・・・ メ ガトラップを見なおす・・・
その1 思いつくまま

再 びメガトラップを見直す
 とにかく、スーパーサンダー(点火コイル)で、オレブルの製品は見極めが非常に難しいように感じた。もっとも理論と実際が噛み合わないた めに致し方ないことではあるが、微妙な兼ね合いなどで割り切ることが出来ない面が多々あって、それが信頼感に関与してくる、と私は同社の製品に抱く気分で ある。
 確かに、メガトラップを発売したその頃は、モーターステージのSSTしかスーパートラップの排気構造を後方排気とする策しかなかったのだから、メガト ラップはなかなかの意欲作であったのは事実だ。
 早速、僕もも右へならえ!、とばかり購入をして装着したところであった。
 そのインプレは別項にて記載しているが、しばらくすると外した。理由の大部分は、排気効率の良否がメガトラップとスーパートラップとの接合部分の空間 と、最初のディスクまでの排気ガスの経路の長さが微妙に関与してくるのだ。結果、排気に対するセッティングを煮詰め直しをしなければならない。オレブルに 問い合わせると「そうですか?」と何とも気のない返事しか返ってこない。元に戻すと、通常のスパトラ... 。「何だ?ってんだ」と割り切れないのである。
 こういったことで、使用を中止していた。

ま ずは...

 スーパーサウンドの一定成果が上がって一段落していた2005年4月、 一歩踏み込んだところのものがあるのではないか?、ということが浮かび上がってきた。
 「一歩踏み込んだところ」とは?。それはアクセルに対しての、もう少し早い反応がほしい、というところと、排気の抜けをもう少しよいものに、であった。
 現在の状況では、ライディングスポット製のクワイエットコアを使用している。詳しくは前回までの状況をご覧いただきたい。排気の流れなどについては前回 までの(5)に記している。
 ダイレクトにSR500用の構成でスーパーサウンドのディスクを装着した場合は、少しラフな面がでることも確認している。それ故のライディングスポット 製のクワイエットコアを装着したところだ。

 では何が影響しているのか?。やはり、ディスクのエッジの角度が20°だからであろうか。いや、これは円形のダミーディスクがリゾネーターとして機能し ていることを確認しているため違う。
 やはりクワイエットコアの状況だろうか?。
 アクティブのカタログに出ていたスーパークワイエットコアの新しいのがヤフオクに出ていたので安く入手することができた。
 rnf製のクワイエットコアでも紹介したが、スーパーの名に違わずクワイエットコアそのものがパイプの径は同じだが全長が長い。その上をパンチングメタ ルが取り囲む。パンチングメタルの最先端はプレートだ。
 しかし、旧タイプとどこかが違う。どこが違うか?。それはバッフルがディスクの加工品ではなくなっていることだ。しかも純正のクワイエットコアと同様 に、後ろ側に少し膨らみを持たせた作りになっている。残念ながら、物はスチール製に変更されてはいるが... 。

 
 このスーパークワイエットコアそのもののパイプ径はアクティブの考え通り、20mm前後の数値のままである。
 今のところ、クワイエットコアではライディングスポット製を使用しているが、スーパーサウンドのディスクでは後ろへ膨らみのある純正はフィットしない、 と思われるため、入手していない。

 これまでのまとめとしては、WBのマフラーエンドの排気口とスーパーサウンドのトライアングルディスクの六角(三角×2枚)まで入る排気の流れが一気に 変形されるのを何とかしたい、という考えが浮かび上がったのだ。

 それでは何とかダイレクトにマフラーエンドにスーパーサウンドのディスクを装着する方法はないものか... ?、としたとき、最初に浮かんだのは、厚さ3cm程度のアルミ板からディスク外径と同様にカットして、テーパー状のセンターホールとしたアダプターを作る か?。
 でもそれはダメ。アダプターが異様になってしまう。それじゃロート状のものを作るか... 。それなら純正のクワイエットコアにしろ、になって、これじゃ堂々巡りだ。

 と、つまらないようなことを考えていたとき、もしかしてアレは... !?、と浮かんだものがあった。それはメガトラップだ。つまらないかもしれないが、以前のレポートでも紹介しているが、要はスーパートラップの排気を後方 排気にする一物である。
 で、どうも調子がイマイチだったので使用を止めていた。ここまでが、2005年4月16日(土)松山での会議に出かけ、会議中でも、気づいたことをメモ したり、往復のJRの中で考えて いたことだ。

 その日の夜、装着をするつもりで、とりあえず清掃してみることとしたのだが、思わぬ発見があった。これは後ほど報告しよう。

2005年4月17日(日)はれ
 思わず目が醒めた。相当に気になっていたが、Power Book DuoとATOKの件で夜更かししてしまった。ウトウトしながら7時に起きる。身支度を整えて9時過ぎより作業に取りかかる。
 装着する順はメガトラップ(アウター)+インナーアルミアダプター(メガトラップ)+スーパーサウンドディスク(SR500構成)+ステンエンドキャッ プ+メガトラップエンド、となる。アルミのエンドをステンに交換しただけである。



 写真には入れていないが、エンドキャップの収まりが悪いのでスーパーシールを最終ディスクの後ろへ装着した。吸入系統、点火系等は一切さわっていない。

 いつもどおりの始動の後、テストコースへ入れ労とするのだが、発進時から妙な感覚に支配されて来だした。というのは、スムースかつ排気音がイマイチなた めである。
 特に排気音はドラムスのスモールタムをスティックで叩いたような「タカタカタカタカ... 」という音なのである。しかもメガトラップ内部で発生しているからだ。これに随分と気を遣う。

 走行性能は相当に気分が良い。務田までの光満のダラダラの登りも見事にクリアー。坂の信号で止まった折、朝霧湖マラソンのこともあって、歯長峠から宇和 へ出ることとした。
 三間の直線を走っているとカンリンのフライホイールの効果が体感できる。グングンと「前へ」の気分が伝わる。
 歯長峠を下りて、少しばかり排気音が変わってきたことに気づく。妙に硬質の音に変わって来だしたからだ。
 T君へ在宅かどうか電話確認。居るということだったので訪問。インターネット関連のこと、オーディオ関連のことなどを話して国道56号線を帰路とする。
 この時の走行性能は変わらないまでも、音質と振動など、これまで経験しているはずなのに、どうも思い出せないまま、午後1時前に帰着した。

 なかなかイイ気分ではあったが、どこかひっかかる。考えを進めるうちに堂々巡りに陥りそうになり中止をした。

 午後4時近く、再び走行を行ってみた。たまたま、PAL方式のDVD再生とノート用のコンボドライブなどの件でPCデポへ行必要があったためだ。
 用事を済ませて、松尾峠から三浦へのコースを走る。峠の上はすでに陽が沈んでいる。海へ出ると夕暮れ間近と春の陽光の境を走っているようで、気分が和 む。

 寄松から裏道へ入ったとき、アイドリングが1400回転近くになっている。これを1000回転付近まで下げて走行し、エンブレが聞き始めるとき「バ スッ」という音が出始めた。
 まさか?、と感じて、信号待ちで1200以上へ上げると落ち着く。ところが、またしても硬質の排気音と振動が伴うようになってきた。
 やはり無理かな... 、というところで、本日の実験終了。

なぜメガトラップを思いついたか
メガトラップの見えない点
 今でもそうだが、オレブルのリリースする製品は実際のところ信じていない。実のところ今、メガトラップは在庫しているかどうか?、を問うても致し方ない であろう。
 ほんの一時「スパトラを後方排気に」ということでリリースされたものだったからである。音が若干静かになる、とは言われていたが、そんなことはなかっ た。
 今回再使用を思いついたのはその形状からである。
 メガトラップの形状をとくとご覧あれ。汚れを取り去ったときに残っている後はまぎれもなく... 。そう、メガトラップの装着部分の凹み、その部分が作り出すマフラーエンドからメガトラップまでの空間が一つの「ダム」として働いているのではないか?、 と考えたからだ。



 口径の大きいマフラーエンドから流れ出た排気はこの部分で止められると同時に流速が弱められる。
 もう一つはインナー部分のアルミのディスク装着アダプターだ。汚れが残っている部分、並びにその形状からすると、分厚い1枚のディスクとして考えて良 いのではないか、ということなのである。
 つまり、ダムで蓄えられ、流速を弱められた排気はメガトラップへ導かれる。そこからイ ンナーのアダプターを通った排気はディスクへ導かれ、はずれた排気 はメガトラップの内部のRとアダプターのRの隙縁を通ってアダプターの穴からメガトラップ内部へ排気される。

  



 内部構造は稚拙な下記のイラストのようになっている。
 マフラーエンドから排出される排気ガスはメガトラップのアウターの凹みに入り込む。若干拡張されたガスはスムースにメガトラップ内に導かれる。
 メガトラップ内に入ったガスはアルミインナーに取り付けられたディスクに導かれる仕組みだ。
 若干、メガトラップのダム部分からディスクに導かれなかったガスはメガトラップのアウターとインナープレートのR部分に沿ってメガトラップの内部に流れ る。
 一方では、インナーに開けられた穴に入り、ディスクが取り付けられる部分にあるスリットからディスクへ導かれる。



 以上の2点が僕の推測だ。メガトラップのエンド部分へ手をかざせば、排気ガスが早く流れていることに気づくため、この仮説を立てたところだ。

どうしてディスコン?
 このように、なかなか凝った作りであったにもかかわらず消えたのは... ?。とりもなおさず、アキシャルフローのディスクがスーパートラップからリリースされた点にあろうと思う。
 そして、自社製品のマフラーの開発、結果として、最近リリースされたスパトラのディスクを外してしまうエンドキャップの件に結びつくのではないだろう か。



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