確認SR400/500用リプレースシート

 10月の終わり、ひょんなことでOMCのリプレースシートをヤフオクで GETしました。商品説明どおり、しっかりしたものでしたが、ご多分に漏れず、汚れを取り込んだままワックスがかけられていた上に、接着剤が経年で剥がれ てしまっていました。シート革のほつれは一部に見受けられましたが、下部で見えないものです。もう一点、最大の難点ですが、シート内部と皮革の間に気泡が 発生していて、これは取り除けないままになってます。
 少し気になったのは、コージーシートでも改善を余儀なくされたのは、タンク取り付けの12mmフランジボルトがシートベースに当たっているようで、シー ト革を円形に破っている状態でした。
 また、後部のストッパー部分の下側に擦れたようなキズがあるため、1978年当時のSR400/500のハシゴの付いたフレームに装着されていたのは一 目瞭然です。それゆえのシートストッパー部分のくり抜きでしょう。

 シート前部についての改善ですが、前部の作りはモトコのシングルシートと同じ方法を採用しています。MWIの今村さんが詳しく説明されていますが、モト コのシートは前部取り付け部分の厚さを最初期の下側のフランジの無いダンパーにフィットさせてありますので、今の上下にフランジのあるダンパーとは少々き つくなります。
 この点、この部分が薄いペイトンプレイスのシートもそうですが、今回のOMCのシートでも数ミリ上側に装着出来るようになるはずです。しかし、タンク取 り付けボルトが当たるのです。
 旧タイプのボルトを用いても良いのですが、振動などの関係からフランジボルトの方が好ましい、と判断して、別項で出しているように、コージーシートの ベースに穴を開ける手段を講じたわけです。
 OMCのシートも同様の処理を行おうとしましたが、これは無理でした。原因は、コージーシートはグラスクロスが多用されているため、繊維が直角に交わっ ていまが、OMCのシートベースはグラスウールが多用されているため、繊維が絡み合っているためです。ペイトンのシートもそうですが、強度上有利なグラス ウールを均一にFRP化するのは結構な技術がいるため、一件雑な作りに見えますが、結構値が張るのは致し方ないことではないでしょうか。
 苦肉の策ですが、今回は貫通のマイナスドライバーをタガネ代わりにボルトの当たる部分を削ってOKとしました。写真ではピンバイスで穴が開けられている のがお分かりと思います。

 シート革の貼り付けは合成ゴム系の接着剤を使用しました。一定強度が必要な部分だけに止めることとしました。理由は、万一おかしな力がかかったとき、柔 軟性は十分確保されているのですが、古い(2006年からすると20年以上前)シート革の逃げを作っておくため、との考えです。
 その後、洗剤でシートの汚れをある程度取り除き、取り付けられる状態になりました。

 さて、取り付けてみます。若干のコツは必要ですが、難なく取り付けができます。思いますに、リプレースシートメーカーのうち、前部がダイレクトにフレー ムに載るタイプのシートは、燃料タンク取り付けボルトの交換品を用意すべきではないでしょうか。(すでにヤッテいらっしたらお許しを)
 取り付けが完了しますと、シートの前部が上下で動きますから、燃料タンク取り付けボルトの頭はシートベースに当たっていない、ということになります。


OMCのシートです。
●赤丸の部分が着座位置であり、前方がダクトの上に位置します。
モトコのシングルシートです。
●丸印が着座部分で、モトコのシートと同様に左右に2個ずつあるリベットを結ぶ部分がダクトの上に位置し、フレームにシートベースがダイレクトに乗るよう に感じられますが、前 部のシート取り付け部分がキッチリとダンパーラバーに入り込みますのでフレームからシートベースまでの高さは、約3cmです。
◆写真では判断しづらいのですが、赤丸の後ろから、リアの取り付けダンパー後部、そしてシートストッパー部分 まで、シートの表面側へ凹んでいますから、空気の流れは良好です。
◆これまたモトコのシートと同様に、ストッパー部分が空洞になっているため、エアダムとしての働きもある、とは言い過ぎでしょうか。

 いよいよ走行してみます。
 あれれ、何かこう、モトコのシングルシートのツイン版のような感じです。股から足に至るポジションは非情に良好です。私のSR500は純正のバックス テップですから、このシートでは、現在装着しているハーディーのローハンドルでも高いようにも感じますが、左のグリップスイッチの位置のみ下へ下げて対応 しました。T-140Vに装着しているようなブリティッシュバイクのハンドルバーに変更するのが良策かもしれません。
 いつものテストコースへ。スタートしてすぐさま気づきます。これはなかなか素晴らしい。真面目にスポーツしている気分になってきました。
 少し各ギアで引っ張りますと、過不足なく反応します。妙なモタツキがありません。これは特筆すべき... ?。否、ポジションとスポンジが異なるだけで、特筆ではなく、SR500そのものなのです。
 こういった、スポーティーな走りをするようになった状態で帰ってきました。

 エアクリーナーボックスを使うSR400/500のリプレースシートに求められるのは何か。ここまでの私のレポートでお解りのことと思います。
 今回のOMCのシートで結果が出たように、最重要な課題はリアフェンダーのトップが収まる部分を主として、その周囲に十分な空間が必要であること、と申 せましょう。
 再び、シートベース裏の形状をご覧ください。まさに、私の実験結果を決定づける考えと同じではないでしょうか。

 では、48Uと同じような作りの純正2J2のSR500初期型のシートはどうなっていたか?。MWIの今村さんに形状報告を願えればいいのですが、 48Uとは比べものにならないほどの空間が広がっています。
 もちろん、ハシゴ部分があるので当然かもしれませんが、XT500のサイドから空気を流入させるエアクリーナーボックスと違い、上から空気を導くSRで はこの部分(リアフェンダートップ部分)の空間確保は必要不可欠なものと確信します。





inserted by FC2 system