもない。本当に寝床から起きあがれないのだ。とうとう、午後3時近くまで2時間毎の眠りと目覚めを繰り返してしまった。
 どうやら、この歳になると疲れが後追いしてくるようで、先に核分裂が起きているのだが、ピーク時に一瞬爆発というものがあって、その後の状況が凄まじ い、という、まるで核爆発の状況だ。

 翌日は嘘のようにスッキリ。久しぶりに用務で必要のためSRを動かす。ようやくクラッチも握れるようになった。気分も良いからSRを走らせるに不都合は ない状況である。用務の場所は鬼北町東仲。そこへ発展途上国への救援米の稲刈りに出かける寸法である。コースはいつものテストコースだ。
 クラッチもへばりついていない。エンジン始動も多少キックアームを踏み下ろす回数が多いものの簡単に始動。間もなくエアフィルターの交換をしなければな らない。すでに9年間も持っている。いずれ、どうして持つかの種明かしをしよう。
 信じられないところでエンジンのパフォーマンス。他人様からすればマジ〜?、と思われそうだが、リプレースマフラーではパイロットスクリウを1/2回転 ずつ閉めたり開けたりしてテストしてみることだ。SR500の場合は閉め込んだ方が良いように感じる。
 コスモ石油でガソリンを補給。走り始めて、キャブレターのフロート室の燃料が無くなる頃から調子がよくなる。週に一回程度の走りならどこのガソリンメー カーでも変化はないだろうけど、月に一度となると、エネオスが無難かな、とも感じる。ネット上で知り合ったKさんもエネオスのようだが、ナルホドと思うと ころもあるようだ。

 道はいつものテストコースと同じだ。妙にSR自体が僕を急かせるようなこともない。一般道ではノーマル然として走ってしまうところを見るとセッティング 自体はパイロットスクリウのみ1回と1/4程戻した位置にした方が良いように感じる。
 残念なるかな、リアタイヤがわずかながら言うことを聞かなくなった。つまり、ショルダー部分に溝が多く通常接している部分の溝が少なくなっているため、 カーブでグリップしているのに立ち上がる瞬間、振れるような感じになってしまうのだ。間もなく交換かな?、としたとき、フロントが今度は腰砕けになってし まうようなときがある。フロントフォークオイルも交換しなくてはならないし、ステアリングのボールとレースの確認も必要だ。
 何というか、人間様と同じで、定期検診では判らないようなところが、そこかしこに出てくるようだな。

 稲刈りを終えて新装なった宇和島道路を100km/h程度で流す。ウ〜ム、良い。が、またしてもリアのマッチングが悪い。K501の時ほどではないが、 サイドに近い部分が中心部よりトラクションを稼ぐというのは気持ちの良いものではない。
 帰ってのアイドリングは1250rpm程度だが、少しばかり多いようだ。おそらくオイルの劣化からおきる現象ではないだろうか。多くの方々は関係書物に 記載しないが、僕は常にSR500はエンジン自体の発熱量は400とは比べ物にならないほど多い、と確信している。
 一部のエンスーはエンジン自体、ことにシリンダーヘッドのフィンを大きくすることで熱を逃がすようにすることを言うが、それよりは、#10程度上げたオ イルとして、オイルクーラーを装備したほうが結果が好ましいように思う。オイルのグレードはそれほど気にすることはない。
 後日談になるが、elfのSJ15W50をベースにカワサキのSF10w40を1/3加えたものに交換した途端、アイドリングは見事に1100程度に落 ち着いた。純正とはいえ、発熱量の多いSR500のエンジンは15W50の方が好ましいことが判明する。これだと春から晩秋までオイルクーラーの前を塞が ずに使用できるオイルとなる。20Wとなると気温の低いときの始動性に難があるため15Wというのは結構必要な数値なんだが、この番手のオイルが今は巷に 少なくなってきている。

パイロットスクリウ戻し回転の謎
 標準のパイロットスクリウ戻し回転を全く無視している僕のSR500は快調だが、BSTキャブのこの部分には何か共通事項があるのだろうか、とオート ショップ・ワタナベでセローのマニュアルを拝見する。
 そこには2回転戻しの記載があった。SR500が2回と1/2回転、400が1回と5/8回転戻しだ。考えてみるとSRのノーマルマフラーとBSTの キャブはパイロットスクリウの戻し回転は2回前後、ということがわかる。
 BSTキャブは別項で記載しているので、そちらをご覧いただくとして、バカげたことかもしれないが、これは排気系にフィットさせたもので、「リプレース マフラー全てが排気効率がいい」とユーザーは思い込みすぎているのではないだろうか。もちろんVMキャブなら、このことから(パイロット)エアースクリウ は開く方向で結果が残せる。
 ところがBSTのようなフラットピストンの負圧キャブにはこの方法は時として大きな間違いをやらかすことになるのではないだろうか、と感じるのである。
 僕のWBのスパトラは内部加工を若干加えているが、実際にはノーマルキャブレターより効率は高い。が、これまでパイロットスクリウを大きくしたときは必 ず悪い結果が出てしまっていた。次はパイロットジェットかな?、と思って大きい番手に換える。ところが、パ〜ンという音。再び大きいものに交換して、今度 は点火プラグがくすぶる。僕を含めて、多くのSR500のユーザーは同様の経験をしているのではないだろうか。
 どうやら、吸気系がほぼノーマルな状態なら、実際はパイロットジェットは締めこむべきだ。僕のように1回と1/3回転程度で十分ではないだろうか。
 このことの結果への反映は500のエンジンの特性、作動中の内部の状況などが不明だが、エンジン自体が壊れることは稀なことで、僕と同じような状況に 陥ったら、まずはパイロットスクリウを1/4ぐらいから締めこんでいってテストをお願いしたい。その結果をBBSにでも書き込みをお願いしたい、と期待し ているが500は台数が少ないから無理かな?。
 現在のところはパイロットスクリウの戻し回転を1回と1/3程度にして快調である。このままスパトラを装備したままで推移するとは考えられない。スー パーとラップ社自体がロングタイプのスリップオンをリリースしていないけど、スーパーとラップ社も500用は無視されることになるであろうことは容易に判 断がつく。

 そうなるとSR500にとっては、マフラーなど、これからの対応が苦しくなるのは事実だ。中でそういった環境の中で、今後スパトラの排気方法を踏襲する となると、プロとがリリースしているスーパーサウンドあたりかな?、とも感じる。アクティブのカタログには結構現行規則に対応させてある製品もあるようだ が、ここ数年は様子見のところかな、とも感じている今日この頃だ。

 




  inserted by FC2 system