グラッドストーンのマスターとの会話

 2004年の9月はT-140Vにとっては、なかなかの日々が数多く あった。初旬はオイル交換から、ヤフオクでオイルクーラーの落札。SUDCO MIKUNIのキャブセッティングが佳境に入り出した。
 先月からのタペットチューブのオイル漏れが止まらない件で数カ所問い合わせをしたくって、ま、いつものコベントリーさん、一件落着自体のストーリーさん は別として、T-140を今に生かす方法を採っていらっしゃる浜松のグラッドストーンさんへ電話をしてみた。
 話を始めると出るわ出るわ、まるで、マスターと、もう一人の僕が電話の向こう側でメモを見ながら話を記録しているかのような錯覚を感じてしまうほどの会 話であった。

 話の皮切りはT-140Vと140Eのタペットチューブの違いからであった。僕のはストーリーさんから昔購入したオートレーサー仕様のものが装着されて いる。肉厚が少し厚く、上下は通常の太さで中心部分が細くなっているもので、非常に具合がいい。シリンダーヘッドをはずしてプッシュロッドチューブの交換 後、10年近く持っている。
 もう一つはイギリスのローバックから購入したもので、T-140の'80年前後のモデルのもので丈夫そうだが、ロッカーボックス部分のオイル通路の穴が 少ないタイプだ。両者ともタペットブロックを受けるクランクケース側のOリングが内部に装着するタイプだ。
 で、その手持ちのオイル通過穴の少ないのはT-140Vに使えるかどうか、から話が始まった。まず、これはOKであった。問題はシリンダー部分と接する 角断面のリングの良品がない、とのことであった。
 つまり、つぶされることにより、オイルを止める役割なのだが、熱に対しては弱い、という悩みが解消し切れていない、というもので、絶対にこの角断面のガ スケット(Oリング)はこの製品、というのが見つかっていない、というものであった。
 特に120℃を超えると劣化が始まるから、この熱に対しての耐久性(弾力性保持能力)というものの優れたものが無い、ということであった。
 ウ〜ム、こればかりはどうすることもできない。
 次はキャブレター、これはマスターも僕と同じ考えでSUDCO MIKUNIは2サイクル用の改造品であろうことを指摘していた。テストでFCRを装着したこともあるが、エンジンがブローするのではないか、と思えるほ ど凄まじい変化を呈する、とのことであった。マスター曰く、「キャブレターはなかなかいいものが在野に存在するのでいろいろ試すのはアリですネ」、とのこ とであった。
 この頃になると、もう共通の趣味の中の会話みたいなもので、ブレーキの関係、フロントハブのベアリングの関係、フロントフォークスプリングとリアショッ クの関係、ボイヤーのトランジスタ点火の一件など、冒頭申し上げたように、もう一人の僕がマスターとともに居て、マスターが電話口でしゃべっているのをマ ニュアルなどと照らし合わせて、メモを取っているいるような感覚になってしまったのである。

 実に45分間もしゃべっていた。「直接お会いしたいですね、花園村は?」に対し、「行きますよ」とのこと。「もしもの場合はSRで行きますが... 」には「僕(マスター)のもオイル出てますから... 」という。
 それでは、で電話を切ったが、商売はもちろんだが、そればかりではなく、よりよい、古いトライアンフを今の世の中で使用することに尽力されていることに 対して、非常にうれしさを感じた。



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