リモーションのマフラーに変更する(3)ノーマルマフラーへの回帰

 何かが違う雰囲気が支配し始めている。こんなことやっていていいのだろうか?。Web上のお友達のKEIさんがOVERのステンレスエキパイに純正のマフラーを装着して好結果を出している、と聞き及んだとき、「だめだよKEIさん、もっと突き詰めなきゃ」と確かに言いたかった。もちろんこのことを彼に申し上げることはしなかった。
 理由は簡単、しばらくして、関連雑誌記事に出されているFCRのところで、常に純正マフラーを含めたストックの排気系でセッティングされていることを知る一方で、僕としてもエンジンがあらゆる操作に馴染んだ頃(僕は15000kmは必要と思っている)まで純正マフラーを使っていないので、感覚そのものがどうも分からないでいたからである。
 
 まずは、リモーションのマフラーに施していないものがあって、それの確認からおこなって見ることとした。
 

2002年 6月 2日(日)
 朝早くからダイノジェットのメインジェットの形状を確認していた。どうも、メインジェットの番手そのものの穴の直前まで穴が大きい、ということが分かった。そこで、最初に加工した巴型の#165を使用した。
 およそ卯之町から歯長峠を通って松野のおさかな館まで50km程度走った。この間、キャブレターのスクリウ戻しを数回行う。若干の良さは分かるが、何か物足りない。WBのスーパートラップの時とは何かが違う。その違いを求められないままこのテストを終えることになってしまう。
 ま、この程度だろう、といよいよ純正マフラーを装備したい、と考えがまとまった。
 
 
2002年 6月 16日(日)
 昨日はSRにさわる気にもなれなくって、今日にまわした。あれこれ思いを巡らせていたのは事実だ。
 まずは、キャブレターのジェットニードルを元に戻すことから始まった。その後の走行はいつもの通り。ここら辺をさわったところで大幅な変化はしない。逆に言うとK&NのリプレースフィルターもVMキャブ時代のものまでしかカタログにないし、事実アメリカ輸出は止まっているのだ。
 フレームが違うヨーロッパ仕様は別にして、現在は日本仕様のみを対象とした主要なリプレースパーツは過去のものに限ってであり、大半は外装だけ、とした方がよさそうだ。僕個人の判断ではAISの装備された今のモデルは売れ行きがあまりよくないようだ。
 人間というのは恐ろしいものである。このような考えで純正のマフラーに戻す、と決めたとき、Yahooオークションでそのマフラーを16,000円でゲットできた。
 人間というのはゲンキンなものである。ゲットできたことから、マフラー磨き、装着の状態の確認など、忘れかけたものを思い出すように考えを巡らせていた。

 
2002年 6月22日(土)
 朝からマフラー磨き。真ちゅうブラシとネバーダルとを使い、かなりきれいになるところまで仕上げる。まぎれもなく3GWの刻印のあるものだ。
 サポート板を探し出すのに一苦労。大きさの感覚が全くない。そこにあるのに、同じ場所を3度も探し回る始末。おまけに、取り付け順を忘れてしまっているから、これだけに1時間ほどかかる。バカやってんじゃないよ。
 走り出したのが午後、キャブはパイロットジェット#47.5、メインジェット#175のまま、スクリウ戻しもそのままだ。
 あっけない始動、何をどうした、ということから、こういった結果もなったなど何にもない。ごく普通に走っている。そう、これなんだ。しばらく走っていくと排気音も若干変わったものになってきた。
 人間というのは忘れるものである。何度も考えていたキャブレターのことをすっかり忘れている。今更ながら、どうしてキャブレターをFCRに換えなかったのだろう?。いざ、元の給排気系に戻したら結果が良いから、このことを忘れてしまっている。
 しかし、この時点でXT-500のVMキャブを取り付ける気にはならなかったのである。

 
2002年 6月23日(日)
 高知へ。昨日マフラーを純正に戻しただけのSRだけどなかなか実力を示す。今ひとつパンチが少ないようだが、これはこれでの味を出しているようだ。悪くはない。
 高知の南海部品でスパートラップの4インチ用センターボルト方式のエンドキャップを購入し、隣のエレクトリックパーツ高知で72PのSIMMを購入してとんぼ返り。
 帰りも行きと同じでなかなかの気分だ。60〜70km/hで走っている。少しばかりマッチングが悪いかな?とも感じるが、左右の手の動きの大様さは何だろうか。もう少しやれる。とにかくキャブレターをすべからく元に戻そう。やるのは今日しかない。
 帰宅してすぐさま取りかかる。決して投げやりではない。もう一度元に戻すのだ、ということだけ。これだけのことなのに、ずいぶんと真剣になっている自分がおかしい。
 夕刻、給排気系のすべてがストック状態に戻ったSR500をいつものテストコースに導き入れる。「あー、これだ」と思った。これが分からないまま何かに手を出していたのだな、と感じた。

おわりに
 唯一の救いは機関の内部には一切手を入れていなかったことだった。
 早くから元に戻していたら... 、と思われるかもしれない。が、これは結果から得られたことだ。「こうなんだ」というこのときの感覚が新車の時には得られないように思うのである。このストック状態の良さが分かるまでには先に記したように15000kmは走らなければ分かりはしない。思うに多くのSRはここのところが分からずに闇雲にカスタムパーツっていうものを取っつけひっつけして、あーでもない、こーでもない、をやっているように感じてならない。
 決してそれが悪いとはいわない。ただし、シャシーダイナモをはじめとした各種測定器具を備えた整備工場に2ヶ月ほどを四季に応じて入れ込み、テストができるかどうか、そういった環境での整備ならSRのみならず今のマシンででもいい結果が出せるだろう。
 しかし、僕のような青空工房のアマチュアマニアがやったところで、この程度のことしか出せないでいる。僕はこれがリモーションのマフラーに交換して得られた純正の給排気系の偉大さであった、ということである。

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