プラグの一考察

 以前「ケルン石塚」氏のプラグリファイン記事に沿って、僕も実験してある程度の結果を得たことは報告した。
 僕が行ったことで出てきたことが数件あるので、それらに考えを巡らせて報告をしたい。最初にお断りして置くが、あくまで僕に主観が大半だから、この稚拙な報告に、そうではないんだ、とされる方はそう考えて、目通しだけしていただきたい。
 最初にお断りしておくが、今のところ、SRとトライアンフのバイクに装着してみて行った結果だ。自動車とは少々異なる。
 
 さて、ケルン石塚理論で行ったプラグリファイン結果のうち、元からそういった理論付けがされているようなプラグは除いて実験したところ、上手く作動したものと、そうでないものに別れた。上手くいかなかったのは突出タイプのプラグだ。
 この加工は、ノーマルプラグと比べて、L字電極をカットするときに切りすぎると少々マズイ。これを失敗せずに行うにはL字電極を少々起こして、ヤスリで根気よく削り込むか、あるいはリューターで削ってやった方がいいようだ。
 全般を通じて、ノーマル中心電極のものはL字電極を起こさずにカットすることが肝心だ。このL字電極を起こしてカットした場合、元に戻すときは細いドライバーなどを根本に挟んで、これを枕にして注意深くRを付けて戻すことが肝心だ。
 少なくともノーマル中心電極の2/3を覆う長さにL字電極をカットする。それより少ないとオフセットしたとき、中心電極を覆うL字電極の長さが不足する。このことは理由を記さなくてもお分かりだろう。
 
 キャブのニードル改造をSRの項で報告し、その時にプラグ交換を行った。何気なく交換したのだが、どこか気になるところが出てきた。というのも、最初からSRに使用したプラグを残しているからだ。ほぼ3000kmで交換しているので5本ほど良好な焼け具合いのものが手元にある。また、SR500で実験的に使用したBP6ESとW20EP-Uがある。これとBPR6ESとを比較すると、抵抗なしの方が焼け具合がよろしい。
 特に碍子の回りの焼け具合はノーマルプラグの方が断然いい。このことから、どうやら点火系を触っていないのなら、プラグキャップに抵抗入りのものを使い、良質のハイテンションコードを使用し、プラグはノーマルにされた方がいいように感じる。もっともノーマルプラグを探すのが最近では一苦労なのだが。
 
 もう一つはL字電極のカットとオフセットだ。テストのつもりで購入したNGKのグリーンプラグでBPY-6ESというのがある。この電極をよく見ると、心なしかケルン石塚理論に合致した方法を採用してあるように感じる。わずかな差だが僕の目にはそう見えた。
 次はNGKのVXプラグだ。このプラグのL字電極は先端部分の両サイドをカットしてある。スプリットファイアとは違った行き方だが、何らかの対応でこの策を採っているのだろう。この点はデンソーのL字電極に溝を入れたUカットプラグと同じだ。NGKでも中心電極をクロスカットしてあるタイプも存在する。種類からすると相当数の変形プラグが存在する。特にBMWのボクサータイプのエンジンではボッシュのダブル電極を使用している。そのボッシュのプラチナプラグにもユニークなものがある。それは、最近のシャープペンシルのように中心電極を碍子の中に入れ込んだタイプだ。たまたま6番相当があったので購入したが、テストは行っていない。
 タイプが合えばSRにも使ってみたい。おそらくピストンの山が低い国内向けのSR500にはイケルかもしれない。そういえば、WR 426、XJR 1300のピストンヘッドもフラットだったよな。それにXJR 1300はダブルプラグだし、フムフム、デイトナのSR用のダブルプラグ可能ヘッドはこの点に関してどうなんだろうか。案外とヨシムラのSR用のピストンのように山が極端に高いものは、左右から火を飛ばしてやった方が.... 、などど考えを巡らせてしまうのである。
 
 ことオートバイでのことを申し述べたが、最近の多くの自動車にはオートバイでのことがそのまま当てはまらないようだ。というのは、自動車のピストンヘッドはフラットか凹型のものが多いように感じる。一部を除いてオートバイのように盛り上がりのあるものは少ないのではないのではないだろうか。
 逆に自動車のこともオートバイに盛り込むことが必ずしもイケルとは思わない。ケルン石塚理論もレイランドのミニ1000をベースにしている。そのレストアの中での行ったことの報告本から使えそうなものを僕が選んで実験を行っての感想を記したものだ。
 アマチュアの青空工房では燃焼状況などは目に見えない世界だ。そういったことからの経験と勘、頭の中とメモのデータベース。そういったもののトータルでの報告として、500円のプラグを皆さんも注目していいのではないだろうか。並べられたプラグの手前の箱の中身と奥の箱の中身、2個封入パッケージのプラグ、それらの性能が同一とはいえない。あくまでニアイコールの世界なのだ。そこに入れ込むのも、なかなか高尚なことではないだろうか。

[ もどる ]

 
  inserted by FC2 system