2001年 7月20日(金・海の日)、愛媛県立吉田高校と宇和島東高校の野球観戦に今治まで出かけ、帰路はその数日前に開通した湯ノ浦インターから上って、高速道路を走行する。下るのに上るとは不思議な言い回しだが、今治からだと小松を通って引き返すことになるので、松山道までの間、実際は「上り」になる、というわけだ。
平均4000回転、90km/hから100km/hの間での走行だが、松山を過ぎる辺りから急に排気音がうるさくなって来始めた。不思議なことだ、と思いながら帰ってきたのだが、7月28日に吉田町のプールへ出かけたとき、これも帰りに、インナーコアの取り付けボルトが脱落して落ちてしまい、インナーコアそのものが飛び出てきて、大いにびっくりした。その時の音質がなかなかよくって、どうやって帰ろう、というのは二の次のこと、次はオープンエンドにしてもいいな、などと、くだらないことをその時は考えていた。
7月28日の帰り道は、いつ飛び出すか分からないインナーコアを気にしてのノロノロ運転。2速と3速しか使えない。平均20km/hだ。完全なブローエンジンと思われて、横を追い越していく自動車が怖い。ようやく市内に入って、回り道だがオートショップワタナベへ立ち寄り、ボスにジャンク箱からフィットするボルトを探してもらって、それを若干長めにカットして確実に取り付けできた。
帰宅して「もしや、振動でクワイエットコアのパイプが脱落しているかもしれない」と、急に思い立って、分解してみた。ン、案の定、奥まったところにパイプだけが鎮座しているではないか。排気ガスがディスクに入る前に、パイプのはずれたプレートに当たるものだから、パンパンという音が一層うるさく感じられていたわけだ。
翌日、購入先のオートショップワタナベへ持参して、事情を説明。制作元のアクティブでも状況を知りたい、とのことで、脱落の理由を添付して返送。ようやく8月16日に交換品を受け取った次第だ。
(左がアクティブ製、右がライディングスポット製)
アクティブの新しいのを受け取ったとき、しげしげと見回したところ、写真でも分かるとおり、パイプの溶接部分を広くしてあった。その上に、僕が加工した面取りなどの処理と同じことが行われていた。ほんの1か月で、これだけの改良が加えられている。
ここで、もう一つのライディング・スポットのクワイエットコアと比較してみよう。各寸法は以下の通りだ。
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パイプの長さ | 73.0 mm | 100.0 mm(ニップル部分 20mm) |
パイプの外径 | 22.0 mm | 32 mm |
パイプの内径 | 18.5 mm | 30 mm(ニップル部分18mm) |
パイプの肉厚 | 1.75 mm | 2 mm |
その他 | ストレートパイプ | パイプの先端内側に臼型のニップル装備 |
賢明な方なら、パイプにおける違いがセッティングに微妙な差を生じさせることになることがお分かりであろう。一概に排気量云々に対しての変化は何とも言えないが、排気量が増せば少し排気の流量を多くすればいい、と考えるなら、ライディング・スポットのクワイエットコアはパイプが鉄製のため、排気ガス入り口にスポット溶接されているニップルの口径を広げて対処できる場合も考えられる。失敗しても鉄棒から同じものを作ればいいのだから、これは費用がかかるが簡単だ。2個購入して比べるという手もある。この場合の出費はそんなに惜しくない、とするのは僕だけではないはずだ。
アクティブ製は以前に装着して、パイプがはずれるまで、うまい具合に作動していたのは、今治までの結果でお分かりのとおりだ。今回ライディングスポット製を装着して、3インチ用のクワイエットコアを思い出した。
音質としては、広域がキャンキャンと共鳴するのである。ディスクを多くするとこれが顕著だから、ライディング・スポットの場合はセッティングが難しいのかもしれない。ディスクを減すと、ノーマルのキャブセッティングでOKとなることがあるからだ。
どこのメーカーか忘れたが、3インチの純正クワイエットコアと同様のテーパーになったパイプを丁寧に溶接した4インチ用のものがあったが、感覚としてはライディング・スポット製と似かよるのかもしれない。
このようなことを念頭に、走行してみることとする。トルク感、減速時のパフパフなど、よく押さえられている。ストレートに回転が上がっていくところからして、アクティブ製のものよりレスポンスがいいようだ。ここしばらくは、ディスクの枚数から始まってどうのこうのセッティングを出す必要はあるだろうけど、ライディングスポット製をしばらく装着してみることとする。
とりあえずのキャブセッティングは次のとおりだが、僕のSR500のキャブはダイノジェットもどきの加工が施してある。念のため。
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メインジェット | #165(スペシャル加工品) |
パイロットジェット | #47.5 |
パイロット戻し | 2回と5/8 |
ニードルポジション | 下から2段目 |
プ ラ グ | NGK BP(R)6ES〜BP(R)7ES |
残念ながら、僕の場合、使用しているSRは500ccだし、先に言ったようにキャブに加工が施してある。ただでさえ難しい500だ、400ccほど簡単には事が運ばない。自分なりのテストをして、スッタモンダの挙げ句、この程度という妥協点で勘弁してもらっている。
どちらかというとフォーサイクルのオフロードモデルで人気の高いのはヤマハのWR426とかYZ426、セローの200、カテゴリーは少し逸脱するがTW200など、これらの排気量のものを4インチ用のクワイエットコアでまかなえばいいわけだ。当然、クワイエットコアを装備するとしても、キャブレターのセッティング変更は必須だ。これらYAMAHAの一連のSU(CV)キャブレターでは、メインジェットを交換して、スクリウ調整するだけでOKなはずだ。しばらく乗って、少々おかしい、となれば、パイロットジェットを交換すればいい。ところが、SR500同様、ホンダのCR500とかでは、クワイエットコアを改造せずにノーマルで装着するのは難しいのではなかろうか。スズキの800などは、おそらく排気の関係からスーパートラップそのものが対応しないように感じてならない。
いずれにしろ、排気音の音量が下がるのは精神上好ましい。特に400なら、バリバリ音出していながら、実際は速いのに遅いと感じられているSRを一層「音が速い」バイクに思われて、ライダーだけが悦に入り込んでしまうわけだ。回りの顰蹙は気にならず...
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さてと、アクティブ製、ライディング・スポット製を比較した表の中で「パイプの長さ」と「パイプの外径」から、何かお気づきにならないだろうか。100-20=80 80-73=7 である。18.5は18.0にニア・イコールである。ま、今回はこの辺りにしておこう。次回は、偶然の一致のようなこのことと、最近はあまり記載が少なくなったプラグとの兼ね合いについて報告したい。
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