SRというオートバイはどうなっていくのか?

 2004年も暮れにかかった頃のことでした。愛読している培倶人のCM にY'sギアがリリースしているSR400の3人乗り車検付きのサイドカーのリリースがありました。本車側はステアリングダンパー装備、フロントフォーク のサスペンション強化型という、サイドカー専用に改造されているものでした。140万円クラスですから、そこそこのコンプリートモデルということが出来ま す。

 私はこのCMを見たとき、そろそろ現行のSR400は、その生産に終止符が打たれるのではないかな、と感じ取ったところです。
 理由は、TWとかマジェスティーなどの方が良く売れているし、今のオートバイ乗りからすると、SRの時代は過去のもの、とする人たちが多くなったのでは ないか、と感じているところです。それにSRには車検制度もありますしね。
 もう一点は、何時の世にも存在するでしょうが、旧機種にいろいろとメーカー側でオプションを装備し、結構なスペシャルコンプリートモデルとしてリリース することが往々にして存在したことから、SRもこれに倣ったということではないか、と感じるからです。

 現行SR400はかなりの希薄燃焼を要求しています。キャブレターの口径を小さくし、AISシステムを加えることによって、静粛性と性能維持に貢献して いるのは事実です。
 しかしながら、全体としては発熱量の大きいエンジンが一層大きいものになっていることも事実です。メーカーはオートバイ全体の騒音対策も引っかかってき ますから... 、ということでSR500を生産中止にした、と言っていましたが、どうもそうではない。おそらくは、500ccではキャブレターをはじめとした吸排気系に 今流の手術をすると、エンジン自体が持たないことが判明したからでしょう。タダでさえ売れ行きが乏しいSR500は無視してもイイ、という考えに落ち着く のはメーカーとしての当然の行為だろうと思います。

 じゃ、現行のSR400はどうなんだ?、ということになりますが、先に申しましたように、一定のスペシャルモデルが出てしまうと、生産中止、という道を たどるのではないか、と考えるところです。
 「お前は非常な奴だな」と言われるでしょうが、マーケティング面、現代性、未来性などを考慮すると、私がその場にいたら、おそらく現行SR400は生産 中止、ということに賛成するでしょう。

 オレンジブルバードの藤井総帥が同社のサイトで氏の思いを述べていらっしゃいますが、考えに賛同するも、難しい、という判断を私は下します。
 藤井氏は最後に新しいSRがリリースされるなら「今のローバーミニのようになってほしくない」とも申されているのですが、私はそれすらも難しいな、と感 じています。

 シンプルマインドを主とした現行SR400のようなモデルを今のヤマハのトータルとして考えると、問題はエンジンとフレーム、それに操安性を加味し、な おかつ現行SRと比較されることの無いようなものを出さねばならないのではないか、と考えるところです。
 その中で最大のネックはエンジンでしょう。SRのエンジンはそんなにいいものではありません。先に申しましたように発熱に関してはヤマハ特有のものを 持っています。これは現行のXJR1300にしても同じです。
 そういった中で取れるとすると、同社のOHVの1600Vツインということになるかもしれません。ハイカムのOHVエンジンはトライアンフT-140V でもそうですが、かなり効率のいいものが出来上がるのではないでしょうか。
 しかし、次にあるのはシングルシリンダーです。このシングルがシンプルさを生み出しているのですが、一定性能を出し、耐久力に富み運用幅が大きいシング ルというのは設計がなかなか難しいと聞き及んでいます。

  

 全体としては国内ユーザーに留まるわけではないのですから、輸出も開始せねばなりません。オートバイ自体も指向地向けに変更をしなければなりませんし、 ライダーの体格差も考慮しなければならず、相当苦労することは容易に想像がつくところです。

 アマチャンの私がこういったことを申し上げるのは、はなはだ的を得ず、というものでしょう。しかし、CMをはじめとした一連の動きからすると、今年の春 を基本として、最終は10月頃までには新しいSRがリリースされるような気がしてならない今日この頃です。


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