ミ クニBST34キャブレターの調整
・・・小さいドライバーを持ってのテスト・・・

 2005年6月5日(日)、今日は誕生日。実際には違うのではないの か?と感じたんです。その「何か違う?」というのは、SR5500のキャブレターセットのことなんです。
 実はバイカーズステーション誌の7月号の一つの記事にピ〜んときたからです。イエ、FCRの記事ではないんですよ。いくらチャート方式ったって、あんな のは一般のユーザーには調整のしようがない、というのは言い過ぎでしょうけど、私の予想では、そこそこのところで妥協しないとトンデモナイことになります よ、といいたいところです。SR関係のサイトでFCRの調整の記載がありますが、かなりシビアに追い込む手前で妥協すべき!というところですね。シングル キャブでこの調子ですから、四連装にでもなると... 、大変ですよね。
 さて、FCRの特集記事のチャートの終わった後、モリヤマエンジニアリングの負圧キャブレターの調整方法、そして、その下にあったインターバルのカー カーのマフラーとカワサキFX-1000とのあり方を読んで、「完全に間違いをしていた」ということが解った次第。
 といいますのは、通常ですとキャブレター全体の行き方として、排気効率を良くしたのなら、吸入側もそれなりにしてほしい、というのが通説ではないか、と 感じています。
 通常のVMキャブレターなら、それもありかな?と感じるところです。が、不圧キャブレターではこのことがそのまま当てはまるのか?、ということが再びア タマを持ち上げました。別項で記しているとおり、SR500と400とではメインノズルだけ異なるミクニBST34ではないでしょうか。しかも、フラット バルブを主として、TMRの形式を少しだけ入れ込んでいるようです。
 このようなことから、現実には、SR500用のセッティングはノーマル仕様なら、確実にバランスのいいセッティングであろうことは明白なところです。

 このことを念頭において、まずはパイロットスクリウを開くことにしました。SR500のスタンダードが2回と1/2回転戻しですから、そこから1/4ず つ開くんです。
 いつものテストコースを走ります。ずばり、凄い変化でしたよ。確かにモリヤマエンジニアリングの記事どおりでした。ツーっと行くんです。ところが、しば らくすると、ダメになってくるんです。水分(みずわかれ)の下りでは、久々にバスッバスッという音を感じました。快調に出て不調でえ戻ってくる。過去何度 も味わった経験をこの期に及んで味わおうとは思いませんでした。
 余談かもしれませんが、「スクリウ戻し回転数がVMキャブとは正反対」ということを理解しているにもかかわらず、帰宅して点火プラグを見ると、デンソー のW20EP-RUはマッ黒ケノケ、かろうじて中心電極のみがタン塩色、という状況でした。同時に、過去の実験は間違った方向へのみ邁進し続けていたの だ、ということが解ったところです。
 このことは、項を改めて記載しましょう。

 ここで少ししか使っていないNGKのBPR-6ESを使用することとします。いつものとおり、火花ギャップは1mmとします。モリブデングリスをネジ部 分に塗布して装着しました。

 先ほどの実験結果から、今度は絞る方向でテストするとして、パイロットスクリウを2回と1/2戻しから2回と1/4回転戻しにしてテストしました。今回 は小さいマイナスドライバーをシャツの胸ポケットに入れて時々調整しよう、というわけです。
 最初はいつもどおりです。心なしか出足がスムースになってきています。光満(みつま)で再び1/4回転締め込みます。それで三間(みま)街道を東仲(ひ がしなか)まで走って、再び1/4回転締め込みました。
 バカげているかもしれませんが、少しずつ出足や各ギアでの加速がスムースになってきているのが感じられます。

 結局、この日は1回と3/4戻しで終了しました。
 それに加えて、これまで大きな間違いをしていたことに気づいたのをずいぶんと悔やみました。現実には存在しない仕様での改造WBの排気システムのうえ、 通常は開いて濃くするべきはずなのが全く逆、というところから、再び、スーパートラップの不思議さとキャブレターの関連を頭の中で纏めてみました。

 そこから得られた結果は、といえば、自作のスパトラの排気システムは本来のWBのスパトラよりも相当に効率が悪い、ということでした。当たり前といえば 当たり前のことでしょうが、語弊があってはなりませんから、これが悪い結果ではないんです。これまでのスパトラが描くであろう世界とは一線を画すもの、と でもしておきましょう。
 ダダダダッという加速感を感じるのが本来のSR500だ、という通説は完全に覆されます。
 こく一般のツインシリンダーのようなエンジンの回転と、それに見合った走り方をするのが、本当のSR500の状況だと感じるのです。SR400ではギク シャクすることなく5速2000回転でも走るでしょうが、SR500ではそういったことが出来ません。これは断言しても良い!。従って、ギア比を変更せず に、エンジンにストレスを感じさせることなくSR500を走らせようとすると、SR400よりもギアチェンジを頻繁に行う必要があるわけですし、そういっ た走らせ方の方がSR500には適している、と常々感じています。おそらくこれは前身のXT500がオフロードモデルであり、TT-500がそのレーシン グバージョンということから引き継がれているのではないか、と感じます。逆に言うと、このことがSR500の生産を止めさせた要因の一つかもしれません。
 現在のパイロットスクリウの戻し回転はSR400の1回と5/8回転よりもよりも少ない、ということがどうなのか?。疑問がますます深まります。

2005年6月12日(日)
 午後より再びSRをテストします。直接の関係はありませんが、今回は、ぶら下がり傾向の強いライディングポジションを少しさわり、フロントフォークの突 き出しを8mmとして、後部の跳ね上がりとのマッチングをとることにしました。

 点火プラグを見てみますと、ノーマルの旧排気システムでの焼け方に近いものを得ました。一度清掃して装着しました。
 スクリウの戻し回転は、さらに閉め込んで、ここからは1回と3/8としました。再びテストコースへ入れます。今まで以上にスムースに走り始めました。も う有頂天です。
 欲というものは出るのですね。再び1/8締め込んで、1回と1/2としました。若干再始動が難しくなります。
 フッとVM34にコースティングエンリッチャーが付いていたのを思い出しました。つまり、アクセルを少し開け気味で再始動せよ、ということをマニュアル 操作でやれ、っていうことでしょう。となると、この辺の範囲での微調整でよろしいのか?、ということになりますが、季節を超えての状況を再び考慮しなくて はなりません。
 というところで、改造WBスーパートラップを装着しての、現在の純正BST34のキャブレターセッティングは次のようになっています。エアクリーナーエ レメントもボックスも完全装備です。

SR500ノーマルキャブレター今の 仕様
  ニードルジェット  スタンダード
 ニードルポジション  スタンダード(3段目)
 負圧取り出し穴径  ノーマル
 パイロットジェット  #47.5
 メインジェット  #162.5
 パイロットスクリウ  1回 1/2 〜 1回 1/4
 ダイアフラムスプリング  ノーマル
 エアクリーナー  エレメントともノーマル
 エアダクト  ノーマル
 マフラー  改造ホワイトブロススーパートラップ

考 察
 何度もいいますが、ほぼ一般的なオートバイでのキャブレターセッティングになったようです。かといって、SR500のパイロットスクリウの戻し回転数が 異常か?、というと、ノーマルのエキパイとマフラーでは過不足ないため、そうともいえないところです。
 私の場合は、最終の200m程の直線でキャブレター全開で走ってエンジンをカットするキャブレターチョップなどで点火プラグの状態からキャブレターセッ ティングの良否を判断する気にはなりません。実走行においてSRはそれだけシビアにやる必要はない、と断言しても良い、と私は確信しています。
 現実には、最初の1000km走行後、エンジンオイル交換をする際に、不具合を出すべきですし、それからの数千キロはランニングインとして、エンジンを 含め、車体各部の馴染みを出すためのものではないか、と考えるところです。機関に手が入っていなければ、不都合が出ることはありません。強いていうと、ラ イディングポジションに対して、ライダーの体格にハンドルバーとかシートを変更してよりよいものにするのが得策です。
 苦言を呈すわけではありませんが、私はエンジンのスープアップをやる場合、手っ取り早くボアアウトを行う。専門ショップにおいて丁寧な作業がされたとし ても、オーナーの手に渡った後、どういった使われ方をするのか?。ここに全てが始まるのではないでしょうか。
 本項での話から逸脱しますが、SRのエンジンの場合、ボアアウトのみの作業であっても、クランク周りは馴染んでいるので、シリンダーとピストンの辺りを とればよい、と思いがちですが、実際は圧縮比も上がるわけですから、現実にはエンジン全体に影響が及ぶのです、
 したがって、その後の1000km走行時が初回の点検となり、それからがランニングインとなる... 、と私は理解しています。
 というところで、このような細々したことを記載してみたい、と考える今日この頃です。







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