'08 春のBritish Runとその後

 3月初旬、大阪の西森さんからいつもどおりの案内をいただいた。開催場 所は高知県東部奈半利町だ。そこから35km程度徳島よりの場所で以前参加したときを思い出した。あー、あの時はT-140Vだったかな~?。記憶もおぼ ろげだ。
 しかし、同じ国道とはいえ近所から高知までの56号線と、高知からの55号線ではこれだけ違うのか、とえらく失望めいたこと。帰りは距離を稼ごうと山の 中の道を通ったのはいいが、逆に時間がかかったこと。春だし、お遍路さんの多かったことなどは鮮明に覚えている。
 今年はおりしも松山のTRさん、蔵人さんともお知り合いになれたので、この方々にも声をかけておいたが、僕自身は参加直前までT-140Vで行こうか、 SR500で行こうか悩んでいたときであった。
 結局、TRさん、蔵人さんとも参加されず、T-140Vはどうも心もとないため、SR500での参加になってしまった。

 4月4日(土)うす曇の中、9時過ぎに出発。ルートは梼原経由のいつものコース。まじめに考えて一般道がダメなら土佐インターから高知まで高速に乗るか な、と考えていた。このときには、今回のミーティングで素晴らしい出合があろうことは予想だにしなかった。
 服装もめちゃカジュアル。これで往復470km程度走るとはいえヤリスギカナ~、とも思ったが、何しろ左脚のこむら返りから始まった痛みが硬い皮の シューズになるとシフトするたびに痙攣気味になる可能性があったから、ギロファのハイライズ(ハイソックス)を着用しているものの、ジョギングシューズに したまでだ。
 気温が比較的高くなる予想から、トレードマークのリバーシブルのトレーナーは着なかった。ほぼ初夏用の服装で出かけることにした。
 320号線で鬼北町日吉まで走り、右折して須崎までは197号線。いずれも快調に走行できる。3GWの純正マフラーへ再び戻したことによる安定度は申し 分ない。オイルクーラーはオープンのまま。乾式クラッチのみがうるさい。排気音は、いつもより若干大きく聞こえる。パイロットジェットを#2.5大きくし た効果かもしれない。
 が、単純だが昭和シェルだけは給油した途端に走らなくなるのは、これまで経験しているので、ガソリンの銘柄は常に頭に入れておかなければならない。いつ もどおり最低でも20km/L計算だから、高知辺りで給油するといいことが容易に判断できる。



 須崎へ出ても車の流れは通常通りであったので、この時点で高速道は使用せずに行こうと決めた。土佐市から高知へ入って標識どおり進むと...、何とまぁ 高知から山の中へどんどん進んでいく。職員旅行で行ったルートを思い出しながらでもずいぶんと違う。
 途中で地元の方に道を尋ねると、一周しないと出ないとのこと。この原因は帰り道で判るのだが、ともかくその道に沿って市街地を一周して安芸市へ向かう県 道へ出る。そこの交差点で「そうそう、職員旅行で通った道」ということが判明した。
 県道でモービルを6リッター給油。そろそろメシにしないと...、と思いつつ、どうも座って食事をするようなところが少ない。したがって、コンビニでの 食事になる。野市町のローソンで、おにぎりと食事パンという絶妙(?)なコンビネーションの昼食。当然、宴会でのことを見越しての食事というバカげた思い も含まれている。
 不思議だが、前回の道が即座に思い出される。もう少し行くと、こういった風景、というのが見事に蘇るが、この地方も宇和島近辺と同じく、閉店している店 が多い。不況はまだまだ続くのであろうな、と考えてしまう。
 午後3時前に「ホテル奈半利」へ到着する。だ~れも居ない。ホテルの中から従業員の方が覗いてはいるが、早い時間帯だから室戸まで走ることにした。
 平坦な岬だし、ま、スカイラインでも通るか、と引き返す。岬の駐車場でノルゴールを発見。この方はTR-6さんが言ってらした方かな、と思いつつ帰って きた。
 ホテルでは珍しく高知の○○さん。今回はCB92だ。そして西森さんが迎えてくれる。どうやら僕は3番目らしい。実際は1番だけどね。
 ホテル側の気配りは相当なものであった。オートバイを無視するかのような宿泊所が多いが、ここは少々違う。期待が持てそう。○○さんが矢鱈にビールを勧 めるが、これはお断り。
 続いて、先ほどのノルゴールさんが到着。



 このマシンはアーシングをターミナル方式に改造されているのが参考になった。そうそう、この方式はどこかで見た ことがあると思い、頭の中を整理すると、古い「無線と実験」誌で見たその年の優秀賞を得た6550のプッシュプルメインアンプに採用されていた方式であっ た。固定バイアスで、かなりの期間ドライブと調整の繰り返しが必要だったが、僕の持っているU-BROS 3と同じぐらいのものであったことを思い出した。



 ノートンコマンドのTさん一行が到着したあと、部屋へ戻る。部屋はこの英車の集いで知り合った大阪の◇◇さん、一度お遍路さんとして、白装束で、いきな り僕の職場に来られて一瞬びっくりしたこともあった。自転車でも参加される方だが、今回はTR-6での参加である。

 一段落して温泉へ。露天風呂もあるし、なかなかいい塩梅のお風呂であった。宴会までは汗のかきっぱなし、という、これまた凄まじい状況。温泉効果は見事 である。
 家庭の浴槽に入浴剤を入れるのとは月とスッポンだ。やはり、本物はいい。

 宴会は、これまたハプニングの連続であった。座った席が悪かったのかしら、ドロメなど、高知特産のものを遠慮気味に皿に盛っていたのだが、同席者が一度 味を覚えてからは大変。一気になくなってしまい、結局僕が損をしてしまう羽目になってしまった。ま、致し方ないか。
 向かいのお膳で何やら取り出していらっしゃる方を拝見。ほろ酔い加減の僕の頭が急速に逆回転。そう、あの方はウナビリーさんではないか。何と持ってい らっしゃるものは、彼のブログで紹介のあったボールベアリング補正のクラッチハウジングではないか。
 とすると、外のトリトンは彼のものか。花園(村)ではプライマリーはオープンだったしダイナモはジョグの物だったのに、今回はプライマリーがカバーされ ている。何かあったかな?。

 

 ともかく、自己紹介のあと、例のブツを手に取らさせていただいた。回した途端「アッ!」と叫びそうになった。つまり水平方向でスムースに回転するわけだ から、これを垂直方向にするとハウジングのガタはほとんど無視できるのではないか、と考えられるからだ。
 そのハウジング、及び今回のツーリングとその後の件は氏のブログをご覧ください。写真に写っているSR500が私です。腹の出具合は無視のこと(汗)。

 

 続いては、真向かいの大阪から参加のSさん一行のうちのFさん。先般NTTを退職されたらしい。話をしていくうちに宇和島へ来るという話になって、僕も 酔った勢いでOKしてしまった。この時は良かったが、いざその日を迎えるまでと、その後が大変な状況になってしまうことは知る由も無かったが、これは別項 で。
 適当に酔ったところで、バタンキューになってしまった。久々の広い寝床。今の1畳のスペースの寝床とは違い結構。ただし、マクラが...。

ZZZZ・・・。

 翌朝は6時前に起きる。◇◇さんは墓参りに出かけるとのこと。西森さんも◇◇さんもこの地方の出身らしい。徳島に近い高知だから、関西圏域に含まれるの も分るような気がする。
 朝食の前に、参加各車を見る。何とも近代車も多くなったが、なぜかしら新生トライアンフが居ない。僕の知る限りでは数年前の小豆島での時にサンダーバー ド(三気筒)を見たが、そのオーナーが次の年は古いノートンになっていた。その後の動向は知らない。そろそろ、この会にもヒンクレー トライアンフが数台参加してもいいのに...、と感じた。
 朝食後、写真撮影。そして来年もまた...、という感じで9時30分頃にエンジンを始動して帰路に就く。

 朝飯を結構食べたので、腹持ちがいい。安芸市へ入る頃には職場の旅行のルートが見えてきだした。ガソリンが137円から127円近辺になるところ、安芸 市へ入ってコスモを給油した。
 で、高知へ入るルートになったとき、標識どおりに進むと意外なことを発見。国道55号線から56号線へ抜ける道順は標識どおりなのだが、往路で道を間 違った最初の交差点での往路側の標識を見つけ、振り返って確認したとき、道路号線の記載はあるが「安芸・室戸」の文字は発見できなかった。
 僕の見間違いかもしれないが、復路で高知・宇和島及び56号線の記載があるのに、高知市内から来る車へは安芸・室戸の記載はあっても、他の道から高知へ 入って安芸・室戸へ抜ける道に「高知」の記載はあるものの、主要交差点手前で安芸・室戸の記載が無いのは片手落ちではないだろうか、と感じた次第。

 11時過ぎ、葉山のいつも止まる道の駅では、何と職場の面々に対面。今から高知へ行くそうだ。僕自身結構なペースで走ってきた。ここから2時間。帰って 昼飯を食うとしても時間が中途半端になるため、少し早いがここで地鶏を使った鳥飯での昼食とした。
 道路を渡って向かいの藤棚の下で食べるのだが、右手を見ながら、ふと、息子が小さいときに、この曲がりくねった茶畑の中の道を通って高知での四国自動二 輪交友会へ出かけていたんだな、と思い出した。高知特有かもしれないが、粉砕砂利の多い白いアスファルトの道も最近は少なくなってしまった。

 12時前に出発。梼原の雲の上ホテルを過ぎると走りなれた鬼北路に入る。全く飛ばす気分など起きない。SR500のポジションが少しばかりフィットしな い。もう少し煮詰めたいが、シートとハンドルバーの組み合わせからすると、どこを我慢するか、大いなる問題だ。今のところはハンドルバーだろうけど、少し アップさせると、MAGURAの油圧クラッチのホース長が不足する。痛し痒しの状態になるのは目に見えているが、今の状態ならノーマルより少し低い高さの シートをチョイスすべきかもしれない。これがまた少ないんだよな。
 午後3時前に到着。荷物を解きつつ、再びSR500への改善点を見つけた。その一つがプラグコード。これはツインコア付けてるけど、点火コイルをスー パーサンダーに変更しようかな、ということを考え付いた。この件はノーマルの状態でも判りはしない。希薄燃焼を少し抑えた吸入側とノーマルの排気側を備え て長年乗っていらっしゃる方ならお分かりになるのではないだろうか。近々西予のT君宅でハンダ盛をやっていただくことにしよう。

 丸穂温泉へ行って一服。昨日と同じことを、ほぼ同じ時間にやっている自分がおかしく思えてきだした。久々にいい出会いのあった2日間。その夜のこと、そ ろそろT-140Vのエンジンをオーバーホールすべきときに来たのかもしれない、と思った。同時に何かが大きく回り始めたようにも感じた。
 数日後、Fさんから予告どおり4月22日に来宇するとの通知を受取る。ようこそ宇和島へ、との思いを打ちのめされる大きい波が23日から来ようとは、全 く予知できなかったのであった。




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