SRは快適か

 僕は最近妙なことを感じてならない。というのは気持ちよく走っているSRを巷で見かけないからだ。本来スポーツバイクっていうのは、ストリート走行で安全に速く、確実性をもってライダーを満足させるものではないか、と感じている。オフロードではストリートが地道になるだけの違いだ。もっとも、他人に迷惑をかけてはならない。本人には心地よいエキゾーストノートも人様には不快に感じるのはご存知のとおりだ。そこから派生して、ドレスアップを行ったり、スープアップしたりしてチューニングするわけではないか。
 巷で見かけるSRはどうもそれに欠けるところが多い。ファッション雑誌にしても同様だ。改造マシンってーのも、けっこうすごいのを雑誌で見かけるが、写真は平面でのこと、その走行性とかオーナーのライディングセンスなんてものは、そこからくみ取ることが出来ない。それだけ過激といえがそれまでだが、対性能ってことになると、音が速いマシンだったりするもんだ。
 少なくともSR500/400は非力なマシンだ。そのままでも特性を生かせば確実に生き続ける。世が世であったらSR125のようなビジネスバイクにだってなりうる。現にシックディザインからはそうするようなFRPの製品が出ている。こういったバイクだが、壊れにくいエンジン、簡素なシャシーなど、「もしかしてもっと良くなるのではないか」でSRに接し始める。ごく自然な道だな。ところが、トータルで考えないと大きなしっぺ返しを食らう。特に写真で見たような方法を最初に取り入れると、まず失敗する。
 参考になるかどうか分からないが、僕はライディングポジションから入った。まずはステップを今のフォワードにして、ハンドルを変更。これだけでも実に快適になる。ただし、僕の場合にいいだけで、人様にはお勧めしない。が、現行モデルのステップ位置でそのアルミのステップのままで高速道路を3時間ほど走っていただきたい。おそらく土踏まずの部分がおかしくなっている様な気分にならないだろうか。特にロードモデルのブーツを履くとその感じは一層のものとなるはずだ。そして腰が曲がり、風圧も加わって腹が圧迫される。特に冬は全体におかしい気分になるはずだ。
 当然、シートも変更すべきだろうが、バックステップならいざ知らず、防水性とか僕の体重からしても、現物を見て変更する必要があるから、今のところはストックの状態だ。
 人それぞれだろうが、僕はこういったところから煮詰めてほしい、と思うんだ。どちらかというとSRで4時間ほど乗り続けられないと、その改造は失敗、と感じている。こういったライディングポジションから入っていただいて、ここんとこでぐっと加速して、とかいうことで始めてエンジン、車体、タイヤなどに入っていくべきではないだろうか。
 マフラー変えたらパンパン音が出て困るとかなどの症状に対しては誰も助けてはくれない。自分で書物を読んだり、ショップに問い合わせをしたりして煮詰めていくわけだ。手っ取り早いのがタイヤ交換である。これとて、現在はメトリックサイズが多くて、扁平率から始まって、対リム幅など多くの難題が待っている。しかし、楽しい難題だ。このタイヤにしたらこうなるかもしれない、とか、トルクロッドに干渉しないかなど、財布の中身と相談しながら楽しいひとときである。
 同様に、サスペンション関係も非常に奥が深い。僕はハンドルバーの次はサスペンションをやった。僕の体重でもリヤはポンポンする感じが抜けなかったからだ。いつの時も入手可能、ということからハイパープロの製品を取り付けているが、けっこう感じがいい。タイヤを交換してからは一層感じが良くなっているから、狙いはよかったんではないだろうか。
 どうか、こういったライディングポジションなどのことから入られて、SRの持っているポテンシャルを上げる方向に持っていっていただきたいのが僕の考えである。

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