ホ ワイトブロスのスーパートラップ排気システムを考える(6)
・・・エポックメーキングかも?・・・

 インナーコアの確認とフルエキタイプでのスーパーサウンドのディスク構成を守って、WBに装着し、ライディングスポット製のクワイエットコアでのテスト 結果をふまえ、スーパーサウンドのディスクをダイレクトに装着。
 その結果から、ライディングスポット製のクワイエットコアをアクティブ製に交換して満足しかけたところまでは前回報告したところです。
 実際のところ、全くおかしいんです。何というか、「調子は上がっているのだが、どうもおかしい?」という現象のため、触るところが無いような気分になっ てきたところだったのです。
 まずは、その辺りから... 。

2005年3月26日(土)はれ
 アクティブ製のクワイエットコアに換装したまではよかったのですが、「どうも、ネ?」という気分で数日間過ごしました。もっとも、天候と仕事の関係で、 青空工房を開店できない状況も加味されるのですが、連続した晴天が望めない上に雪まで降った日も経験しましたから、如何ともしがたい状況であったのは事 実。
 ようやくにして、この日は天候も1日は保つことが確認できましたので、作業を開始しました。
午後、テストコースをもう一度走らせてみます。やはり、言いようのないものが漂っていて、何とかしたい気持ちには違いないんですが、それができない、とい う走行フィーリングでした。

 その走行フィーリングというのは次のとおりです。
 前回のテストと同様、ホント、何ともやりきれない気分は、ノーマルマフラーとほとんど同じフィーリングなんです。逆に解釈すると、ノーマルマフラーの対 応能力が高い、という 理由は、こういったところにもあるんだろうか、とも言えるのではないでしょうか。
 とにかく、今回のディスク構成ではダァ〜っと何事もなかったかのように走ってしまうんです。
 サウンドもそれなりのものですし、確実に走り易くなっているんですが、そのパフォーマンスが聞こえない、感じられない、という状況で、全てが押さえられ ている気分が占めている。そのことへの対処方法が分からない、といったところだったんです。
 テスト走行の帰りに、オートショップワタナベへ立ち寄り、プロト、アクティブの新しいカタログを見せてもらうことにしました。


カタログから
 カタログを見ると、SR用スーパーサウンドは2004年に対して価格が少し上がっていましたが、オプションパーツなどはそのままリリースされていまし た。
 スーパートラップはクワイエットコアがアクティブのリリースしたものだけになっていました。若干、純正に近い形になっている点から、クワイエットコアは 単体パーツとして変更になっているようです。
 ここで考えを巡らせるのですが、ライディングスポット製とアクティブ製のクワイエットコア二連装のスパトラのディスク構成からすると、アクティブ製のク ワイエットコアは、相当に排気を押さえ込むのではないか?、ということになります。
 再びライディングスポット製との2連装をスーパーサウンドのディスクに対応させるのは少々作業が手間取ること、スーパーサウンドのディスク構成はすでに 確立していること。これらの点から、クワイエットコアに加工するのが早道か... ?。
 現在はアクティブ製のクワイエットコアでのテストですから、これまでのような堂々巡りの作業は避けなければなりません。
 実際、どういった状態になって居るんだろうか、とディスクを一度外してみることとしました。

同等品が頭に浮かぶ
 外したクワイエットコアは、先にも紹介しましたが、ディスクの加工品で、パイプの長さが、およそ75mm、内径は20mm程度になっています。初期の製 品に比べて、状況はかなり改善されていますから、排圧、振動などにも十分に対応できているものです。
 スーパーサウンドの仕切り板へは、クワイエットコアからの延長線上にカーボンが多く溜まり、トライアングルディスクの組み合わせによる六角の各辺へ放射 状に飛び散っている状態でカーボンが付着していました。
 カーボンの色から、アクティブのクワイエットコアはかなり抑え気味に働いているため、スーパートラップのディスク用であることは間違いない、ということ になります。
 ただし、この場合、スーパーサウンドのディスクでガスが濃い、という状況ではありません。
 上記のとおり、ディスクそのものはOKですから、やはり、クワイエットコアを何とかしなければならない、としたとき、フッとあるものが浮かんできまし た。それがnrfのクワイエットコアでした。
 もちろん、nrfのそれは、パイプ先端も閉じられていますし、根本は違うものですが、状況としては、パイプの90°毎に4か所、少しずつズラして4mm 程度の穴が4か所(合計16か所)開けられているものです。
 ほんのヒラメキだったのですが、これと同等のものを作ればいい、と考えをまとめました。

ヒラメキの内容
 ライディングスポット製のクワイエットコアでは十分な消音ができなかったし、排気の流れ、バックプレッシャーの不均一などからバスッバスッという音を消 すことが出来なかった。ダイレクトにスーパーサウンドのディスクを装着してもこの傾向は変化しなかった。
 そしてアクティブ製のクワイエットコアのみにしたときの何とも言えないもどかしさ。
 これらの結果によって、アクティブ製のクワイエットコアで排気ガスをもう少しばかり後ろへ流れるようにしてやるのが良いのではないか、と考えたところで す。
 もう一点は、以前申しました、ペチャペチャ音がする、という感覚を一掃するかの内容がnrfのクワイエットコアの説明書きに出ていたからにほかありませ ん。
 そうすると、nrfの写真を参考に、同等の加工をすればいい!(のではないか)といったところからの作業ということになるわけです。

作業開始の前に
 nrfのコアとは、パイプ長と径が若干異なりますが、作用は同じはずとして、180°毎に3個と2個の穴を開けることとしました。合計10か所になりま す。 ただし、車種によって穴の径と数、それにパイプ長は異なるとのことです。
 過ぎる不安は「これでいいのだろうか?」ということです。つまり、これぐらいの穴で特性が大きく異なるかどうか?、なのです。
 「そんなバカな... 」と思われるでしょうね。
 そう、私もスーパートラップを使い始めた頃は、3インチに付属のディスクを目一杯(12枚)装着してみたことがあります。どんな 結果だったかお分かりですか?。
 腑抜けそのもので全く走らないんです。それほど、スリットの影響が大きいんですね。わずか1mmに満たない幅のスリットですが、それだけの変化を生じさ せる、ということがはっきり解ったんです。
 こういったことを知っていますし、ずっと以前、別項で紹介したライディングスポット製のクワイエットコアを改造して、うかつな穴開けでは通用しないこと も経験済みですから、これらのことを総合して、今回のアクティブ製のクワイエットコアへの穴の数と径が適当かどうか、不安がつきまといました。
 再度、オートショップワタナベのPCででnrf製のコアを写真で見てみたところ、穴は約4mmのようです。数は先に紹介したとおり16個です。
 改造は数が10個ですから、まずは、穴の外径も3.5mm程度としてトライすることとしました。失敗したら... ?。これはもう一つ購入する、とすれば良いではないですか。
 また、ライディングスポット製のクワイエットコアと2連装に戻したときのパフォーマンステストに使っても良いわけですから。

作 業
 オートショップワタナベのマスターにお願いして、ボール盤でまずは2mmの穴を開けることとしました。
 シームレスパイプではないので、接合面を外して穴の位置を3か所、90°回転させて2か所ポンチングします。穴開け面は貫通としますから、簡単です。
 仕上げはリーマと太い刃先のドリルでバリ取りを行って完成です。
 「これでいいかい?」とのマスターに対して、全体のバランスを考慮すると、どうも穴が小さいようです。逆に4mmでは大きすぎるように感じましたから 3.5mmとして、再度穴を拡大しました。



走行テスト
 組み付けは外したときと同様にしました。ライディングスポット製のクワイエットコアにスーパーシールを入れて、スーパーサウンドのディスク構成にステン のエンドキャップをインナーにしたアルミ のエンドキャップです。
 エンジン始動から変化に気づきます。音が若干大きくなって、アクセル反応が良くなっています。
 いざ、1速へ入れて2500ぐらいでスタート。通常のシフトアップの回転数と変わりありません。これは素敵です。アイドリングも1000回転付近で安定 しています。
 残念ながら、夕刻が迫っていましたので、距離を伸ばすことが出来なかったのですが、ともかくテストを終了しました。

2005年3月29日(火)はれ
 数日間の好天がほしい!。年度末を迎えて、何とも不安定な気分が続きます。その中でのテストをすることが出来ず、ウィークデイにもかかわらず、午後から 休暇を取ってテストをすることにします。もちろん、このテストだけではなく、朝霧湖マラソンを前にシューズの選定をしなければならなかったため、というの がもっともたる理由ですが... 。
 そのため、ジャケットとズボンにネクタイ姿で走ることになりましたから、パトカーのお巡りさんにおかしな目つきで見られるやら大変でしたが、いつものテ ストコースを逆に走行することとしました。
 柿原から須賀川ダムサイドを走る道は、前に軽四が走っていたため4速を多用することとなりました。飛ばす気にならない!、というフィーリングはいかがな も のか、と感じてはいましたが... 。
 成川を過ぎて近永へはいる頃、ガスがリザーブになりましたので、久々にモービルのハイオクを入れました。エネオスと比較して、ウ〜ム、どちらがどうかと いう判断決定が難しい。
 三間街道も順調に走行できますが、スパトラとクワイエットコア2連装の時よりも、やはり押さえられている感じがします。何とも良いフィーリングなんです が、あと一歩というところ までになってきたように感じます。
 アクティブ製のクワイエットコアに10か所の穴を開けての結果ですが、次のような点が浮かび上がりました。
  1. アクティブ製のクワイエットコアはスパトラのスタンダードディスク4枚で使用する場合と同等だ。
  2. スーパーサウンドのディスクをダイレクトに装備した結果は良くなかった。
  3. ライディングスポット製のクワイエットコアとスーパーサウンドのディスクの相性は良くなかった。
  4. アクティブ製のクワイエットコアに穴開けは一定成功。
 これらのことから次なるテストが考えられるのですが、今のところ、どうすべきか非常に判断に迷うようになっています。

 トライアングルディスクを通過する排気はどういった状況なのか?。気になって写真を撮ってみました。



 綺麗な六角形がセンターに現れます。周囲はトマト製品のカゴメのマークと同様の六角の星形の跡が付いています。センターの六角部分の、その中心部分の円 形の跡... 。
 そうだ、「このセンターの円形部分は少なくともセンターの六角部分の頂点を結ぶ接線程度の口径以上でなければならないはハズ!」と気づいたところです。 (若干ガスの濃いような状態は... )

しばらくして忘れていたことが...
 上記4点と写真からの判断を総合して、忘れていたことをふっと思い出しました。人間というのは思考はマルチじゃないとダメなのですが、どうしてもリキが 入る と、周りが見えなく なってくるものです。
 その忘れていたことは、3.のビハインド部分です。お題目の(2) で紹介していたように、ライディングスポット製のクワイエットコアとスーパーサウンド のディスクを組み合わせたときは「スーパートラップのオープンエンド」を装着した場 合の結果であったことをすっかり忘れていたのです。
 アクティブ製のクワイエットコアとスーパーサウンドのディスクとのテストはいずれもア ルミエンドキャップのインナーにステンエンドを装着したものを使用 していましたので、もしかすると.... 、と思い出したのです。
 アクティブ製のクワイエットコアに穴を開けた結果はすでに出しています。ライディングスポット製のクワイエットコアとアルミのエンドキャップでの組み合 わせからすると... 。
 現実には、この確認のためには、再度アクティブ製のクワイエットコアとスーパーサウンドのディスク構成にスパトラのオープンエンドを試すべきでしょう。
 単純に現在までの良い結果の方から確認した方が早いので、次の順で試そうとしました。
  1. アクティブ製のクワイエットコアとスーパーサウンドのディスク構成+スーパートラップのオープンエンド
  2. アクティブ製のクワイエットコアとスーパーサウンドのディスク構成+ステンエンド+スーパートラップのオープンエンド
  3. ライディングスポット製のクワイエットコアとスーパーサウンドのディスク構成+ステンエンド+アルミエンド
  しかし、上記の1〜3の項目の中で、項目と私の頭の中から抜け落ちているのは3.ではないでしょうか。1.と2.は3.の結果が良ければ、気が向いたとき にテス トをすればいい!、として、まずは3.の項目をやってみました。



 作業は3月30日、夕刻からになりました。どうしてもこの日にけりを付けたかったのが本当の気持ちでした。これ以降になると、4月、5月のまか不思議な 休 日配置のカレンダーにどうすることも出来なくなってしまうからです。
 
 いつもどおりの作業は20分もあれば終了です。すでに夕闇が迫っている午後6時30分過ぎより作業にかかり、7時前に装着完了。テストは光満街道から鳥 越を通って、国道56号線へ抜けるショート コースとします。
 エ ンジン始動はいつもどおりなのですが、今回は一段とノーマルマフラーに近いにもかかわらず、サウンドがアクティブ製のクワイエットコアのときより迫力 のあるものに変わってきました。
 アクセルワークが若干シビアになるようですが、これはワイヤーの遊び調節で何とかなりそうです。
 若干バスッという音がするときがありますが、ノーマルマ フラーでの状況と変わりません。バスッバスッというのがアクセルオフとともに常に出るというものではありませんのでOKとしましょう。
 とにかく速くなりました。
 アクティブ製のクワイエットコアのときとは少しばかりスピードに乗る軽さが違います。スパトラのクワイエットコア2連装のとき と比べると、サウンドが低いため物足りない面もありますが、どうしてどうして、ほとんど同じ状況であることには違いありません。
 もう一度確認のため、テスト走行として、明日2時間程度を使って走行してみたいと決めて、作業を終えます。

2005年3月31日(木)はれ
 午後5時過ぎ、年度末、年度初めの状況下で、ようやくのことで仕事のけりを付け、いつものテストコースを走ることとします。
 まずはエンジンを始動。ノーマル然としていますが、カンリンのフライホイールの関係から、うかつな踏み下ろしのキックをやると少しばかりのキックバック を伴います。フライホイールの件とデンソーのW20EPR-Uの中心電極がNGKのBPR6ESより、少しばかり突出しているためかもしれません。
 チョーク2段の1分半のウォーミングアップの後、走行開始です。アクティブ製のクワイエットコアの時と違い、加速感が速くアクセルワークも良好で、操作 も軽快です。
 最初の右カーブもリアホイールを若干スライドさせてのいつものコーナリング、なかなか快調です。
 時間帯のせいもありますが、通常ルートでは四輪車が少ないので、光満街道を快調に走り務田の坂にかかる頃には5速でシャクルことなく通過できました。
 三間街道は快調そのものです。心なしかサボタージュのクセが出てき初めて、マシンを倒すことなくセンターラインをオーバーしそうになったりしましたが、 以前より気になっていた、ステアリングのボール+レースの点検、フロントフォークのオイル交換、スイングアームのグリスアップをしなければならない時期を 知らせているのかもしれません。
 成川から水分かれの登りも快調に走り、須賀川ダムサイドの下りに入ります。若干ですが、バスッと音は出るものの、オープンエンドの時とは比べものになら ない範囲でのことですし、同様の現象はノーマルマフラーででも起こっていたため、気にすることはないようです。
 クワイエットコア2連装の時が最初のエポックメーキングなら、今回は2回目になるのかな〜?、しかも異種のシステム構成での結果でだから、真のエポック メーキングはこっちだ。まるで、映画の「フラバー」みたい... 、などを思い浮かんで帰宅しました。
 一応、成功です... 、と思った瞬間、プラグを外してみて、焼け具合がドンシャリの傾向を示しているのを確認しました。この点火プラグの件は過去にいろいろ試していますので、 そちらを参考になさっていただいて、とにかく、電極周りが燻って、碍子部分は白い、といった状況でした。
 考えられる点は2点だろうと思います。
  1. 混合気が濃い状況にある。
  2. スーパーサウンドの排気システムに対して、ハイオクガソリンよりレギュラーの方が適している。
 この二つの点から、変更したものはガソリンだけです。したがって、まずはガソリンをレギュラーに戻して、テストを再開してみたいと思います。

2005年4月1日(金)はれ
 バタバタした1日が終わって一段落する間もなく、早速テストを開始します。
 まずは若干リザーブ気味のガソリンをレギュラーに変更します。コースはいつものとおりですが、残念ながら、夕闇が迫っていますし、明日の天候が少々不安 ですので、少しばかり先を急がねばなりません。
 昨日までの状況と同じような走行状態を極力保つように心がけたのですが... 。
 その意に反して、とんでもない状況が一気にやってきました。レギュラーガソリンを給油してしばらく後、俄然ピックアップが良くなってきたのです。
 経緯は こうです。
 今回も前回と同様に、JOMOのレギュラーガソリンを給油します。不思議なことですが、ハイオクを給油したときのように急激に変化がやってきませんでし た。
 光満街道から務田の坂にかかる頃、ピストンの上下に呼応してメーター全体が小刻みに上下振動しています。この振動がスパトラの時とは大きく異なり、各回 転域でビビリではな い振幅が変わるというような、なかなか小気味よいものなので、「動いているな」というものを感じさせられます。
 三間街道から近永へかかる手前の直線で、5速でノンスナッチが2000回転以上、という状況ですから、ノーマルよりも乗りよくなっているのは確実です。
 成川から須賀川ダムサイドへ。5速60km/hから120km/hまで上げたときの感じは、クワイエットコア2連装のスパトラディスクの時より若干時間 がかかりますが、80km〜100km/hという、通常の高速道路走行時に多用する速度域でのフィーリングはなかなか気分の良いものを感じました。
 須賀川ダムの下りではバスッという音も出ませんでした。燃料が少なくなるとこの音が出始めるのは致し方ないこととしても、これまでのことから、全てが順 調というような状況を感じました。
 市内に入る最後の信号でもアイドリングは1000回転で落ち着いています。気温が16℃ぐらいですから、カンリンのフライホイールの関係から、この程度 として良いかと思います。
 帰宅して点火プラグを確認しますと、再びノーマルの時と同じような焼け方を示していました。
 単純にレギュラーガソリンに変更したことだけのことか... 。
 そういえば、ハイオクに変更した当初もこういった状況になったことを思い出しました。今回はその逆になったわけですが、やはり、レギュラーガソリンの方 が、WBとスーパーサウンドのディスク構成の排気システムにフィットしているように感じました。

ディフューザーディスクに対する私見
 これまでのテストを行ってきて、フトしたことを発見しました。以下はその考察です。実のところスーパーサウンドのディスクを手にしたとき、プロトのカタ ログの中にある20°の角度で排気が流れる... 、というカット写真と違うものであったため、単純に「洋食皿の縁のあるもの」と表現していました。
 それに対して、スーパートラップのディスクは当初の解説書どおり、センターホールの中央部分に少しのディンプル部分があって、これが少々隠し味的に働い ているのではないか... 、と考えていたところです。

ディ スクの比較
スーパートラップ(前面)スーパーサウンド



スーパートラップ(裏面)スーパー サウンド



スーパーサウンドのディンプル部分



 ところがスーパーサウンドのディスクをよ〜っく見ますと、センターホールの少し長目の縁と取り付けボルト部分との境に、見事に半円形のミゾというかRが とってあることに気づきました。
 おそらく、非常に細かい部分だったので、判らなかったものと自分の観察不足を悔いたところです。
 このことから、当初、スーパーサウンドの円形ディスクは排気ガスの流れが皿の縁に当たって少しずつ減衰させるようにしているのではないか、と思っていた のですが、どうやら、その機能に加えて、排気に乱気流が出来るためディスク間のスリットを抜けようとする排気ガスの流れをこの部分で加速させるので はないか?、と考えたところです。

スーパートラップのディンプル部分


 それに対してスーパートラップでは、ディスクの穴の縁が直ちにディンプル加工されていますから、ダイレクトで流れてきた排気はそこで渦を与えられ、ディ スク間のスリットから外へ排気される補助的なものが働いているのではないか、と考えます。
 またこのディンプル部分はエンジンの動作行程上、フォーサイクルなら爆発・排気の次の吸入・圧縮行程で戻って来た排気ガスが、スリット間から抜けようと するのを食い止める働きがあるのではないか?、と考えます。

 もちろん、マフラー内の構造が完全に異なりますから、私の仮説がそのまま通用するとは考えがたいことには違いありません。

現在の仕様



現在の仕様は以下のとおりです。
キャブレター
ミクニBST34(ジェット、スクリウセットなど)SR500用ノーマ ル
エアクリーナー
ボックスなど無改造、純正エレメントにK&Nのフィルターオイ ルを塗布
エキゾースト
ホワイトブロスのスーパートラップ、インナーコアのセラミックウール等 加工、トルクバルブ使用
クワイエットコア
ライディングスポット製(スパトラディスク改造品)
ディフューザーディスク
スーパーサウンド(トライアングル5枚+仕切り板+オープンディスク6 枚)
取り付けボルト
スーパートラップ純正(標準タイプ)
エンドキャップ
スーパーサウンドステンキャップ(インナー)+アルミキャップ
点火コイル
オレンジブルバード製スーパーサンダーのコア加工+テイラープラグコー ドとプラグキャップ
点火プラグ
デンソーW20EPR-U(NGK BPR6ES相当)
使用ガソリン
レギュラー


今後へ向けて

 はっきり言ってこの改造はアンオーソライズドです。スーパートラップも、プロトも認めていない改造です。が、綺麗に装着できて、なかなかのパフォーマン スを示します。今のところ、長距離を走っていないので何とも言えませんが、私としてはほぼ満足のいく改造であった、というところです。
 これまで6回にわたってWBと私のSR500との改造を記したところですが、先にも申しましたとおり、スーパーサウンド、スーパートラップともに、これ らは 認められていない改造ですし、このレポートは私のSR500の 使用方法での結果であることは言うまでもありません。
 やりすぎは無意味を示しますが、現実に純正の4インチ用クワイエットコアのテストは行っていませんし、新しいアクティブ製、あるいはnrfのクワイエッ トコアを使用した結果は出していません。これらのことについては、機会があれば紹介したいと思います。
 しかし、スーパーサウンドとWBという不思議な組み合わせでの顛末を戯れ言として受け取って頂いて、「私も実験してみたい」といった気分になっていただ ければ、オー トバイ好きとしては幸甚で す。

 また、いろいろやった結果を報告するとして、ひとまず筆を置くことにします。


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