K&N パワーフィルターオイルについて
連日の猛暑、おかしな動きの台風に苛まれた2004年の夏、7月末にT
-140VのSUDCO
MIKUNIに装着していたパワーフィルターの形状をテーパーラウンドからストレートラウンドに変更し、おかしい天候の中、テストに最適な日時を選んで
キャブレターセッティングを行っていたところであった。
8月初旬、スタートがいつもの「ウッウウ〜」になって、ストール気味となり、加速すると再び2段ロケットに点火の状態になって来始めた。数日前まで快調
であったものか、どうしてそうなるの?、と原因の分からぬままになっていた。
このことは別項で報告しているキャブレターセッティングが影響していたのだが、意外にも、良質の空気とするフィルターのことと、フィルターオイルのこと
に関しては、関係の雑誌など見ても、どうも詳しく触れられていない。
以下は僕流の考察として気にとめていえもらえれば... 、という程度のものである。
8月8日、朝から好天で国道56号線の清掃作業に出かけるため、午前6時過ぎにエンジンを始動、5分ほどのウォーミングアップの後、スタート。な、何
と、スムースに加速しないではないか。ずいぶんと悩んだ症状が再び出ている。最初の10km程度は走れたものではない。
1時間程度の清掃作業を終えて、すこし走ってみよう、とエンジン始動。スムースじゃん。朝は何だったんだろうか。またしても疑問の渦に巻き込まれたのだ
が、ちょいとK&Nのエアフィルターに着目してみることとした。
あまり参考にならないが...
、としたところで、バイカーズステーション誌の古いナンバーを引っ張り出してきて、CB-750FにFCRのキャブを装着して、ドク・須田がセッティング
を出す記事を読み返していた。そこにリプレースメントフィルターのことと、FCRではエアファンネルを基本とするので、フィルター装備時点は若干薄目に
セットすること、と記載があった。
もう一つは、我ながら記憶がいいが、別冊モーターサイクリスト誌に出てい
た浅川さんの記事で、エアフィルターはオイルを塗布しないときの効率が一番いい、とあった。当然といえば当然だが、僕が使用しているT-140V
のSUDCO MIKUNI にフィットさせるには少しばかり疑問が生じてくるのもしかり、というところである。
SUDCO MIKUNI
には薄いパンケーキ型のエアフィルターが同胞されている。これはAMALのコンセントリックとリプレースする際にセッティングの範囲などを統一するように
なっているのであろう。
ところが、どうもこのフィルターではキャブレターを交換した意味合いに乏
しいようにも感じられた。もちろん、K&Nにも同じようなタイプが存在するが、あくまでAMALと1970年までのトライアンフの丸形エアクリー
ナーのリプレースもの、と解釈する。
そういった意味から、当初K&N
のパワーフィルター、しかも足つき性などの点からテーパーラウンドを装着していたのだが、前回報告した通り、効率を最優先することからストレートラウンド
に変更し、それに伴うキャブレターのセッティングを煮詰めてきたところであった。
夕刻、車体カバーを掛けようとしたときであった。フィルターの色が薄らいでいる。一部分濾紙が白く出ている。ファクトリー・プリ・スプレッドのとおり、
メーカー側でオイルが塗布されていたのだが、10日程度で吸入されるものであろうか?。キャブ調整の再にガソリンをかけたことはない。
また、わずかの差だがオイル分の消滅で、空気の流入量がこれほどまで変化するものだろうか?
根本としてのオイル塗布量はどの程度なのだろうか。
左が最初の写真で、右がオイルを再塗布した時の写真である。比較願いたい。(撮影が昼と夜との差、シリンダーフィンのオイル漏れの後があるため、右が以
後の写真であることと、ニュアンスはご理解いただけるのではないだろうか。)
これらのことを想像して判断すべきは、僕のTriumph T-140VとSUDCO MIKUNI VM 32mmにK&N
パワーフィルターのラウンドタイプを開封してそのまま装着したときをリファレンスとして考察してみることにした。
これまで、テーパーラウンドで行ってきたことをベースとすると、
- ファクトリースプレッドのオイルは最低レベルの量でしかない。
- スクイーズボトルからの塗布オイルを数ヒダずつジグザグに塗布してやればいいとなっている。
この状態で、よほどのことがない限り、フィルターが汚れてオイルの赤色が消える頃が清掃時期である。晴雨関係のないストリート走行では、オイルは少ない
よりは若干多いかな、と感じるぐらいでいいのではないだろうか。
今回は汚れはほとんど見受けられないので、そのままの状態でオイルを再塗布して装着してみることとした。
結果から先に申し上げよう。一般人がこのスクイーズボトルからオイルをジグザグにフィルターへ塗布する際、多いかな、と思われるぐらいを必要とすること
が解った。
それよりは、フィルターのヒダへ数滴ずつ落としてやった方がいい。説明書にある、おいる塗布後20分間放置する、とあるのは、最低でも20分間はおいて
おく必要がある、ということだ。
実際にOKとなるのは、フィルター全体を通してワインレッドになるくらいの時間は放置する必要がある。余分なオイルは流れるが、留まっている余分なオイ
ルは取り去る必要がある。
ほぼ均一なワインレッドになったところで、フィルターを立てる。立てた状態で下の方にオイルが下りてくると塗布しすぎ。色むらがあると少なすぎ。つま
り、その中間ぐらいが... 。実際難しい。
ここを明確にするため、一昼夜をかけて行う方法を記載する。たまにはノンビリと作業するのもいいではないか。
- 洗浄方法は、フィルター表面の大きなゴミをフィルターのゴム部分を軽く台に
当てて叩き落とすかブラシで除去する。
- クリーナーをフィルターの内側からスプレーする。もったいないようだが、流
れ落ちるぐらいまで行うこと。
- クリーナー塗布後、10分程度放置し、内側から水をかける。バケツに水を張
るのもいいが、ホースで流した方がいい。決してホースの先っぽを摘んで水を勢いよくかけないこと。
- 水切りにエアーを使ってはならない。あくまで自然換装させる。
ドライヤーなどを使ってはならない。フィルターのガーゼ部分を壊すような行為をしてはならないのだ。
スクイーズボトルからオイルを塗布するか、スプレータイプのオイルはスプレーをする。
方法は、説明書によると、スクイーズボトルなら「フィルターのヒダ2〜3に対して、ジグザグに塗布する」とある。僕もこの方法を行った。が、うまく行か
ない。
暫く立てて置いておくと、オイルがジワリ〜っと下りてくる。もっと残っているかもしれない、と体温計を下げる要領でフィルターを軽く振り切ってやると、
飛散したオイルはこのストレートラウンドのフィルターでは5ccほどの損失になる。
考えた末に出した方法は縦方向に5滴程ずつ落としてやる方法だ。
- 新聞紙の上ラップかアルミホイルを敷いたて行って、10分程度ずつ回転させ
てオイルの広がり具合を見る。このときは少々ムラになるが、時間とともに少しずつ色が均一になるはずだ。
- およそ均一になれば、フィルターを立てて30分ほど放置する。
- これでOKのはずだ。それでも塗布しすぎる場合はあるわけだか
ら、立てて放置した時にラバーエンド部分にオイルが溜まれば、やはり塗布しすぎということになる。
非常にアバウトだが、これはフィルター表面から赤色が消え、クリーニング・乾燥・オイル塗布を数回繰り返して調子を覚える必要がある。この点はスプレー
タイプのオイルの方が便利かもしれない。
もう一点、「適量」という言葉に惑わされガチだが、フィルターそのものがクリーンエアをキャブレターに送り込むことを目的にしているのだから、「オイル
が多いかな」、というぐらいにしておいた方が、全てに渡って良好な結果になるように僕は確信している。
K&Nのパワーフィルターはそのくらいアバウトだし、製品そのものも優れているし、丈夫だ。クリーニングとオイル塗布に純正品を使用することを
絶対とすれば、オイルが少々多くてもオートバイとか自動車の性能が著しく低下することは無いのだから。