コー
ジーシートの改善
しかし問題
も...
「SR手がけ帳」を閉鎖したわけではないので、ここへ記載することとし
て、以前コージーシートについて色々申し上げました。特に一部改善することを申し上げていたのですが、この件について少しばかり実験をしたので報告しま
す。
SR400/500用のコージーシートの件ですが、大別して、メッキのリアフェンダー取り付け部分にハシゴがかかっている78・79年モデルには装着で
きません、とデイトナの注意事項に記載がされています。
というところで、それ以降のモデルには装着が出来るのですが、取り付けは後ろのダンパー部分をフレーム下から取り付けるボルト2本のみで、純正シートと
何ら変わりはありません。
しかしながら、燃料タンク取り付け部分の立て込みボルトのトップがシートベースと干渉する結果が出ていました。取り付けボルトも若干ねじ込みに苦労して
いるところでした。
そこで、出てくるアイデアをずっと纏めてその結果予想をしていたところです。順に記載すると次のようになります。
1.ダンパーラバーに指し込まれるU字板とシートベースの間にスペーサーを入れる?
◆ この方法では、U字板が曲がる可能性がある。加工し易いアルミ材でも2mm厚で左右2枚を重ねる必要がある。
2.1.の方法から、前部シートベースとフレームとの間に隙間が出来るので、その部分をシートベースにダンパーラバーを貼り付けて対処する?
▼ これはシートベースの強度上難しいし、フレームを一周して固定するダンパー方式はサイドがシートベースと干渉する。
この2つの方法から、何とか方法を導き出せないか、と思いつつ、純正シートに戻したところでした。
英車の集いへ整備中のトライアンフに替わってSRで行くと主宰の栗栖さんへ伝えていたもので、極普通のSRで行こうと決めていたのですが、降って湧いた
ようにやってきた仕事も一段落したので、遅ればせながら花園村(現 かつらぎ町花園)への準備を行っていた2006年10月の初旬のことでした。
もしかして、これはシートベース製造時、型のズレから起こったのではないか?と思ったんです。その他は異常はないのですし、フレーム接地部分はシートレ
ザーが覆うようになっていますから間違いがない、と確信できることです。
それなら、ボルトの当たる部分に穴を開ければOKじゃないか、ということです。もちろん問題が無いわけではありません。穴を開けることによって悪くなる
点があるのではないか、というのがそれです。
◆ 後ろの取り付け部分のボルトの装着がしづらい点などから考えると、穴を比較的大きめに開ける必要があります。となると、強度の問題も発生する。
● この加工によってフレームには確実に接するから、ガタつきも無くなるはず。
● 後ろの取り付けボルト用のフレームのガイドのガタは1〜2mm。
上記●のようにOKではないか、と考えて実行することとしました。
用意するものは1.5mmのドリルとピンバイス、それに修正用のヤスリとカッターナイフ、貫通のマイナスドライバーとハンマーです。
- まずは、500円玉の大きさの円周をシートベースのボルトが当たっている部分を中心にして油性のサインペンで描いておきます。
- そのライン上に対角線からドリルで穴を開けていきます。ほぼ接近して穴開けができるものと思います。
- 穴と穴の間にカッターナイフで比較的深めにキズを入れておきます。
- 一部分の穴へマイナスドライバーを当てて柄をハンマーで叩いて穴の開いていない部分をカットしていきます。ある程度穴がつながれば、スポンジ
側へハン
マーで叩けば抜けると思います。
- この時、カッターナイフで傷を付けていないとゲルコート部分が剥がれて見苦しくなるわけです。
- ヤスリで穴の周囲のささくれをスムースにしてOKです。仕上がり後の写真をご覧ください。
これにて一件落着...
、とならないいのがアフターマーケットの製品でしょうね。取り付けボルトは比較的スムースに入りますが、取り付けを終えると、前部はガタが出ます。という
ことは、ベースがフレームに当たらない?。
その上に左右のガタも出ています。ということはU字の取り付け板部分のU字が広すぎるんだ。
再び1mmのラバーシートをシート側に両面テープで貼り付けて様子を見ることにしました。これで、がたつきはノーマルシートを装着したときと同じになり
ました。
ところが、次なる問題が待っていました。
オートショップワタナベへクラッチワイヤーを発注に出向いたときのことでした。何というか、スピードの上がりがトロイんです。これには参りました。トロ
イってことは回転の上がりが悪いんです。ガソリンがエネオスになっているからかな?、とも思いましたが、そういったものではないようです。
ノーマルシートでは感じられなかったことなので、原因が即座に感じられなかったんです。
もっともの原因はシート裏に装備している書類入れでしょうか?。これをはずすことにしました。
結果は?
やはりダメです。結局のところ、コージーシートをノーマル吸気システムのSRに装着するための基本用件を満たしていない、ということのようです。
つまり、ノーマルのエアクリーナーボックスへの空気採り入れ口は車体後部
へ向いたラバーダクトから取り込まれるようになっています。
その部分にはリアフェンダーが当たらないようにくり抜き部分が設けてある
のですが、その周囲に空気の流れの効率化を狙ったものが必要のよう
です。このことは以前に、シート裏の一件で報告をしたところですが、今回も前回と同様の結果になったようです。
同じように純正48Uのヨーロッパ向けのシートもこの部分が少ないために
同様の結果が出たところです。
再びノーマルシートに交換してみました。結果はこれが同じエンジンか?、と思うほどの変化です。
ま、多くは申しませんが、形状、仕上げなどが素晴らしいコージーシートなのですが、ノーマルの吸気システム、つまり、エアクリーナーボックスを持った
SRには適さない、と結論づけたところで
す。
本当にそうなのか?
たまたまゲットしたOMCのシートで実験をしたいと思います。報告はいずれ。