誰
も教えないSR 500用スーパートラップの勧め
そのままでの取り付け
[White
Bros製品を例にして その2]
ク
ワイエットコアとディフューザーディスク
ま
ずはディスクの装備状況について(各パーツには古い呼び名を使用します。)
前回は私の所有するSR500に装着しているホワイトブロスのスーパートラップエキゾーストシステム、その中でのインナーコアの状況を主として報告しま
した。(おだやかに始めて...
)確かにキャブレターのポン付がいいかどうか、で、どうしてもジェット類の口径を上げる必要があります、と記載して終えたところです。
2003年11月12月を通じて1000km程度走ったのですが、その期間中、ほぼ確立された何か、ポン付でも不都合無い範囲で必ず収まるはずだ。でな
ければ、いたずらに排気をさわれば吸気、吸気をさわれば排気、この堂々巡りが繰り返されることになるのではないか、と考えが及びました。
それに、自作の消音グラスマット(ウール)関係が落ち着いてきたために、この考え方が表面化したのかもしれません。
ことはメガトラップを再び装着したことから始まります。
この時までのディスク順は前回報告したとおりです。インナーコアの次にライディング・スポット製のクワイエットコアが来ます。次に(ディフューザー)
ディスクが5枚。最終はステンレスのドーム型エンドキャップです。
メガトラップ(オレンジ・ブルバード製)をクワイエットコアの後に取り付けたのですが、ご存知のように大半のクワイエットコアはディフューザーディスク
の加工品です。そのために、メガトラップのスワリが悪く、排気漏れ(?)を一部起こしているような気がして、急遽元に戻した、ということです。
それでは、メガトラップの中にクワイエットコアをどうして装着しなかったのか?、ということになりますが、メガトラップ内の台座は1.5cm程度厚みが
あります。そのため、いくら加工品のクワイエットコアとはいえ、その働きは著しく阻害されることになります。もちろん、ディスクの枚数も尋常な考え以上に
気にしなければならないのではないか、と考えるのです。今は発売していないと思いますが、純正の4インチ用リゾネーターの役目とは大きく異なります。もっ
ともリゾネーターは後方排気を目指したものではありませんので、内容は少々異なりますけれど... 。
再びメガトラップを外したことで、成果が発揮され始めました。もちろん、最初に申し上げたとおり、これには自作のインナーコアの状態が落ち着いてきたこ
とも大きい影響があると感じます。
前回、薄々感じて最終に申したこととして、クワイエットコアの形状が少しばかり影響しているのではないか、と思うようになりました。つまり、ライディン
グ・スポット製のクワイエットコアはディスクの穴を塞ぎ、その中心にパイプも溶接してあるものです。パイプの溶接場所は排気側のエンドよりわずかに飛び出
していますが、これは溶接上仕方のないこと、と判断します。
そこで、現在のディスク装着の構成を再び考えてみました。
まずはライディング・スポット製のクワイエットコア、ディスク5枚、エンドキャップ。エンドキャップ前のディスクはセンターボルト方式の3インチのモデ
ルのエンドを想定してのことで、3インチモデルではエンドキャップ前にスリットが出来ません。そのために、ディスクを4枚装着すれば、スリットは1枚目と
2枚目、2枚目と3枚目、3枚目と4枚目の各々のディスク間に3つ出来ることになるわけです。それに準じたために、ディスクを5枚、つまり、エンドキャッ
プ前はスリットが出来ない、と判断して5枚のディスクを装着したわけです。
しかし、今の場合はといえば、クワイエットコアディスクの加工品ですから1枚のディスクとして考えられるわけですね。したがって、クワイエットコアと1
枚目、1枚目と2枚目、2枚目と3枚目、3枚目と4枚目、4枚目と5枚目(エンドキャップ)の5つのスリットになってしまう。しかも1枚目はディスク加工
のクワイエットコアですから効率は相当に悪い。こんなような考えに至るわけです。
クワイエットコアを外す
と...
クワイエットコアを外すとどうなるか?。これは確実にガスが薄くなる。下りなどでのバスッ、バスッという音が大きくなります。全閉時に微妙ですが、この
現象が大きくなるように感じました。
当然通常の排気音は大きくなりますし、若干ですが、バックプレッシャーのないいい状況になってきます。
ただし、排気の効率はいいために、吸気側の再セッティングが必要になるように感じました。
ここで出すべきではありませんが、ディスク1枚(実際にはステンレスエンドキャップ前の1枚の2枚)で、スリットは1つの状態でテストするとどうなると
思いますか?
一度やってみられるといいと思いますが、かなり普通に走るんです。
再びクワイエットコアを装着する
本当に微妙なことですが、どうしてもクワイエットコアの名前の通り、静音性を高めるという有用性以上にいかに上手く排気をコントロールしているか、を感
じ取るためにはどうしても必要不可欠のパーツに感じてならないのです。
私個人の考え方ですが、一般ストリート走行時にはどうしてもクワイエットコアは有用と感じています。しかし、ディスク枚数の疑問が消えたわけではありま
せん。
たまたま、古いエンドキャップ方式の4インチモデルを入手することが出来たので、これについて記載しないとなりませんが、スリップオンモデルのために、
今回は割愛します。
もう一つは旧ステンレスのスリップオンモデルを入手しました。これは新品です。詳しくは申しませんが、アルミのエンドキャップの内部は何とドーム型のス
テンレスエンドキャップでした。
これらのことから「ディスクの枚数はスリットの数を正確に出さねばならない」というバカげた判断が再び出てきた、というわけです。
結果として、現在のモデルですと、最終ディスクとエンドキャップ前のディスクにはスリットがあってはならない、ということがおぼろげながら分かり始めた
わけです。
亀石屋さんが紹介しているクワイエットコアにその状況が見て取れますし、ステンレスのドーム型エンドキャップと同様に、取り付け穴はディフューザーディ
スクの取り付けボルト穴と一致していないことがお分かりになると思います。
エンドキャップの謎
4インチモデルのエンドキャップで代表的なものはアルミとステンレスのドーム型でしょう。ドーム型のモデルに刻印されている文字を一読願えれば幸いです
が、概略、森林警備隊のOKをもらっている、ということと、カーボンコレクターをここで行っている、ということが記載されているはずです。
ところが、国内でよく見かけるアルミのエンドキャップに付属されているディスクは穴が塞がれたものが使われているのではないでしょうか。このタイプで
は、個人的にカーボンコレクターの意味は発揮していない、と考えます。3インチのセンターボルトタイプのエンドキャップを見ていただければよく分かると思
いますが、内蓋はエンドキャップの内部に及ぶ漏斗のような形を保っています。ちょうど4インチのオープンエンドのような形ですね。
その前のディスクは純然たるディスクが来ますから、エンドキャップと最終ディスクの間は密着する形になります。
となると、アルミのエンドキャップはステンレスのドーム型エンドキャップと併用して用いるのが正しいのではないか、と考えるところです。
一体枚数はどうなのか?
SR500の場合、スーパートラップにはディフューザーディスクが8枚装備でリリースされている製品を用いるのが大半でしょう。多くの書籍にはこの「8
枚」というのがスタンダード、と記載されているように感じます。
私は、かつての「Sick'n
SRを何とかする」で相当に苦労しました。これはまだ抹消していないので、稚拙な対処方法ながら紹介しているのでご一読願えればいいのですが、インナーコ
アの修正を行い、ディスクの枚数を減らして結果が出せた、ということから、リリースされているSR用のスーパートラップの製品は8枚がディスクの限度では
ないか?、あるいはエンジンそのものをさわらなければ、8枚以内で修正点はカバーできる、と結果を出しているのではないか、と考えるのです。
そして、パーツとして出されているディフューザーディスクは6枚セットです。このことは、「3枚がエキゾーストパイプ径に匹敵します」を物語っているの
ではないか、と感じるのです。今回のディスクの枚数を減じたことで得られた結果はなかなかのものを現してくれました。
一方点火プラグの状態はどうでしょうか。これが不思議なるかな、ノーマルマフラーの時よりもスムースな焼けを示しているのです。いやはや参りました。
SR400では端的な変化が感じられないかもしれませんが、キャブレターの調整で悩んでいる方は、ぜひ、ディスクの枚数を4枚程度に落としてからテスト
していただきたい、と思います。先に申しましたディスク1枚(スリットは1つですから2枚)装着の状態での走行はどうか?、の結果はここで確認が出来るわ
けです。
今回の考察
今回はSR500のノーマル仕様にスーパートラップを装着した場合、ディフューザーディスクを何枚装着すれば一定の結果出せるか、をテストし、結果はラ
イディング・スポット製のクワイエットコア+ディスク5枚+ステンレスエンドキャップでほぼ満足のいく結果が出せた、と思います。
次はやはりストリート走行では必要と思われるクワイエットコアの良否、特にディスク1枚としない形式の紹介とテスト結果を紹介したいと思います。