SUDCO MIKUNI セッティングの不思議(1)
/// 再びキャブレターに戻って ///

 少しばかりT-140Vの電気関係で足踏みをしてしまいましたが、先に 記載しているとおり、レクチファイアーとレギュレーターの一体になったものに交換し、ずいぶんとよくなったところです。バッテリーが無くなる心配は無く なりましたので、再びキャブレターの項へ戻って追記をすることとします。

 この間までの問題点始動直後の発進などが非常に難しい上に、時としてすべからくバランスが狂い、最終は点火プラグがダメになる、というものでした。こう いった点に対処するために、キャブレターのインマニアダプターを製作して、少しばかり良い方向へ向かった、というところまででした。
 そのときは電気関係も順調だったのですが、2週間ほどエンジンを回さなかったところ、突如電力不足に陥ったところです。シールバッテリーが使い物になら ず、スタンダードタイプに戻してからすぐのことでもあり、2Aで10時間程度充電をしてOKとなりました。
 さて、ここで、パイロットジェットを#32.5へ大きくし、メインジェットは#200に10番落としました。そこから、再びテストを行うこととしていた わけです。そのときに、充電関係がおかしくなってきた、というところで中断でした。

 どうして#32.5にパイロットジェットを上げたか、ということになりますが、このキャブレターではメインジェットとパイロットジェット双方の番手で随 分と変化が出てくること。それに、エアスクリューの戻し回転は1回と1/2回転とすれば過不足なく、戻し回転そのものがどうもおかしい、という結論に至っ たからです。
 そうなると、MIKUNI VM32のストック(単体)のパイロットジェットが#35です。それがSUDCO MIKUNIのキットでは#30でしたから、その前後で、点火プラグの外周のカーボンの付着状態から、#30以上#35未満というテスト結果から、その真 ん中の#32.5にしたわけです。
 そして、点火プラグをBP6ESに変更しました。
 ここからは、例のシステムに変更して直ちに変化したことは何だったのか?。そうなんです。始動直後にもかかわらず、エンジンがアクセル開度に対応するで はありませんか。
 目論見どおり、エンジン始動後、少しばかり暖気をした後の発進が非常に楽になっていたことです。

 あまりのアッケナサのために、点火プラグの時にも前回予定していたテストももちろん、今回も以下のようなテストをやらなければ…、という予定が頭の中か らブッ飛ん でしまったところです。
ちなみにその内容は…、というと、
 いつもどおりのエンジンなら、確実に暖機運転時間が長すぎる。しかも、比較的濃い状況ですから、低回転時にガスを大目に送り込むことはナンセンスではな いか、と思ったところから、
  1. まず、エンジンを始動して、直ちにクラッチの切れを確認する。
  2. 1500回転で2分ほど回して後、1000回転付近で落ち着き、プレップしてもOKなら発進させる。
 この2点に留意することとしていました。

 なぜこういったことを目論んだかと申しますと、カワサキW1のサイトの一つ、「ド ライサンプがくちをきく」になかなか興味ある記事が出ていたからです。
 読んだ当初は納得いかない面もありましたが、ヘッドランプの一件から、どうも我T-140Vにも当てはまることではないか、と感じたからです。
 ヘッドランプ自体もこれまで平気、と思っていた60/55Wのハロゲン球も、現実には通常走行では少しばかり電機を食いすぎるのは事実です。これまでの シールバッテリーがOKだったのは、高速道の走行がしばらく続いた後に、乗らなくなった、ということから起ったことではないか、とも感じ始めたからです。
 もし、このパターンがまかり通るとなれば、電気関係は極力電力消費を一般速度域での発電量に委ねることを旨として、ゆくゆくはウインカーのワット数減、 テールランプのLED化などを講じなければならない、と考えたところです。

 が、本当にいとも簡単にエンジンが回り、発進してアクセル操作に注意すれば十分対応できるまでになっているのです。これには驚きました。

 話を2006年11月3日に戻します。この日、例のユニットを午前中に装着しました。午後から結線し、いつもどおりのエンジン始動で、やおら発進、そし てガソリンを給油して戻ってきた、といったところです。
 その時は気分も良かったため考えにはなかったため、次に移ってしまったのですが、この好調ということが、逆に考えると、これがベースで、ここからキャブ レターを初めとして、様々なセッティングが始まるのではないか、と思ったんです。

 それにしても、これまでのことが頭を過ぎり妙に腹立たしい気分になってきたのも事実です。それはそうでしょう。何しろT-140Vといっても1976年 製造のオートバイですし、すべからく今のオートバイとは随分とかけ離れているのは事実ですから、誰に言っても、こうしてみたら…、とサゼストしいてくれる 人もいないし、サイトなどで解説しているところなども知りません。唯一バイカーズステーション誌 の中村トライアンフが助けではあったのですが、カムなどが私のとは違っていたり、数値として参考になるようなものは無かった。それにこの記事自体も数年前 のもので、私のようなオーナー以外は気にもとめない、というのが本音です。
 そんなところからの試行錯誤、言いわけめいた持論から、私自身もパイロットジェットの設定までは何とか一定ラインを見つけ出しました。それが#32.5 です。
 そして、再び電装系の不調からの休眠。何とまぁ、次々に起きる病気のようで、根本の対処療法、あるいは、それぞれの症状に対しての的確な対策方法が無い ものか、とまで考えてしまいました。

 2006年10月20日、21日両日、花園村で開催された英車の集いで、参加者の松山さんからSUDCO MIKUNIのセッティングをもしも聞かなければ、今頃は泥沼から抜け出られないことになっていたのではないか、と感じたところです。その内容は次のよう なものです。

 高速で ナ、100km/hで走ってるやんか、そこでバッとアクセル開けるとワワワ~と、エンジン止まるんヤ~。
 オートバイ屋持って行くと、メインジェット上げるんやネ〜。これでエエ場合も確かにあるけど、大半は余計におかしゅうなるんや。で、#300以上にも なっ てしも〜てナ... 。
 お前、間違うとるんやナイケ~?。と言うたんやけどな、それでも、そいつあきらめへんネ~。とうとう信じられんような番手(#350近く)にまで上げて も良うならへんか ら、その#300辺から落としていったんや。
 ほしたらな、俄然調子が良うなって、もう、ギリギリんとこまでやったけど、今は#260で落ちついとるワ。

 「僕のも、暖気後すぐに走るとき、アクセル開けるとウウ~っとストールするんで すが、このせいでしょうかね?。」

 そうやな、下げる方向でやってみーや。多分うまくいくワ~。

 私は相当うれしかったです。聞いたとき「まさか?」と思いましたが、松山さんでも私と同じ経験をして、逆の方向でのテストをやってらっしたんだ。帰った ら、早速やってみよう、と感じたところです。
 で、まずはエンジンが回らなければ話にならないわけですから、最初に電装系から変更した後、あまりのアッケナサでエンジンが始動しました。いよいよ、こ こからがテストで、11月3日の午後のテストになるわけで す。

2006年11月3日
 信じられないようなことが実際起こりました。午後の一様のテストを終えました。
 このときのテストで判ったのは、若干長めの半クラッチと高回転を要求される、ということでした。それでも、これまでのレーシングマシン並みの回転数は影 を潜めています。
 その他は、のんびりも、ある程度の速さも、以前と違い凄まじい変化のうちに難なくこなせるように変身したのです。#35のパイロットジェットでは若干も たつきがありました。#30では一層の高回転を要求されるのは間違いありません。
 もちろん、メインジェットなども影響していると思いますが、中間の#32.5でこの程度です。「この程度」を過不足ないものとして、パイロットジェット は#32.5とすることとしました。
 秋の陽はつるべ落としですので、本日のテストはこれで終了し、翌日、メインジェットを#190にして走行してみることとしました。
 そうそう、その日の午前中はSR500のOMC製のシートをいじるため、テストは午後から、と決めました。

2006年11月4日
 連日の快晴で気分が良くなりますが、気温の高いのにはいささか閉口します。午前中のSR500のシート改善はなかなか良い結果を得ました。残念ながら シート皮とスポンジの間に気泡が入っていますが、これを取り除くには、目に見えないような針穴を開けるかしなければ無理なところです。あるいは、シート ベースに穴を開けるか、というところでしょう。
 このことは別項に記載することとします。

 どん兵衛と稲荷寿司の昼食後、なんでも鑑定団(ご当地は2週間遅れみたい)を見て、メインジェットを#190に変更します。それにしても暑いですね。 11月というのに気温が25℃も あるのですから…。
 ま、一応の服装で走ることとします。といっても半袖のワイシャツにコミネのウインドブレーカーという装備ですがね... 。万一のためBP6ESの点火プラグを持参することとしました。
 セオリーどおりチョークをオンにしてキックを2~3回踏んだ後、チョークをはずして、キーをオン。キック一発、パチン!。エンジンがかかりましたが、何 と何と、同時点火を忘れていました。
 以前ですと、その後の始動に手間取ったのですが、もうその心配はありません。難なく始動します。
 レレ~?。アクセル操作は相変わらずですが、結構ツキが良くなっています。メインジェットの番手をわずか#10ダウンしただけですが、違いは結構あるも のです。クラッチの貼り付きを解 除して暖気を3分程度行い、発進します。トラウマではありませんが、止まる可能性も無きにしも非ずですから裏道を走ります。途中から国道56号線へ入れ て、いつものテストコースを走ることとします。
 務田の坂までは三間でのコスモス祭りへ行く自動車が多く、どうも走りの内容確認ができません。が、5速への入りが悪い以外、ストレスを感じる走りは一切 出ません。
 三間街道を鬼北へ走ります。平坦路を60km/h前後で走るのですが、若干モーターの回転みたいなスムースさが出るため、この点が気がかりです。
 広見中学へ出る交差点でアイドリングが低いかな?、と思いつつタコメーター見ると1000回転を保っているではないですか。気抜けしてしまいます。
 次なる須賀川ダムまでの道は若干の登りもありますが、総じてスムース。今度は逆に、登りでの一発ずつのパンチが感じられません。
 下りではエンブレも十分ですが、フロントブレーキの効きが悪いことと、フロントフォークの動きが渋いなど、今までは気にも留めなかったことが出てきまし た。
 ま、メインジェットだけ変更したのみのテストは成功したのではないか、と考えます。

 それでは、気温が下がった状態ではどうなんだ?。と、11月9日午後4時より休暇をとって、再びテストを開始します。
 今回の始動はセオリーどおりですが、圧縮がかかるところで、キーをオンにします。パチンは嫌ですからね。見事に一発で始動。
 あわてていたためか、暖気を2分程度で発進しました。光満街道の分岐点までは、若干ストール気味になるんです。それ以降はこういったことがなくなります から、4分程度の暖気が必要だ、ということでしょうか。
 夕暮れが迫ると同時に、外気温が下がってきます。今回はウインドブレーカーの下が長袖のワイシャツですが、少々寒い風を感じます。
 発進してわずかな時間での若干のストール気味になること以外、大半は4日のテストと同じ結果で終わりました。



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