最終が近くなった

 2002年9月、非常に快調になった。今までのことが嘘のようになった。燃費もコンスタントに25km/litを記録している。ファイナルの駆動系統は6年間持っている。チェーンが揺れてチェーンガードに当たるような横揺れもない。ライディングポジションのみシートが不満である。このことだけが気がかりといった具合。
 快調になったSRに乗っていると、苦労して行ってきたことがはたして良かったかどうか、ということが再び持ち上がってくる。Sick'n SRと題して数々の実験を行ってきた。こことここはこうやった方がいい、としながら、多くのことが外れた。理由は簡単なこと、それは「VMキャブ」にある。XT500から連綿と続いたこの形式を打ち破ったときに、本来は別の方法で対処しておくべきだったのではないか、と感じるのである。エンジン関係で顕著なのはホワイトブロスのスーパートラップエキゾーストシステムであろうか。
 もう一点は500ccは無視されたことにある。500を主に開発されたものは400にはフィットしよい。逆はおそらくダメだろう。何がどう違う、といっても500に乗っていただかなくては、ここでいくら修飾して報告してもダメである。おそらく1990年当時以降、近年になるまで免許制度の関係、道路環境などから500は過去を踏襲してきたのではないだろうか。このことが500はダメと烙印を押すのではないことは賢明なSRフリークにはお分かりであろう。
 2002年8月、ようやくSR500を見据えることが出来るようになった。不思議なことだが、何から何までストックの状態に戻したときから始まる。僕のSR500はすでに25000kmを越えている。市内などちょこまかした走行は一切行っていない。少なくとも30km以上は走行するようにしている。保管状態なども車体カバーをかけているだけの野外保管だ。一般の方々と同じ状態であろうと思う。
 何度も繰り返すが、ストックの状態では一切走らない。本当に走らない。400よりも走らない。万人が認める事実だ。VMキャブの時代はもっと走った。BSTの負圧キャブになってからそれ以上に走らなくなった。
 チープシックは排気系統をまず触る。ここから僕の苦悩が始まったんだ。マフラーエンドに穴を開け、ホワイトブロスのスーパートラップに交換し、キャブレターを触り、と多くの方がやることを行ってきた。一定成果は出た。キャブレター内部を触り、エンブレの時のパッパッパパンという音が出なければそれなりのパフォーマンスは示したしよく走るようになった。しかし、乗りたくないという、どこと無く嫌気がさしてしまう。
 リモーションのマフラーに交換してマフラー容量について散々学ばされた。これが元に戻すきっかけになった。
 元に戻してすぐさま走らないSR500が戻ってきたが、200kmも走ればやや走る、というか、走る兆しが見えてきたのだ。不思議な一瞬がやってくる。それが以前に出したあの日の走行だ。とにかく上が頭打ちになったような感じがする。それ以外は全く良好なんだ。
 そこで考えを巡らせて出した結論が、キャブレターの私的改造だ。これで多くの場合は救われる。崇徳の状態で乗っていらっしたら、このちょっとした改造がとんでもない結果をもたらすだろう。
 もう一点は本当に信じられないかもしれないが「マフラーのランニングイン」だ。このランニングインをしないままで抜けが悪いとか、そういったことを鵜呑みにしてマフラー交換されるのではないだろうか。話題は異なるがFCRにキャブ交換してもマフラーはノーマルという組み合わせでもかなりの性能発揮が出来るのである。
 パサパサパサという音がしばらく使用しているとポッポッポポッという音に変わってくるのが分かるはずだ。走行距離で5000kmを越えた辺りか。同時に500ではエキゾーストパイプが若干黄色ががった部分が出てくるはずだ。
 これでストックとは違う走りになってくる。信じられないかもしれないが、3000 〜4000回転ぐらいの力強さとスムースさは400の比ではない。
 キャブレターの私的改造をどうしてメーカーが行わなかったのか?。ゲスの勘ぐりなら、400が売れなくなっては困ること、それにメーカーが500を称して「力強さとステータス」をかなぐり捨てる結果になるからだ。それほどの走りをする。思い出してほしい。ヤマハはSRXをリリースして主力がそっちへ行くはずだったのだから。
 この辺でしばらくは安心して乗り続けられるだろう。もちろん、この乗り味が嫌で、また改造の道を歩むかもしれない、というのが人の常ではあるが... 。

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