エアフィルターの考察
 現在SUDCO MIKUNIに付属していたエアフィルターをトライアンフT-140Vに装着している。なかなかいい状態だ。もちろん、K&Nに準じてメンテナンスしているのは言うまでもない。以前、リプレース用にK&Nのテーパー型のエアフィルターを紹介したことがあったが、この製品もなかなかいい。インマニの一件が解決したので、日常の使用に関して現在テスト中だ。いずれ、形状なども考慮して以下の面積などの件もあるので、総合してK&Nのフィルターについては報告したい。
 押し売りみたいだが、ヤマハのエアクリーナーボックスを大きくしてチャンバー効果を持たせる方法も考えられないではないが、T-140Vのオリジナルメッシュフィルターは表面積を平面にして140cFとなる。同様の方法で算出するとSUDCO MIKUNIに付属していたのは78.5cFとなる。K&Nのテーパーは187.92cFとなる。いずれも蛇腹のフィルターだから、もっと大きい数字になることには違いない。
 K&Nのテーパーのものを装着したときは、その空気抵抗の少なさにびっくりするとともに、これは空気の流入量が多すぎてジェットのセッティングが難しい、と感じた。しかし考えようによっては、それほど装着時に柄が大きいものでもない、と言うことに気づくはずだ。なのに効率の良さはどこから来るのだろうか。

 そういったところで、空気自体が入ってくる道はどうだろう、と考えてみた。オリジナルはわずかに15cFの空気通路断面しかない。SUDCO MIKUNIのは3cm幅で周囲39.25cm、K&Bのテーパーに至ってはおよそ9cm幅で周囲20.68cmを占める。かなりのスペースから空気が内径52mmほどのキャブレターに入り込むのである。ここが重要だ。
 おまけにオリジナルでは大容量のエアクリーナーボックスが備わっている。ここで蓄えられた空気がキャブレターの中にはいるのだから、単純にエアフィルターに置き換えとはならないのである。これに段差などを付けて見かけのエアクリーナーボックス容量を上げてチャンバー効果をねらっているのがヤマハのやり方である。一度ボックスをはずされてみれば、お分かりになると思うが、取り外してセッティングしてメリハリのついたエンジンフィーリングに対して、どの回転領域でもスムースさはもちろん、速さも燃費も、当然フィーリングも良好で、一切過不足無く一定の空気入量を確保し、混合気の流速も考慮してあるようなエンジンになっているのである。
 そんなことは分かっている、と言われる方もいらっしゃるのも事実だ。しかし、キャブレターより後、エンジンの吸入バルブまでの混合気の流速とか量など、完璧に把握できるほど、アマチュアは行っていないはずだ。ましてや排気がともなうのであれば、トータルとしての経験によるセッティングが多くの面を占めるようになるのは明白だ。それゆえ、僕はリプレースとしてエアクリーナー部分をエアフィルターに変更する場合は空気の流入する部分に注目すべきではないか、と考えたんだ。ここの改造は2000年9月号の何かの雑誌に出ていた。
 現状のT-140Vではインマニのチューニングはほぼ完成している。かなり効果が高い。「大きく」ではない。能率として高い。そのためにインマニで少し絞っているから、キャブの前でも少し空気の吸入量を少なくしてやればいい。そうなると、K&Nでは太鼓型のものでは幅5cmのものがある。3cmのものもあるが、キャブへの取り付けオフセットがない。5cmのものを取り付けると、650モデルのエアクリーナーによく似てくる。これが今のところリプレースとしての候補だ。前述の計算方法によると面積は157cFになる。それでも幅が狭いために通常の円筒形のものよりは効率は落ちることになるが、SUDCO MIKUNIの2倍以上の広さがあるのは確かだ。これがどういった結果になるか、今後装着してみてのことになるが、いずれ確認をしてみたい。簡単なようで、意外に難しいものだ。考えようによってはマフラー以上に難しそうだ。何しろ見えない空気を操るのだから。

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