アースを引いてみましょうか
 時は2002年頃、自動車の世界でアーシングってーのが流行りましたね。自動車の場合は、どのように配線を使用目的毎にまとめてみても、ある回路はバッテリーからルーフの中央(ルームランプ)を通りテールエンドのウインカー、ストップランプまでカバーしなけりゃなりません。そこそこアースポイントを設けないと、相当に迷走電流が走り回ることになる。そして、リアのナンバープレートランプなどは、車体側とヒンジで結ばれるトランク部分でグランド(アース)は2本以上になる。ポジ側は1系統でもグランドはモノコックボディーの数カ所に及ぶため、相当にバッテリーとか負担が多いわけです。
 最初はそのアースの取り方の概要が実のところ分からなかったですが、そもそも、オートバイの場合は、コイルはコイル、レクチファイアはシャシーにダイレクト、ハンドルスイッチ部分はハンドルバーからシャシーへと、そこかしこにベタアースですよね。終末はバッテリーの−部分がフレーム(シャシー)に落ちることになるわけです。自動車と同じ?。いや、違いますよ。全てのアースは車体と呼ばれるシャシー、フレームに落ちるわけです。
 従って、僕もオートバイにおけるアーシングそのものはあまり信じていなかったんです。
 
 ところが、コヴェントリーの清水さんの愛用トライアンフを見て、ピーンと来たんです。いや、簡単明瞭。
 要約はおそらく次のようなものでしょう。
 少々専門的になりましたが、ことは簡単です。SRの場合、たとえば点火コイルにも取り付け部分がアースになっています。純正ウインカーはアースが長々と引きまわしてあります。ランプハウスの中を見ても配線の多さは隠しようがありません。
 もう一点、SRが最新のオートバイと異なるのは、フューズが一つです。ランプの系列、点火の系列など分けてありません。
 
 ここで、上記の要約とフィットさせて考えると、ちょいと考えさせられることがお分かりになるでしょ。
 つまり、シャシーとエンジンとの電位を同じにしてはどうか、ということにあります。いや、これは僕の立てた予想ですよ。おそらく、シャシー・エンジンのアースを一本化してやれば、かなりいい結果が出るのではないか、と考えたからです。
 
 それでは、この考え方に沿って試作を行ってみましょう。

いつも言いますが、これは改造ですから、ご自身の責任で行ってください。
 
用意するもの
1.75Ωの衛星放送用の同軸ケーブル1m
2.カッターナイフ
3.端子
4.ハンダ付けセット
 
同軸ケーブルについて
 本来はもう少し太い平編み線がいいのですが、ご存じのようにSRのバッテリー部分は信じられないくらい細いゲージのワイヤー(電線)が使用されています。そのため、スズメッキが施されている75Ωの衛星放送用の同軸ケーブルを使用しました。

● エンジンのどの部分に接地させるかで、同軸ケーブルの長さを決定。

● 同軸ケーブルの外皮にカッターナイフで切り目を入れ、外皮をはぎ取ります。

● 網線を少し押し下げると膨らむので芯線を抜き取ります。


● バッテリーターミナルの接続端子を小さいマイナスドライバーでロックを押さえて、ホルダーから抜き取ります。

● ターミナルに平編み線をハンダ付します。(バッテリー側は外した端子の背中にハンダ付けします。)

● バッテリー側の端子をホルダーに端子を納めます。
● 出来上がりの写真です。

● エンジンにアース線を止めます。縛の場合はカンリンのクランクケースが無塗装だったので、ここへ止めました。

◆ シャシーにまわすと元の木阿弥になりますからご注意の程を。


● エンジンにアースした後でバッテリーにコネクターを差し込みます。
 これでOKです。
 
● 乗ってびっくり... 、とは言いませんし、試乗記は一切記載しません。
◆ 強いて言うとどことなくいいです。特に○○○、□□□、そしてアイドリングの安定性。
■ 清水さんはパワーアップと言ってらっしゃいますが、シールバッテリーを使用したSRの場合チト感覚が違うように思います。

 大きい通常のバッテリーを使用している古いSRなら、平編み線をもう少し太いものにして、バッテリーの−端子とエンジン部分を結べば、さらに... 。
 ま、お試しあれ... 。

[もどる]
inserted by FC2 system