かからない理由で多い問題点
1.ガソリンタンクの上に記載してある説明書きをよく読まない。
2.始動方法は間違っていないと思うが、始動が難しい。
3.サイドスタンドを使用してキックする時に始動が難しい。
4.etc... 。
1.の問題はどうすることも出来ません。
できれば、数回の乗車の時は剥がさないようにして、そのとおりに始動してみられると、よく分かるはずです。
2.の問題は次のように考えられます。
まずは、チョークを引かずにエンジン始動を試みる場合ですが、ヤマハの多くの車種ではチョークを引いて始動することを推奨しています。すでにお分かりと思いますが、この場合はチョークを引いてエンジンを始動してください。
もう一つは、チョークを引いたままキックをし続け、混合気の飲み過ぎで、プラグが湿ってしまった場合に起こります。チョークを戻して、キックし続けるとエンジンがかかるときがあるかもしれません。しかし、湿ったプラグでは少々難しい。
それに、この場合は始動方法そのものが間違っている場合があります。この始動方法は後ほど。
3.の問題は、スカチューンを施したSRに多く見受けられます。
つまりセンタースタンドを外している場合などに起こります。大半の方々はヤマハのSRのカタログなどでサイドスタンドを立てて始動しようとしている姿を想像してキックされているかもしれませんが、あの方法はモトクロッサーのように、キックアームが短く実効作動円周が小さい場合に適用されるもので、キックアームの実効作動円周が比較的大きいSRでは、下まで踏み下ろさないと始動ミスの場合が起こりうるわけです。(そのためにキックアームがRを付けられている形状なのです。)
それでは私なりのセオリーでSRのエンジンを始動させてみましょう。基本は2000年モデルまでのBTSキャブ付きストック(ノーマル)のSRで行います。表の中の写真と文章を見ながら実際に行ってみてください。
チョークを引いて、キーをONにします。チョークは気温が低い場合は二段、気温が高い場合は1段とします。 | |
キックアームに足をかけて静かに下ろし、足裏に重さを感じるところで、キックアームから足をはずし、元の位置にします。 | |
デコンプを引いて、キックアームを静かに下げて、エンジン右上のマーク確認位置に金色(ユニクロームのメッキの色)が出た位置で、キックアームから足を外します。
少々難しいのですが、数回やれば、最初の動作(デコンプを引かずにキックアームが重くなる位置まで下げる)からカンで上手く行きます。 キックアームを下げた位置が若干違うのがお分かりと思います。 |
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思いっきりキックアームを踏み下ろします。踏み下ろしの感覚はキックアームで右のステップを蹴り飛ばすぐらいの気分です。この動作はゆっくりと行ってもエンジンはかかります。
分解写真の要領で、足の状態とキックアームの踏み下ろしを感じ取ってください。 |
●別の注意点として、チョークを引いて始動させようとしているのに、右手は知らない間にアクセルグリップをひねろうとしていることがあります。加速ポンプこそ付いていませんが、負圧タイプのMIKUNIのBTSキャブでは燃焼室へガソリンが少しばかり多く流れます。
そのために、チョークを引いている時の量より多くガソリンが流れるので、チョークを引いてキック始動の時はアクセルをひねるときは厳禁です。
●一度でエンジンのかからない場合は数回この動作を繰り返します。
●数回行ってもエンジンのかからないときは、チョークを全部戻し、さらに同じ方法でキックします。
●サイドスタンドで始動する場合も同じです。
以上のようにクランキングをすればエンジンは回転を始めるはずです。
ここで堂々巡りになってはなりませんが、私なりに考えたQ&Aを羅列してみます。
Q:チョークを引きすぎた場合の判断の仕方は?
A:最初からエンジンが回りそう... 、という感じがせず、カツン・カツンとキックアームがストッパーに強く当たっても一向にその気配がない場合は、プラグがかぶっている場合があります。チョークを引いて5回もキックしてもエンジンに音沙汰がない、となればチョークの引きすぎでしょう。
この場合はプラグを交換すればいいのですが、プラグをはずして、アクセルを回さず、デコンプを引いて数回キックしてやった後、元のプラグから火が飛ぶことが確認できたらプラグを装着し、チョークを引かずにキックすればかかる場合があります。
Q:キックするときの決めごとはありますか?
A:まず、デコンプを引かずにキックアームが重くなるところまで踏み下ろし、キックアームから足をはなして元の位置にします。
デコンプを引いてインジケーターにマークを出させます。ここでキックアームから足をはなして元の位置にします。
ここでキックしてエンジンを回します。
このように、キックアームの動作は必ず、元の位置から踏み下ろす!、と憶えておかれるのがいいようです。
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